ドラゴンボールF   作:月日火

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戦士降臨

突然の共闘をフロストから持ちかけられたフリーザは腕を組み僅かな時間思考する。

先ずはフロストと組むことによるメリット。

 

……ない。ベジータ如きにやられる雑魚が役に立つとは到底思えない。

 

では、デメリットは。

…ある、大いにある。それは部下や駒を失う可能性があるという事。

フロストがいつ裏切るかわからない以上、組むとするならば首輪をつける事は確定なのだがそれを踏まえても奴はどこかで必ずフリーザや21号、ブロリーといったフリーザ軍、悟空、ベジータといった地球軍を一片の躊躇もなく狙ってくるだろう。

 

まぁ、あの程度の実力ならば誰に向かっても致命傷になりえるのだが、中途半端な力を持っている奴ほど力の差というやつをこれっぽっちも理解していないのが普通だ。

 

では、どうするか。

 

フリーザは、そんな思考を僅か1秒にも満たない思考で弾き出し答えを出す。

 

「……いいでしょう。ですが、そこのマゲッタさんを落としなさい。それが条件です。」

 

フリーザは悪意たっぷりのいい笑顔でそう告げる。

 

「なっ……。」

 

これにはフロストも予想外だったようで、苦渋の表情を浮かべる。

因みにマゲッタは特製の耳栓をつけていてこれらの会話は一切通じていない。

哀れ、マゲッタは知らずの内に自身の命をベットされているのだ。

 

「何を迷う必要があるのですか?あなたが私と組むという事はあなたが住む第6宇宙を裏切り、第7宇宙のスパイとなるという事だとまさか予測していなかった事はないでしょう?なんといってもあなたは私と同類。裏切りはお手の物でしょう?さぁ!」

 

フリーザにとってこれが前提条件。

フロストの逃げ道を完全に自らの手で断たせる事によってフリーザに逆らって場外に叩き落とされようともそれはフロストの自業自得だという証明になる。

これは別に断っても承諾しても別に構わない。

断ればこの場で叩き落とすしその為の準備は済ませてある。

承諾すればそれはもうフロストはフリーザの奴隷だ。

それが示す答えはフロストの人生の詰み。

断っても承諾してもフロストだけは全王か裏切りに怒るシャンパかの破壊による消滅を避けられない。

 

フロストの最大の敗因はフリーザを完全に同格と侮った事。

フロストは所詮弱い星で威張りちらすだけのチンピラで、フリーザは第7宇宙のほぼ全てを治めた帝王。

器も力も完全にフリーザはフロストの上位互換、フロストはそこに気付かなかった時点でこの結末は確定していたのだ。

 

そしてそんな事はつゆ知らずにフロストは暫く悩んだ後に

 

「マゲッタさん…私の為に落ちろ!!」

 

「ポッ!!?」

 

まさか裏切る筈はないと確信し油断しきっていたマゲッタに対し尻尾を叩きつけ場外へと落とす。

運がいいのかそれとも悪いのかその行為はシャンパの目に入る事は無かったが

天使であるヴァトスはそれをしっかりと見ていたので、シャンパがマゲッタの落ちた原因を聞いたその瞬間がフロストの命日だろう。

 

「はぁ…はぁ…こ、これでよろしいですか!!?」

 

「ええ、よろしくお願いしますよ?フロストさん?」

 

逃げ道を失ったフロストはこれによりフリーザとの同盟を結ぶことに成功する。だが、フロストの首には確かにフリーザによる首輪が付けられたのだった。

 

「では、手始めに残りの雑魚どもを落としに行きます。後に続きなさい。」

 

「は、はい…。」

 

そうして、決して逃げる事の出来ない状況に追い込まれたフロストはフリーザの指示に犬のように追従する事となったのだ。

 

 

 

「ひぃぃ!!ま、待ってくれ!俺たちはアンタらに何も……!!」

 

「恨むなら、こちらに何の断りも無しに攻め入ったお馬鹿な破壊神と界王神を恨むことですね。」

 

「ひぎゃぁぁぁぁ!!!?」

 

「ぎゃあぁぁ!!?」

 

先ずは、ひそひそと膝を抱えて隠れていたトリオ・デ・デンジャーズを一掃。

これにより第9宇宙が消滅し残り宇宙は後5つとなった。

次に、残った第3宇宙のメンバーを叩きに向かったが。

 

