地球ではセルが猛威を振るっている間、フリーザの手元には1年に1度銀河パトロールの一部でフリーザへと忠誠を誓った者から受け取っている銀河犯罪者
の名簿があり、その中でも極悪犯罪者が収監されている銀河刑務所の欄を
スパイロボットで地球を監視しながらのんびりと読み込んでいた。
「……おや、これは?」
そんなフリーザだったが、とある人物の名前に目が止まる。
「……1000万年前に320個の星を滅ぼした魔術師モロ、大界王神の技であるカイカイマトルにより力を失わされ終身刑により収監中ですか。」
フリーザが気になったのは大界王神のカイカイマトルという謎の技。
文面からは想像できないが恐らく何かの封印術だろう、魔術師というには魔力を封印されているのだろうがもしも気も封印できるようならばフリーザですら
捕まる可能性があったという事。
フリーザは今だけは500万年前に大界王神が魔人ブウに吸収されていた事に感謝した。
逆に文面からも想像できるモロとやらの能力、これは極めて単純であり星や生物からエネルギーを吸収できるという要はビッグゲテスターと同種なのだろうが、奴と違うのはそのエネルギーを自由に扱えるという事。
そんな彼の異名は『星喰のモロ』
フリーザはそんなモロが万が一でも脱獄した場合、面倒に極まり無く
更に獄中記録からも独尊心が強い事が明らかなので自身に従わない事は明確。
今後の為にも始末する事を判断したフリーザは
自らの足で銀河刑務所へ向かう事を決めた。
そんな訳で、フリーザは刑務所にいるフリーザの協力者へと連絡を取り刑務所への視察へと向かったのだった。
♠︎
銀河刑務所、そこは宇宙の中でも極悪の犯罪者を捕まえるための施設。
そこは今現在、フリーザが来るという事で厳戒態勢が敷かれていた。
とはいえ今回のフリーザの要件は約1000万年もの間死刑に出来ずに生き続けたバケモノの始末。
なんの気まぐれか分からないがそれに関しては宇宙パトロールも望む事であったため今回ばかりはフリーザを黙認する形をとった。
「おやおや、皆さんが従順で嬉しい限りです。」
フリーザが悠々と銀河刑務所を歩く姿を刑務所の長官が媚びを売るように隣に立つ。
通路の脇には多少なりとも正義感に溢れた者達がフリーザへの悪感情を隠す事もせずに睨みつけているがフリーザにとっては可愛いもの。
寧ろ、逆に流し目で軽く気を当ててやれば直ぐに腰が抜けて崩れ落ちる。
その様子に心底愉悦を感じながらフリーザはモロが収監されている場所へと
たどり着く。
「貴方がモロさんで?」
フリーザが見たのは二本の角がある青い山羊のような容姿の老いた人物。
昔は大層な実力があったそうだが、今はそんな姿は見る影も無く
体はやつれ感じられる魔力はもはや風前の灯火。
モロはフリーザは見て、過去の自分を幻視する。
かつて、最強の魔力を誇り何百もの星を喰らい尽くした自らの姿を。
そして察する、今眼前にいるこの男こそが自らの僅かな力が感じ取ったであろう新たな支配者であるフリーザであり彼こそが次世代の自分なのだと。
「お前が…フリーザか。感じていたぞ…俺はお前の存在をな……大方俺を殺しに来たのだろう?」
ならば、今にしがみつく己はフリーザにとって邪魔なのだとモロは判断する。
当然だ、立ち位置が逆ならば自分も全く同じ事をする。
それぐらいの確信がモロにはあった。
フリーザも同じ支配者だったからこそ感じ取れる波長を感じ
正直に話す。
「話が早くて助かります、最期に言い残したい事は?」
モロは鎖に繋がれながらも、フリーザを真っ直ぐに見つめ覚悟を決めたような表情で見つめる、だがその目には僅かな野望があったようにも見えたが直ぐにそれは失われていき、やがては諦めの色へと変わる。
「ふん、俺は所詮大界王神に負けた身…魔力は殆ど封じられた挙句貴様を吸おうとしてもどうにもうまくいかん…やれ、俺はもう充分生きた。」
その言葉には何か裏があるようにも感じられたがフリーザにとってはその言葉
こそが彼を実験台へと決めつける最大の言葉だった。
フリーザはニヤリと笑い他愛の無い質問をする。
「では……あぁ、そうそう。あなた、お菓子は好きで?」
