たとい、エースと呼ばれても   作:丸亀導師

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第15話 オルタ

どうしたのだろうか、妙にアナライザーが上機嫌だ。そんなにも彼には嬉しいことがあったのだろうと考えると、そう言えばアナライザーはガミロイドと会話をしていたそうだから、それか?

 

であるなら友人が出来ることは良いことなんだが、正直に言ってこの場合良いことではない。なんせ敵勢宇宙人の開発した対人用兵器だ。何を搭載しているかわかったものではないからな。

 

どうして近くに保安隊を置かないか疑問でならないね。

まあ、その結果ガミロイドが自爆することは無いんだが、そこは今どうなるかわからないから、正直緊張するね。さあ、そうと決まれば早速研究室へ行こう。

 

 

さて、目の前では現在進行形で絶賛お話し中であるガミロイドとアナライザーだが、こんなにもガミロイドが静かだと興味が出てくるな。

 

「おい、ちょっと良いかな?」

 

「ナンデショウカ?ゲンザイ、ワタシハ、『おるた』トノ、コミュニケーションクンレンヲ、オコナッテイルノデスガ。」

 

「いや、随分と楽しそうだったからね。私も混ぜてほしいと思っただけだよ。君がアナライザーが話していた『オルタ』君かな?」

 

少し、ビクビクと痙攣している。恐怖からなのか、もしくは単なる故障によるものなのかはわからないが、だが感情があるようには見えるな。

 

「おるたガコワガッテイマス。ドウカ、おるたヲイジメナイデイタダキタイ。」

 

「苛める気なんてさらさら無いよ。それよりも聞きたいことがあるんだ。オルタが女神と呼ぶ存在がこの艦に居るということを、君が話していたのを聞いてね、それに、興味がわいたんだ。」

 

実際にアナライザーが話していた所なんて聞いてないし、何より興味なんて無い。だが、ガミロイドの限界と言うものには興味があるな。

無人機は、性能があまり良くは無かったが、このガミロイドというものはかなり良さそうだからな。

 

そうして考えているとついにオルタが言葉をはっした。

 

「ト、トモダチニナッテクレルナラハナシテモイイ。」

 

「そうか、じゃあ今日から私は君の友達だ。私たちが友達なら、アナライザーも私に遠慮せずに話をしてくれよ?」

 

こうして、私たちの秘密の会議が始まった。

最初はどうも警戒されていたようだが、時間が経つにつれて徐々に警戒の色が消えていった。

そして、どうやら完全に私の事を信用したようで色々と話を始めた。特に女神の事を。

 

彼が、私に女神の事を聞いてくるが、私はわからないと返し、では私が見つけて来てあげようかなどと言うと喜ぶように声が弾む。

アナライザーがそれに対して、権力の乱用ではないのかと言ってたが、権力とはこうやって使うものさ。

 

という感じで進んで行ったから、まあ信頼は厚いよ。なんせガミロイドの頭脳は戦闘用だから騙すのは簡単だったし、非常に楽に事を進ませてもらった。

 

で、奴の話によるとユリーシャ(女神)はどうやら意識だけは覚醒しているとのことだ。だからこそこうして、航法装置の近くに来たんだが…。

 

『貴方は、何者ですか?』

 

そらきた、

 

「私は、私だ。君は何者なのかな?」

 

『私も、私よ?貴方は体と肉体が完全に別の存在のようだけれど。』

 

「ほぉ、じゃ私はワタシであって、わたしではないということか?君から見たら。起きてくれたらもっと良く話が出来るんだがなぁ。」

 

『それはだめ、まだ私が起きるのははやいわ。』

 

「人を見極めるつもりか。」

 

これに対して返答がなかった。その後いくら待っても話しかけてきやしない。完全に失敗だな。そう思っていると

 

緊急警報?あぁ、遂に脱走したか。まあ、当然だよなあいつの心は女神に囚われているから、思考まで女神一色になっている。こう言うのを止めるのは友達の仕事だぞアナライザー。

 

「おい、あんたの敬虔な信徒が独房から脱走してあんたに会いたいそうだが、どうするよ。」

 

返事は無いか。

 

私はその場に留まる。もしもの場合ここで彼を待ち受けて止めなければならない。でなきゃイスカンダルに行けなくなっちまうからな。

 

数分後警戒が解除され、見事にアナライザーがケジメをつけた。自分の手で友達を殺すという最悪の事を彼はやってのけたのだ。

称賛に値するものであるが、本来ならこのような事態を起こさないよう厳重に警戒すべきであった。

幹部一同は、反省しこのような事態が今後起きないよう保安を強化するはめになったのだった。

 

 

その日のラジオは「観測員09号の心」というものであった。詳しい内容は割愛するが、要するに今回の騒動と非常に似ているような内容であった。

 

ロボットが心を持つ、いやロボットが心を持っていても可笑しくはない。むしろ人間が何故心を持っているのだろうか。我々もロボットと同じで、色々な考え方をするように、プログラムされた上で動いていると言えなくもない。

 

そう考えると人間とロボットの違いはあまり無いのではないか。そう思ってしまった今回の事件であった。

 

ちなみに今回のラジオは、きっと真田が持ち込んだものであろう。こういう作品が好きそうなやつだからな。

 

色々な事件が起こるが、我々は今日もまたイスカンダルへと突き進む。このいつ終わるとも知れない旅路を。




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