「我が宇宙の存続の為!負けるわけにはいかん!!コイツカイ!パンチア!ボラレータ!行くぞ!我らが力をここに示す時だ!」

 

既にフリーザ達を待ち構えていた科学者のような白衣を纏ったパパロニが叫ぶと、他3名は自らのパーツを変形させ合体。

更にその胸部の部分にパパロニが吸い込まれていく。

 

「フハハハハ!!我らが最高傑作アニラーザの力を思い知れぇ!!」

 

笑い声と共にパパロニは吸収され、高密度のエネルギーがそこに集まる。

それが晴れた先にいたのは白の巨大な化け物。

 

「グォォォ!!!」

 

「…ほう?」

 

空気を揺らす咆哮を上げ、その合体戦士であるアニラーザはフリーザとフロストに襲いかかり、その地面から爆風が巻き起こった。

 

♠︎

 

一方でブロリーはというと。

 

「オオ!!」

 

「なにぃ!!?ぐぉぉ!!?」

 

カーセラルが繰り出す気の刃を物ともせず、その鋼の肉体を存分に使用したタックル、そこから胸に気を溜め込んで気弾を爆発させる。

そこから、仰向けに倒れたカーセラルの足を掴んで左右に叩きつけトドメに上空へと放り投げ、自身も跳躍。頭を掴んで叩き落とす!

 

「あ……あ…。」

 

玩具のように振り回され叩きつけられたカーセラルはそのまま昏倒、そのままクンシーと共に場外へと投げ捨てられる。

 

「……ふぅ。」

 

必要以上に気を高ぶらせたブロリーは一旦落ち着くべく、一度大猿のパワーを解除し息を整える。

そのついでに周りを見渡せば、丁度17号と18号がきょうだいならではのコンビネーションでココットを翻弄し場外へと落とす姿。

 

同時にターレスの気が一瞬爆発的に上がったかと思えばボロボロになったオブニとムチリムが空へと吹き飛ばされる姿と白い巨人が出現する瞬間を目撃する。

 

これに伴い、第10宇宙が消滅。

残る宇宙は第3、第6、第7、第11の4つのみとなった。

 

白い巨人に驚くブロリーの下に17号と18号、先程決着をつけたターレスと

ピッコロ、悟飯が集結する。

 

「あれは……。」

 

「これはまた、随分とデカい奴だな。」

 

「言ってる場合かい!」

 

「だが、あの大きさならば武舞台ごと俺たちを落とす事もありえるかもしれん。

残り人数も少ない中俺たちだけが全員脱落していない状態だからな。」

 

「…そうですね。急いであの怪物のもとに向かいましょう!!」

 

「悪ぃが俺は別行動させてもらうぜ、あっちの援護もしてやんねぇとなぁ?」

 

「わかりました!父さんとベジータさんをお願いします!」

 

そう言うと4人はそのままアニラーザの下へと走り出し。

ターレスは悟空の下へと向かう。

ブロリーは4人の方の援護をせんとその後を追おうとし、走り出そうとしたその瞬間。

 

「……待ちな!!アタシとの…いや!」

 

「私達との勝負は終わっていません!!」

 

ブロリーの背後から超サイヤ2のカリフラとブロリーの体型によく似た超サイヤ人のケールの声が響く。

ブロリーが振り向けばカリフラとケールの手元には緑色の宝石らしきものがついたイヤリングがあり、カリフラは不敵な笑みを、ケールは先程とは違う晴れやかな笑みを浮かべていた。

 

「行くぜ!ケール!」

 

「はい!姐さん!!」

 

そして、2人はそれを耳につける。

その瞬間、2人の体は磁石のように貼り付きそこから夥しい程の気の高ぶりが発生し可視化される程の気の膜が出来上がる。

 

「「よっしゃぁーー!!」」

 

それが晴れた先に立っていたのは、カリフラでもケールでも無い。

ただのブロリーに挑戦する1人の戦士がそこには立っていた。

 

 

♠︎

 

「はぁ…はぁ…。や、やるじゃない。」

 

「…そちらもな。」

 

21号とヒットとの勝負は互いが互いを刺激し強くなるというインフレの化身のような試合が繰り広げられていた。

試合は正に音速を否、速度を超越した試合。

21号が時を止め、何十発と拳を叩きこめばヒットはカウンターの重い一撃でその攻撃のダメージと同等の威力を叩き込み21号は決して軽くないダメージを負う。

 

