ドラゴンボールF   作:月日火

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破壊神選抜格闘試合

ウイスに連れられこれで3度目となる地球への来訪を果たしたフリーザ。

だが、フリーザはビルスに許可を得て

悟空達に顔見せをする前に用事を済まそうととある場所へと向かっていた。

 

そこはかつてDr.ウィローが巣食っていた永久氷壁のラボ。

フリーザは再び念力で氷壁をこじ開けラボへと入っていく。

そして作業をしているビッグゲテスターのAIにコフィンの状態を尋ねる。

 

「完成度はどうです?」

 

『問題ない、いつでも起動できる。…が、性格に僅かに歪みがある。…大方、魔人ブウの細胞を組み込んだからだな。それでもいいか?』

 

「問題ありません。彼…いいえ、彼女の試運転に第六宇宙とやらを利用させていただきましょう。」

 

『了解だ…その第六宇宙の方の細胞も一応、スパイカメラで得ておくか?』

 

「お願いしますね?」

 

『では、コフィンを開くぞ。』

 

ビッグゲテスターの指示によりコフィンが冷気とともに解放され

中の女性が目を覚ます。

 

「ふぁ〜ぁ、やっと起きられた!退屈だったのねぇ…この中。」

 

「おはようございます。気分はどうですか?」

 

栗色の長髪をし側にあった眼鏡をかけた女性はフリーザを見て小悪魔じみた笑みを浮かべ、こう告げる。

 

「まぁまぁね、それよりも…私とってもお腹が空いてるの?お菓子をくれないかしら?…パァパ?」

 

「……はいはい、これを食べなさい。」

 

フリーザはそれに呆れながらも、予め用意してあった五つのお菓子を21号に手渡す。

21号は、少しむすっとしながらもお菓子を手に取り食べる。

 

「…まぁまぁね…点数にするなら…60点ぐらいかしら?」

 

「…でしょうね、では次はこちらです。」

 

まだ物足りなさそうな21号に今度は山羊の形をしたクッキーを手渡す。

 

「ん〜〜!!おいし!点数にするなら90点って所ね!」

 

「それは何より。さて、私の事を父と呼んだのなら父のお願いを聞いていただけますよね?ねぇ、娘?」

 

今のクッキーは大分高評価だったようで絶大なパワーアップを果たした21号に今度はフリーザが悪どい笑顔で告げる。

 

「ええ、いいわよ。それで?私は何をすれば良いのかしら?」

 

21号は僅かに笑みを浮かべたが直ぐに消え、フリーザに似た悪どい笑顔に変えて快諾する。

 

「先ずはあなたがどれ程の強さなのか試運転です。付いてきなさい。」

 

「はぁーーい。」

 

フリーザの後ろに付いた21号はそのままラボから退室。

ビルスに告げられた集合場所へと向かうのだった。

 

♠︎

 

一触触発、今の状態を表すのならこの言葉が適正だろう。

集合場所へとたどり着いたフリーザを悟空以外のメンバーが最大限の警戒心を

露わにする。

 

「ビルスがいう最強の戦士が誰かと思えば…貴様だったかフリーザ…!!」

 

「おぉ、怖い怖い。そう殺気を出すものじゃないですよベジータさん。…怖がっているのがバレバレになってしまっていますからねぇ?」

 

「なんだと……!!」

 

ベジータが殺気を出してフリーザに近づくも軽くあしらわれ殺気を増すも

ビルスに睨まれ、舌打ちをして下がる。

今度は悟空がフリーザに近づいて挨拶をする。

 

「おめぇがフリーザちゅうんか!オラ悟空!よろしくな!」

 

「…ええ、よろしくお願いします。悟空さん。」

 

フリーザは、記憶にある通りに能天気さに少し引くも挨拶を返す。

 

「それで、こっちは?」

 

「彼女は…私の娘です。」

 

「な、なんだと!?」

 

「フリーザに娘だと……!!?」

 

悟空がフリーザの背後の女性の正体を質問すればフリーザはなんて事の無いように21号を紹介する。

ベジータ、そしてピッコロはそれに驚きを禁じ得ない。

 

対する21号はこれまたなんて事ないように普通に手を振る。

 

「で…これが5人目か?フリーザ。」

 

「ええ、彼女なら十分第六宇宙の戦士にも引けは取らないでしょう。」

 

