魔人ブウとの戦いから暫く。
とある場所の寝室にてある存在が目を覚ます。
「くわぁ……邪魔。」
目を覚ましたその存在は爆発寸前のあるものに手を翳し力を込める。
すると、ソレは一瞬ブレたかと思えば、初めから存在しなかったように
塵となって消滅する。
「起きてくだ……おや。目覚まし爆弾よりも先に起きるなんて珍しい。」
それと同時にその存在を起こそうと使用人らしい者が寝室へと入る。
彼はその存在が珍しく早起きしていた事に驚きおおよその検討を立てる。
「そんなに楽しみになさったのですか?」
「んまぁさ。良い夢を見てたんだよ。直ぐに起きて確かめたいぐらいの良い夢を…ね。」
「それはそれは…折角、目覚ましの歌の為にマイクまで用意いたしましたのに…。」
「君のそのド下手な歌で目覚めるのは二度とゴメンだ!」
マイクを取り出す使用人をその存在は全力で止めようとマイクを取り上げ先程と同じように塵に帰す。
少しむすっととした後、改めて自らの神に挨拶をする。
「では、改めて。おはようございますビルス様。」
「おはよう、ウイス。」
その存在…破壊神ビルスは目を冴えさせながら
使用人…否、自身の師匠であり天使であるウイスに挨拶を返すのだった。
♠︎
「んぐんぐ……。で、僕が眠っている間に彼…えっと…スリー…じゃなくて。」
「フリーザですか?」
「そう!フリーザ!彼は惑星ベジータを破壊しておいてくれたのかい?」
「ええ、跡形も無く。」
朝食を嗜むビルスとウイス。
ビルスはまず、惑星ベジータが破壊された事を確認しようとウイスに尋ねる。
対する答えはイエス。
「でも彼、あの弱そうな兄に従ってたみたいだけど…確かクウラとか言ったっけ。…アイツ弱いのに随分と偉そうだったし…今度会ったら破壊しちゃおうかなぁ。」
「生憎とクウラは既に死亡しています。」
「あれ?そうなんだ、アイツは僕にとったら雑魚だったけど他の奴らにとって
はそうそう勝てないだろうに。誰がやったんだい?」
「一度目は、こちらに。」
ウイスが杖を地面にコツリと当たれば、そこには過去の映像が映し出される。
そこには悟空、そしてターレスが超サイヤ人に覚醒し
最終形態となったクウラが驚いているところだった。
「あれ、これどっかで見たような…。」
「こちらは孫悟空、またはカカロット。そしてこちらはターレス。どちらもサイヤ人です。」
「…ふぅん。でも、サイヤ人って例のアレで滅んだんじゃなかったっけ?
それとやつらは黒髪だった筈だろ?」
「どうやら生き残りがいたようで。それとサイヤ人はここ近年超サイヤ人とやらに変異する方法を手にしたようで。」
「なるほどねぇ…ん?1回目?あいつ生き返ったりした訳?」
「いいえ。」
ウイスの杖が映し出す映像が別の映像に変えられる。
そこにはビッグゲテスターと融合したクウラの姿。
「彼の執念とも言いますか、死ぬ寸前に宇宙空間を漂っていた機械惑星と融合したようで…。」
「…それで?2回目は?」
「フリーザが。」
そして、それを一手両断するフリーザの姿が映し出される。
ビルスはそれを聞いて、深い笑みを浮かべる。
まるで、そうなる事をわかっていたように。
或いは、そうであって嬉しいかのように。
「…へぇ。」
「おや、なんだか嬉しそうですね。」
「僕が起きる前に彼にあっただろ?その時のフリーザの力を考えたらねぇ。
…そうか、あの夢はもしかして…いやその前に超サイヤ人…そう!ゴッドだ!思い出した!」
「ゴッド?」
「超サイヤ人ゴッドとやらと僕が戦う夢を見たんだよ!」
「はぁ…ビルス様の予知夢ってあんまり当たらないじゃないですか。」
「…馬鹿にしてるのか?でも今回は違うぞ。実は僕はもう一つ見たのさ。黄金の何かとそれこそこの僕が全力で戦う夢をね!」
「ビルス様が全力で…あぁ、だから。」
ウイスはとある時の事を思い出す。
ビルスの様子を見に行った時、それはそれは珍しい満面の笑みで