手数で攻める21号に対し、一撃をもって勝負を決めんとするヒット。

知らずの内に戦法が逆転しているのに2人は気づく余地も無く、2人が戦っているその場だけは血の色で武舞台が変色していた。

お互いの額から血が流れ出し、一滴地面へ滴り落ちる。

 

その瞬間、21号が仕掛ける。

と、同時に時とばしが発動。飛ばされる時の中での攻防が繰り広げられる。

21号の上段蹴りを防げば、ヒットは懐に潜り込んで流れるように拳を突き出す。

だが、それは21号の罠。

その部分だけ敢えて穴を作り出しヒットの拳は空を切る。

そのまま顎をアッパーで殴り抜こうとするもバックステップで回避され再び一定の距離を保つ。

 

次に仕掛けるのはヒット、21号は気弾と魔術弾を組み合わせた弾幕を張りヒットの攻撃位置を限定させようとする。

だが、ヒットはほんの一瞬だけ時を飛ばすことであたかも気弾がすり抜けるような形で回避。

そのまま、21号の人中を殴り抜くと同時に21号もヒットの人中を殴る。

 

その威力で2人は仰け反りはしたものの、再び攻めようとして。

確実に当たったはずの21号の拳がヒットが更に加速した事で空を切り、ヒットの拳は正確に21号の急所を打ち抜く。

 

「が…ぁ……!!いったいじゃない!!」

 

怒りのまま首を掴もうとするもヒットの姿は残像となり再び空を掴み、再びヒットの拳が21号を打ち抜く。

 

21号とヒットとの実力差は実はそこまでなく技と技術の勝負となっていたのだが、ここに来てヒットがこの戦いのこのタイミングで新技を開発したのだ。

名を「時ずらし」。

相手の時間だけを切り離し進むスピード、そして認識すらも遅くするという技である。

 

つまりはヒットの速度が爆発的に上昇したのでは無く、21号の速度が爆発的に低下しているのが21号の攻撃が当たらなくなっている事の真相である。

 

その技1つで戦況は大きく変わった。

21号の攻撃が一切当たらなくなるのと反比例するようにしてヒットの攻撃は面白いように直撃するようになり、これには魔人ブウ由来のダメージを殆ど半減する肉体でもダメージを段々と許容できない範囲になっていく領域に達してきたのか少しずつ立つのが辛くなってきたように膝が笑い始める。

 

だが、そんな状況においても21号は冷静に今の状況を分析していた。

ヒットの異常なまでの速度の秘密が何処にあるのか、自身の攻撃が当たらなくなっている原因は何処にあるのか。

攻撃の手を緩めず、しかし冷静に分析するという並列思考をこの一瞬とでもいえる攻防のなかで行なっているのだ。

 

そして弾き出された結論の立証の為に敢えてノーガードで一撃、二撃とヒットの拳の威力を自身の肌で感じるという凶行に出る。

ヒットはそれを不審に思いながらもそこに余裕を感じる事はせずにこの好機を逃さんと勝負に出る。

 

「はぁぁぁぁ!!!」

 

しかし、その攻撃を21号は掴み取る。

ヒットはそれに驚愕し振り解こうとするも21号は拳を変形させヒットの拳を包み込む。

 

「捕まえた♩」

 

そして、そのまま拳を5発ヒットに叩きこんだ後回し蹴りでヒットを蹴り飛ばす。

 

「謎は全て解けたわ。そして…こうね!」

 

21号の腕から魔法陣が現れ、ヒットの動きがまるで何分割したような遅さへと変わっていく。

何の事はない。21号が検証していたのはヒットの攻撃の威力の変動だ。

ヒットのようにパワーもある戦士ならば、速度が爆発的に上昇したと21号が認識している状態では攻撃の威力は劇的に変化するはずであり、実際ヒットの成長を感じながら戦ってきた21号にとってはそれは把握済み。

しかし、あの時においてヒットの攻撃の威力は先程と全く変わっていなかった。

つまりはヒットが早くなっているのでは無く、こちらが遅くなっているのだという結論が立証でき、それまで糸口すら掴めなかった技の解析を終了させたのだ。

 

「ぐっ……今回も俺の負け…か。」

 

体の動く速度が約100分の1にまで低下されたヒットに最早勝機は無い。

だが、ヒットは自身の消滅を目前としているのにもかかわらず涼しい笑みで21号を見つめる。

 

「…だが、楽しかった。己の力を全て出し切った勝負がこれほどとは、長く生きた中でも最高の時間だった。…感謝する。」

 

