ドラゴンボールF   作:月日火

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無慈悲な決別

トランクスが未来へと帰還してから早くも1年が経過。

地球では、来たる人造人間に備え死に物狂いの特訓をしている戦士達の姿があった。

 

悟空、悟飯そしてピッコロはパオズ山で、ベジータは1人海で超サイヤ人への

扉を開こうとし、地球人の戦士達は神殿に篭り時に協力し時に研鑽しながら

各々、力を磨いていた。

 

トランクスから言われていた心臓病の症状も未だ起きる兆しは無く、地球はのどかに時を刻んでいた。

 

一方、ナメック星では再び脅威が訪れる。

無人の惑星のエネルギーや宇宙に存在する部品を吸収した1つの惑星

ビックゲテスター、そしてそこに運良く辿り着きコアと化したクウラが今再び

ナメック星へと襲来したのだ。

彼の目的は既にドラゴンボールに無く、己の再生の為のナメック星のエネルギーとそこに住むナメック星人の生命エネルギーの吸収が主な目的である。

 

数日前に襲来したビックゲテスターは瞬く間にナメック星を覆い尽くし

その中からはビッグゲテスターの高度な科学力によって生み出されたロボット兵が無数に出現。

ナメック星人は今は亡きネイルを除けば2万を超えれば相当であるが故に

当然、ロボット兵の敵では無く次々とビックゲテスターの下へ連れていかれていく。

 

それを危惧したのはムーリを始めとした村長達。

自分達では守れない事は重々承知であり、無論このまま黙って吸収される訳にもいかない。

そんな彼らがロボット兵から隠れながら議論していたのは誰に助けを求めるか。

 

地球の人々は善良であり、戦力的にも申し分無いのだが連絡手段が存在しなく

頼るには少々困難であった。

だが、フリーザなら連絡手段である通信機は未だムーリの手元にあり、今回の不始末も兄のものであると説明すれば駆けつけてくれるだろう。

 

しかし、フリーザが助けた後に何を求めるのか。

……恐らくドラゴンボールであり、それ以外は無い。

フリーザが何を願うのか、そこだけが唯一の不安材料だった。

 

だが、最早一刻の猶予も無く、このままではナメック星人は全滅してしまう。

ならば、ドラゴンボールでも何でも差し出してでも皆の安全を守るべきだ。

 

星の長としてそう決断したムーリはすぐさま通信機に連絡を入れるのだった。

 

 

♠︎

 

そんなフリーザは今現在、ブロリーの下へと足を運び軽い訓練を行なっていた。

既にブロリーの下には新たな家族として古参のレモという人物を紹介し

ブロリーはそれを快諾した。

 

フリーザも何億の中から彼を探すのと、ブロリーが大人というものを克服する時間、そして自立させる為の時間を作る為1年は彼1人で生活させるつもりだったが、半年が経った時ブロリー自身が寂しさをフリーザへと申請したため急遽フリーザはレモを探し出しブロリーの手伝いを命じたのだった。

 

レモ自身、ブロリーの事は息子のように感じており

ブロリーもまたパラガスのように強制せず適度な距離感でサポートしてくれるレモの事を直ぐに信頼していた。

 

フリーザはそんなブロリーを見て予定を繰り上げる事に決め、今こうして農園をレモに任せ、ブロリーのその強大な力をコントロールするための訓練を行なっていた。

 

「グググ……!!」

 

先ず、ブロリーが行なっているのはその身に眠る大猿の力を最大限に引き出した上で理性を保つコントロール。

この惑星はフリーザの保護があるとはいえ、無法者の宇宙海賊とやらがこの農園に侵略してこないとは限らない。

そうなれば、戦うのはブロリーであり、レモやこれから生き返らせる予定のバアを守るためには必要だとフリーザは彼を説得した。

 

要はチライが言った、戦いたくて戦っている訳では無い状態から一転させ、ブロリーが自らの意思で戦うという状態にするためフリーザはブロリーに指導していた。

 

とはいえ、そんな簡単に大猿の状態がコントロール出来るはずも無い。

あるかもしれない先の未来で月を見て金の大猿と化した悟空もまた暫くは理性を失い暴れた程に大猿の本能は強い。

 

故に

 

「オ、オオオオオ!!!」

 

ブロリーは大猿の力に飲み込まれ、眼前のフリーザへと襲いかかる。

 

「はぁ……やれやれ。」

 

迫りくるブロリーの拳を片手で押さえ込みながらフリーザはブロリーへと気を流す。

いくら、肉体が強靭なサイヤ人でも内部はどうして脆くなる。

故に、フリーザが編み出した特殊な気でブロリーの脳を刺激し、強制的に

ブロリーを眠らせていく。

 

「ガ……ガ……ぐー。」

 

唐突な眠気に襲われたブロリーはその本能のまま眠りにつく。

それを確認したフリーザは念力で彼を浮かせ、近くに創ったハンモックに彼を寝かせる。

 

「これは…先が長そうですねぇ。ま、構いませんが。」

 

そのまま、フリーザはブロリーの農園へ向かいそこで作業をしていたレモに

ブロリーが眠りについたのを伝える。

 

「レモさん、今回もどうやら失敗のようですのでハンモックにブロリーさんを寝かせておきましたよ。」

 

「あ、は、はい。ありがとうございますフリーザ様。」

 

フリーザはブロリーが1年かけ作り上げた農園を見渡す。

大きさはあれから更に増大し、今や宇宙一の大きさに。

そして、品物の数も豊富となり宇宙の市場ではブランドにもなって高値で売れる程に成長した。

戦闘力の成長も早ければ、品物の成長も早いのか。

 