心地よく眠っていたビルスの姿があった時の事を。
「ん?」
「多分その時でしょうね、ビルス様があーんなにいい笑顔で眠っていたのは。」
「…そんな顔してたのか?」
「ええ、勿論。」
ビルスはなんだか苦い顔になり、会話をそらすためにウイスに同行を
命令する。
外に出たらビルスは予言魚を呼び出し、39年後に自身に強敵が現れる事を予言したかを尋ねる。
答えはイエス。
「ビルス様に強敵…あまり考えにくいですが。」
「もしも、もしもだよウイス。39年前に会った時に僕の4割だったフリーザが
あのまま成長していたとしたら…楽しみだよ。
超サイヤ人ゴッドとやらもあの黄金…フリーザもね!」
「それで、どちらへ?」
「先ずはゴッドからだ、あの孫悟空とかいうサイヤ人に会いに行くぞ。」
♠︎
一方の悟空は地球で行われているブルマの誕生パーティーをすっぽかし
界王星へと修行に来ていた。
そこで、界王から破壊神ビルスの事を聞きワクワクしていた矢先に
ウイスと共にビルスが界王星へと来訪。
事前に界王の指示により隠れていたもののビルスは容易く看破。
挨拶もそこそこに、ビルスは超サイヤ人ゴッドの事を尋ねるも悟空も界王も
そんな存在は聞いた事もなく。
ならばと地球にいるベジータ王子にでも聞こうと地球へ向かおうとしたが
悟空はビルスと試合する事を嘆願する。
そして。
「さぁ…かかってきなさい。」
「よぉし!そんじゃあ……ハァァァァ!!!」
ビルスは構えもせずにただそこに立ち
悟空は自らの全力を出しきらんと超サイヤ人3に変身する。
「これが!最強の超サイヤ人3だぁぁ!ぜりゃあ!!」
間髪容れず、ビルスに突撃し間近に迫った瞬間に高速移動で背後に回って
渾身の一撃を放つも、あっさりと受け止められ投げ飛ばされる。
「…へへ!!」
驚きはしたものの寧ろ、界王が言っていた最強の存在であるという事実に
悟空は歓喜し起き上がろうとした瞬間。
ビルスは悟空の気配探知に一切引っかからずに接近しデコピン。
それだけで悟空は脳が揺れるような感覚と共に吹き飛ばされる。
その勢いを殺し上空に避難した悟空はビルスの挑発に引っかかり
そのまま怒涛の攻撃を仕掛けるも一撃の爆風をビルスが突っ切り
悟空の首に軽く手刀を浴びせノックアウト。
僅かに失望した様子を見せビルスはウイスと共に地球へと移動した。
界王はすぐ様ベジータに連絡をいれ、地球の命運はベジータに託された。
♠︎
その後、地球へと来訪したビルスをあの手この手、時には慣れないダンスまで踊って機嫌取りをしたベジータだったが。
「完全にキレたぞぉーーー!!!」
地球の食に目が眩んだビルスの目に映ったプリンを魔人ブウが総取りしてしま
い、ビルスは激怒。
止めようとピッコロ、天津飯、悟飯、ゴテンクスと錚々たるメンバーが
ビルスを止めようとするも、ビルスは箸で全員を撃破してしまう。
「くそっ!もうどうにでもなれー!!」
やけくそ気味にベジータもビルスに突貫するもあえなく撃墜。
しかし、誕生パーティーを邪魔されたブルマがビルスにビンタ。
その反撃によりブルマが気絶するのを見たベジータの怒りが爆発。
ビルスの一撃を食らうも物ともせずに乱打を浴びせ、トドメにギャリック砲を
放つ。
それでも、ビルスに与えられたのはたったの血の一滴。
ベジータの攻撃に飽きたビルスは地球を破壊しようとするもそこに悟空が
到着。
神龍によってゴッドのなり方を教わり、超サイヤ人ゴッドへと変身し
ビルスとの第二ラウンドに突入。
拳と拳でぶつかり合うだけで岩場は容易く瓦解し、雲は霧散する。
街へ、海へ、岩場へ、洞窟へ、そして宇宙へと戦いの場が移るごとに悟空は
驚くべき成長スピードでビルスへと追い縋っていく。
遂にはゴッドの世界を完全に体に吸収した超サイヤ人となりビルスに特大の
かめはめ波を喰らわせる事に成功する。
だが。
「お返しだよ!」
それでもビルスは無傷のまま、太陽が如き光弾を地球に向かって放つ。
