「雑魚どもが…手間をかけさせてくれる!!」
無傷のクウラがボロボロのクラッシャー軍団を見下ろす。
ドラゴンボールを使う為の時間稼ぎの為
クラッシャー軍団は必死にクウラへと食い下がりはしたものの
力の差は歴然。
連携は意味をなさず、ものの数分で壊滅状態にまで追い込まれてしまう。
「さ、流石はフリーザ様の兄貴…でっせい。つ、強い…。」
一番戦闘力が高いアモンドですら立っているのがやっとの状態であり
他の者は血の流しすぎで意識が混濁していた。
それに止めを刺さんとクウラが指先を向けようとした次の瞬間。
「ンダ!!」
背後に潜んでいたカカオがクウラへと抱きつく。
カカオもまた至る所の配線がショートし、活動停止も近い中
最期の力を振り絞りクウラへとしがみつく。
「放せ!ガラクタが!!」
クウラが抵抗するたびに、そこかしこのパーツが破損し配線は焼き切られる。
それでもカカオはクウラを放さない。
「カ、カカオ!」
「ンダ!!」
声は届かずとも、アモンドはカカオのやる事を察する。
――自爆だ。
カカオはサイボーグである自らの心臓にあたる部分をオーバーヒートさせる
事によりクウラごと自爆する気なのだ。
長年チームを組み続けた者だからこそ、分かるカカオの最期の意思は
確かにアモンドに伝わる。
「………すまねぇ!」
アモンドは気絶するダイーズと双子を担ぎ脱出する。
そして、それを確認したカカオは中心から発光し…
「ンダ!!!」
「何!?」
内側から大爆発を引き起こし、辺りは爆風に包まれる。
その爆風は次第に晴れ。
「……ふん、所詮は唯のガラクタ…この俺に傷1つ付ける事は出来ん!
…そして逃がさんぞ!虫ケラどもがぁぁぁぁ!!」
無傷のクウラが現れ、直ぐさま追跡する。
――既に空が晴れた事に気付かずに。
♠︎
ピッコロの復活、そしてナメック星への転移。
この2つの願いが叶え終わった瞬間。
ポルンガが消滅し、ドラゴンボールは唯の石ころに戻る。
それはつまり、最長老の死を意味していた。
「そ、そんなぁ…最長老様がぁ……うぅ!!」
「デンデ!」
泣き崩れるデンデを悟飯が支える。
だが。
「泣くな小僧!泣くのはここに来るバケモノをぶっ殺してからだ!テメェの存在1つで俺たちの生死が決まると思え!」
ターレスはそれを叱責する。
何故ならばターレスが考えついた作戦にデンデは最も必要であるからだ。
その作戦は言わばサイヤ人によるゾンビ戦法。
悟空、ターレス、ベジータ。
この3人を主体としてクウラに挑むわけだがターレスは未だしも悟空やベジータは明らかな戦力不足だ。
そこでサイヤ人の特性として死の淵からのパワーアップをターレスは利用し
その成長限界までやられ続け、その度にデンデに治療してもらう、或いは悟空が持ってきた仙豆で回復という
正に賭けでしかない戦法を敢行する事を決断。
ベジータに関しては実力差から納得し
悟空はなんだかよくわからないまま、同意した。
故にデンデの死がゲームオーバーなのだ、ターレスの気が立つのも
当然なのだろう。
デンデもそれを分かっているのか涙を拭き決戦に備える。
その目は覚悟が決まった目だ。
その直後、血塗れとなったアモンド達が降り立つ。
「……小僧!!」
「は、はい!」
直ぐ様デンデがアモンド達を治療。
ターレスはカカオだけがその場にいない事に気付き。
「……カカオは。」
「……俺たちを逃がすために。」
「そうか…。」
アモンドが伝えた情報を聞きながら
拳を血が滲む程に握る。
だが、そんな怒りは高速で近づいてくる気の暴力でかき消される。
「てめぇら…早速だが…来るぜ。」
そして、クウラが今ここに降臨した。
「……下等なサルどもが…よくもよくもこの俺をここまでコケに出来たものだなぁ……!!絶対に…絶対に!!」
クウラの全身から彼自身の怒りを体現する程のおぞましい気の奔流が溢れでる。
一歩、また一歩と憎き怨敵へと歩いてくるその姿に
その場にいたものは体の震えが止まらない。
果たしてそれは恐怖からか武者震いか。
咄嗟に誰もが戦闘態勢をとりその脅威に備える。
だが、クウラの気は近づけば近づく程増大し、更にその圧力を増す。
「許してなるものかぁ!!もうここまでだ!!貴様らを皆殺しにし!!この星を徹底的に壊滅してやる!!!」
己を出し抜いた下等生物への怒りとそれを見逃した己への怒りが
濃密に混ざり合いクウラはその場で停止し更に気を高める。
「カァァァァ!!!」
ターレスはここで自らの最大の誤算に気づく。
――奴を怒らせすぎたと。
