たとい、エースと呼ばれても   作:丸亀導師

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後日の指摘ありがとうございます。


第29話 旅路の先に…

ガミラスの収容所での一連の事件が起きてから数刻程たった頃、俺の通信と古代の緊急通信によって、ヤマトがこの惑星へと降り立った。

 

紛いなりにもガミラスの拠点であるから、傷付いた艦艇の修復作業を行うこととなった。それだけではなく、収容所にいたガミラスの要人、ガル・ディッツ提督との会談の席を持つこととなったのだ。

 

そして、その席に俺が参列することとなった、階級上こう言う事柄には、縁があるので辞退することも出来ず、我が愛機のセッティングが少し遅れることとなる。

 

~会議室~

 

「すいません遅れました。」

 

「良い、まだ会談は始まっていない。それに要人たちも来てはいないからな。」

 

空いている席に腰を掛ける。急いで来たからか、まだ手が油臭いかもしれない。大丈夫か?

 

『お連れしました。』

 

全員が席を立つ。初めは艦長からの挨拶が始まった。

そこから各々自己紹介と言ったところだ。

俺の席順は三番目、真田副長の後。

次は俺か。

 

「はじめまして、私は岩本 鉄朗。階級は一佐。そちらで言うところの大佐を拝命しております。また、先の基地上空での空戦を行っていた。パイロットであります。以後お見知りおきを。」

 

向こう側は、なにやら俺のことをまさかの表情?で見ていた。もしかして、無人機か何かだと思ったのか?

でも、メルダがいるからそれは無いと思うが…。

 

そして、会談ではあるが結局のところ双方の意見の食い違いや、立ち位置の違いによって同行する事は叶わぬこととなった。

 

しかしながら、一応の休戦状態となり積極的な戦闘の停止という同意を得ることに成功した。

これには互いに安堵したかのようだった。向こうからしてみれば、現在の戦力ではヤマトへの勝ち筋が見えないこと。こちらから言えば、これ以上の戦力の低下を避けたかったところになる。

 

場所は変わって収容所の休憩室。

平行線の会談の後になったが、ディッツ提督が俺への個人的な質問を行ってきた。

平行線を辿る事に辟易し始めていたから、気分転換だったのだろう。

 

「君がメルダの話していた『岩本』という者で間違いないんだな?では、私は君に礼を言わなければならないな。」

 

「礼ですか?何の事でしょう。私は別に娘さんにした覚えは無いのですが。」

 

「いや、私が軍での生き方しか知らなかったばかりに、娘は女性として生きる事をしてこなかったのだが、帰艦してからというもの、なにやら歳相応なところも出てきたのでね。良い経験があったのやもと思いましてね。」

 

「そう、かしこまらないでください。第一私が彼女にしたことは、今平行線を辿っている話をして、私の罪を告白しただけですからね。

その他は、私の部下の『山本 玲』というものが娘さんを変えたのだと思います。」

 

「そうかな?それにしても、良い戦闘軌道だったよ。まるで機械のような限界の見えない動きだ。私達のパイロットは君の事を『凶鳥』と呼んでいてね。非常に恐怖の対象となっているんだ。」

 

「もしや、私がご子息を撃ったのを恨んでらっしゃる?」

 

「息子を殺した相手を恨まない父親はいない。だが、お互い様というものだろう。君からも何かを失ったような、そんなものが感じ取れる。」

 

「まあ、貴方に直接的な恨みはありませんが、それに恨みで動いていませんし。

今は恨みではなく、愛で動いていますから。」

 

「愛?誰への」

 

「貴方の娘さんにです。認めてくれますか?」

 

「認められんと言ったら?」

 

「実力行使をするまでです。」

 

そんな話をした後でも以外と話せるようで、娘の自慢をしてきた。やはり父親なのだなと感心させられると共に、メルダの何処に惹かれたのかとか、根掘り葉掘り聞いてきた。

 

メルダのヤマト派遣が、白紙になることはなく、半ばほっとしている。もしも、俺のせいでメルダがヤマトに来なかったら、どう考えても娘を取られたくないという現れだとも思う。逆に言えば、『ならばメルダを射止めて見せよ』と言わんばかりの配属か?

 

 

sideメルダ

 

父が岩本と話をしているのを、私は影から見ていた。

やはり彼があのパイロットであったと知ったとき、私は『戦ってみたい』という感情よりもむしろ憧れに近い感情があった。

 

そこまで聞いて二人ともまったくといっていいほどに、警戒心が無く、まるで友人と話をするようだった。

だが、そこで岩本は爆弾を落とす。

あろうことか、わ、私の事を好きだとそう、父に言ったのだ。

 

どうしたことだろうか、顔が熱い!

そこから、私を争うように取り合う二人がいた。

更にあの父が、私の事を非常に誉めてくれていた事には、努力の甲斐があったというものだと、心に思うだけでなく。どこかむずむずするものだった。

 

そんなことがあった後、玲とユリーシャ様と共に食堂へ行き、恋ばなとなったとき、私はなんと答えれば良いのかわからなくなっていた。

 

誰が好きだとかそう言うものを、この歳になって初めて言われたのだ。こうもなるだろう。

だが、果たして彼は私に告白するのだろうか?

それとも、告白せずにそのまま時が過ぎるのだろうか?

悶々とした心が残る。

 

こんなときは、格納庫にある自分の機体を点検するに限ると、そう思い来てみたが。

没頭できるものではなかった。そう、そこに彼がいた。

 

赤い機体が珍しいと言ってきたのだ。そこで貴方たちのも赤いではないかというと、『いやいや、こんな真紅の稲妻とか、赤い彗星だとかそんなやつみたいなのは、初めて見るよ』と言っていた。意味がわからない。

 

私は彼に問いただそうとした。しかし、どうやって切りだそうかと、思っていたらあっさりと言い放った。

 

「メルダ君。いやメルダ。俺は君の事が好きだ。愛していると言う意味で。」

 

初めて告白された。そこから、彼のペースだったのだろうか?だが、彼は紳士的で、無理やり襲うだとかはしない。返事は後日するという事で話は纏まった。だが、明日にはイスカンダルへ到着するだろう。

私はその前に答えを言わなければならない。

 

そして、その日がやって来た。返答をする間もなく、ヤマトはガミラスとイスカンダルのある宙域へとたどり着くと、波動砲に似た物を洗礼として見させられることになった。

 




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