ドラゴンボールF   作:月日火

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究極の生命体

あれから10日後、いよいよセルゲームが開幕する。

セルを打倒せんと集まろうとするのは地球の戦士達、Mr.サタンと名乗る格闘家とその弟子達。

 

そして

 

「ここが地球…中々良い星だ、我が新しいツフル星への土壌に相応しい…。」

 

ベビーとメタルフリーザもこの地球へと上陸する。

ベビーは地球を大層気にいるが、メタルフリーザはその場からさっさと離れ

ある場所へと向かっていく。

 

「……奴が消えた。まぁ良い、オレの目的はここのサイヤ人を滅ぼし新たなツフル星を創り上げる!それだけの話だ…。」

 

ベビーはメタルフリーザの行き先に目もくれず、セルの気がある場所へと飛ぼうとする。

しかし。

 

「あら、それは駄目よ。あなたは私の人形なのだから。」

 

「なっ……!なんだ、キサ……!!」

 

ベビーの居場所を予めフリーザからリークされていたトワがかけた魔術により

ベビーの肉体は彼女の支配下に置かれる。

 

その洗脳はベビーの意識を奪い、造り替え、トワの新たな人形として造り替える。

 

そうして、洗脳の過程が終了した時、そこにいるのは最早ベビーであってベビーではなく彼自身の意識は瓦解。

彼の精神は異常を正常と判断し理性は狂気へと変え

ベビーはあふれる知性を失い、唯怨敵へ向かって豪速で向かっていった。

 

……ベビーの野望はほんの僅かな時間で瓦解した。

だが、ベビーにとってはこれが幸せだったのかもしれない。

何故なら、仮にもベビーが地球を支配した場合にはフリーザは地球ごとベビーを葬るし、なんならその行動をする前にメタルフリーザによって始末されてしまう。

そんな可能性が潰えただけベビーは運が良い。

そう考え、しかしそれをすぐに打ち消しさっさと洗脳魔術を終えたトワは最後にベビーにいつもの魔術をかけ強化を施しそのまま姿を消すのだった。

 

所変わってセルゲームの会場。

バカの世界チャンピオンのパフォーマンスが終了し

セルと悟空が目にも留まらぬ速さで戦闘を繰り広げていた。

 

悟空とセル、実力は表面を見れば実力は拮抗しているようにも見えるが

実際には実力はセルの方が上ではあり

悟空は今まで戦ってきた経験と師から学んだ技術で何とか拮抗している状態に過ぎない。

 

「フハハ!どうした孫悟空!まさか貴様の実力がその程度ではあるまい!」

 

「くっ…!!」

 

悟空にとって今までセルが繰り出してきたピッコロや天津飯の技ならば見切る事が容易だ。

しかし、セルの中には悟空すらも知らない細胞が組み込まれている。

その技を使われてはただでさえ実力が上なセルの攻撃を見切り、反撃する事が出来ない。

 

「だりゃりゃりゃ!!!」

 

悟空のラッシュをセルが防げば、セルの腕が僅かに発光し始め、パワーが溜まっていく。

 

「ふん!はぁぁ!!!」

 

そして、そのパワーの溜まった腕は悟空のラッシュを容易く弾き逆に悟空の胴体へと無数の拳を繰り出して蹴り上げ、そのままセルは両手を合わせ

 

「喰らえ、キルドライバー!」

 

ターレスの技を悟空に向かって放つ。

悟空は飛ばされながらも体を逸らす事で回避。

 

だが、そこまで計算してたセルは追撃に特大なかめはめ波を放つ。

かめはめ波が悟空に迫り、飲みこまれるもそこには既に悟空はいなく

 

「何?」

 

僅かに動揺するセルに背後に瞬間移動した悟空の蹴りが直撃する。

セルは僅かに吹き飛ばされるも、直ぐに立ち直る。

 

「何故だ…あのかめはめ波のタイミングならば貴様に避け切れるはずがない。」

 

「あぁ、逃げられなかった。」

 

「そうか…貴様は前にも突然現れ、消えた事があった。」

 

「瞬間移動だ…オラにはそいつが出来る。」

 

「なるほど…そいつは厄介な技だ!」

 

そうして、セルは再び悟空へと接近しようとし

 

「フハハハハ!!!」

 

2人の間に何者かが猛スピードで降り立つ。

降り立った衝撃でセルゲームの会場は爆風と共に粉々に砕け散り、セルと悟空は目を塞ぐ。

 

爆風が晴れた先にいたのは、赤い全身に黄色のアーマーをきた存在。

 

「サイヤ人!今日がお前たちの死ぬ日だ!!フハハハ!!」

 

悟空達にとっては突然現れた未知の存在。

セルにとっては既存の知識とは僅かに違う存在。

 

「サイヤ人!!サイヤ人ンン!!」

 

その存在は完全に狂った目で憎きサイヤ人を捉え、怨嗟を吐き散らす。

そうして困惑する悟空とセルの2人の頭を掴み取り、そのまま何度も地面へと叩きつける。

 

「ハハは!!ハヒャヒャヒャ!!!」

 

2人は抵抗していたがその存在は飽きたように手を離し、次の標的へと狙いを定める。

その視線には唖然とする他の戦士達の中にいる…サイヤ人。

 

「サイヤ人!!……ベジータァァァァ!!!」

 

「何!?ぐぉおお!!?」

 

そう、その存在が次に狙ったのはベジータ。

ソレはベジータの頭を掴み取り何処かへと連れて行ってしまう。

 

「父さん!!」

 

