「オラァ!!」
「ムン!」
勇猛果敢にジレンへと迫るターレスをジレンは腰を低く構え鋭いラッシュを繰り出す。
だがその乱打をターレスは敢えてノーガードで迫り数発、ターレスの身体に色濃い痣が出来上がるも意に介す事も無く、ジレンの頬に拳を叩き込む。
「な……!」
「へっ!くすぐってぇんだよ!!」
そのまま僅かに仰け反るジレンの隙を見逃すはずもなくターレスはその本能のまま無造作にジレンへと攻撃を叩き込む。
「どうしたぁ!!テメェの実力はそんなもんじゃねぇだろうがぁ!!」
「……。」
続くターレスの大振りな蹴りをジレンは掌で受け止め、合気の要領で受け流す。
その蹴りの威力が凄まじかったのか何度も横に回転するターレスの体に対しジレン鋭い回し蹴りをもって蹴り飛ばす。
強靭な筋肉の鎧すら貫通するその一撃によりターレスはそのまま恐ろしい程の速さで吹き飛ばされる。
「…ぷっ!」
吹っ飛ばされ、血を吐き出すと同時にターレスはそのまま空中で回転し、地面を削り取りながらも武舞台に留まる。
ターレスはジレンの回し蹴りを受けた時に鈍い音が聞こえた箇所を軽く触ると肋骨が数本折れているのか、鈍痛が走る。
「……おもしれぇじゃねぇか。」
だが、そんな状況においてもターレスは堪える事の出来ない喜びに満ちる。
脳からは夥しい程のアドレナリンが溢れるような感触と共にこの身に受けた鈍痛が引いていく。
ブルーの特徴は神の気という精密かつ高濃度の気を操る事による唯のサイヤ人では操る事も知る事も出来ない新たな領域へと己の肉体を押し上げる事であるが超サイヤ人4は違う。
ブルーが穏やかな川だとするならば、超サイヤ人4は溢れ出した激流に等しい。
唯、単純な肉体の強化。神の気には無い荒々しさを持つ大猿の気でひたすらに暴力をもって相手を殴殺する。
それが超サイヤ人4の真髄、そんな肉体を容易く破壊したジレンの一撃にターレスは僅かな冷や汗を流すともに改めて宇宙の広さと今会えた強敵との邂逅に歓喜する。
そして、ターレスは再び獰猛な笑みを浮かべジレンへと接敵。
先程とは違い、一瞬でジレンの懐に入り込み鳩尾を殴り込むもジレンは片手でそれを掴み上へ持ち上げる。
それにより体が真っ直ぐに、つまりはダメージを逃す事も出来ない状態となってしまいジレンの右アッパーがターレスの顎を砕くように突き刺さる。
「ゴッッ!?」
超サイヤ人4の強靭な肉体とあらかじめ仕込んでおいた薄い気の膜により顎の骨は砕かれずに済んだものの流石に脳の揺れを抑え込む事は出来なかったのかターレスの目が僅かにブレ、体が浮き上がると同時に痙攣、ジレンはそのまま浮き上がっているターレスに対しラッシュし最後に先程よりも多少力を込め顔面を殴り抜く。
が。
「つ・・かまえ・た・・ぞ・・テメェ!!」
あろう事かターレスは顔を逸らしながらジレンの拳に喰らいついていた。
そのまま、ジレンの拳を吐き捨てオーバーヘッドキック。
ジレンもこれには予想外だったようで頭頂部をガードする事なくもろに蹴りを喰らい頭が強制的に下げられ、ターレスは蹴った足とは反対の足でジレンの後頭部を蹴り出し、そのまま後方へ退がる。
「……醜いな、お前の戦い方はおおよそ人のものではない。まるで獣のそれだ。唯の獣では俺は倒せんぞ。」
2発、ターレスの重き攻撃を受けてもなおジレンには大したダメージは無いのか、既に実力は見切ったと言わんばかりにターレスの評価を吐き捨てる。
「……へっ、こちとらサルだのなんだのっていつも言われてんだ…サルの執念、見せてやるよ!!」
だが、ターレスはその評価にも口元から血を流しながらも
不敵な笑みを崩さず、三度ジレンへと突貫していった。
♠︎
所変わってアニラーザと対峙する6人。
第七宇宙の4人はそれぞれが高速移動を駆使しアニラーザの周りを囲むように回りつつアニラーザが21号を攻撃してきた瞬間を狙っての迎撃戦法を取っていた。
因みにフロストは咄嗟に逃げようとして21号の魔術の球体に捕まっておりある意味最も安全な場所に放置されている。
何故、この様な戦法を取っているのかといえばそれは少し前に遡る。