悟空はそれを止めるために必死になるが力の差は歴然。
どんどん光弾は地球へと迫るも、その時悟空に皆の声が響き渡る。
『悟空さ!』
『悟空ーー!!』
その声に応えるように悟空は再びゴッドへと変身し、その光弾を破壊。
その姿に満足したビルスはウイスを呼ぶ。
「あーあ、思った以上の収穫だったよ全く…それじゃあ次だ。」
「では、向かいましょう。」
そして、ビルスは悠々と次の強敵となりえる者の下へと向かうのだった。
♠︎
数刻前。
惑星リゾートにて。
「さて、皆さん。あなた達の働きのお陰でフリーザ軍の支配は残すところ僅か
となりました…これを記念しまして私直々に大々的なパーティーの開催を宣言いたします…今夜は無礼講!さぁ、思いっきり楽しみなさい!」
「「うぉぉーー!!!」」
フリーザ軍もまた、宇宙の支配に王手をかけ残す所は地球周辺のみとなった
事への記念として惑星リゾートを権限で貸切ってパーティーを開催していた。
フリーザは主催席に座り、馬鹿騒ぎする部下達を穏やかに見下ろす。
飲み比べを始めるターレスとスラッグ。
「サイヤ人がオレにかなうとでも!!?」
「馬鹿め!貴様と俺とでは酒の強さでも天と地ほどの差があるのだ!」
突然始まる大食い大会。
「さぁー!始まりました!第一回フリーザ軍大食い対決!実況は私ガーリックJrとー!」
「この俺!ギニュー隊長が解説だぁ!!」
「選手はご覧の通りだぁ!!」
ガーリックJrが各地に設置したモニターを起動し、そこには4人の選手が
映される。
そこにはリクーム、バータ、ジースといった特戦隊の面々。
そして。
「頑張れよー!ブロリー!」
「負けんなよー!」
「うん!」
レモ、そして最近フリーザ軍へ加入したチライがブロリーを応援する。
チライは少し前に惑星リゾートにて開催された宇宙でも有数の宝石が集まる宝石展示会に侵入し、窃盗を試みたがあえなく確保。
とはいえ、未遂という事と近くで商品の荷運びをしていたレモとブロリーの
説得によりチライはフリーザ軍に加入。
そのままチライはレモとブロリーと共に農園兼牧場で楽しく生活している。
そして、いよいよ大食い対決の幕が上がろうとしていた。
「ブロリー!おめーがサイヤ人でも俺は負けねぇからなぁ!」
と、バータ。
「俺が一位を取っちゃうもんねー!」
と、リクーム。
「……なんで、俺ここにいるんだろう。」
と、酔っ払った勢いで参加してしまったジース。
「……勝つ!」
そして、ブロリーの穏やかな闘志と共に今、大会が……。
始まろうとしたその時、中央に光の柱が発生し
あたりは騒然とする。
「……まさか。」
フリーザはすぐ様席から立ち、その柱の下へと向かう。
そこには。
「……なんだか、美味しそうな匂いがするじゃないか!」
「ええ、私も食べたばかりなのにお腹が空いてきちゃいましたよ。」
なんだか威厳を失った破壊神とその付人の天使がそこに立っていた。
とはいえ、あちらはさじ加減一つでこちらを簡単に消してしまえる身。
フリーザは僅かな汗を流しながら迎撃態勢を取る部下を制止し
丁重に彼らをもてなす。
「お久しぶりです…ビルス様。」
「久しぶりだねぇフリーザ。それで、これは?」
「私の主催する祭り事の最中でして。」
「お祭りとな?随分と美味しそうな匂いがそこら中にしてるのは。」
「宇宙のあらゆる所から集めた絶品の料理では無いかと。」
「ほーう?」
会話の最中に涎が溢れ出すビルス。
ウイスは既に姿を消し、屋台に次々と顔を出して食べ物を頂いている。
「んじゃあ…案内してくれるかい?」
「ええ、お任せを。…皆さん、この方と…そちらの方は私の客人です。
くれぐれも手は出さないように!」
「「はっ!!」」
フリーザは部下に命令を下し、ビルスを案内する。
そう、大食い大会の所に。
「ギニュー隊長。」
「は、はっ!」
「この方もエントリーさせます。…いいですね。」
「はっ!グルド!」
「へい!」
