ドラゴンボールF   作:月日火

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配下収集。

私が新体制を提案してから数年、父は名目上の頂点にはいるものの基本的にはクウラと私の二大制度で軍を運営していた。

 

主な役割は反乱の兆しがある者や裏で暗躍するものを私が発見しクウラがそれを滅ぼす。

惑星関連といえば主に私が担当している。

だが、軍は元々父の物であり私の物ではない。

親の七光りと裏口を叩く者も少なくなく、更に仕事をかなり適当にやっている者が多い事が書面から見てとれた。

父からの斡旋でザーボン、ドドリア、そしてギニューは紹介してもらっていたが

あの方達も随分と苛立っている様子だ。

彼等には私の実力をほんの少し見せているので、実力に反して現状を打破できていない私への苛立ちも多少はあるのだろう。

 

 

そんな事もありそろそろ実力行使で黙らせてやろうかと私自身も苛立ちを隠しきれなくなりそうになったある日。

 

「おい、フリーザよ。付いてこい。」

 

「おや、どうしましたか兄上?」

 

「今、父の傘下の惑星である催事が行われている。

といっても格下どもの武術大会だがな。

そして本題はここからだが優勝者は我が軍への入隊が決まっている。

俺の部下として果たして見合うかどうか見極めるのも一興だ。付き合え。」

 

「はいはい、分かりましたよ。」

 

 

♠︎

 

 

クウラからそんな命令を受け、私はある惑星へと同行した。

その惑星は高温の惑星ではあるものの気のバリアをはればそんなに大した訳でも無い。

そんな中クウラが言っていた大会は今まさに決勝を迎えようとしているようだ。

惑星のスタジアム前の電光掲示板が煌々とその事を教えており、私達の目の前には小太りな男が立っていた。

 

 

「へ、へへ。よ、ようこそお越しくださいました。クウラ様、フリーザ様。」

 

「…貴様は?」

 

「今大会の主催者であるカーマネと申します、へへ。」

 

「では、カーマネさん。決勝戦はどなたとどなたが闘うのでしょうか?」

 

「え、ええ。決勝戦はサウザーとジースの対決になっています。へへ。」

 

サウザーそしてジース。

どちらもフリーザとクウラの部下となる者達。

丁度良いですね。

どちらが勝とうが構いませんがジースさんは貰っておきましょうか。

 

「フリーザよ、どちらに賭ける?」

 

「では、ジースさんの方にしましょう。」

 

「では俺はサウザーの方だ。そら、チップだ受け取れ。」

 

「へへぇ!ま、毎度あり!」

 

 

会場内では、100を超えた戦士達から選ばれた者ともあって会場内は大きな歓声が上がっていた。

既に決勝は始まっており、気の刃を振り下ろす男と多くの赤の気弾を宙に滞空させ一斉に放つ男の姿があった。

その様子を私達は特等席の中その会場を見下ろしていた。

 

「ふん、やはり格下か。…が、サウザーとやらには見所があるな。」

 

「そうですねぇ、両者の実力は拮抗していると思っていたのですが…どうやら私の思い違いだったようです。」

 

「そのようだなぁ愚弟よ、見ろ。サウザーの方が圧倒している。」

 

やはり、戦闘力の差は大きいのか最初は互角のように見えていた2人の戦いの流れは一気にサウザーの方に傾いていた。

気の刃を振り下ろしジースはそれを必死に避けている。

体力切れも時間の問題だろう。

そして、数分も経たないうちに刃が首元に突きつけられジースの降参で大会は幕を閉じたのであった。

 

 

表彰式、私達は表彰台のすぐ後ろで待機していた。

どうやら折角なのでここで軍への加入を行いたいという。

ならばと私は一つ提案した。

 

――優勝者はクウラに、準優勝者は私の部下にしては?と。

 

クウラ自身は特にそれに異議を問う事はせず、カーマネは難色を示したが遂には権力の下に屈した。

そして軍への加入の時。

 