アニラーザへといの一番に仕掛けたのはこの中で最も戦闘力が高い21号。
アニラーザの巨大な躯体はそれだけでも大きなアドバンテージになるが同時に攻撃を当てやすい的でもあると判断し両足で地面を蹴って音速を超える速度で背後に回った上で接近したのだが、
「グオオオオ!!」
突然アニラーザが何も無いところに拳を突き出したかと思えば21号の背後から拳が出現し21号の背中を殴り飛ばしたのだ。
「…っ!」
飛ばされながら21号は魔術で縄の様なものを生成し岩場に一瞬で巻きつけ自らをそれで引っ張る事で場外への落下を防ぐ。
そして多少なりとも離れてしまったが為に21号の次に戦闘力の高い悟飯の気を探知して瞬間移動。
「21号さん!大丈夫ですか!?」
「別に問題なーし。しかもたったこれだけで攻撃の種がわかるなんて収穫ものだわ。」
心配する悟飯を尻目に21号はアニラーザの攻撃の威力と性質から作戦の構築を開始。
しかし、アニラーザは自身の一撃を受けても平然としている21号を最優先排除対象にしたのか隣にいた悟飯に目も向かずにその大きな拳を振り下ろす。
咄嗟に2人はその場を蹴って回避し、その援護をせんと人造人間コンビが気弾の乱射でアニラーザの視界を塞ごうとするもアニラーザには効果が無いのかその気弾に一瞬怯んだがそれだけであり再度発射されるその気弾の嵐をその身体に喰らいながらも意に介さず平然と退避する21号を追う。
だがそれでも稼がれた時間は決して無駄では無い。
その時間で21号はアニラーザの欠点とそれを利用した作戦の構築を完了させ
気によるテレパシーでそれを全員に伝達した。
その作戦が今やっている戦法である。
そもそも、アニラーザの恐るべきところというのは完全な無機物の機械の弱点である機械の関節部をペパロニが入り所謂生物兵器化した事で消滅した事。
翼が生えているという空中への逃げ道がある事。
そして、超音波の反射から相手の動きを探知する事でその大きさという力及び質量による威力増加という利点を、反対に大きすぎる事で大雑把な攻撃にしかなり得ないという弱点で潰す事無く補填している事の3つが主である。
逆に言えば、アニラーザの欠点はどうやっても機械である事。
いくらペパロニという人間を取り込んだとしても人間としての理性、思考パターンは機械のアルゴリズムでは解析、解読は不可能である。
でなければ、アニラーザは唯獣の様に吠えたりはせず雄弁に饒舌に己の有利を語ってみせているだろう。
あるいは、人間と機械の完全な融合を果たし喋れるという選択肢も無いわけでは無かったが純粋な戦闘力の低下があった為にその可能性を選ばなかったのかもしれないが。
ともあれ、何が言いたいのかというと機械はその演算能力故に複数を相手取る時に相手の戦闘能力を判断、何が、誰が最も自分にとって最も脅威であるのかを確定させてしまうという当たり前にして致命的な特徴があるという事だ。
それが例え、どんな精密さを誇り人間と遜色ない思考パターンを有していてもアニラーザの根本は機械。
そして、機械という分野において21号の右に出るものは今、この瞬間、この場において存在せず、生物兵器であるアニラーザのあらゆる機関を掌握し手中にする事が可能だ。
だが、それには多少なりとも時間がかかる上にあのような巨体を掌握するにはなるべく長い時間接近しなければならない。
故に21号は自らを囮とすることによりアニラーザへの干渉を開始。
その為の作戦も各自に伝達し他のメンバーはそれを承認。
21号の防衛に専念し、その時を待っている。
何故この様なまわりくどい事をしているかといえば、それはアニラーザの大きさと戦闘力にある。
アニラーザの戦闘力と大きさがあれば武舞台ごと自分達を落とす事など容易であり、そうなってしまえば羽を生やせるアニラーザの一人勝ちは免れない。
あからさまな弱点である額のコアを破壊すれば話は簡単だろうがそんな所の装甲が脆弱な筈が無い。
更に言えば、この後に待ち構えている第11宇宙こそが本番だという事を21号は直感していた。
あのトッポというのは問題ない。彼の戦闘力程度ならば21号ではなくともベジータやターレスなどで事足りる上、彼の元には父であるフリーザが向かった。