「もう貴様らにかける加減は無い!!光栄に思え!!この究極の変身を見るのはお前達が最初で……最後だぁ!!!」
星が悲鳴を上げる様に大地は震えながら裂け、空は赤く染まる。
「ぬおおおおお!!!」
クウラの体が一回り大きくなり、全身が発光し始める。
「ちっ!!はぁ!!」
「くそっ!!だだだだだだだ!!!」
その危険性を察知したのはターレスとベジータ。
クウラの変身を阻止せんとありったけの気弾を乱射する。
だが、その全てをクウラが張る気のバリアが完全に防ぎきり
光は次第に小さくなる。
「クックック……さぁ、始めようか!!」
クウラの開戦と共に口元にマスクから装着され
それと同時にクウラの巨大な体躯が消え去る。
その瞬間、誰もが背筋から殺気を覚え合図する事もなく全速力で散開。
しかし、その瞬間アモンドの姿が搔き消え
地面からグシャリという音がする。
「なっ!!」
下を見れば、頭を完全に潰され、脳髄が飛び出した所為で体が痙攣した
アモンドらしいものがクウラの足によってグチャグチャにされていた。
「先ずは貴様から…次は!」
そして再び、クウラの姿が消え今度は悟空の背後で横張りを放つが
咄嗟に殺気を感じた悟空は自らの限界である20倍界王拳をもってこれを
回避。
だが、それすらも超えた速度でクウラは背後に立ち悟空の回避行動を受け止め
地面へと叩きつける。
「が、がぁぁぁぁ!!」
20倍界王拳の影響もあり頭は潰されはしなかったものの
叩きつけられた衝撃で悟空は頭から血を流して気絶する。
「くそっ!!」
「だぁぁぁ!!」
それを救わんとターレスとベジータがクウラに向かっていくが
クウラはそれを一笑。
「下らん!」
即座にベジータの腹部に強烈な蹴りを炸裂させ
ターレスへと振り向きラリアット。
「ごっ!!」
「ぎっ!!」
ベジータの肋骨は容易く砕かれ、近くの岩場まで吹き飛ばされる。
ターレスはラリアットに耐え、気弾で目くらまし。
クウラの視界を奪って悟空とベジータを悟飯に押し付けたデンデの方に運ぶ。
「急げ!早く!」
そう言い、デンデの返事を待つ事無くターレスは迫るクウラへと残りのクラッシャー軍団と共に迎え撃つ。
「雑魚がいくら集まろうとも俺に勝つ事は出来ん!」
ダイーズの右手を掴んで引きちぎり、レズンとラカセイの片足を片手で掴んで
地面へとぶん投げ、激突。
その際、ブチリと足がちぎり飛び、クウラはそれを投げ捨て気弾でもって焼き尽くす。
「てめぇら!!…クウラァァァァ!!」
激昂するターレスがクウラへと迫る。
多彩な技術を以ってクウラを攻撃するがクウラはその全てをノーガードで
受け止める。
「その程度かぁ!!」
膝でターレスを岩場へと叩きつけ
ダブルスレッジハンマーで近くの池へと叩き落とし
更に追撃に池へと突進、右腕をターレスの腹部へとめり込ませる!
「が、がぁぁぁ!!?」
衝撃で一瞬、その部分のみ池の水は消し飛びクウラがターレスから離れれば
再び水は元に戻っていく。
「ククク!!この程度かサイヤ人!…甘い!」
笑うクウラの背後から気弾が迫るもののクウラは容易くそれを弾く。
弾かれた気弾は空にまって爆発。
その背後には復活しネイルと同化した事で更にパワーアップしたピッコロの
姿があった。
「ふん、誰かと思えばただのナメック星人の雑魚…」
「……バケモノめ。」
冷や汗を流すピッコロの横にはデンデによって更にパワーアップした悟空。
「…そして、さっきの雑魚か。」
悟空とピッコロは目を合わせ、1人ではクウラを倒すのは不可能な事を
把握しあい。
「オラとオメェでやるぞ!ピッコロ!」
「…どうやらそれしかないらしいな!」
ラディッツ以来のタッグを結成し、クウラへと迫る。
「調子に乗るな!下等生物が!!」
悟空が界王拳20倍を維持しながら、ピッコロと交互にクウラへと攻め続け
クウラの重い攻撃をいなし続ける。
「だりゃあ!!」
「うわたぁ!!」
ピッコロ自体の攻撃はクウラにとって大した事では無い事はピッコロ自身がよく分かっている。
ならばとピッコロは気弾でもってクウラを翻弄しながら悟空を的確にサポートしていく。
悟空はひたすら視界の塞がったクウラに打撃を与え続け、その速度はどんどん増していく。
クウラは悟空の攻撃が先程よりも自らに響いているのに疑問を持つ。
(この短時間で奴の戦闘力が上がっているのか…?しかし!)
「小賢しい!!」
だが、自らの方が未だ上と確信したクウラはその思考を打ち切り
悟空の腕を掴んでピッコロへとぶつけそのままドロップキックのような形で
2人まとめて吹き飛ばす!
