東方崩壊伝   作:パッパ

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大妖精が大きくキャラ崩壊しました。


大きな妖精さん

「なぁ、大妖精」

 

「なんでしょうか?」

 

「俺は確かにチルノを戦わせるって言ったけどよぉ?」

 

森の茂みに隠れている皇甫と大妖精。その目の前では

 

「アタイ絶好調!行くよっ!凍符 パーフェクトフリーズ!」

 

「ちょっ、危なっ!なんで妖精程度がこんな密度の高い弾幕を撃ってくるのよ!」

 

「何も考えていない雑な弾幕だがっ!密度とスピードが段違いだぜ...あっ」ピチューン

 

「魔理沙ぁ!?」

 

チルノという氷の妖精に苦戦をしている巫女と、既にピチュった哀れな魔法使いがいた。

 

「なんであんなに強いんですかねぇ?」

 

「さぁ?何故でしょうかね」

 

「すっとぼけんな!お前の仕業だろうが!」

 

大きな妖精と書いて大妖精。

安直な名前過ぎて絶対に偽名だ。しかし本人は名前を教えてはくれない。結構長い付き合いだしそれなりに仲がいいと思っているがどうやら勘違いのようだ泣きそう。

 

「なんの事でしょうか?ふふふっ」

 

大妖精の能力は妖精を強化する事。自分が強化されるわけでは無いらしい。強化の力は凄まじく、幅広い。能力から体格まで強化させる事が出来る。

しかし知能まではどうやら無理なようで...

 

「あっ!空飛ぶお菓子!」

 

「えっどこどこ?」

 

霊夢はチルノの背後を指差しそう叫ぶとチルノは霊夢に対して完全に背を向けお菓子を探し始めた。すると霊夢はニヤリと笑いチルノへと近づきながらスペルカードを発動させた。

 

「かかったわね!霊符 夢想封印」

 

「お菓子はどこだ...キャッ!」ピチューン

 

「ああまったく、冷えてきちゃったわ」

 

「じゃあ皇甫に温めて貰わないとな!」

 

両手で抱くように腕を摩る霊夢をいつの間にか横にいた魔理沙が茶化す。しかし、その茶化しをものともせずカウンターを放つ霊夢。

 

「あんただって冷えたでしょ?霖之助さんに温めて貰わないと」

 

「なっ、ななななんでそこでこここっ、こここ香霖が出てくるんだよ!関係ないだろ!」

 

顔を真っ赤にして手脚をバタバタとさせる魔理沙。口では否定しても身体は正直なようだ。

 

「はいはい。ってか、あんたピチュった後サボってたでしょ?」

 

「いやいや、サボってなんかないぜ?体力を温存させてたんだ」

 

「はぁ...さっさと行くわよ」

 

「あいあいさー!」

 

「そういえば霖之助があんたの事可愛いって言ってたわよ。」

 

「★■※@▼●∀っ!?」

 

そうやって仲良さげに去っていく2人。よしっ、次は紅魔館の門だ。

 

「よし、んじゃ。追っかけるか!」

 

「あれ?もう、行ってしまわれるのですか?」

 

可愛らしいコロコロとした声と上目遣いにKOされそうになったがなんとか耐えた。なんだろう。父性を刺激される。

 

「あ、ああ。俺はあいつらを見届けねばならんのでね」

 

「皇甫さん...あの...私もついて行ってはいけないのでしょうか?」

 

大妖精を?あのドラキュラ城に?危険すぎまっせ!

 

「いくら一回休みになるだけだからといっても危険だからやめたほうがいい」

 

「そう...ですか...」

 

腰を上げ走り出そうとする皇甫を呼び止め、悲しそうな目をする大妖精。どれだけ落ち着いていてもやっぱり妖精なんだなとつい笑みが溢れてしまう。

 

「そんな寂しそうな顔すんなって!今度チルノと一緒に遊んでやるから!」

 

「2人きりじゃ...駄目...ですか?」

 

皇甫の服を掴み、上目遣いでお願いをする大妖精。

確かにチルノと2人で遊ぶ事は良くあるが大妖精と2人で遊ぶ事は滅多に無い。なるほど、これは子供特有の強い独占欲というやつだろう。大妖精も意外と子供っぽい所があるんだな。まぁ、妖精だしな。

 

「別に構わないが...んじゃ、またな!」

 

「ええ...また」

 

