ドラゴンボールF   作:月日火

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束の間の天下

一週間前のコントン都、時の巣。

歴史の全てを司るこの場は今まさに空前絶後の危機を迎えていた。

 

「……ねぇ、僕は今キレてるんだよ。わかるかい?」

 

「わわわわかってます!わかってますけど……!!」

 

刻蔵庫を背に必死でビルスを止めようとしているのは、ここの界王神である

クロノア。

だが、ビルスは怒っている。

本能に従った理不尽な怒りではない。

今の彼は理性を保ったまま冷静にブチ切れている。

 

「……ここから見てた傍観者の君にはわからないだろうさ。知ってるかい?

フリーザとの戦いはね、今まで生きた中で一番楽しかった…そう、楽しかったんだよ……!!あれ程までに心躍った事は無かった!僕が本気で負けると考えたこともな!!」

 

本来の歴史においてフリーザとビルスの戦いは引き分け。

ドミグラの邪魔が無ければ、最後の攻撃は両者を焼き尽くしどちらも瀕死の重傷を負うという結末だ。

 

だが、その結末はゼロになった。

ビルスはそれが許せないのだ、勝負とは何かしらの終わりがあるものであり決着がつかない戦いなど道端のゴミ同然。

 

今この場のビルスは破壊神であり、決着を奪われた戦士。

故にこの怒りは当然ではあるが、クロノアは生憎と戦士ではなく管理者。

この場でビルスに破壊なんてされた日には、今までの歴史が無にされる。

 

だからこそこうやって実力の差を放り出して必死に止めようとしている。

タイムパトローラーもトランクスもこの場にはいない。

 

今は歴史の改変に赴いているドミグラを止めるために必死に修行を積んでいる最中、呼ぶわけにはいかない。

破壊神の荒々しい怒りはクロノアを萎縮させるには十分すぎる威力がある。

だが、ここで引くわけにはいかない、これはこちらの問題。

たとえ破壊神であろうとそれを譲る気はないのだ。

 

「……わかりませんよ、私はここを管理する者。個人の感情は許されません。

誰かの感情に移入する事もあってはなりませんから。」

 

「それで…何が言いたい。」

 

ビルスは前方の涙目のクロノアに手をかざす。

それは下らない答えであれば即座に破壊するという意であり、同時に最後通告でもある。

 

「ビルス様の怒りは理解はすれど共感はしません。ですが、時の支配はあくまで私が任され、私がそして彼らが護るもの。それを破るのは…たとえ破壊神であろうとも許しはしません!!」

 

ビルスに対し啖呵を切るクロノア。

そうして暫く睨み合いが続き、ビルスの方が折れた。

 

「……そこまで言うんだったら僕がそいつらを試そう。そいつらが僕の眼鏡に適うようだったら僕は大人しく奴が死ぬのを待っててやるよ。けど、もし僕の目が

そいつらを任せられないと判断したら…君も、ドミグラも、全てを纏めて破壊する。いいね?」

 

クロノアはそれに応じる。

それによりタイムパトローラーとトランクスは破壊神の試練を受ける事となり

ボロボロになりながらも立ち上がる彼らの姿を見て、及第点とし

ビルスはドミグラの消滅をこの目で見届けさせる事を条件にコントン都へと

居座るのだった。

 

 

数日後、コントン都に裂け目が発生し中からドミグラが現れる。

ドミグラはトキトキを捕獲吸収し、時の支配を我が物にせんと蹂躙を開始する。

 

その直後地球では、突如として今まで倒したセル、ベビー、合体13号、そして魔人ブウが復活。

タイムパトローラーはそちらに向かう事となり、トランクスは1人ドミグラに立ち向かう。

 

「ドミグラ!お前の野望も今日で最後だ!!」

 

「ほざけ、キサマなど敵ではないわ!!」

 

トランクスは超サイヤ人に変身し、ドミグラに巧みな剣術を使いながら立ち向かうも魔術の圧倒的な弾幕の前に身動きが取れず。

 