「お前が言うなら、そう言うことにしておくが…無様を晒したら破壊するからな。」

 

「あら、怖いわパパ。」

 

「全く…。」

 

ビルスは21号を脅すも21号は小馬鹿にしたような笑みでフリーザに隠れる。

とはいえ、21号の方が背が高い為殆ど隠れられていないので焼け石に水のようなものなのだが。

 

ともあれ、これで全ての戦士が集い

5人はキューブと言われる移動装置で第七宇宙と第六宇宙の中間にある『名前のない星』と呼ばれる星へと向かっていった。

 

♠︎

 

会場へとつけばどうやら第六宇宙の選手達は先についていたようであった。

 

フリーザが軽く選手をみれば、ふくよかな黄色のクマ。全身が機械の蒸気の戦士。そして、自らをサイヤ人と名乗った貧相な体をした少年に、自らと同じ種族の戦士。

 

最後に腕を組んで沈黙する戦士。

フリーザの記憶はその戦士こそ、『時とばし』など時間、時空系の技に長けるヒットである事を断定する。

 

というのも今回のフリーザの目的はヒットの『時とばし』にある。

グルドに教わった時間停止の上位互換というべきその技を是非とも盗む。

それが今回のフリーザの最大の目的だった。

 

程なくして試合が始まる…と思いきやどうやらペーパーテストがあるらしく

戦士達は揃って机に向かう事となった。

 

とはいえ、曲がりなりにも王子のベジータ、そして神の知識を得たピッコロ。

現在まで帝王の地位を不動のものとしたフリーザやDr.ゲロ以上の頭脳を持つ

21号にとって唯の一般教養如きは楽勝であり、余裕の100点を記録する。

 

…が、悟空だけは50点という合格ギリギリの点数を叩き出し

ビルスに冷や汗をかかせた。

 

とにかく、第六宇宙含め全員が合格した事により試合は問題なく開始する事となった。

 

第七宇宙の布陣は大将をフリーザとし

先鋒、孫悟空。 次鋒、ピッコロ。 中堅、ベジータ。 副将、21号という布陣となった。

 

第1試合は黄色いクマのボタモ。

ボタモのダメージを通さないボディに苦戦する悟空ではあったものの

気絶ではなく、場外へと戦法を切り替えた事でボタモは悟空の攻撃でボールのように跳ね回りそのまま場外へと叩き出され敗北する。

 

第2試合はフリーザと同種族のフロスト。

初めから最終形態へと変身するフロストに対し超サイヤ人に変身した悟空。

戦いは終始悟空が有利だったものの悟空の攻撃がフロストの右腕に当たった途端、悟空の体が一瞬硬直しそのまま悟空は気絶してしまう。

よって、勝負はフロストの勝ち。

程なくして起き上がった悟空は笑顔でフロストの勝ちを讃え、フロストもまた苦しくも楽しい勝負だったと悟空との勝負を讃えた。

 

第3試合はピッコロ対フロスト。

マントを脱ぎ捨て本気となったピッコロは勝負を素早く片付ける事を優先し

多重残像拳で、武舞台を埋め尽くす程の分身を繰り出しながら最大限まで魔貫光殺砲を溜め始める。

それに対しフロストは気弾を周囲にばら撒く事で着実に分身を消していき

遂にピッコロ本体を捉える。

魔貫光殺砲が消失したピッコロだが、すぐ様右腕を伸ばしてフロストを完全に捕えてもう片方で準備した魔貫光殺砲を放とうとする。

しかし、解こうとしてフロストの右腕がピッコロの右腕に当たった瞬間にピッコロの体が一瞬硬直し気が霧散。

 

その隙を狙ってフロストの蹴りがピッコロに炸裂。

ピッコロは場外となり、フロストの勝利が確定した。

 

が。

 

「あら、あなた右腕に毒針を仕込んでるのね。」

 

21号がフロストの右腕を看破。

審判が調べた結果、フロストの右腕には精神系の毒が仕込まれていた事が発覚。

結果ルール違反によりピッコロの勝利となるのだがピッコロは棄権し

ベジータがフロストと戦う事となるが、ベジータは一撃でフロストを粉砕。

 

続くマゲッタとの試合は、バリアに触れたら場外というルールが邪魔をし

更にはマゲッタの鋼鉄のボディがベジータの攻撃を通さなかったが流石に超サイヤ人2の攻撃には耐えられなかったようで鋼鉄のボディに亀裂を走らせながら場外へと落下していった。

