ドラゴンボールF   作:月日火

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力の大会前夜

ーー力の大会。

それは全王が少し前に見た破壊神同士の大会に感銘を受け、今度は宇宙全体でやってみようと計画した座興。

あるいは、宇宙消滅前の戯れ。

 

全12宇宙の中から人間レベルと呼ばれる裁定基準が低い宇宙下位8位までが対象。

対象外は今回であれば第1、第5、第8、第12宇宙である。

その宇宙の破壊神及び天使は代表者全10名の選手を選抜し、覇を競う。

敗北条件は武舞台からの落下のみであり、舞空術は禁止。

全選手が脱落した時点でその宇宙は強制消滅。無に帰される。

 

場所は無の界。

宇宙のどこでも無い、唯の無の世界である。

 

発案者は、言わずもがなの孫悟空。

 

コメソンの事件から数ヶ月たった現在。

この説明を惑星フリーザへ赴いたビルスから聞かされたフリーザは頭を抱えた。

 

「………はぁ。何を考えているのでしょうねぇ。」

 

とはいえフリーザはこの事態を既に識っていた。

だが、実際に聞いてみてその馬鹿さ加減に感謝すると同時に呆れた。

確かに孫悟空がそれを提案しなければ、第7宇宙は知らずのうちに無に帰した。

そこには感謝しよう。

だが、もう少しなにか無かったのかと恨まずにはいられない。

 

しかし、これでフリーザも参加しないという選択肢はゼロである。

参加しなかった場合、地球のメンバーだけでは上位には立てるだろうが確実に敗北する。

理由は単純。

第11宇宙最強の男。力に溺れ、しかし力を制した男。

フリーザが識る正真正銘の化け物。

名はジレン。彼だけには悟空もベジータも勝てはしない。

トッポやディスポ辺りならば悟飯やベジータでどうにかなる。

だが、ジレンだけは駄目だ。本来ならば彼1人だけでも十分、だからこそあの宇宙の破壊神は絶大な信頼を置いていた。

 

フリーザは目頭を押さえながら溜息をつく。

ビルスは出されたスイーツを食いながらもその目は真剣であった。

 

「…言う事でも無いがお前は確実に出ろ。僕に匹敵する力だ、大抵の奴に負けはしない。後は…お前の娘も出せ。あの暗殺者に勝てる実力を出さない選択肢は無い。」

 

「はいはい…いいでしょう。私もただ黙って消されるのは御免です。ですがこちらにも条件が。」

 

「なんだ?」

 

フリーザの提案に、ビルスは神妙な表情で尋ねる。

フリーザは4本指を立て、宣言する。

 

「4名、こちらから出させていただきます。後はどうせ地球の方々が出るのでしょうし勝手に決めてください。」

 

「……いいだろう。ただし、相応の実力の奴なんだろうな?」

 

「ええ、それは保証いたします。とはいってもどちらもサイヤ人ですがね。」

 

「ほう…名前は。」

 

「ターレスさん、そしてブロリーさん。どちらも素晴らしい戦闘力の持ち主です。」

ビルスはそれを聞いた後に放っていた威圧感がゆっくりと消えていき

いつものお気楽な彼に戻っていく。

 

「まぁ、君がそう言うなら任せるよ。それじゃあ僕は地球の連中に伝えに行ってくるから。」

 

「あぁ、最後に。私達の宇宙の人間レベルって…。」

 

「…9番目だそうだ。これでもかなり上がってはいるらしい…はぁ。」

 

肩を落としながらビルスはそのまま側に立たせたウイスと共に地球へと向かっていった。

 

フリーザは、それを見送った後に通信機でまず2人の集合を要請する。

 

「21号さん、ターレスさん。直ぐに来なさい。」

 

 

21号は魔術により、空間転移ですぐに到着。

ターレスは近くの星で、視察を行なっていたため少し遅れて到着した。

 

「で、何の用かしらパパ?」

 

「俺を呼ぶって事は…何か重大な問題でもあったってのか?」

 

「ええ、それについてはこれを。」

 

