ドラゴンボールF   作:月日火

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今話、グロ描写に注意を


魔の復活

…ある魔術師とダーブラが現れてからわずか数分。

 

「カ…カ……。」

 

「ば、馬鹿な……暗黒魔界の王であるこの私が……!?」

 

「くわぁあ……まさかここまで弱いくせに私に挑むとは…新手のお馬鹿さんでしたか。」

 

そこには胴体が真っ二つの魔術師バビディと両足の骨が砕かれ右手が石になって地面に這い蹲るダーブラの姿を見下し、欠伸をするフリーザの姿。

 

何故こうなったかなどは最早問うまでもないだろう。

ただの実力の差である。

バビディの魔術は通じず、ダーブラの石化の唾は風圧で返された挙句、並の戦士ならば細切れになるであろう剣舞すらノーガードの薄い気のバリアで止められる始末。

逆にフリーザからしてみれば微生物が少しやる気を出してちょっかいをかけにきた程度にすぎない。

…仮にもこれが1つの世界の王なのかと思うと涙が出てくるが魔界の弱体化も著しいためこれも仕方ないのだろうか。

 

これならば、ターレスどころかギニュー以下。

こんな無様な姿を見せられても不快でしかないフリーザはダーブラのMと書かれた額に人差し指を突き立て気を集め始める。

 

「さて、私に楯突くという事はそれ相応の覚悟があったという事。…では。」

 

そして、フリーザはその気を放とうとして。

 

「…やめなさい。」

 

「……ト、トワ…か?」

 

その手に震えるトワの両手が重なる。フリーザが彼女を見ればその目には僅かな恐怖があった。

…それは恐らく、今正に家族を喪うかもしれなかったという恐怖からなのだろう。

背後にはミラが臨戦態勢で待機しており、トワかダーブラがやられればすぐ様フリーザに襲いかかる事は明確であるが

フリーザはそれを鼻で笑う。

 

トワは多少非難の視線を含みながらフリーザを咎める。

 

「あなたは知っていた筈よね…暗黒魔界の王であるダーブラ…いえ、お兄様の事を。」

 

「ええ、勿論。ですが、それは私との契約の外の話です。ダーブラさんがあなたの兄君だろうと私に楯突く者を生かしておく訳にはいきません。」

 

「……じゃあ、これなら?」

 

トワはフリーザから手を離し、杖を振る。

すると、ダーブラの傷は瞬く間に修復され額にあったMの文字が消失する。

 

「ア、アア……!!お、おまえ…!よ、よくも!よくも僕のダーブラ…」

 

「お黙りなさい。」

 

「ケペ!!!」

 

魔術を解除されたバビディはしぶといながらもトワに抗議するものの

その声を耳障りと断じたフリーザが拳を握ればバビディはその場で爆散する。

 

程なくしてダーブラは先程とは多少なりともましな戦闘力をたぎらせ立ち上がる。

 

「……よくも…よくも!!この暗黒魔界の王であるこの私を……!!あの蛆虫風情があぁ!!」

 

その暗黒の気が辺りを覆うが、その程度の実力ならば今更この惑星フリーザの地面に傷1つも付かない、これでは実力としては雑魚当然。

そんな怒りに震えるダーブラを反対に冷めた目で見るフリーザ。

だが、これでフリーザはダーブラに、ダーブラはフリーザに手出しが出来なくなった。

 

「……なるほど、洗脳を解く事であなたたちの王…つまりはあなたたちの仲間として扱われるため私は手出しが出来なくなる…良いでしょう。どうせ、雑魚に変わりありませんので。ですが、次は…殺しますよ?」

 

フリーザはやれやれといった様子で首を振るが、最後に気を僅かながら解放し

その場の気の重さでトワ、ミラそしてダーブラが跪く。

それにフリーザは意外そうな表情で大げさに驚き、改めてダーブラに尋ねる。

 

「おや、申し訳ありません。まさかこの程度とは…それで、バビディとやらが言っていた地球にいる魔人ブウの封印はどうするのです?」

 

ダーブラは冷や汗を流しながらも立ち上がり告げる。

 