「…何を。」
「さて…と、用も済んだ事ですしさっさと帰りましょう…これで用意は整いました。」
モロを始末したフリーザはすぐに惑星フリーザへと帰還し、自らのみが使用する権限のあるビックゲテスターのシステムを作動させる。
『なんだ、フリーザよ。』
フリーザはその場で自らの現在までのスキャンデータを開き、詳細な項目を確認していく。
「今あなたが利用出来るメタルフリーザの最大値は私の何パーセント程で?」
『……おおよそ10%。それ以上はメタルフリーザの強度が持たん。』
ビッグゲテスターは悔しそうにそう告げるが、フリーザにとってはそれで十分。寧ろ、それぐらいで助かった程だ。
「今から一体創ってください。材質は何を使っても構いません。」
『構わんが…何をするつもりだ?』
「視察ですよ。私達が最後に治めるに相応しい星の…ね?」
そして、フリーザはある男の下へ赴く。
「さてさて、ベビーさん。その身体の調子はいかがでしょう?」
ベビーは既にあるものに寄生している。
その名はハッチヒャック。今は亡きDr.ライチーが創り出した怨念増幅装置。つまり機械であり同じ機械であるベビーとはとことんまでに相性が良かったのだ。
ベビーとハッチヒャック。
ツフルの王の細胞とサイヤが滅ぼしたツフルの怨念の塊が融合し共鳴しあいハッチヒャックベビーというべきその存在は今までとは比べ物にならない力を手にしていた。
「あぁ、中々好調だ…まさかこんなにもオレと適合する肉体があったとはな…貴様が体を用意したという事は…。」
ベビーは肉体の調整をしながらフリーザへと振り向く。
その顔には獰猛な笑みが張り付き、待ちに待ったある事が待っている事が
そこから判断が出来る。
「えぇ、地球への侵攻。その第一陣として貴方とメタルフリーザが向かう事になりました。」
「そうか……そうか!!ついに!憎きサイヤ人を殺せるというわけだ…メタルフリーザとやらには邪魔をするなと伝えておけ…邪魔をすれば殺すともなぁ…!!」
ベビーの憎悪は唸りを上げラボの機械が軋みを上げる。
ベビーは既にいつでも行ける準備は出来ており今か今かとフリーザを睨みつける。
「それで?オレはその地球やらの何処に行けば良い?…どこでも構わんが探すのが面倒だ。」
「おや、それでしたら問題ありません。…こちらをご覧ください。」
フリーザがディスプレイを広げ地球の様子を見せる。
そこには、既に完全体となったセルがテレビ塔をジャックしセルゲームの開催を宣言し内容を説明している場面。
そのゲームの参加条件は自由。
つまりは、他の星から来ても問題は無いという事。
ベビーはその映像を見て察し、直ぐ様準備を始める。
「あぁ…そういう事か…良いだろう…癪だが奴も纏めて殺してきてやろう…奴もサイヤ人の気を持っている…生かしてはおけん。」
「私としても世界中の人類が滅ぼされては堪ったものではありません。あの土地には知るべきものが山ほどあるのでね。…という訳でよろしくお願いしますね?」
ベビーはフリーザの言葉に舌打ちしながらも従い、宇宙船にメタルフリーザ1体を詰め込み地球へと飛び立つ。
フリーザは端末でベビーの到着をセルゲーム開始の時刻に設定し、メタルフリーザにはある命令を送り込む。
そうして、今度はトワに連絡し
「あぁ、私です。本日をもってベビーさんは私の軍から退職いたしましたので……どうぞ、あなたの操り人形にでも使ってあげてください。」
事実上のベビーの切り捨てを宣言するのだった。
紹介コーナー
・フリーザ
今日も今日とて暗躍、ベビーを切り捨て新たな知識を。
・ベビー
やっとサイヤ人をぶっ殺し自分の真の目的へと着手し始める…予定。
ハッチヒャックベビーは個人的だがベビー系統ではかなり好きだったり。
・セル
完全体になりセルゲームを開始宣言
・モロ
はっきりと言いましょう、こいつわけわからん。
という訳で漫画で何されるかわかる前にさっさと始末。
その知識と魔力は後々……?
・メタルフリーザ
現在はフリーザの10%、それでも十分宇宙を粉微塵にできたり
戦闘力ではジャネンバを軽々と超えるが、強度に難あり。