彼がどれ程の切り札を隠していたとしてもフリーザなら問題なく脱落させる事が出来る。
そんな力があるからこそ21号はフリーザの力を尊敬し、父と呼ぶ。
だが、問題はもう1人の方。
恐らく彼と交戦しているターレスが僅かな時間で気の大幅な低下をしている事から彼は相当な程の実力者。
それだけならばまだ良い。問題は彼の気が一向に落ち着いたままだという事。
つまり、彼はまだまだ余力を残しておりその実力は未知数。
科学者としての判断と流れる数多の戦士の血による直感から21号はジレンに対する警戒度は最大値となっており、だからこそこんなまわりくどい手段を使ってでも余力を残したままターレスの援護に向かうと判断したのだ。
アニラーザが21号に対し攻撃を開始してから3分。
徐々にだがアニラーザの動きが愚鈍になっていく。
それは21号の干渉が脳にまで影響を及ぼし始めた合図であり、作戦の完遂まで残り僅かだという事を示すサインでもあった。
「今!!」
21号がそう叫ぶと戦士達は一同に集結。
最大限に気を集中させ、一気に解き放つ。
完全に支配権を奪われたアニラーザは迎撃も回避も出来ずに額のエネルギー炉に4人の気の奔流が直撃。
堅牢な防壁で一時は耐えたもののやがてひびが入りバキリと音を立てて粉砕した。
「ゴアアアアアアアアアア!!!!?」
エネルギー炉の破壊により大きく力を減衰させてしまったアニラーザは苦悶の表情で壊れたエネルギー炉を抑えようと吠えるが、身体がいう事を聞く筈もない。
そんなあからさまな隙を歴戦の勇士である彼らが見逃すはずもなく第2射が今度はアニラーザの胴体に直撃。
防御も出来ないアニラーザの身体はその気の威力の為に更に空へと吹き飛び
そのまま何も出来ずに場外へと落ちていった。
アニラーザの脱落が大神官から伝わるとすぐに21号は仲間に伝達する。
「後はジレンって奴だけね、急いで向かうわよ。」
「…どういう事だ、あのトッポって奴の所にも…。」
「あっちにはパパがいるし、あの女共にはブロリーがいるわ。それであいつらは十分倒せるし問題ないのよ。それよりも…。」
その瞬間、爆音が響き各々は驚愕する。
何故なら、
「ベジータの気が……!!?」
「それにターレスさんも……!!?」
ベジータ、そしてターレスの気が先程よりも更に弱くなっている事に気付いたからだ。同時に悟空が何をしようとしているのかも目に入る。
自身の予想よりもターレスとベジータの気の減りが早い事から思った以上に時間が無い事を判断した21号は即座に移動を指示。
その様子に4人は頷き悟空、ベジータ、ターレスの元へと急行するのだった。
♦︎
時は少しだけ遡る。
「だりゃりゃりゃ!!!」
「ヌ…オオオオ!!!」
ブルーに変身したベジータとプライド・トルーパーズのNo.2であるトッポの死闘は激しさを増す一方であった。
神の気というのならばベジータが上をいくが単純な力ならばトッポの方が上という拮抗状態の中、拳が、脚が、気がぶつかり合い大地を穿つ。
しかし、そうした攻防が激化するにつれベジータの攻撃の鋭さ、そして重さが次第に増していくのをトッポは感じた。
拳をぶつけ合っているトッポだからこそ気付いたそれは、トッポにとっての猛毒であると気付いたのは直ぐ後。
自分に慣れ始めている。
サイヤ人の中でも天才的なセンスを持つベジータ、彼はトッポという強敵との戦闘の中で己を鍛え、今この瞬間にも爆発的に成長していた。
そこに気付いた時、彼は自身の拳の重さ。つまりは己の正義が傲慢たるサイヤ人のプライドに敗北しつつあるという事実に気付かざるを得ないという事にも繋がっていく。
正義感が強いトッポにとってサイヤ人という第一印象は孫悟空のソレ。
神々に対しても厚顔で振る舞うその態度は正しく宇宙を滅ぼす悪だとトッポは断じた。
悪・即・斬。
全宇宙を危機に晒した第7宇宙という存在は正しく悪。
ならば、正義である己がそれを倒さなくてはならない。
なのに、己は今そんなサイヤ人に対して遅れを取り始めている。
受け止める腕はだんだんと感覚が消えてきた。