 

次に降り立つのはサイヤ人であるキャベ。

とはいえ、超サイヤ人になれないサイヤ人など今更ベジータの敵ではない。

キャベの乱打を軽く躱し、一撃浴びせてやればすぐ様キャベは膝をつく。

ベジータはそれに失望するもキャベの教えをこう姿勢に激怒。

サイヤ人の誇りとはなんなのかを説きつつ、惑星サダラを滅ぼすなどの虚言により間接的にキャベに超サイヤ人へと変身させる。

だが、超サイヤ人なりたてのキャベと超サイヤ人2のベジータでは天と地の差。

ギャリック砲とエネルギー波のぶつかり合いにおいてベジータが圧倒。

キャベは堪らず場外へと吹っ飛びベジータの勝利。

 

 

そして、いよいよ最後の戦士ヒットが武舞台へと降り立つ。

ベジータは初めからブルーに変身し、構えを取る。

対するヒットは不動の姿勢でベジータの攻撃を待つ。

 

まず最初に仕掛けるはベジータ。

だが、ヒットの動きが一瞬ブレたかと思えばヒットの拳が人体の弱点の一つである人中へと突き刺さる。

 

その吹き飛んだ時間をはっきりとフリーザは視認できていた。

 

「ふむ、やはり一度時間というものに触れていれば彼の動きは認識可能…と。」

 

そして、21号は約0.1秒の時間の切り取りに違和感を覚える。

これは少し前に口にしたモロの魔術的知識と数多の思考の科学者の頭脳を受け継ぐ21号だからこそ気づける事。

そんな彼女が僅かに頭を働かせれば答えはおのずと見える。

 

「へぇ…時間への干渉かしら。…美味しそうね、彼。」

 

 

ベジータは多少ふらつくも、直ぐに反撃を繰り出す。

ヒットは確実に躱しながら、こめかみや乳様突起といった急所を打ち抜きベジータの方向感覚を狂わせる。

しかしベジータはそれに耐え再び攻撃を食らわせにかかる。

が、ヒットには一向に当たらず逆に水月、喉仏、顎と連続で打ち抜かれる。

そんなに中でベジータはヒットの弱点に気付く。

それはヒットの攻撃の一撃の軽さ。

それに気づいたベジータは笑い、ヒットに再度攻撃。

 

「だりゃぁぁ!!」

 

「はっ!!」

 

ベジータの顔面への攻撃を躱し、間髪入れずに肝臓へと拳を叩き込むがベジータはその攻撃を掴んでヒットにようやく一撃を喰らわせる。

次いで2撃目を放とうとするが、ヒットの重く鋭くなった拳が脳天に直撃。

激しく脳が揺さぶられたのか流石のベジータでも耐えきれずに気絶。

 

そしてそれを見た21号が武舞台に降り立つ。

21号は眼前に立つヒットを見て嗤いながら忠告する。

 

「一つ忠告しておくわ、あなた、本気出さないと死ぬわよ?」

 

瞬間、21号の気が自身の周りを囲むように荒れ狂い、21号の体が変化する。

体肌はピンクになり、目は赤く染まる。

 

ヒットはその気の圧から僅かに警戒度を上げ、無言のまま構えを取る。

 

「ふぅん…そんなのでいいのかしら?ま、良いわ。」

 

そう言い、21号は攻撃を仕掛けに掛かる。

それに合わせヒットがカウンターを繰り出そうと時とばしを発動して。

 

「はい、捕まえた♩」

 

21号の腕がその飛んだ時の中のヒットを捕らえた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




紹介コーナー

・フリーザ
一児の父になりました。

・人造人間21号
基準は悪ベース。善なんて無い。
モロやヘラー一族を食べた為強さは折り紙つき。
悟空、ベジータといったサイヤの細胞やピッコロ、ベビー、セルに、魔人ブウ。そしてフリーザの細胞を取り込み、様々な技術の権威を取り込んだ完全なるハイブリット。
創造主たるフリーザは父と認定した、推定10歳程度。

・第六宇宙の皆様。
ダイジェスト。トワやらドミグラが死んだので変化なし。

・ヒット
今作はアニメ版の強さで進行。
時とばしを少しの時間で看破された。


活動報告に次回作の案を記入してますのでもし良ければ。

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