「かかったな!!」

 

弾幕の中に仕込んでいた洗脳魔術にトランクスは捕らえられ、ドミグラの操り人形にされてしまう。

 

一方、タイムパトローラーは超サイヤ人3の力と駆けつけた悟空、そしてベジータの尽力もあり撃破に成功するも今度は悟飯、ピッコロ、ゴテンクスが洗脳された状態で襲いかかってくる。

 

「ここはオラ達に任せろ!」

 

「貴様は貴様の戦いにさっさと向かいやがれ!!」

 

しかし、悟空とベジータが殿を引き受けた事によりタイムパトローラーはコントン都に帰還する。

 

だが、そこにはかつてのコントン都は無く赤黒く染まった空が青い空を覆い尽くし美しかった街は破壊し尽くされてしまっていた。

 

「随分と遅かったじゃないか。もうそろそろ僕が決着をつけるところだったよ。」

 

リゾートから盗んできたジュースを飲みながら、ビルスとウイスは襲いかかってきたので気絶させたトランクスを担ぎながら状況を説明する。

 

急いで時の巣に向かうタイムパトローラー。

そこには、刻蔵庫を背後に嗤うドミグラの姿。

 

「遅かったじゃないか…タイムパトローラー…いいやシャロット、と呼んでおこうか。もうじきタイムパトローラーという者は消滅するのだからなぁ。」

 

「テメェの好きにさせると思うのかよ!テメェはここで!俺が倒す!」

 

「その傷だらけの体でか…無駄だ、私のこの新たな神話の創造は最早誰にも止められはしないのだからな。」

 

「神ねぇ…言うじゃないか。僕の戦いの邪魔をした事…忘れたとは言わせないぞ。」

 

怒りに震えるビルスとシャロット。

だが、その怒りはドミグラには届かない。

 

即座に魔術により杖が量産され辺り一帯に発射される。

ビルスは軽く弾いていくが、シャロットは苦戦し最後は腹を貫かれ魔術で

封じ込められてしまう。

 

そしてトドメと言わんばかりに特大の気弾を放ちドミグラは時空の穴から

脱出。

 

かくして、ドミグラの新たな時代は……始まらなかった。

 

気絶していたはずのシャロットが何故かこの空間へと姿を現し

隣にはビルスまでいる始末。

 

「何故だ……!!あの場所で破壊なぞ使えない筈…!!」

 

「あぁ、あれなら悟空に放り投げてきたよ。面倒だったからね。」

 

そう、あの気弾はウイスが連れてきた悟空に全部放り出してビルスはこの戦いの最後、そしてドミグラの最期を見届けにきたのだった。

 

これにドミグラは焦る。

しかし、自身の神としてのプライドと今まで溜め込んだ全ての力さえあればたとえ破壊神であろうとも倒せるという自信がドミグラの退路を断つ。

 

「良いだろう…今まで溜め込んだパワーの全てを使い貴様らを時の闇へと沈めてやる!!」

 

ドミグラはパワーを解放し、青き魔獣となりて2人に襲いかかる。

 

それにシャロットは超サイヤ人3に変身し迎え撃つ。

始めのうちは硬い外皮と魔術防壁が邪魔しロクなダメージが与えられなかったものの、ビルスが防壁を破壊した事で戦況は一変。

怒りによって成長するサイヤ人の本領がここぞと言わんばかりに発揮され

ドミグラは完全に追い詰められる。

 

「く、くそぉぉぉぉぉ!!!」

 

怒りのまま全ての力を使い突撃するドミグラだったが、シャロットのかめはめ波によって相殺され。

 

「龍拳ダァァァ!!!」

 

シャロットがコントン都の師匠から教わった龍拳でドミグラの腹を貫きトキトキを奪還する。

 

「どうだぁ!!」

 

「オ、オノレェェェ!!」

 

それでもなお、襲いかかろうとするドミグラだったが。

 

「往生際が悪い奴だね…君は負けたんだ……つまりもう僕も遠慮なんてする必要は無いという訳だ。…破壊。」

 