そう言って霊夢達が向かった方向へ走り去っていく皇甫。その遠くなっていく後ろ姿を大妖精は手を振り見送った。

皇甫の姿が見えなくなると降っていた手を下げ、その場から立ち去ろうとしたその時。目の前の空間が裂け、中から胡散臭いBB...美少女ゆかりんが現れた。しかし大妖精はそれに驚く事も無く、スキマから現れた紫を睨み付けた。

 

「何のようですか?」

 

「いや?別に?ただ変わったなーって」

 

「そりゃ変わりますよ。何年経ってると思ってるんですか」

 

「でも、まさか性別を変えるとは思ってなかったわ。妖精王さん」

 

そう言うと大妖精は大きなため息を吐き、先程喋っていた声色とは違う、圧のある、低めの声で話し出した。

 

「はぁ...私は妖精であり魔術師だ。性別を変える事など容易い」

 

「妻も息子も居たのに?」

 

「はっ、ああ。皇甫と出逢った時から私の全てが音を立てて崩れていったよ。妻への愛も、息子への愛も、皇甫への愛には遠く及ばなかった。比べる事すら烏滸がましい程だ。私は彼が愛しくて愛しくて堪らない。狂ってしまいそうだ。いや、もう狂ってしまったのだろう。家族も国も、そして自分自身さえもたった1人の男に捧げたのだから。でも、後悔はしていない。何故ならこんな狂ってしまった私を彼は優しく受けとめてくれたんだ!ああ、なんて私は幸せ者なのだろう。私は彼が望む事だったらなんでもするよ!例えば...この幻想郷を壊す事でもね」

 

「!?」

 

今、この妖精は何と言ったのか。幻想郷を壊す?私が作ったこの世界を?人間と妖怪が共存する事を願い作ったこの世界を?そんな事はさせない。しかし彼女?は特別な妖精だ。森羅万象に結び付きが強すぎる。殺してもすぐに生き返るだろう。殺し切るにはここら全てを無にしなければならない。つまり殺し切る事はほぼ不可能に近い。何処かに隔離するのが最善か。

 

「待て待て、勿論彼がそんな事を思う筈無い。そうだろう?我が友、八雲紫よ」

 

確かにそうだ、皇甫がそれを望まない限り彼女が動く事はないのだ。彼女の事だ。嘘をつく事はないだろう。もしも嘘だとしても皇甫に頼んで止めてもらおう。大丈夫、彼女はそれで止まる。何故ならルーミアと同じ、溺れている眼をしているから。

 

「え、ええ。そうでしょうね」

 

「ああ、今宵は良い日だ!皇甫と喋る事が出来た!どうだ?一杯」

 

大妖精は右手の人差し指を曲げ、口の近くでくいっと傾けるジェスチャーをする。とても魅力的な誘いだったが、紫には皇甫を見守るという仕事があった。

 

「お断りさせていただくわ。私はまだ皇甫を追っかけなくちゃいけないの」

 

「私も行きたいのですが、皇甫さんから来るなと言われてしまっているので」

 

「うえっ、相変わらず気持ち悪いわねその喋り方!ぺっ!べっ!」

 

「ふふっ、お褒めに預かり恐縮です」

 

「褒めてないんだけど...お酒は今度一緒に飲みましょう?またね、オベロン」

 

「いつも言っていますがその名前で呼ばないで下さい。ここに居るのはただの妖精なんですから」

 

「ああ、ごめんなさい。大きな態度の妖精さん」

 

「はっ、いつか一杯やろう。大きな歪みの賢き者よ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃霊夢と魔理沙は紅魔館の門番と呑気にお喋りをしていた。

 

「あ、どうも初めまして。紅美鈴と言います」

 

「あ、どうも。初めましてですわ」

 

「魔理沙、その口調気持ち悪いわ。そんで?貴女、何者?」

 

「簡単に言うと、ここの門の番人をしている普通の人よ」

 

「成る程普通の人か。じゃあここで成敗するぜ!」

 

「「あんた、どういう教育受けたのよ!」」

 

「見敵必殺だぜ!」

 

「くそ、背水の陣だ!」

 

「あんた1人で陣なのか?」

 

「細かい事はいいんです!行きますよ!」

 

 

「虹符 彩虹の風鈴!」

 

 

美鈴がスペルカードを宣言すると霊夢達に向かって虹色の弾幕が放たれた。そして、2人は美鈴の弾幕を避けている時にふと気が付いた。

 

 

「「あれ?さっきの妖精の方が強くない?」」

 

 




大妖精がこんなんになってしまったけどまぁ、ええやろ。
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