「…復活はさせる。奴の思惑に乗るのは癪だが、奴の父親が創り出した魔人ブウの存在は我が暗黒魔界の復興に必要な戦力。手放すわけにはいかん。」

 

「ええ、それが良いと思うわお兄様。先ずはキリを集め、力を取り戻しそれから地球へ向かうとしましょう。」

 

「うむ…そうしよう。…借りは必ず返すぞ、フリーザよ。」

 

ダーブラはフリーザを睨みつけ、そのままトワとミラとともに姿を消す。

 

残ったのはバビディの残骸だが、フリーザはそれを塵も残さず消し去り

今回の目的であるボージャックの気を探知し瞬間移動。

今回はボージャックの目の前に立ち、にこやかに殺害宣言を下す。

 

 

「何者だ…!貴様は。」

 

「そうですねぇ…あなたが邪魔なので始末しに来た人物。とだけ覚えておけば結構です。」

 

フリーザにとってボージャックはターレスと同系統の存在である事は事前に知ってはいたものの、ターレスは自らを知っていたが故に統治していた星以外を

苗床にしていた分大人しく、強い奴を求めるサイヤ人ともあってか制御するのは容易かった。

 

しかし、ボージャックは数百年も前に界王達によって封印された存在。

当然、自らの存在を知っている筈も無く、せっかく王手をかけかけている

宇宙統治を邪魔する事は明確。

ボージャック自身も傲慢さの塊であり、たとえ部下にしたとしてもいずれ何処かで暗躍し、裏切る事は間違いないと判断したフリーザはヘラー一族の排除を

決断し、今に至る。

 

「ふん!いきなり出てきて大口を叩く奴だ!ブージン!ビドー!ザンギャ!ゴクア!」

 

そんな事は知る筈もないヘラー一族の頭領であるボージャック。

いきなり現れ自身の殺害などという不遜にも等しい言葉を吐いたこの愚か者を鼻で笑い。

僅かに後方へ下がったのち自らの部下を差し向け、殺害を命じる。

 

それに従いブージンとビドーはそのままフリーザの横へと降り立ち何重にも張り巡らせるようにして作られるサイコスレッドという操り糸を展開し、フリーザを締め上げる。

 

が、フリーザはなんて事はない様子で悠然とボージャックの下へと歩いていき

その途中でハエでも払うような仕草で軽く撫であげれば糸は容易く霧散する。

 

「なっ!!?……ちぃ!!」

 

「はぁぁ!!」

 

その事実に驚愕するザンギャとゴクアであったが直ぐさま持ち直しフリーザへと襲いかかる。

しかし。

 

「…あぁ、言い忘れてましたが。」

 

フリーザにその攻撃が当たろうとした瞬間。

ザンギャは足が、ゴクアは剣を持っていた両腕が千切れ空を舞う。

 

「いやぁぁぁ!!?」

 

「ぎゃぁぉぁぁぉ!!?」

 

「私に触れる時はご注意を。」

 

地面を転がり絶叫している2人の血により周りが赤に染まった事で

フリーザが自身の周りに極細の気の糸を張り巡らせていた事に3人は気付く。

 

だが、時すでに遅し。

ブージンとビドーの胴体にはフリーザが仕掛けた糸が張り巡らせており

フリーザが指を軽く曲げれば、2人の胴体は下半身と永遠の別れを告げる。

 

その突然の激痛に耐えきれずに2人は気絶。

いかに使えん部下とはいえ余りにも早い殲滅にボージャックの警戒度は最大に高まる。

 

「ッ…!!ウオオオオ!!」

 

ボージャックの雄叫びと共に上半身の服は千切れ飛び、皮膚は青から黄緑へと変色し、戦闘力が格段に上昇するもフリーザにとっては蟻二匹分のようなもの。

ボージャックの繰り出す豪腕を指一本で簡単に受け止め

そのまま、顎を軽く蹴り上げる。

 

「オゴッ!!!?……ゴ……ガ……!!」

 

