ドラゴンボールF   作:月日火

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今回、ある言語が登場しますので『』表現で表記いたします。


取り戻したモノ

クウラは自らの顔の半分が離れている事を直ぐに気付くことは出来なかった。

 

(な、なんだ……?何故、オレの視界がこんなにもズレている!?ま、まさか……!!)

 

だが、ビッグゲテスターの機械的な音と共に墜落するのを確認した事で自らと

ビッグゲテスターが切断された事に気付く。

 

クウラはもう訳も分からなかった。

誰がやったのか、それはもう問題ではない。どうやったのか。それがクウラが1番に考えた事。

 

しかし、その考えもビッグゲテスターの停止と共に機能を失っていく己では最早出来るはずもなくクウラは最期の最期までフリーザが唯の一撃で己を倒した事を認識出来ず、そのままビッグゲテスターの爆発とともに消滅した。

 

程なくしてフリーザの前にいた10体のメタルクウラ達も

ビッグゲテスターの機能停止と同時に爆発四散。

更にビッグゲテスターにいたナメック星人はフリーザの念力によってさっさと救出され、ここにクウラの脅威はほぼ一瞬の内に完全消滅、終結した。

 

♠︎

 

「という訳で、報酬は頂いていきますので。」

 

突然の脅威の消滅に唖然とするムーリを無視し、念力でドラゴンボールを浮かせ村から離れる。

これはドラゴンボールの願いを邪魔されないための措置。

 

ナメック語は一応出来るとはいえ、村人の近くで言うのはリスクが高い。

喋るスピードは明らかにあちらが上であり豚の二の舞になる可能性だってある。

そして、そのせいでこの3人の誰かの願いを叶えられないとなっては勢い余ってこの星ごとナメック星人を全滅させてしまうかもしれない。

それは避けるべきであり、ナメック星のドラゴンボールはまだまだ利用価値がある。せめて利用価値が無くなるまでは手元に置くのが吉だ。

 

そう考えたフリーザはドラゴンボールを片手で浮かせ、スラッグの水晶をもう片方の手で浮かせてブロリーと共にさっさと村から遠く離れた場所に移動した。

 

そして、その場所にドラゴンボールを7つ置き。

 

「タッカラプト ポッポルンガ プピリットパロ」

 

フリーザは、ナメック星の神龍を呼ぶための呪文を唱える。

そして、その言葉を聞き届けたドラゴンボールは光を放ち中からポルンガが現れ、その場の3人に伝える。

 

「さぁ、願いを言え。どんな願いでも 3つだけ叶えてやろう。」

 

「では、先ずは……スラッグさんからいきましょう。ブロリーさんは次ですからね?」

 

「うん。」

 

ブロリーの承諾を得たフリーザはポルンガに最初の願いを伝える。

 

『では……そこにいるスラッグさんに永遠の若さを。彼の全盛期だった頃の若さで肉体が保つようにして下さい。』

 

全盛期での状態に戻す事と不老の2つを願ったフリーザだったが

そこは問題なくポルンガは機能した。

 

「容易い願いだ。」

 

ポルンガの目が光る。

すると、水晶に眠っていたスラッグの肉体に段々と色が戻り始め

しわしわだった肉体は強靭と化し、水晶をぶち破って出てくる。

 

「………フ、ハ。」

 

「フハハハハハハハ!!!ハハハハ!!戻ったぞ!このオレに飛び切りの若さが戻ったぞ!!最もパワーに溢れていたこのオレに!!!ハハハハハ!!!」

 

スラッグはペタペタと肉体へと触れ、己がようやく求めていた全盛期の頃に戻れた事に歓喜し、笑う。

その実力は老人だった頃とは比べ物にならない程にパワーアップし、正に超ナメック星人と言っても過言では無い程だ。

 

その様子を見たフリーザは次の願いを言う。

 

『そこにいるブロリーさんの友達であるバアさんを生き返らせて下さい。』

 

「いいだろう。」

 

フリーザの願いを聞き届けたポルンガの目が再び光り

冷凍保存されていたバアの目が開く。

冷凍保存装置は、彼が目覚めた事を確認してその扉を開放する。

 

バアは初めは全く違った星である事に困惑したが、果実から感じるブロリーの気配に安心したのか改めて眠りについた。

 

ブロリーもまた類稀なる直感でバアの気配を感じ取り、笑顔を浮かべていた。

 

「……!!バアが!バアが!」

 

「ええ、あともう少しで終わりますので、お待ちを。」

 

フリーザは最後の願いを伝える。

 

『私に全盛期のまま老いない身体を。衰えず、低下せずならなお良しです。』

 

「……了解した。」

 

ポルンガはフリーザの願いを聞き届け、最後の効力を使う。

フリーザの肉体は見た目こそ変化しないものの、多少は体を動かしやすくなった事や肉体のハリが戻った事を確認したフリーザは願いが叶ったのだと解釈した。

 

どうやら地球のとは違って問題なく機能したようであり

ポルンガは再び7つのドラゴンボールに分かれ石となって各地へ散っていく。

 

フリーザはそれを見て、ブロリーとスラッグを連れ帰還しようとして

 

「ふん!!」

 

スラッグの強襲を指一本で受け止める。

 

「ぬ……ぐぐぐ……!!」

 

