ナメック星、そこは豊かな自然と水に恵まれたのどかな惑星。
そこに住むナメック星人は宇宙の中でも屈指の穏やかな性格である。
しかしそれも彼らが来たことでその性格が仇となる。
「貴様らの残りのドラゴンボールのありか。この俺に寄越せ。」
ナメック星のある村。
そこは既にクウラ軍により地獄絵図となっていた。
既に多くの村人がクウラの部下であるクウラ機甲戦隊により犠牲となり
残ったナメック星人は村にいた村長と僅かに残された子ども達のみ。
途中、戦闘タイプのナメック星人が駆けつけたものの焼け石に水。
圧倒的な力の差の前に血の海に沈んだ。
村長の背後にはナメック星人の子供であるデンデとカルゴが恐怖
に身を震わせていた。
だが、気を感じる事が出来る村長はクウラの放つ悪の気から
渡せばこの星どころかこの宇宙すら災悪に飲み込まれる事を正しく認識していた。
「断る!!」
故に自らの命を投げ捨てても、子どもの命とドラゴンボールだけは
守り通す決断をし、クウラに啖呵をきる。
「…ふん。」
その直後、村長の頬を光線がかすり
背後にいたカルゴの心臓を貫く。
カルゴは灼き焦げる痛みに絶叫を上げそのまま目の光が失われた。
「そら。これで1人目。次は隣の餓鬼だ。さっさと渡せばそのゴミの
ようにせずに苦しまず殺してやろう。」
クウラは笑う事もせず、唯簡潔にその事を告げる。
その後ろの高い崖で身を伏せその光景を見ている者がいた。
地球からベジータ達に殺された人達を蘇らせるためにやってきた
クリリンと悟飯である。
クリリンはナメック星人の命をどんどん奪っていくのに怒りを覚えていたが
実力の差をみて何も出来ない自分を呪っていた。
悟飯はその光景をみて身を焦がすような怒りを覚えて今にも飛び出しそうに
なっていた。
「あ、アイツら……命をなんだと思ってるんだ…!!」
「ぐぎぎ……!!!」
「よせ、悟飯…!俺たちじゃアイツらには敵わない!」
身を震わす悟飯を何とか諌めようとするクリリンだったが
「死ね。」
デンデに向け撃とうとしているクウラを見た悟飯の怒りが爆発し
そのまま飛び出してしまう。
「やめろーーー!!!」
クウラはその声を聞き振り向き、突然現れた邪魔者を始末せんと
指示を出す。
「何だ、あの餓鬼は。ネイズ、ドーレ!」
「「はっ!」」
ネイズとドーレはその指示を受け、悟飯とクリリンを始末せんと突撃する。
「だぁ!くそっ!!こうなった一か八かだ!!太陽拳!!」
だが、クリリンの放った太陽拳はクウラすら巻き込み
その視界を潰す。
「ぐぁ…この虫ケラがぁ!!」
その隙を突き、悟飯はデンデを掴み
クリリンは村長を掴もうとするが。
「行ってくだされ!…見知らぬ人。デンデを頼みます…!」
村長はそれを拒否、決死の抵抗をせんと
視界を取り戻そうするクウラ達のスカウターを破壊する。
クリリンは村長の覚悟を受け取り、悟飯を連れ全速力で避難する。
「この……!!」
それから少しして視界を取り戻したクウラは
そのまま怒りのまま村長の心臓を光線で破壊。
「追え!追わなければ貴様らも死刑だ!!」
その激昂のまま、失態を演じたネイズとドーレに吐き捨てる。
「「は、はっ!!」」
その威圧に萎縮した2人は全速力で追いかけていく。
「サウザー!貴様は俺と共に一度宇宙船に戻るぞ!急げ!」
「了解しました!」
クウラは村を木っ端微塵に破壊し
既に持っていた4つのドラゴンボールと共にその場を去る。
一方、デンデを引き連れ全速力で逃走していたクリリンと悟飯だったが
実力の差は大きく、ネイズに背後を捉えられる。
「ゲェヘヘェ!!雑魚共が俺たちを撒けると思ったかぁ!!」
「クソォ!!太陽…。」
「おっとぉ…もうその技は使わせねぇぞ。クソ餓鬼め!」
再び太陽拳で視界を潰そうしたクリリンだったが
ネイズの背後にいたドーレに腕を掴まれ封じられる。
「くそぉ!!」
「このまま、腕をへし折ってやる…!!」