ダメージも次第に増え、苦悶の声を上げて必死に耐えている己を恥じた。
だが、まだ自身の方が上だと確信を持って判断したトッポはその観察眼で間を見切りベジータの乱撃に無理やりねじ込む形で気弾を放ち両者の間で爆破。
衝撃でお互いの距離が離れたその瞬間にトッポは決着をつけるべくその紅き気を両手でもって集約させ一気に解き放った。
「己の正義の全てを込めて!!おおおお!!!」
「ちっ!!ファイナル……フラァァァァシュ!!」
対するベジータもこれを避けるのでは無く迎撃するという選択肢を取り自慢の技であるファイナルフラッシュを放つ。
お互いのエネルギー波が衝突し辺り一帯に紫電が走り近くの地形をあらかた崩壊させていく。
「ぐ……!!」
「ぐぐぐ………!!!」
先に均衡を破ったのは……ベジータだった。
ベジータにはこんなところで躓いている暇は何処にも無い。
今のベジータが抱くのは純粋な怒り、自身よりも上の存在が何人もいる事への怒りだ。
力の大会のメンバーが揃ったあの時、ベジータは感じ取ったのだ。
カカロットの他にも俺より上の奴がいる。しかもそれはフリーザ親子であると。
当時に比べればフリーザへの怒りというのは時が流れるにつれ鎮静化していっているのは確かだ。
だが、それでもベジータにとって最初に抱いた野望こそがフリーザを超える事。
あれからもう10年以上経とうとする今であってもあの絶望の権化から抜け出す事すら出来ていなかったという事実は、地球に馴染み、家族をしっかりと愛せるようになったベジータにとっての過去の残骸から這い出てきたものだ。
奴の顔を見るたびにあの屈辱の日々が蘇る、だがもう今の自分は奴隷ではないという怒りを込めた決意。
そして、神の気という新たな領域に達した事で再び芽生えたNo.1への渇望が合わさりベジータの秘められた力の鍵はその気持ちに呼応するようにゆっくりとその扉を開ける。
「これで…終わりだぁぁぁぁ!!」
「ぐ……おおおおお!!!!!?」
眠れる力を呼び覚ましたベジータの咆哮がトッポの信念を超え
トッポは自身のエネルギー波を飲み込んだファイナルフラッシュの一撃に飲み込まれ、そのまま爆発を起こす。
爆風が晴れ、満身創痍のトッポが姿を現わす。
ご自慢のスーツは見るも無残に破けちりその息は荒い。
最早、決着まで秒読みにも等しい状況でトッポは己の正義の脆弱性を認識した。
「はぁ……はぁ……お…お…!!」
「もうそこまでにしておくんだな。貴様のダメージではもう立ち上がれもしないだろう。」
ベジータは、倒れ臥すトッポに近づきそう忠告する。
と、同時にベジータの隣にフリーザが降り立つ。
「おやおや…随分と決着が遅いので手助けして差し上げようと思ったのですがねぇ……。」
「黙れ、少し前にはもういただろうが貴様…!今更何の用だ!」
「いえいえ、お優しいベジータさんにはこの方は落とせないだろうと思いましたので…あちらの手助けでもしてはいかがでしょう?」
「…ジレンって野郎の事か。」
「ええ、どうやら孫悟空さんも手助けに行ったターレスさんも随分と苦戦しているようですので…こちらの始末は私に任せてあなたはサルらしく次の戦いに向かってくださいな。」
ベジータは悟空とターレスの気が弱くなっている事、そしてそんな2人を相手どってなおも少しも気が減っていないジレンに驚愕する。
そして、その強さにサイヤ人としての本能からこのままでは2人の負けが濃厚である事を察したベジータは渋々ながらも承諾する。
「……いいだろう。貴様が裏で何を企んでいるのかは知らん。だが、今は目を瞑ってやる。…俺たちの宇宙を守る為にな。」
「おやおや、随分と甘くなったようで。ま、任せておきなさい。」
「…ふん。」
フリーザに釘を刺し、ベジータはジレンの元へと向かうべくその場を離れる。
残っているのは倒れ臥すトッポとそれを見下すフリーザ。
「…さてと、こんな所に倒れてもらっても邪魔なだけですし。私が優しく落として差し上げましょう。」
フリーザのそんな声を掠れる意識の中で耳にしたトッポは自身へと問いかける。
何故、自分は悪に負けた?
