たとい、エースと呼ばれても   作:丸亀導師

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第21話 魔女との遭遇

今日もまたヤマト宇宙をイスカンダルへ突き進む。

あの一件から巡航時は、航空機による索敵を取り入れてまたあのような奇襲をやられないよう航行を続けている。

 

航空機には亜空間ソノブイを取り付けた専用機体を割り当て、初の飛行では何故か古代と森君が搭乗している。

挙げ句のはてには、喧嘩まで始めていやがるが、どう聞いても痴話喧嘩だ。お暑いこって

 

「艦長。若いって良いですね。」

 

「岩本君、君も私からすれば充分若い。それにまだ20代ではないか。」

 

「そぅですね。どうも磨耗してまして、自分の実年齢と時間の感覚がおかしいんです。」

 

「疲れが出ているのではないか?休んだらどうだ。」

 

艦長に心配されるとは、どうして喋ったのだろうか?本当に疲れが出ているのかもしれないな。

 

「では、お言葉に甘えまして休ませていただきます。

失礼します。」

 

艦橋から退室する。

うっ?何だ、目眩がする。本格的に何かの病気か?

ああ、佐渡先生に見てもらうために医務室に行くか。

廊下を歩いていると、乗員が倒れている。しかも一人一人二人ではない、何だこの数はまるで何かの伝染病かあるいは攻撃か?

 

「オイ!君たち起きないか!オイッ!」

 

反応なしか、完全に眠りの世界に閉じ込められているのか?だとすると、攻撃だな。これでは全員眠っていると考えるのが妥当か?一人で何を相手にするんだろうか。

どうも20年以上の月日が記憶を薄めている。この相手の目的は何だったか。

 

なんだ?後ろから気配がする。

ホルスターに手を伸ばし、97式を握る。

不意に後ろから声が聞こえた。

 

『何をしているんですか?岩本二尉』

 

え?そんな筈はない彼女は死んでいるのだ、なのに何故後ろから彼女の声が聞こえる。

周囲の風景も試作機のテスト飛行場の、格納庫へと変貌を遂げている。そして、褐色で瞳は紅く髪は銀色のマーズノイド特有の姿が現れた。

 

「佐々木三尉、これはどう言うことだ。」

 

『どうとは?革新技術の実証機の試験の途中じゃないですか。忘れてしまったんですか?』

 

「いいや、しっかりと覚えているよ。ちなみに今は何年なんだ?」

 

『西暦2194年ですよ。それよりも、新しい推力変更ノズルの大気圏内での音速航行試験を行いますよ?

私よりも岩本二尉の方がテストパイロットとして、限界を出せるからって来たじゃないですか。』

 

「違うよ、君は2193年の遊星爆弾の落下によって死んだじゃないか。」

 

『遊星爆弾ですか?一体だれがそんなものを落とすんですか?』

 

「ガミラスだよ。君は、死んだんだ。ここにはいないし、何より彼女は俺のことを岩本二尉何て呼ばない。

最初は岩本さんと呼んでいたよ。

さあ、君は誰だ。」

 

彼女が眉間に皺を寄せ、姿が変化する。肌は白く、色素が抜け落ちたかのようで、白人なんかよりも白くまるで白磁のような色である。

耳は尖り、エルフやバルカン人のようでガミラス人とも違う。全く別の種族だ。

 

『まさかこれほどまで精神が強いとは』

 

言葉がわかる、まさか思念で会話をしているのか?

 

「動くなまずは何をしているのか話してもらおうか?」

 

『フフッ!』

 

急に右へ動く、壁をすり抜けて。

 

マジかよ、そりゃテレパシーとかも使えるわけだな。

思い出せやつが何をしていたのかを、原作を思い出すんだ…。確か、そうヤマトの航路を変更するためだったか?