フリーザは、予め作成した紙を2人に渡す。

それをみた21号は顔を顰め、反対にターレスは僅かに口角を上げた。

 

「何よこれ…気に入らないわね。」

 

「いいじゃねぇか、俺は賛成だぜ。最近体が鈍りかけてきたところだったからな。それにただ黙って消されるってのは癪に障る。」

 

「…それに関しては賛成ね。で、これに私達も?」

 

21号の質問にフリーザは是と答える。

 

「ま、良いわよ。美味しそうな人がいると良いのだけど。」

 

「あ、食べるのは禁止ですよ。」

 

「えー。」

 

「俺もいいぜ。せっかくチームが元に戻ったのに消されたんじゃ溜まったもんじゃねぇからな。」

 

「ええ、では2人は準備の程を。私は最後の1人を迎えに行ってきますので。」

 

そして、フリーザはブロリーの下へ瞬間移動。

残された2人もまた語る時に備え、訓練室に向かい軽く手合わせを開始したのだった。

 

 

♠︎

 

 

「私は反対だよ!」

 

「お、おいチライ…。」

 

ブロリーの下へ瞬間移動したフリーザ。

近くにいたチライ、そしてレモにも事情を説明し、参加を要請をしたものの

それにチライは猛反発。

レモが必死に宥めるもチライは止まる事を知らない。

 

「ブロリーはアンタも知ってるだろうけど優しくていい奴なんだ!戦う事なんて出来る訳無いじゃないか!?」

 

「…私達が負ければ宇宙が消滅するとしてもですか?」

 

「…それは。」

 

フリーザが感情のままに叫ぶチライに改めて敗北した後の運命を告げる。

チライはそれを受けて沈黙する。

だが、どうしてもブロリーに危険な目にあってほしくないというのはその様子から伝わってくる。

 

しかし、それを聞き沈黙していたブロリーが口を開く。

 

「…わかった。俺も出る。」

 

「!?で、でもアンタ……!!」

 

まさかの宣言にチライは驚く。

ブロリーはそれを穏やかな笑みと覚悟を決めた目で見つめる。

 

「確かに、戦うのは、苦手だ。けど、チライとレモ。それにバア。…そしてフリーザが消えちゃうのは…もっと嫌だ。」

 

「……そっか。アンタがそう言うならアタシは止めないよ…けど、出るからには思いっきりやってきな!!」

 

「うん…!!任せて…!!」

 

「俺から言える事は少ないが…まぁ、そうだな…出るからには勝ってこい!」

 

「うん!!」

 

「話は纏まったようですね。」

 

「あ、えっと……ご、ごめんなさい。フ、フリーザ、様。」

 

「いいえ、まぁ次はありませんよ?」

 

「は、はぁ〜い。」

 

チライはブロリーに覚悟をしっかりと受け止めて、応援。

レモはもう何年もブロリーと共に過ごした事もあり親のような気持ちでブロリーを送り出す。

そして、フリーザが声を掛ければチライはすごすごと謝る。

ともあれ、これでフリーザ軍の4強が揃い準備は完全に……。

 

「そこまでだ。」

 

その時、フリーザ達の周りを黒ずくめの男達が包囲した。

 

「……何者です?」

 

フリーザはその正体を知ってはいたがあえて尋ねる。

その正体は第9宇宙からの刺客。

大方、ビルスの動きを観察し最も厄介になる者でも排除しに来たのだろう。

フリーザが周りを見渡せば辺りは温い殺気だらけ。

これならば大した時間も掛けずに終わるだろう。

 

「貴様に名乗る名は無い。貴様達をここで始末する。」

 

「ほう、随分と大きな口を叩きますねぇ雑魚の癖に。」

 

「……ほざけ!!」

 

リーダー格と思わしき男が叫ぶと男達は一斉にフリーザ、そしてブロリーへと

押し寄せる。

フリーザは片手の念力でチライとレモを防御する膜を創り出し、そこから出ないように告げる。

 

「さてと、軽いウォーミングアップといきましょうか。」

 