それだけでボージャックの顎は粉々に粉砕され口は開いたまま閉じなくなり

話す事すらままならなくなり、更に脳が揺れた事によりそのまま地面に両膝をついてしまう。

フリーザはそのままボージャックの前に立ち、気の糸をボージャックの指の一つ一つに引っ掛けていく。

これから行われるのは、フリーザにとって八つ当たりに過ぎないが

ボージャックにはとって死んだ方がマシとさえ思える地獄の幕開けだった。

 

「今、私はすこーし気が立っていまして…あなたには憂さ晴らしになって頂きますが…構いませんね?」

 

「アァ??」

 

フリーザが問いかけるも顎が砕かれた事により喋る事すら出来ないボージャックには返事が出来るはずもなく。

 

「では…先ずは小指から。」

 

フリーザを無表情のままボージャックの手と足の指を全て切断し

次に腕と足をまるで肉をカットしているかのように均等に少しずつ指で

切り分けていく。

 

「アアアァァ!!?オオオォォ!!?」

 

切られてはその断面と肉塊を見せられながら徐々に己の腕と足が失われていく恐怖と激痛を味わっていくボージャック。

その行為は数分かけ行われ所謂、達磨状態になったボージャックを更なる恐怖が襲う。

 

先ず、目玉を直に片方ずつえぐり取られていく。

絹を裂くような絶叫を挙げる頭領に不幸な事に意識が残っていたザンギャとゴクアは顔面蒼白となり吐きそうになりながらもその場から一歩も動けずにいた。

そうこうしている間にボージャックの目があった場所には空洞が出来、視覚が完全に失われていった。

次にフリーザが狙ったのは鼻。

鼻の根元から糸で切り裂き、ボージャックの下には鼻らしきものが落ちていく。

 

そして、最後に聴覚だけが残ったボージャックは

 

「あぁ、そうそう…あなた、お菓子は好きですか?」

 

最大限に過敏になった聴覚で心が完全に折れる音とフリーザの底冷えするような声を聞きながらそのまま意識は深い闇に沈んでいった。

そして、半分になり血の海に沈んだ2人と恐怖に耐えきれずに気絶した2人はフリーザが一見して指を指して何かをして。

その星から立ち去った時には彼等の痕跡は星から姿を消していた。

 

♠︎

 

フリーザはそれからの7年を主に部下の教育に使用する。

ブロリーの大猿の気のコントロールとその応用やターレスの更なる進化といったサイヤ人の能力の更なる発展。

ギニューやスラッグを始めとする幹部勢には大きくなったフリーザ軍を更に強大にする為の手本となってもらうためフリーザ直々の戦闘力の向上を図り。

 

ツフルと暗黒魔界の技術を組み合わせた新たな科学の可能性をビッグゲテスターと模索し。

肥大化し大きな態度を取り始める取引相手を間引き、改めて警告を発し。

 

「……ハァ!!」

 

その合間にビッグゲテスターの立ち入りを禁止した上でゴールデン化の新たなる可能性を模索していた。

 

というのも、ボージャックを排除してから5年。

フリーザは自らの戦闘力の伸び悩みを感じていた。

 

「ふむ…そろそろメタルフリーザとの訓練にも限界が来てしまいましたか…。」

 

フリーザの肉体は新たな変化を欲している。

それは、フリーザにも充分わかっていた。

 

そろそろ、ゴールデン化にプラスになる新たな力を模索するべきなのか。

それともこのままゴールデン化を極めるべきか。

 

フリーザに新たな転機が訪れようとしていた。

 

そして、セルの戦いから7年後の地球にて。

 

地球にダーブラ達魔族が上陸した事により

この宇宙に新たな騒動が巻き起こされようとしていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




・フリーザ
成長が停滞気味になっている事に焦りを覚える。

・ヘラー一族
フリーザの抹殺対象に見事にノミネート。
無残な死を……遂げたはず。

・暗黒魔界軍
力を溜めて地球へ。
暗黒魔界の為、魔人ブウの確保を図る。

・フリーザ軍のサイヤ人
新たなる領域へ。

・地球軍
ボージャック達が来なかった為、妨害無く天下一大武道会が開幕。
トランクスは未来に帰った為無出場だったが、代わりにベジータが出場。
決勝はベジータ対悟飯の勝負となり白熱した戦いだったそう。

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