スラッグは指一本で受け止められた拳に全力を込めるが、フリーザの指はピクリとも動かず事は出来ない。

 

「満足ですか?」

 

フリーザは流し目でスラッグに尋ねる。

スラッグはその目を見てやはりと確信し構えを解く。

 

「あぁ…満足だとも。やはり貴様はオレの遥か先にいる存在だったようだ。」

 

「おや、私にそんな評価をしているとは意外です。」

 

「ふん、確かにオレは若さを求めた。……しかしだ、今こうしてみると老いたのは好都合だったかもしれん。仮にオレが貴様を知らず若さを取り戻せばオレは死んでいただろう……認めるのは癪だがな。」

 

「ま、そうでしょうね。」

 

「そうだろう、貴様は部下には寛大だ…がこと敵となった者や裏切り者には一切の容赦が無い。オレも裏切れば殺すだろう?」

 

「ええ、それは勿論。」

 

あっさりと自身の殺害を宣言したフリーザにスラッグは満足そうに笑う。

 

「フハハハハハハ!それで良い!それでこそオレが従う価値があるというものだ!良いだろう!貴様が生き絶えるまではオレは貴様に従っておいてやろう!」

 

そして、改めてこの帝王に忠誠を誓うのだった。

 

「それはなにより…という訳でブロリーさん。その気を抑えなさい。」

 

それを聞いたフリーザはスラッグを殺意の目で見るブロリーを諌める。

ブロリーはフリーザの制止を聞き、徐々に気を鎮めていく。

 

こうして、フリーザ達はナメック星から瞬間移動で帰還した。

 

ブロリーは自分の星に戻りバアと感動的な再会を果たす。

その隣ではレモが父親のような穏やかな笑みで立っていた。

 

スラッグは先ずは己のカンを取り戻すため訓練に参加、元々の素質が良いのか

メキメキと実力を伸ばしていき、更に。

 

「ヒ、ヒイイイ!!……わ、分かった!!分かったから命だけは!」

 

「では、貰っていくぞ貴様の力を!!…ちっ、今回はハズレかまぁ良い!次だ!」

 

己のように各星々に散らばったナメック星人を次々と同化の対象にし己の器を大きくしていく。

 

そして、フリーザは。

 

ビッグゲテスターのコアチップをこっそり回収。自らの惑星に組み込む事に成功、だが、そこには。

 

「おやおや、随分と無様な姿になりましたねぇ?クウラさん?」

 

電子人格、つまりはAIとなったクウラの姿がフリーザのディスプレイに映し出されていた。

 

『ふん、実際にはクウラではないがな。これは私のコアだった者の人格を借りているのにすぎん。』

 

「それでどうしますか?私に復讐でも?」

 

『そんな事はせん、惑星に組み込まれたとはいえ私の管理は貴様が握っているのだろう?そんな事をすれば破壊されるのが目に見える。非効率的だ。』

 

「くくっ……あのクウラとは違ってこちらのクウラさんは随分と従順なようで。」

 

『あの宿主は私に意思を持たせてくれた。そこには感謝しよう。だが、それだけだ。それ以上の感情を私は持たない。ならば貴様に従うのが一番現実的だ。

……初めてだぞ、私が計測不能を叩き出したのはな。』

 

クウラとは違い機械的な声で話すビッグゲテスター。

そして、彼の口から今の目的が語られる。

 

『故に、今の私の目的は貴様を観察し、貴様を暴く。その為にも多少のサンプルは頂くぞ。』

 

「いいでしょう、その代わり私の命令には絶対服従という事で。」

 

『命令を承認した。……あぁ、こういう時はこれからよろしく……だったか?』

 

「ええ、これからよろしくお願いしますよ…ホッホッホ!」

 

(さて、こうなれば……奴はもう不要ですね。さっさと埋め込んでしまいますか。)

 

フリーザは新たな部下に喜ぶと同時に今まで野放しにしてきた腐った枝を

排除する方針を綿密に練っていくのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




紹介コーナー

・フリーザ
今回の収穫で不老とビッグゲテスターを入手。
そして、盆栽の準備。

・スラッグ
永遠の若さを入手、老人の時に得た視界の広さで死亡フラグを回避。
第3のドラゴンボール排除の為、散らばったナメック星人を片っ端から強制同化。

・ブロリー
バアを生き返らせる事に成功。
これからはレモとバアを守る為、更なる成長を果たす。

・ビッグゲテスター
星はバラバラにされたものの破壊される前にフリーザによってメインのチップだけ救出された。実は切断された時にフリーザの戦闘力を計算したところ
オーバーヒート寸前までいった経緯がある。
前の宿主の人格を借りフリーザ軍へ加入。

・ナメック星の方々
助けに来たと思ったら一瞬で終わった上に、全員無事ですんだので喜んでいいのかどうか困惑している。
因みにこの一件である事が起こった模様。

・ドライブ趣味で洒落に目が無い神さま

「あわわわ……な、なんて強さじゃ…あのクウラを一撃とは…しかもあの力……もしや。と、とにかく悟空には伝えん事にしよ…フリーザ…恐ろしい奴じゃ……。」

・???

「おや、今僅かですが笑いましたね。何かいい夢でも見ているのでしょうか?」

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