「うん…オオオオオオオオオオ!!!」

 

フリーザが首を鳴らしながらブロリーへと視線を飛ばせばブロリーは大猿の力を解放しそのまま前方の敵を薙ぎ払っていく。

 

「ひいぃ!!?」

 

「な、なんなんだぁアイツはぁぁ!!」

 

「ひ、ひとじ…ギャァァァァァ!」

 

ブロリーの剛腕の前には刺客達など紙屑にも等しく、刺客達は次々と吹き飛ばされ地面へと埋め込まれていく。

その際でフリーザは一歩も動く事も無く既に観戦状態に入ってしまっていた。

 

「おやおや、これでは私の出番はありませんねぇ…ホッホッホ。」

 

「油断したなぁ!喰らえぇぇ!!」

 

そんな隙だらけのフリーザを目掛けてリーダー格が第9宇宙の破壊神たるシドラから授かった破壊のエネルギーを投げつける。

だが。

 

「ふむ。」

 

フリーザはそれを見ること無く容易く受け止めた。

 

「……………へっ?」

 

絶対であった筈の破壊のエネルギーが容易く受け止められた事の衝撃で脳がオーバーヒートを起こしたリーダー格の男はそのまま唖然とその光景を見つめていた。

 

「そら、返しますよ。」

 

「あ…。」

 

そして、ボールのように投げ返された破壊のエネルギーはその男に直撃し

彼が持っていた水晶ごと完全に消滅した。

 

それと同時にブロリーの方も完全に終了したようでフリーザの隣にブロリーが大人しく待機していた。

フリーザは膜を解除し、ブロリーを見上げる。

 

「…終わったよ。」

 

「ご苦労様です。では、行きましょうか。」

 

「うん、チライ!レモ!行ってきます!!」

 

 

「「いってらっしゃい!!」」

 

2人の激励を耳にしながらブロリーとフリーザは惑星フリーザへと帰還。

スパーリングを終え軽く汗を流した21号ととある作業を終えたターレスを引き連れ地球へと瞬間移動した。

 

 

地球へと到着した4人の前には地球から選ばれた悟空、ベジータ、悟飯、ピッコロ、人造人間18号と人造人間17号といったメンバーが立っていた。

 

「あれ、ビルス様が言ってた残りの4人ってやっぱオメェ達かぁ、ひゃぁ〜久しぶりだなぁフリーザに21号に…ターレスまで!!」

 

「ふん、やはりそうか…おい、お前もサイヤ人だな。」

 

「…ブロリー。」

 

「なるほど…フリーザの奴もまだこんな奴を隠していたとはな。」

 

悟空、ベジータの2人は比較的予想していたメンバーが来た事に納得し。

悟飯、ピッコロは相変わらずの警戒心。

18号は変わらずだったが17号は新たな人造人間に驚いていた。

 

「へぇ、Dr.ゲロの奴まだこんな人造人間を作っていたとはな。」

 

「勘違いしないで、私を造ったのはそこにいるパパよ。あんなジジイの手じゃないわ。」

 

「パパねぇ…ま、いいさ。今回は味方だ。よろしく頼むぞ。」

 

「ふん。」

 

あらかた顔合わせが終わり、力の大会の開始時間が近くなったのを確認してウイスが告げる。

 

「はぁい、それでは出発しますよ。」

 

そうして、ここに10人は集結し無の界へと転移した。

 

様々な強豪が揃いたつ力の大会まであと少し。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




紹介コーナー

・第七宇宙
これが最強メンバー、とはいかない。
変な軋轢を考えなければ18号を抜いてスラッグが入れば完璧である。
人間レベルは暗黒魔界やヘラー一族などが軒並み消滅、フリーザだけが残っているので多少は上がっている。ただし統べているのが悪なのでそこはマイナス。

・ジレン
公式最強枠、破壊神より上の実力は伊達では無く
身勝手の極意がなんだと言わんばかりに悟空を圧倒した猛者。
今作においてもその強さは揺らぐ事は無いが…果たして。

・全王
2人に増えて、大神官を困らせる。
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