ドラゴンボールF   作:月日火

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宇宙の壊し屋

惑星ベジータが原因不明の巨大隕石に巻き込まれ消滅してから早くも数年が経過した。

 

その間、フリーザ軍は軍備を更に拡大し戦闘力が低い兵士には特製のアーマーが支給されるようになったり。

ガーリックJrを始めとした戦闘力が高い者達にはフリーザによる直々の特訓が特製の訓練室で行われフリーザ軍全体の質が上がっていた。

 

特製の訓練室はツフル人の科学力により重力200倍にまで増幅する事が出来

広さもこの先セルが作るであろう会場の2.5倍程度にはなっている。

 

そんな理想の訓練空間では

今現在ギニュー率いる特戦隊がフリーザとの特訓に勤しんでいた。

 

「フリーザ様!それでは胸をお借りします!」

 

「ええ、どうぞ?全員でかかってきなさい?」

 

 

フリーザのその言葉を切欠として先ずはリクーム、ジース、バータが迫る。

最初はリクーム。

特戦隊で最も物理的なパワーがある彼の鋭い拳がフリーザに迫る。

対するフリーザは余裕そうに首だけで拳を避け、くるりと反転。

リクームの手首を掴んで後ろへと投げ飛ばす。

 

「うおお!!!?」

 

リクームは受け身を取る事が出来ずにそのまま壁へと激突するが

すかさず起き上がり次の出番を待つ。

 

次はジースとバータのコンビ。

技のジースと速さのバータは相性が良く、惑星侵略も大抵このペアで行なっている。

そんな彼らのコンビ技であるパープルコメットアタックを駆使しフリーザへと

挟み撃ちの形でラッシュする!

 

「だりゃりゃりゃ!!!」

 

「おおお!!」

 

左右から繰り出される鋭い攻撃の数々をフリーザは時には避け、時には両手で軽く捌きながらリクームへの指導を行なっている。

 

「リクームさん、貴方は攻撃が単調です。せっかくの体幹があるのですから

柔軟な行動を取りなさい。」

 

「ハ〜〜イ❤︎」

 

「……真面目に返事なさい。」

 

リクームの小ふざけた返事に呆れながら

バータとジースの手を掴み、引く。

 

「うぉ!?」

 

「げぇ!!?」

 

その勢いのままジースとバータの顔面が激突し両者は悶える。

 

「「っ〜〜!!」」

 

更にその悶えている隙を突き、念力で2人を浮かせて壁へと放つ。

 

「うわああああ!!!?」

 

 

当然、念力を解く事は出来ずに壁へと激突。

2人は目を回してしまう。

 

「止まれ!」

 

だが、念力を使っていたフリーザの背後でグルドが時間の停止を行う。

その停止時間の中で2人を叩き、解除。

2人はその痛みで起き上がる。

 

「た、助かったぜグルド。」

 

「ふん、とーぜんだろ?」

 

 

その裏ではギニューがフリーザへと迫る。

 

「おおお!!」

 

雄叫びを上げながら、ラッシュ!ラッシュ!

フリーザはそのラッシュを丁寧に捌き、右手首に尻尾を巻き付け投げ飛ばす。

 

「くっ!」

 

ギニューは地面に激突寸前に地面に左手の気弾を発射。

その衝撃で体制を整える。

その上で右手で気弾を生成、凝縮させフリーザに向かって撃つ。

 

「ミルキーキャノン!」

 

空気が切れる音ともに気弾はフリーザに迫る。

しかし、フリーザは腕を解く事は無く。

 

「ハァ!!」

 

叫びにさせた気の波によって消しとばす。

 

「それで本気ですか?」

 

「流石ですフリーザ様!!」

 

ギニューがフリーザを称えた直後。

訓練室に備えられたタイマーが鳴る。

 

それを聞いたフリーザは勝ち誇った笑みを浮かべる。

 

「さて、今回も私の勝ちですね。皆さん?」

 

というのも、この特訓では特戦隊の誰かがフリーザにまともに一撃を与えられれば

フリーザが好きなものを各々に一つずつ買うというルールがあったからである。

 

そして、今回もまた敗北を喫した特戦隊の面々は実に悔しそうな表情をする。

 

「だぁーー!くっそー!今回もかぁーー!!」

 

「次だ、次!次こそチョコレートパフェを奢ってもらうんだ!」

 

「オメーはまたそれかよ!!?」

 

だが、特戦隊の顔には笑顔があり心が折れた様子はない。

寧ろ次はどういう戦法でフリーザへと立ち向かうかを直ぐに作戦会議をしている。

 

 

そんな彼らを見ていたフリーザだったが

特戦隊に特訓以外の別件を伝えるべくギニューを呼び寄せる。

 

「ギニュー隊長。」

 

「はっ!ここに!」

 

「今から特戦隊の皆さんには私と共にある所に行ってもらいます。」

 

「はっ。…して何処へとお出向きで?」

 

「ベジータさんとその部下以外のサイヤ人…ターレスさんの元ですよ。」

 

「了解しました!ですがその前に今回も感謝のダンスを踊ってもよろしいでしょうか?」

 

 

「…………………好きになさい。」

 

 

♠︎

 

名もなき惑星…というのは語弊がある。

実際には名が無くなった惑星。

土地は荒れ果て死滅し、自然はすでにその養分を失っている。

立っているのはたった一本の巨大な大樹。

 

その根の部分に座り、赤い果実を齧る男が1人。

果実を齧り、男は失望する。

 

「チッ……今回は外れか。まぁいいさ。」

 

男の名はターレス。

クラッシャー軍団という組織を従えるサイヤ人である。

 

そしてターレスが持つ赤い果実の名は神聖樹の実。

本来は神にしか持つ事を許されていない果実であり

食べたのものには莫大な力を与える禁忌の果実。

本来ならばサイヤ人が一生手にする物ではない。

 

しかし、ターレスは違う。

偶然か、それとも運命なのか。

彼はこの実を手に入れ、星をぶっ壊し。

今となってはサイヤ人随一との噂の高いベジータを

圧倒する程の力を得ていた。

 

そんな順風満帆な彼のスカウターが巨大な反応をキャッチする。

それと同時に副官であるダイーズが焦った表情で飛んでくる。

 

「ターレス!!」

 

「…来たか。」

 

ターレスは上を見上げ、笑みを深める。

 

「そろそろ…目障りなバケモノを消すとするか…。」

 

 

その直後。

フリーザの宇宙船がその星に着陸する。

だが、その周りをターレス率いるクラッシャー軍団が取り囲んでいた。

そして出てきたフリーザの前にターレスは立ち不敵に笑う。

 

「おやおや、フリーザサマがこんな星に何の用で?」

 

フリーザはいつもの笑みでこう告げる。

 

「こんな商品価値の無い星に興味はありませんよ。

私が用があるのは貴方です。」

 

その言葉にターレスは少し目を開いたが直ぐに元の表情に戻り

こう宣言する。

 

「なぁるほどねぇ…この俺に帰投命令ってか…んじゃ力尽くでやってみなぁ!!」

 

 

そうしてターレスはフリーザの元へ突進していったのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




・ターレス。
今作は映画よりは強い設定。
具体的な強さはまた次回。

・ブロリー
映画のまま惑星バンパへと追放されました。

・訓練室
ツフルの科学の結晶。

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