「ァァァ!!キ、キエル……このワタシガァ……。」

 

ビルスの破壊により歴史に認識もされずに永遠に消滅した。

 

かくして、コントン都にひと時の平和が戻っていったのだった。

 

♠︎

 

そして現在。

 

目を覚ましたフリーザはビルスによって事の顛末を聞かされたのち

トレーニングルームに来ていた。

 

「………。」

 

1人立つフリーザは自らの拳を握っては開きを繰り返す。

ビルスとの死闘の中でフリーザは何か見えない壁を壊した感触があった事を思い出す。

 

「……フッ!!」

 

そしていつものようにトレーニングを行う。

そうするとフリーザは今までよりも格段に体が使いやすくなっている事に気づく。

更に今までよりも気の質が明らかに変わっており、気が研ぎ澄まされたというべきか洗練されたというべきか…。

 

…今なら、出来る気がする。

そう考えたフリーザはあの戦いの事を思い出す。

イメージするのは万物を破壊せし力。

あれだけ見本は見たのだ。ならばこのフリーザが出来ないはずは無い!

 

「ハァァァ……!!」

 

両手を合わせ、イメージを具現化させようとする。

だが、やはり破壊神の技というべきか中々上手くはいかない。

とはいえそんな程度で諦めるフリーザでは無い。

 

ビルスの目覚めは更なる力の加速を生み出す事をフリーザは知っている。

もう強さに胡座をかく時間は終わったのだ。

だったらこの技は完成させなければならない。

そして、数時間が経過しついに、僅かではあるが高密度の破壊のエネルギーが

手の中に出来てくるのを感じる。

 

「……はぁ…はぁ。」

 

だが、その分疲労も恐ろしく気の半分以上を使用した結果のこの小ささ。

フリーザはまだまだ修行が甘いという認識とまだまだ強くなれるという確信を抱いて再びトレーニングを続けるのだった。

 

僅かに時は流れ、再びビルスがフリーザの下に来訪する。

 

「おい、フリーザ!お前も出ろ!」

 

「……ウイスさん。」

 

いつになく焦るビルスを尻目にフリーザはウイスへと説明を求める。

 

「はい、先ずはこの宇宙について説明する必要がありますね。」

 

ウイスは宇宙の原理、対となる宇宙と破壊神についてを語る。

そして、この第七宇宙と対になる第六宇宙の破壊神たるシャンパが地球の交換を要求するために格闘試合を申し込んだという事を。

 

「はぁ…それは随分と…しかし私には関係ないでしょう。」

 

「嘘つけ、僕は知ってるんだぞ!君の宇宙侵略とやらが後地球ぐらいしか残ってない事なんてな。」

 

「…まぁ、そうですが。」

 

知らん顔を決め込もうとするフリーザだったが前回祭に乱入したビルスが指摘し気まずさで目を逸らすものの、流石に断るのは無理と判断したのか不承不承ながら了承した。

 

「くくく!!これでシャンパの野郎に赤っ恥をかかさられるぞ!!」

 

「やれやれ…。」

 

悪どい笑みを浮かべて喜ぶビルスを呆れた目で見つめるフリーザ。

だがまぁ、力の大会に向けてヒットの技を見ておくのも悪くはないだろうと思考を切り替えたフリーザは、ギニューやザーボン達に臨時の指揮を任せビルスとウイスと共に地球へと向かうのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




3秒でわかるドミグラ戦。

「破壊。」

「うわぁぁぁぁ!!!?」

紹介コーナー

・フリーザ
ビルスとの戦いで見えなかった壁をぶち壊し、更なるステージへと登っていく。

・ビルス
珍しく破壊神としてというより神として仕事をした。

・シャロット
元ネタはドラゴンボールレジェンズの主人公。
口調が果たして合っているのか不安だがまぁいいだろう。

・ドミグラ
詰みからの完全敗北、死亡。

・??
そろそろ、起きる時間。


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