 

だとすれば…、波動エンジンを止めなければ。

ここから機関室までは速くても15分はかかる。

何より、どうやらあいつは夢で人を動かすことも出来るようだ。

 

周囲を見ればまるでゾンビのように、乗員が立ってこっちに向かってくる。全く、どうして損な役回りばかりなんだろうな。森君と古代頼みになっちまうだろ。

全くだらしない連中だ、もっと精神を鍛えた方が良いんじゃないのか?

 

ゾンビのような乗員は、それほど力が強いと言うわけでもなく、寝惚けたように歩いてくる。そのなかに、山本君の姿を確認した。彼女ならもしかしたら起きるんじゃないか?

 

考えたら即実行、周囲の連中を倒しながら近付き腰へタックルの形で突撃。そのまま米俵を担ぐが如くそのまま廊下を走り抜ける。以外と軽いな、もっと筋肉で重いと思ったんだがなんだ羽のようだな。

 

好しそろそろ良いだろう。

そういえばどうやって起こそうか。息を止める?キス?はダメだ。だとすれば明生くん、力を貸してくれ。

 

ペンダントを掴み、語りかける。

明生くんから聞いた、彼女の黒歴史を。

するとだ、何てことはない直ぐに目を覚ました。顔色はあまり良くないし、意識も混濁しているようだが。

 

「山本君、起きるんだ。起きないと、更に嫌な過去を話すことになるぞ?」

 

「教官、それは辞めていただけますか?」

 

「よし、その意気だ。これから機関室に行く。一人であの人数を突破するのは少々骨がおれるから、力を貸してくれないか?」

 

「わかりました。事情は聞きませんが、攻撃を受けていると解釈しても?」

 

うなずく。

さあ、いくぞ?

 

 

そのあと、強引に突破して機関室に到着すると古代が向こうから現れた。挟み撃ちだ。白い奴を波動エンジンに閉じ込め何とか撃退に成功した。

 

艦内の人員全員の介抱をするはめになったが、拿捕されるよりは良いだろう。

 

 

sideメルダ

 

ハァ、私は未だに本星から出られない。前線では多くの兵士が戦っていると言うのに、情けない限りだ。

定時で家に帰宅する毎日、たまに飛行訓練等をしているが、それでも鬱憤は溜まるもの。

 

そこで、兄の墓参りをしようと考えた。

ここ集団墓地はいつも、仄かに暗く死者を埋葬するにはうってつけの場所だ。

 

墓に花を添えて戻ろうとすると、前にドメル上級大将の奥方であるエリーザ様がいた。

声をおかけした方が良いだろうか?と考えていると向こうもこちらに気が付いたのか、こちらを見ている。

 

「エリーザ様でしょうか?私はガル・ディッツが娘、メルダ・ディッツ少尉です。お会いできて光栄です。」

 

「こちらこそ、エリーザ・ドメルよ。貴女もお墓参りなの?」

 

「はい、戦死した兄の…。奥方さまはどうして?」

 

「エリーザで良いわ。私は、死んだ息子のためにこうして来ているの。」

 

「そうでしたか、すいませんでした。」

 

「いいのよ?暗い話はそれくらいにしましょう。それよりも、貴女軍人なの?好きな人はいらっしゃるのかしら。」

 

「以前まで銀河方面軍に勤めておりました。一時行方不明となってから、半ば本星へ軟禁されています。好きな異性ですか?それは…。わかりません」

 

「銀河方面軍というと今噂の、テロンの船のことね。

好きな人がわからないというけれど、気になる人はいるのね。でも、どうして好きだと思えないの?」

 

「それは…」

 

「きっと複雑な事情ね。それ以上話さなくて良いわ。

それより、これから定期的に会わない?貴女の知らないこととか色々教えて上げる代わりに、恋愛の相談に乗ってあげるから。」

 

これから、エリーザさんとの関係が深くなり、私の中の彼への恋が芽生え始める原因となったのであった。

 




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次回の更新は、主人公の思い出となります。
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