自分の正義が弱い……己の覚悟が足らなかったせいだ。
ならば、ここで脱落するのか。
否!断じて否!!我が宇宙を守る為!私がここで斃れる訳にはいかぬ!!
ならば、捨てろ。己が信念を。
そうだ、捨てなければならぬ。
弱き正義を切り捨て、私は勝たねばならぬ。
ジレンは仲間を切り捨てる覚悟をして強さを手にした。
ならば、私も自身の信念を捨てる覚悟を決めて生き残る為の全力を尽くそう!
そう決心したトッポは立ち上がり、フリーザの前へと立つ。
「…ほう。ご自慢の正義とやらで立ち上がりましたか…ですが、そんな無様な姿で一体何が出来ると?」
「……らぬ。もう、正義など…いらぬ。覚悟は…決めた!!」
トッポの体から先程の紅き気ではなく紫の気が溢れ出てくる。
それをフリーザは知っているし、識っている。
わざわざ下手な芝居まで打ってベジータを排し自身で始末しようとしたのはこれを見るためだったのだから。
トッポの咆哮が轟き気の質が先程とは桁外れに圧を増す。
胸には何かの紋章のようなものが浮き出ており、今までのトッポとは違うナニカを感じさせるには充分なほどの気迫が伝わってくる。
フリーザも本番と言わんばかりにゴールデン化し、嗤う。
「さぁ…私の修行の最終段階と参りましょうか。」
先ずは小手調べにと指先で軽く気弾を放つ。
しかし、それはトッポに当たることなくその場で霧散し粒子となって消え失せる。
それを観客席で見たビルスは驚愕し、ベルモッドは勝利を確信する。
そう、これは破壊神だけが許された破壊のエネルギー。
つまりは今この場に立っているトッポは破壊神そのものにも等しい。
だからこそ、フリーザはそうなって貰う必要があったのだ。
フリーザが修行により創り上げた破壊は未だ不完全であり、完成には何処かが足りないような不足感を味わっていた。
そんな中フリーザは思い出した。破壊神トッポという存在を。
破壊を完全に掌握したあれならば自身の足りなかったナニカを見つけることが出来、フリーザの破壊は完全なものになるに違いないと。
「さぁ……あなたの覚悟とやらを見せていただきますよ?」
そして、
「破壊。」
その時が、訪れた。
紹介コーナー。
・フリーザ
力の大会に参加しようと考えた主な目的はこれ。
流石のフリーザでも一度見ただけであの破壊を真似できる訳がない。
さて、結果はいかに。
・21号
その気になればアニラーザをジレンにぶつける事も出来たが邪魔になるだけなので排除。
・ターレス
超サイヤ人4の特性を生かしたゴリ押し戦法でジレンの弱点を探っている状態。
しかし。
・ブロリー
ケフラと戦闘中。
・ジレン
未だ無傷、最強の名に狂いなし。
・ビルス
あれ、これ思った以上にヤバいぞ?
・ベルモッド
破壊神トッポにジレン……やはりお前たちは最高だ。
・悟空
秘策の準備。