ドーレの掴む力がどんどん強くなり、クリリンの腕の骨が痛ましい音を立てていく。
「ぎゃああああ!!!」
「クリリンさぁーーーん!!」
しかし、クリリンの腕が折れる事はなかった。
ドーレの横面に蹴りをいれ、1人の男がクリリンの目の前に立つ。
「……。」
「てめぇ!何者だ!この俺様の顔を蹴りやがって!」
男…タイムパトローラーはクリリンへと視線を向け
直ぐに逃げるように伝える。
クリリンは突然現れた男を警戒したが、気の穏やかさを感じ
タイムパトローラーを味方と判断。
「すまない!ありがとう!行くぞ悟飯!」
「は、はい!誰かわからないけど有難うございます!!」
悟飯と共にその場を離脱する。
「逃すか!!」
ドーレが追わんとするもタイムパトローラーに阻まれ行く事が出来ない。
ならばとネイズが追わんとするが。
「おっと!てめぇの相手はこの俺だ…機甲戦隊のネイズさんよ!」
「なっ…ゲェヘ!!?」
その肩に手を置かれ、振り向いた瞬間に頬に拳がめり込む。
そのダメージにふらついたネイズはその男の正体を見る。
「て、てめぇは…フリーザ様のとこの!?」
♠︎
同時刻。
一つの小型ポッドがナメック星へと着陸する。
中から出てくるのはベジータ。
不老不死の願いを叶えるべく
遂にナメック星での騒乱の渦に飛び込んだのだ。
「ここがナメック星…なんだ!?この気配の数は!?」
ベジータは地球で習得した、気を探る術を使い
ナメック星での気の多さに驚愕する。
「ば、馬鹿な…これはクウラだと!?それに奴の配下も!
フリーザの野郎…ドラゴンボールの情報をリークしやがったな!」
「それと…あの地球人共もいるのか。
…可能性として奴らと組む事も考えなくては…ちっ!」
「それと知らないのが
ベジータは察知した5つの気が自身の周りを囲んでいる事に気づく。
その気は敵対の意思が含まれているのを察知したベジータは
声を荒らげその存在達を挑発する。
「そこにいるのはわかっているぞ!さっさと姿を見せやがれ!」
「なるほど…お前も気を探る事が出来るのかベジータ。」
そして、ベジータの周囲をその5人が囲む。
「ベジータ、俺たちと共に来てもらいたい。」
「何者だ、貴様ら。」
「俺の名はアモンドでっせい。」
「ダイーズ。隣はカカオ。」
「ンダ!」
「「んで俺たちがラカセイとレズンって訳だ。」」
ベジータはその名に覚えがあった。
それは確か、自分と同じサイヤ人に従っていた人物。
「ほう、貴様らがクラッシャー軍団とやらか。
で?貴様らのような雑魚にこのベジータ様がついていくと思ったか?」
「…従うつもりは?」
「ない!」
ベジータはそう宣言する。
その言葉に5人の殺気が増加する。
「ならば、力尽くだ。」
♠︎
そして、ナメックの長である最長老は
今正にこの星で起こっている全ての騒動を全て感じ取っていた。
「おお…恐ろしい。このような事が私の家族に降りかかるとは…。」
「ご安心を。このネイルがいる限り最長老様には指一本触れさせません。」
護衛であり、ナメック星人の中ではトップの実力を持つネイルが
最長老を安心させようと声をかける。
だが、そのネイルも自らの実力では果たしてどこまで守れるか。
自身がどれほど無力なのか。
ネイルはその事を思い死ぬほど呪う。
最長老は待つ。
今正に自分に迫っているのが、この星を照らす光であらん事と。
ネイルは覚悟を決める。
自身がたとえどんな醜態を晒そうとも
この星を護り、最長老を守る。
そして、ここにあるドラゴンボールが正しき人が使う事を
唯、祈るのだった。
――ナメック星の太陽は静かに星を照らしている。
紹介コーナー
・ナメック星
「あぁ今回もダメだったよ。」
・クウラ軍
スカウターをぶっ壊されたものの未だ無傷。
・地球組
初っ端からベリーハード。
彼らの行方は果たして。
・ベジータ
地獄の釜へご招待。
・タイムパトローラー
何故か組んだ。
・クラッシャー軍団
何故か狙った。