「…ええ、こっちも楽しかったわ。…また、会いましょう?次は美味しく食べてあげるから。」

 

「…ふっ、それは勘弁してほしいところだ。」

 

僅かな会話を済まし、21号はもう片方の腕を使って魔術でヒットを場外へと転送。

 

「第6宇宙ヒットさん、脱落です。」

 

そして、大神官が勝負の決着を告げた。

 

「さてと、次はパパの所にでも…って、何よ、あれ。」

 

息を整え、ダメージは多少残っているものの戦闘には支障ない程に回復した21号は白い巨人を目にし、そこに父の気を感じ取ったためそのまま瞬間移動でそこへ移動したのだった。

 

♠︎

 

場面は戻ってアニラーザと戦闘中のフリーザ一族。

 

アニラーザの攻撃を念力でずらしつつも余裕があるフリーザと。

1発が致命傷となりうるため必死になって攻撃を避けるフロストというように2人のアニラーザに対する行動は全くの対極であり、これには客席にいる破壊神であるジャンパも呆れ顔である。

 

「それで!どうするんです!?」

 

「まぁ、落ち着きなさい。あちらもどうやら戦闘が終わったようですので…ほら。」

 

焦るフロストに涼しげな表情で適当に答えるフリーザの前に瞬間移動で辿り着いた21号が現れる。

 

「はぁい、パパ。」

 

「おや、随分と痛めつけられたようですね。戦闘には?」

 

「問題無いわ。寧ろ良い気分よ?」

 

「それは上々。では、私は野暮用があるので失礼。フロストのお世話をお願いしますね?」

 

「えー。ま、しょうがないわね。あのデカブツは…ま、私とこっちに来てる人達だけで充分でしょ。さて…さぁ、ダイエットの時間よ?パパのパチモンさん?」

 

「誰が、パチモンですか!!」

 

フリーザはそのまま、21号にフロストを任せ瞬間移動で何処かへと移動する。

 

その後やってきた17号、18号、悟飯、ピッコロと共にアニラーザとの戦闘を開始するのだった。

 

まぁ、何故かいるフロストに対しては物凄く懐疑的な目をされたのはお約束というやつだ。

 

 

その一方で、悟空とジレンとの戦いはジレンの圧倒的な有利で進んでいた。

既に悟空はフルパワーである20倍界王拳を使用しジレンへと立ち向かってはいるもののジレンにパワー、スピード共に劣っており攻撃が入ったとしてもダメージは殆ど通らないという始末。

 

「それがお前の限界か、孫悟空。ならば……。」

 

「くっ……!!」

 

遂には界王拳の時間切れが発生し、悟空は激しい筋肉の悲鳴に膝をつく。

滝のように汗を掻き、息切れを起こしている悟空に対しジレンはまだまだ余裕がある。

だが、そんな悟空の前に立ち塞がる男がいた。

 

「おっと、そいつはさせねぇさ。次は俺に付き合ってもらうぜ?最強さんよ?」

 

「オメェ……ターレス…なのか?」

 

「ん?あぁ、カカロット。お前には尻尾が無いから知らねぇのか。こいつは大猿の力をその身に纏った超サイヤ人…超サイヤ人4だ。」

 

「へ、へへ…すげぇ気だ。」

 

「次はお前か。…雑魚が何人来ようとも同じだ。来い。」

 

「雑魚ねぇ…それが本当かテメェ自身が確かめてみやがれ!!」

 

超サイヤ人4であるターレスに悟空は驚き、ジレンは先程の孫悟空と同等かそれ以上の気であることを判断。

己の敵では無いと判断し、構えを取らずにターレスを待ち構える。

それに僅かな怒りを灯しターレスはジレンへと特攻するのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




紹介コーナー

・フリーザ
まだまだ、ゴールデン化もしていないので余裕たっぷり。
3つの宇宙を消滅させたのでベルモッドからの警戒度がマックスになった。
なお、ジレンが負けるとは微塵にも思っていない模様。

・21号
決着。

・ブロリー
2人を撃破し、ケフラとの戦いへと望む。

・ターレス
第10宇宙を消滅させ、最強へと挑む。

・ビルス
悟空のボコられっぷりを見て、あれ?これやばいのでは?と冷や汗を流し始めた。

・ジレン
まだまだ余力たっぷり。
余裕も沢山。

・ベルモッド
勝ったわ。
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