アズリールになったので自分に正直に生きます   作:ミレニア

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歯車は狂い出す

 

 

 

「そろそろ帰るかにゃ?」

 

「そうですね…帰りましょうか」

 

「それじゃあ、転移s「先輩」何にゃ?」

 

「その…話ながら…帰りませんか?」

 

ジブリールは少し顔を赤らめて。

 

「(ぐはぁ…な、なんて子にゃ…。

危うく理性が飛ぶとこだったにゃ…)

ジブちゃんの頼みは絶対にゃ!

早速飛んでいくにゃ!」

 

 

 

 

 

 

長い道のりの帰り道。

ふたりの少女の楽しげの会話。

ジブリールは初めて感じた“感動“を。

アズリールは、嬉しそうでよかったにゃ、と思いながら返事をする。

 

 

 

 

 

 

 

 

だが、会話に気を取られ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

完全に油断しきっていたふたり。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その空気を最悪に変えたのは遅くなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

突如現れた、巨人種。

 

いつの間に近づかれたのか、拳の攻撃にジブリールは反応は出来たが回避が間に合わずに、食らい、飛ばされる。

 

「ジ、ジブちゃん!」

 

すぐさまアズリールがジブリールを転移させる為、近づく。

 

が………。

 

 

 

「あがっ!?」

 

いきなり目の前に現れたもう一匹の巨人種に攻撃され、天高く飛ばされる。

 

 

モロに食らったとはいえ、何とか動けるジブリール、転移で退避しようとするが巨人種が足で踏みつけ、阻止する。

 

「があぁっ…!ぐ……ぅうう…!」

 

どうにか耐えてはいるものの、流石に巨人種の数十トンもある体重をずっと受けていられるなんてジブリールでも無理だ。

 

「っ!貴様ァァァ!!」

 

激怒したアズリールが攻撃を開始する。

巨人種の上半身を囲む程の魔法量で攻撃し、体制を崩し少し苦戦する。

だが、アズリールの方が圧倒的不利に違いない。

相手は天翼種より上位種、しかも2体。

苦戦を強いられるのは必然。

一体を遠ざける事に成功し、ジブリールに近寄る。

 

「大丈夫!?ジブちゃん!(まず、転移で戻ってジブちゃんを回復させる…そしたら後で絶対に殺す!)」

 

何とか意識を保つジブリールを抱えて空間転移しようとするが、もう一体に邪魔をされる。

 

「邪魔、する、なぁぁ!」

 

上空に飛んで安全に転移したくとも、向かってる途中にやられるリスクが高い。

どうにか避けながら転移出来る隙を探る。

その事に集中していた為、2体目がいつの間にかいないことに気づけなかった。

そして巨人種が背後に現れ。

 

「!?しまっ……」

 

巨人種の攻撃が繰り出され、アズリールはモロにくらい、ふたり共吹っ飛ばされ、何度も地面に叩きつけられる。

 

「うっ…ぐぅっ…ジブ…ちゃん」

 

「先輩…だけでも…逃げて…ください…」

 

「何を…言ってるにゃ…そんな事…絶対にしない…!」

(吹っ飛ばされたおかげであいつらも直ぐには来ないはず…ぐっ…今…近寄れれば…転移出来るはず…!)

 

アズリールは二体目の巨人種の攻撃を顎から喰らい、視界が揺れ、ふらつく。

ジブリールは巨人種の体重で押し潰されたせいで身体が思うように動かない。

 

「はぁ…今…転移…する…!」

 

あと少しで転移出来る。

だが、あとちょっとで逃げれる系のフラグとはどの世界でも同じである。

 

 

 

 

 

 

 

「………にゃ………!?」

 

決まって敵がやってくるのだから…。

 

背景から突如現れた三体目の巨人種に戸惑いを隠せない。

ふたりは、蹴られ。

 

「ぐがっ…!」

 

飛ばされ、岩に激突する。

 

「がっはぁぁ……げほっごほっ…はぁ…はぁ…」

 

(何で…さっきまでいなかった………………まさか……吸血種を……使っている……?)

 

吸血種。

隠密と幻惑に長けており、大戦時は天翼種を欺ける程の魔法を使い、最悪の暗殺者として知られていた。

 

ならあの巨人種が見えないのも納得出来る、だが、見えない相手にどうやって…、そんな考えを巡らせるがすぐさま中断させることになる。

 

意識が朦朧とする中。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ジブリールが動かない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ジブ……ちゃん?ジブちゃん…!」

 

まさか…。

 

(違う、違う!そんなはずない!気を失ってるだけだから…!)

 

見えない敵に…?だったら、消える前に消すだけ、あの巨体を全て隠すには時間がかかるはず、なら。

 

「………“天撃“………」

 

殺すだけ。

 

神の兵器として作られ、ひとつひとつの戦闘行為に名前を付けない天翼種が唯一名前を付けた技。

 

 

その威力は絶大。

 

 

 

だが代償も大きい。

 

 

 

 

巨人種を一匹消し去る事が出来た。

 

精霊の過剰使用により、幼い姿になったアズリール、普通ならこれ以上は何も出来ない。

 

「はぁ……はぁ………“天撃“………!」

 

二匹目。

普通なら2発目など撃たない。

基本1発で終わる為、撃つ必要が無いから。

もうひとつは、そんな事をすれば死ぬ確率はぐんと上がる。

 

「がぁぁっ…!はぁぁぁ…はぁぁぁ!………“天…撃“………!!」

 

そして、殲滅。

3発も撃てば普通死んでいてもおかしくない。

 

(ジブちゃん…ジブちゃん………ジブリール…!)

 

意識を保つ事さえ不可能に近いにも関わらず歩く。

 

「きっと大丈夫…!ジブちゃん……ジブちゃん……ごめんね………守れなくて……お願い…起きて」

 

ジブリールを揺らしながら。

 

「目…覚ますにゃ…お願いだから…起きるにゃ……」

 

「……先輩」

 

「よかったにゃ…!起きて…くれたにゃ」

 

「何故…逃げなかったの…ですか…」

 

「うちが妹置いて逃げるわけ……ないにゃ」

 

「…どうやって…天撃を……3発も………普通…死んでいても…おかしく……ないです」

 

「……見てたのにゃ……ジブちゃん……うちは死なない……だけど、代償を…うちの宝物に……変えたにゃ…だから、少しお別れにゃ。

(にゃはは…当分うちののんびりは…お預け…だね──)」

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