ギニューは、グルドに指示を出し、グルドは時間を停止。
即座に新しいテーブルと椅子を用意する。
「何だいこれ?」
「この場は好きな料理を好きなだけ食べていい場です。」
「へぇー。いいじゃないか。…勿論、邪魔はないよね?」
「ええ、勿論。」
「それじゃあ、僕も参加しようかな。そうだ、ここにプリンという食べ物は
あるかい?」
「ありますが…どうしましたか。」
「そうかそうか!んじゃ僕にプリンを!」
プリンがある事に喜ぶビルスはそのままブロリーの隣に配置してある椅子に座ってプリンの到着を待つ。
「それでは、ギニュー隊長。」
「はっ!!では改めて!よーい!スタートォ!」
改めてスタートした大食い大会。
始まった瞬間、選手の上に配置してある転送装置から山のような料理が
転送されてくる。
バータには特大のチョコレートパフェ。
リクームには大量のフルーツ。
ジースには山のようなイチゴケーキ。
ブロリーには、サイヤ人という事もありジャンルを問わず沢山の量の豊富な料理が。
そして、ビルスには。
「……すごいな!!」
小さいカップながらも約50はある色々な種類のプリン。
「んー!うまーーーい!!」
味もバリエーションも何もかもが違う美味しさを持つプリンをビルスは絶賛し
興奮のあまり食べ過ぎる始末。
結局、勝負はやはりサイヤ人であるブロリーの勝利となり優勝商品として
惑星リゾートの一週間の宿泊券を三枚渡され、お祭りの夜は大盛況のまま
終わりを告げた。
そして、次の日。
リゾートの料理班によるバイキング式の朝食後、ビルスとフリーザは
リゾートから少し離れた宇宙空間にいた。
「さてと…先ずは礼を言うよ、あんなに楽しい思いをしたのは久しぶりだった。」
「それはそれは…楽しんでいただけたようでなによりです。」
「それでだ、惑星リゾートだっけ、あそこは破壊しないでおくよ。でも、それは君次第だ。」
ビルスが放つ圧が段々と強くなっていく。
フリーザはその気からこれから何が起こるのかを理解し、構えを取る。
「君が果たして、僕の夢通りに強敵なのか…確かめさせてもらうよ!」
ビルスの姿が消え、フリーザの背後に立つ。
「そらぁ!!」
そこから回し蹴りをするもフリーザの姿が消えビルスの背後に立つ。
「はぁ!!」
しかし、ビルスはその攻撃を尻尾で掴んで振り上げ、フリーザを宙に浮かせて
その一瞬で接近しそのまま蹴り落とす。
だが、フリーザも蹴られる寸前に念力でビルスの攻撃の衝撃を歪ませ
ダメージを最小限に。
更に吹き飛ばれながら右手で近くの惑星から手頃な岩場を刈り取り石槍へと変形させ光速で飛ばす。
「うぉ!?」
その速度はビルスの想像を超えたものの、直ぐさま破壊によってその石槍は塵へと帰る。
だが、その大きさ故に塵の量も凄まじくビルスの視界を塞ぐ。
その隙をついて接近しアッパーでビルスを殴りあげ、その場で回転。
尻尾でビルスを叩き落とす。
ビルスはそのままフリーザが先程石槍に使った惑星へと激突し
特大のクレーターが発生する。
フリーザはその後を追って着地し。
ビルスは額から僅かに流れる血をぬぐい笑う。
「へぇ…それじゃあもう少し本気をだそうかな!!」
ビルスの気が更にその荒々しさを増し、その移動速度はフリーザの反応速度を僅かに上回る。
一瞬でフリーザの真下に潜り込んで顎を蹴り上げ、高速移動し
その吹き飛ぶ位置へ先回りして掌底を腹に直撃させながらそのまま急降下。
「ぐがぁ!!?」
そのまま、地面を抉りさるがフリーザはその破片を念力で強化して
ビルスにぶつけ僅かに怯ませた内に脱出し、上空に避難しつつ切断性の高い気弾を発射。
だが、その誘導する思考よりも早くビルスはフリーザの背後に立つも
「見えていますよ!」
更にその背後をついて念力でビルスを包んで飛ばす。
それはやがて地面に激突して爆裂。
爆風がビルスの移動速度で晴れるもその拳をフリーザは受け止め
逆にビルスの頬を殴り抜く。
乱打、乱打、乱打!