「サウザーよ、今日から貴様はこのクウラの部下となる。決して失態は許さん。そして貴様が一体誰に仕えているかその目を以って確かめるが良い!この宇宙最強の帝王クウラ様をな!!」

 

「はっ!このサウザーこの身の全てを捧げお仕えする所存です!」

 

「ふん、精々俺の期待を裏切るなよ?」

 

 

「さて、ジースさん。貴方は今日から私の部下になって頂きます。」

 

「…一つ聞いてもいいですか?」

 

「ええ、どうぞ?」

 

「どうして負けた俺を仕官してくれるんだ?」

 

「簡単な話です、私は貴方に可能性を見た。それだけの話ですよ。」

 

「……はい!このジース、精一杯尽くしますぜ!」

 

「ええ、貴方の活躍に期待していますよ。一先ず貴方はギニューという方の部下です、しっかりと学びなさい。」

 

「はい!」

 

さて、これでギニュー特戦隊も2人目ですか。

さてさて、これからどうなる事やらと多少の期待を膨らませフリーザ達は2人の部下と共にその星をたったのだった。

 

 

♠︎

 

ジースの一件が切っ掛けとなったのか。

その後はどんどんと特戦隊のメンバーを始めとしたフリーザ軍の一員が揃い始め

遂にはフリーザ軍はコルド軍にも引けをとらない巨大な軍隊となった。

 

逆にクウラは機甲戦隊のメンバーであるドーレとネイズ、

その他はクウラ自らが選別した選りすぐりの少数の人数の兵隊を編成。

 

そこまで来てしまえばコルド軍もクウラ兄弟に大きな口をきけなくなり

更には嫌でもわかってしまう兄弟の圧倒的な力に完全に怖気ついてしまっていた。

 

更に数年が経過。

コルドは自らの頃合いを判断し10年以内の引退を宣言。

フリーザはその事から大きな時代の流れを感じとる。

それはいよいよ流れが始まるという合図。

 

サイヤ人によるツフル全面侵略がすぐそこまで迫っていたのだ。

 

それから1年後フリーザは遠くのある気がある目的地へ近づいている事に気づく。

それはガーリックの遺志を継ぐガーリックJrと魔凶星であった。

魔族は魔凶星が近づけば近づくほど戦闘力が大幅に上昇するのは知っていたが戦闘力が段違いだ。

少なくとも以前の第二形態程の力はあるだろう。

 

――これは…期待できそうですねぇ。

 

フリーザは薄く笑みを浮かべてその場へと瞬間移動するのだった。

 

 

♠︎

 

ガーリックJrは困惑した。

地球に向かう際、魔凶星をなるべく近くにするようにしていたのもつかの間。

いきなり現れた(・・・・・・・)白の存在に。

だが、この程度で動揺していては魔族としての誇りが失われる。

そう考えたガーリックJrは悠然な態度で目の前の存在へと話しかける。

 

「貴様…一体何者だ?」

 

その存在…フリーザは薄く笑みを浮かべながらこう答える。

 

「あぁ、失礼しました。私の名はフリーザ。貴方を部下に迎えようと思いここにやってきました。」

 

ガーリックJrは更に困惑した。

こいつが、この俺を部下に?魔族の頂点に立つこの俺に対してだと?

 

ガーリックJrの小さな身体がみるみるうちに肥大化し体皮は濃くなっていく。

更に側に潜んでいたガーリック三人衆と魔族四天王もまた身体を肥大化させ

戦闘力をどんどん増大させていきながらフリーザの小さな体に詰り寄っていく。

 

「クックック……ふざけるなぁ!!」

 

全ての魔族がフリーザに向かって襲いかかる。

だが、フリーザはその場から一歩も動こうとしない。

そのまま笑みを浮かべてその時を待っている。

 

「死ねぇ!!!」

 

そうして拳は振り下ろされる。

その全てがフリーザに命中するもフリーザはひるむ様子も無く笑みを深める。

 