「とどめだぁ!!」
♠︎
一方、池の中から脱出したターレスは
部下を担ぎ、デンデの所へ向かう。
しかし、ターレスが見た光景は正に狂気。
「おい!もう一度だ!!」
「くそぉ!!」
「ごぷっ!!さ、さぁ!は、早く治しやがれ…!!」
「は、はいいい!!」
ベジータがクリリンに何度も自らに穴を開けさせ死の淵に至り回復し
を繰り返している姿。
ベジータは思ったのだ、今己に足りないのは純粋な戦闘力。
ならば、ターレスの作戦に則り何度でも繰り返せば、必ず奴やフリーザが
恐れた超サイヤ人になれると。
そして、ターレスがつく頃にはベジータの気は先程までとはまるで格の違った強さ。
未だターレスの上、とまではいかないが既に己の部下すら超えた戦闘力なのは間違いないだろう。
「恐れ入ったぜ…流石はサイヤの王子様だ。小僧、次は俺を頼む。割と骨が逝っちまって結構きちぃんでな。」
「は、はい!」
「ふん、貴様もよぉく見ておけこれが奴らの恐れていた超サイヤ人だ!」
「へいへい…おうおう本当に治ってやがる。礼を言うぜ。後コイツらも頼んだ。気絶してるがこのまま休ませてやってくれ。」
「行くぞ!ターレス!」
「はいよ…まぁ本当は違うが今言う事ではねぇわな。」
♠︎
止めを刺さんとするクウラを気弾で封じ込めたのはターレスとベジータ。
「覚悟しやがれ…クウラさんよ。」
ターレスが笑い、ベジータもいつものように不敵な笑みを浮かべる。
そのままターレスが腕をクロスさせると全ての気弾がクウラへと迫る。
「ふん!下らん遊戯だ!」
だが、その全てをクウラは無視してターレスへと迫る。
「どこを見てやがる!」
だがベジータがその間に入り込み両足でクウラの顎を蹴り上げ
ターレスがその首元を思っ切り殴りつける!
「…っ!ごほっ!」
いかにダメージが通りにくくとも喉は生き物にとって重要な器官。
そこを殴られたクウラはその衝撃によって咳き込む。
「はぁ!!」
「そらぁ!!」
そして、ベジータが咳き込んだクウラの腹を意趣返しに蹴りつけ
ターレスがラリアット。
クウラはその確かに威力の上がった攻撃を喰らい
吹き飛ばされた時、ふと悟空の方を向く。
そこではデンデが不思議な光を放ち、悟空を治療する姿が映る。
(そうか!あの餓鬼が奴らを治していたのか!!小賢しい真似をサルごときが!!)
確信したクウラはそちらへと向かおうとするが
「ギャリック砲!!」
「キルドライバー!!」
迫るベジータとターレスの一撃が間近へと迫りそのまま直撃。
しかし、いくら上がったとはいえまだまだサイヤ人とクウラの間には
大きな差がある。
「邪魔だ!!」
故にクウラが一度腕振ればその一撃は消し飛び、クウラはデンデへと急接近。
「ば、馬鹿な!」
ベジータが驚き、ターレスはクウラの標的を察知する。
「小僧!そこを…!!」
「遅い!」
そして、デンデの脳天を高速の光線で撃ち抜く。
「あっ………。」
脳を一瞬で焼かれ、デンデは何が起こったのかわからないままゆっくりと崩れていき息絶えた。
「デンデーー!!!」
すぐ隣にいた悟飯が絶叫し、治療を終えたピッコロと悟空が怒りを滲ませ
クウラへと迫る。
「オメェ!!」
「キサマァ!」
更にベジータとターレスがクウラへと迫り、四方を囲んで一斉攻撃。
「だだだだだ!!」
「うわりゃあ!!」
「はぁぁ!!」
「おらおらぁ!!」
クウラも四方の攻撃は流石に捌けはしないがしかし。
「邪魔だぁ!!」
前方のベジータを威圧で吹きとばし、後方の悟空を蹴り上げ、側方の
ピッコロとターレスを掴んで投げ飛ばし気弾で追撃。
あっという間に4人は数の有利を失う。
「クックック…どうした?貴様らはこの程度か?」
そしてクウラは嘲笑う。
最早あの鬱陶しい復活も無く、打つ手も無いまま足掻く下等生物が
可笑しくて仕方ないが故に。
だからこそ、クウラは気付かない。
いつの間にか消え去った1人。
孫悟空にはたったひとつ、起死回生の一手が有るという事を。
「孫…頼んだぞ。」
紹介コーナー。
・悟空
秘策の準備。
・ピッコロ
同化したものの、4人の中では最弱。
技量でギリギリクウラにへばりついている。
・ターレス
まだ最大戦力。
・ベジータ
狂気の行動で一気に戦力に。
だが、慢心は治らず。
・クウラ
未だ、最強は揺るがない。
だが?
・クラッシャー軍団
再起可能。
・地球勢
足手まといを自覚し隠れている。
・デンデ
今回のMVPは間違いなく彼。
・トワ
準備開始。
・フリーザ
飽きてきた。そして作戦最終段階。