一撃当たれば一撃当て返す。
しかし、フリーザよりもビルスの方が拳の重さは強く。
フリーザの白い肌に決して無視できない傷ができ始める。
「くっ…キェェ!!」
その攻防に勝利したのはビルス。
フリーザは一歩引き、ビルスがいる前方を横薙ぎに爆砕し
そこからビルスがいるであろう座標を計算し、その空間を爆破する。
「やるじゃないか!」
その爆破に巻き込まれたのか、ビルスの右腕には僅かな火傷が出来ていたが
構わずビルスの一撃がフリーザの鳩尾に直撃。
「おぐぅ!!?」
そのまま、頬から蹴り落とされ地面が大きく破砕する。
「おいおい、僕をがっかりさせるなよ…。まさか、君の実力はそれじゃないだろ?」
ビルスは倒れるフリーザを見下ろし、告げる。
「まさか…これからが私の…このフリーザの真の力です!」
傷だらけのフリーザはそのまま気を爆発させ立ち上がり、両手をダラン、と下げてそこから少しだけ広げ、左足を前に出す。
「ハァァァァァ!!」
彼の紫の気が変色し、まるで黄金の炎となりて彼の体を包む。
その気の高まりに空は恐れるかのように雷鳴が走り、地面はその場だけを抉り取るかのように崩壊していく。
ビリビリと伝わる気はビルスを驚嘆させるに十分なもの。
「……これは…!!」
「カァァァァァ!!!!」
そして、フリーザの黄金の炎が爆発し発光。
その眩さにビルスもまた、目を塞ぐ。
中から現れしその身は一点の曇りもない黄金に染まり
先程とは比較にならない気の圧がそこら中を破砕させる。
そして。
「はっ!!」
今度はビルスがフリーザの動きを見切れない。
膝蹴りをもろに喰らい、ここで初めてビルスにまともなダメージが入る。
「なるほど……面白い!!」
脳の揺さぶり、そして先程とは違って夥しく流れる血はビルスを歓喜させる。
それは、ビルスがフリーザを本当の意味で強敵と認めた証でもあった。
「全力だ!!正真正銘の破壊神の本気…その身で味わってみろ!!」
「では…遠慮なく!!」
そして、2人の姿が搔き消え、爆音が拳がぶつかり合った後に響き出す。
それはつまり、音さえも最早、2人の戦いに追いつく事が出来ないという事。
その音、その衝撃は星を越え、星系を越えて、遥か遠い宇宙の果てまでも伝わる。
拳がぶつかり、膝がぶつかり合い、距離が離れれば気弾が秒よりも早いスピードで何千発と打ち消しあう衝撃は音というよりは波。
荒れ狂う波は星を簡単に砕けちらせ、小さくしている。
これが僅か1秒の出来事。
ビルスとフリーザが同時にダメージにより怯み、流血の線と共に距離が出来る。
「はぁ…はぁ…やるじゃないか。じゃあこれならどうだ!!」
ビルスの周りに高密度の、それこそ惑星を何百も破壊できる程のエネルギーを持つ気弾が浮遊する。
「そら!そらぁ!!」
それをフリーザに向かって蹴り飛ばし、その気弾はソニックブームを巻き起こしながら正確にフリーザへと迫る。
だが、フリーザにぶつかる寸前にその気弾は静止し、フリーザが指を動かせば僅かに見える糸がその気弾を捉えてビルスに投げ返している。
「はははぁ!!破壊!!」
その全てを破壊の力によって破壊し、フリーザに迫るも。
「捕らえましたよぉ!!」
フリーザの念力がビルスを完全に拘束する。
何とか逃れようともがくも抜け出す事は叶わない。