……まぁ、そこは関係ないだろう。

 

因みにレモにはブロリーの過去を事前に話してあるし、そのせいで発現した大猿の力をコントロールするために足を延ばしている事も報告済みだ。

そうしなかった所為で変な亀裂を生むのはフリーザとしても望むべきでは無い。

 

完全に余談だが、上司がちょくちょく足を運んでくるのは心臓に悪いとレモは感じているのはここだけの秘密。

 

「ここも随分、大きくなりましたねぇ。」

 

「まぁ、アイツが一生懸命に頑張った結果ですよ。オレのお陰じゃありません。」

 

「謙遜なさらずとも結構ですよ。あなた、案外こっちの方が性に合ってるでしょうに。」

 

「まぁ、後続部隊でいつ戦場に向かわされるかビクビクしてた時よりは遥かに。特にオレは非戦闘員でしたからね。」

 

「何か不便は?」

 

「何も、強いて言うならここに来てフリーザ様の印象がガラッと変わったって事ぐらいです。」

 

「ほう?」

 

「貴方が思った以上に部下には優しいって事ですよ。」

 

「…それはそれは、随分な信頼を頂いたようで。」

 

レモからの信頼にフリーザは少し面食らった表情をしたが、直ぐに元に戻り

笑みを浮かべる。

 

そんな中、フリーザのディスプレイが突然開く。

映されたのは通信兵のラーズベリ。

 

『フリーザ様、ナメック星の奴から救助要請が入っておりますがいかがなさいましょうか?』

 

「ふむ、契約外ですがまぁいいでしょう。あちらも私の要求するものを分かってて連絡したでしょうからね。」

 

『は!では、そのように伝えておきます!』

 

フリーザの言葉を伝えに再び、ムーリとの通信へ戻っていたラーズベリ。

そして、フリーザはブロリーを起こすべくハンモックの下に戻っていく。

 

「レモさん、どうやらバアさんの復活のめどが立ったようですのでブロリーさんを連れて行きますね。」

 

「そ、そうですか。ブロリーの奴も喜びます。お気をつけて。」

 

フリーザはブロリーを起こし、ドラゴンボールを見つけた事を伝える。

ブロリーは大層喜びフリーザの随伴命令にも直ぐに快諾する。

 

そうして、フリーザはブロリーとある人物を連れナメック星へと瞬間移動した。

 

 

♠︎

 

ナメック星にたどり着いたフリーザとブロリー、そして。

 

「……漸く…か。随分と待たされたものだな。フリーザよ。」

 

「まぁ、そう仰らずに…スラッグさん。」

 

生命維持装置で命を永らえていたスラッグ。

その水晶のような装置の中にいるスラッグはナメック星の光景を目にし、懐かしい気持ちになる。

 

 

「……ふん、しかしまぁ…この星は初めて来た気がせん。……儂の中の遠い記憶がそう叫んでいるような気がする…。」

 

「そうでしょうね、星は違えどナメック星というのはあなたの故郷ですから。」

 

「……そういう事か。それならばこの懐かしさにも納得が持てるものよ。」

 

そう言ったスラッグはその安堵とともに眠りにつく。

寿命を無理矢理延ばしたせいなのかどうにも眠る頻度が高いのだ。

 

そして、フリーザはムーリへと振り向く。

 

「さて、あなたの要請通り今回は私があなた方を助けますが……勿論、これは契約書の外。当然、報酬はお支払いいただきますよ?」

 

「え、ええ…ここにその報酬があります。」

 

そう言うと、ムーリは村から集めた7つのドラゴンボールをフリーザへと見せる。

 

「これが、今回の報酬です……!!お願いします!どうか、どうか同胞を助けて下さい……!!」

 

フリーザはドラゴンボールを検分し、それが本物である事を把握する。

 

「ええ、分かりました。直ぐに終わらせて差し上げましょう。」

 

 

「ほう、誰が誰を終わらせると?」

 

快諾したフリーザ、その背後から慣れ親しんだあの邪魔者の声がした。

 

「勿論、あなたをですが?クウラさん。」

 

フリーザが振り向くと、そこには約10はいるであろうメタルクウラが立っていた。

 

「クックック……オレが居ない間に随分と大きな口を叩くようになったな…フリーザよ。」

 

「サイヤの猿ごときに負ける兄など、必要ありませんので。」

 

フリーザの挑発にメタルクウラの殺気が増す。

だが、フリーザは2つ指を立て余裕の表情を浮かべる。

 

「……吐いた言葉は飲み込めんぞ?」

 

「そうですね、まぁあなたとももうお別れ……」

 

メタルクウラがフリーザへ飛びかかろうとした次の瞬間。

フリーザは遠くに見えるビッグゲテスターを見据え、そのまま指を滑らかに振り下ろす。

 

その瞬間、ビッグゲテスターが真っ二つに切断され、コアであったクウラもまた何が起こったのかも認識できずに、両断された。

 

 

「ですがね。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




・フリーザ
兄を一手両断。
ブロリーの教育は順調。

・ブロリー
現在自分の力をコントロール中。
最近家族が増えた。

・スラッグ
願い叶う時。

・ナメック星人達
ドラゴンボールと引き換えに命を救われる。

・クウラ
多分死ぬでしょう。

・どっかの星でドライブが趣味な王様
フリーザを認識しました。

・ビッグゲデスター
高度な科学力も理不尽な暴力には勝てなかった
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