むしろ、

 

「グッガァァア!!!?ば、バカなぁ!!?」

 

殴ったガーリックJrの方が拳を痛がる始末。

更にガーリックよりも戦闘力が低い面々は腕の骨が粉々になりその場で蹲りその痛みに絶叫している。

 

「おや、どうしました?貴方がたの力はその程度の物ですか?」

 

フリーザは笑みを崩さず、まるで幼子をあやす母親のように語りかける。

その姿に三人衆や四天王は震え上がり気絶する。

しかし、ガーリックJrはその事に更に怒りがまし身体の筋肉量が増大する。

その肥大化のまま今度はフリーザに乱撃をかます。

顔を、腰を、足、腕、そして首を。

力加減など一切関係ない。全てを全力のまま連打、連打!

一方のフリーザは笑みを崩さない。

それどころか首への攻撃でデスクワークの疲労がとれたらしく知らず知らずの内にホクホクとした笑顔になっている。

 

「さて、マッサージもして頂いた事ですし改めて聞きましょうか。私の部下になる気はありませんか?」

 

ガーリックJrは更に激昂。

当然だ、己の全力をマッサージとまで侮辱するコイツをなんとしてでも殺さなくてはならないという怨念だけが増していく。

遂には己の味方の安否すら忘れ最終手段に出る。

 

「オ、オノレェエエエエ!!!何処までもこのガーリック様を侮辱しやがってぇええええ!!もう許さんゾォ!!!このデッドゾーンで貴様を無限の地獄へ送ってやルゥウウウウ!!!」

 

ガーリックJrの最終手段、『デッドゾーン』。

背後にブラックホールそのもののようなモノが展開されてはいるがそれはあくまでも見た目だけ。

本来は別空間に存在する無限の地獄へと相手を叩き落とす格上にも届きうる技である。

 

だが、ことフリーザとガーリックJrの差は正に天と地。

更にはフリーザにとってこの技は大した事も無く、指先に気を集中させた唯の気弾でそれを消しとばす。

更にはその技の被害を食らわないように他の魔族を念力によって固定するまでの余裕を見せる。

 

「…では、答えをお願いいたしますね。」

 

その行動、その笑顔、その変わらない質問に。

大海を知った蛙もといガーリックJrの精神はバラバラに崩れ去った。

 

♠︎

その後ガーリックJrは牙が取れた老犬のように唯、大人しく首を縦に振った。

それを見た彼の腹心達は己の運命を悟りフリーザへと永遠の服従を誓うことになる。

ガーリックJrの服従をしった他の魔族もまた次は我かと恐怖に怯え次々とフリーザ軍への服従を誓い始める。

そうして、魔族すら取り込んだフリーザ軍は更に強大化。

コルド大王をして最大の軍団とまで知らしめる軍団へと増大する。

 

そして、これならばとコルド大王はある事をフリーザに伝える。

 

「フリーザよ、ここまで軍を増大させたその手腕を買いお前にある事を頼みたい。」

 

「ええ、引き受けましょう。してどのような事でしょう?」

 

「うむ、近々始まる戦争。その監視にお前の軍を派遣してほしい。」

 

 

その言葉にフリーザはいよいよ自らの道が始まるという確信を持ったのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




紹介コーナー

・サウザーとジース。
同じ惑星という情報はあったため、じゃあどうやって軍に入ったのかと考えたらこんな事に。
ライバルという設定もあったので存分に利用しました。

・ガーリックJr
ここでも原作崩壊。
ガーリックJrくん、まさかの知将。
魔凶星と一緒に地球に来襲予定、しかも魔族オールスターズ。フライングで役満。
このまま地球まで行っていたら間違いなくドラゴンボール終了のお知らせだった。

・ツフルとサイヤの戦争。
年号は明記されていないので悟空が生まれる9年前に設定。(737年生誕)
つまり728年。
因みにドラゴンボール超ブロリーではフリーザがサイヤ人の統治を始めたのが41年前。






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