「はぁ…はあ……!!これで……どうです!!」
そのまま、地面へとビルスを叩き潰して追撃に黄金に禍々しく光る光弾を
投げる。
「調子に…のるなぁ!!」
その全てを破壊で消し去るも既に目の前には黄金を纏ったフリーザの姿。
「今すぐ黙らせてやりますよ!!そらぁ!!」
そのままビルスに突撃しながら地面を掘り進め、遂には星の核を貫通して
裏側にまで直通してしまう。
空中に放り出され骨がいくつか折れたビルスはフリーザの追撃の拳を掴む。
「オォ!!!」
それはフリーザの顔面の真ん中に突き刺さり、フリーザの鼻は複雑になる。
だが、フリーザはそのままニヤリと笑って殴り返す。
「フン!!」
それはビルスの腹にヒットし、衝撃で肋骨が数本折れる音が聞こえる。
負けじとビルスも全力の蹴りをフリーザの脇腹に直撃させる。
「オブッ!!?」
肋骨が数本折れ、その内の一つが肺に刺さりフリーザは大量の血反吐を吐く。
しかし。
「ォォ!!!」
再度、フリーザが放った拳はビルスの脳天を殴り抜く。
「ッッ……!!?」
頭蓋骨が僅かにひび割れ、その手を離してしまうが
離されたフリーザの手は骨が完全に飛び出ており、もう使い物にはならないだろう。
互いに重傷、後一発で致命傷となりうる状況の中。
2人の獣は笑い合う。
「ハハ!!…ゲボォ!た、楽しかったよ…本当に!けど…!」
「どうやら…ゴフッ!これが最後になりそうで…!!!!」
ビルスは両手を広げ、惑星よりも巨大な光弾を創り出す。
対するフリーザは残された腕に全ての力を込め、その時を待つ。
だが。
『フハハハハハ!!この時を待っていたのだ!!』
そこに最悪の横槍が入る。
ドミグラの思念体だ。
ドミグラの魔術によってビルスの周りに暗黒の気が走る。
それはビルスが洗脳されたという事に直結する。
『キサマと破壊神が互いに死の直前の今!私だけが知る今!!やはり私は絶対なのだ!!ハハハハハハ!!!』
それを冷えた目で見つめるフリーザ。
「……はぁ。」
洗脳されたビルスとフリーザの目が交差しあい
そして、その一撃をドミグラに発射する。
『な………!!?』
容赦ない一撃はドミグラに直撃し時空の歪みができる程の大爆発が起きる。
「……あーあ。折角の楽しみが台無しだ…あれ、誰かわかるかい?」
ビルスは静かに怒りを滾らせ、フリーザに尋ねる。
「あれは魔神ドミグラ…どうやら時系列に干渉して悪事を働いているようです。」
「時空ねぇ…そりゃあ確かクロノアの領分だったっけ……おい、ウイス!」
ビルスが血を吐きながら、ウイスを呼ぶ。
どうやら少し遠くで2人の戦いを観察していたようだ。
「フリーザをリゾートに送ってから……アイツを破壊しに行くぞ。」
「はい、ビルス様。」
それを聞いたのを最後にフリーザはそのまま意識を失う。
そして――1週間が経過した。
紹介コーナー
・フリーザ
重度の疲労と骨折。
後は気の激しい消耗。
後、満足。
・ビルス
上記と同じだが
折角の楽しみを奪われた事への怒りが勝った。
・悟空
ゴッドを体に吸収したが、それ以上にすげぇ2人がいる事に気づく。
・祭
参考はマギという漫画の謝肉祭をイメージ。
宇宙全てのグルメがここで味わえる。
・魔神ドミグラ
ーーTHE.END