数秒たちようやく事態を把握し始めた戦士達よりも先にトランクスは父の後を追う。

 

存在はベジータをセルゲームからだいぶ離れた所で地面に頭を引きづらせていくが

 

「ぐぅぅぅ!!放し…やがれ!!」

 

ベジータは抵抗するもその手は離れる事がなかったが

 

「はぁあ!!」

 

追いついたトランクスの気弾が存在の背中に直撃し、その存在はベジータから手を離す。

 

ベジータはすぐさまその存在から距離を置き、超サイヤ人へと変身する。

 

「ちっ…!!なんなんだコイツは!!?」

 

「…僕にも分かりません、ですがこの気は……セルと同等…いや、もしかしたらそれ以上かも知れません!!」

 

「キキキキキ!!ツフル人の恨み…オモイシレレレ!!」

 

「ツフルだと…?今頃になって俺たちサイヤ人へ復讐とはな!!」

 

「来ます父さん!!」

 

「ふん!精々俺の足を引っ張るなよ!トランクス!!」

 

 

もはやツフルの怨念の結晶と言うべき存在と化していくベビーはその狂気の本能のまま、ベジータ親子へと突進。

 

ベジータへ大振りで殴りかかるがベジータは軽々と回避。

だが、ベジータが元々いた地面は真っ二つに避け底が見えない裂け目が出来る。

ベジータはそれをちらりと見たが直ぐにニヤリと笑い

 

「……ちっ、当たると不味いな。だが…遅いぞ!」

 

そのままベビーへボディブローしそのままエネルギー波を放つ。

その威力にベビーの体にヒビが入るが瞬きの間にその傷は再生し、すぐさまベジータの腕を掴む。

 

「……ふっ。」

 

ベジータは余裕の笑みを浮かべ、そのまま頭を下げる。

 

「はぁぁ!!」

 

その上をトランクスの蹴りが通過、ベビーの顔面へと突き刺さる。

 

「ギ!?……サイヤ人ンンンンン!!!!」

 

だが、ベビーはその蹴りをあろう事か口で受け止める。

 

「なっ!!?」

 

そして、ベビーは口でトランクスの足を掴んで振り回して吐き出すと同時にベジータの腕を掴んだまま上にあげ振り回してぶん投げる。

 

投げられた2人は地面を転がるが、即座に立ち上がって高速移動でベビーの懐へ入りラッシュを叩き込む。

2人の一撃一撃がベビーのボディへとヒビを入れてはベビーの怨念により再生を繰り返す。

更にベビーは2人の攻撃を意に介さず、逆にベジータ達に攻撃を加え始める。

今度は先程と違いスピードが段違いの速さであり、ベジータ達は攻撃を中断し

防ぐことに集中するが、その攻撃のあまりの速さに防御が追いつかなくなり

徐々に殴られる頻度が上がっていき、ブルマ特製のアーマーが紙細工のように砕けていく。

 

「ぐっがっ!!?」

 

「ぐぅぅぅ!!?」

 

ベジータ達が苦悶の表情を浮かべ反撃するも

ベビーのボディはヒビしか入らず、フィニッシュと言わんばかりに繰り出されるベビーの怨念の気が篭った一撃を避けることが出来ずにベジータ達の体を貫き、肋骨がへし折れる音を聞きながらベジータ達は近くの岩盤へと叩きつけれる。

 

叩きつけられたベジータ達は血反吐を吐き出しながらベビーを睨みつける。

 

「……ごぽっ!!?……ふ、ふざけやがってぇ……!!」

 

「な…なんて強さだ……!!?」

 

「ギヒヒヒヒ!!!!ヒャハハ!!シネェ!!」

 

ベビーはとどめを刺そうと、腕をクロスさせる。

両手にはだんだんと光が集まりだし

その数秒後、極光がベジータ達を呑み込んだ。

 

 

♠︎

 

一方、メタルフリーザはその2つの戦場に目を向ける事もせずにある場所へと

向かい、そして今その場にたどり着いていた。

 

「……ここですか。」

 

その場所とはDr.ゲロの研究所の1つ。

トランクス達が壊した所とはまた違った場所な最奥には1つのコフィンがあった。

コフィンはコンピュータに繋がっており、コンピュータはそれに次から次へとデータが組み込まれている。

 

メタルフリーザは、そのコンピュータを操作しビッグゲテスターへと接続。

ビッグゲテスターは、そのコンピュータの支配権をすぐさま支配し

内蔵データをハッキングし思考回路を組み替え、新たな遺伝子データをどんどん登録していく。

 

その様子を確認したメタルフリーザは研究所から外へ移動し、2つの戦場を

目視で確認していく。

 

「……これで私の仕事は終わりですが…あれは少々手に余るようですし…様子だけでも見に行きますか。」

 

そしてメタルフリーザは気をたぎらせ、戦場へと飛翔する。

 

果たして希望なのか、それとも絶望か。

 

それを知るのは…1人しかいないだろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




紹介コーナー

・悟空、セル。
決戦中に水を差される。

・ベジータ、トランクス。
恨みの前に大苦戦。

・ベビー
ベビーというよりはハッチヒャックのツフル人の恨みだけが表面化した存在と化した、正真正銘のバケモノ。
狂気に支配された支配者は怨念を果たすためだけに動き出す。

・メタルフリーザ
フリーザの端末であり、ビッグゲテスターの端末。
メタリックボディーはあらゆる攻撃を軽減する。
今回の乱入枠は実はこいつ。

・作者
ブロリーのブルーレイを買った。

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