たとい、エースと呼ばれても   作:丸亀導師

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第30話 共同戦

デスラー砲が、艦体をかすめるかのように通過する。ちょうど、後ろにあったガス惑星に直撃して、惑星がおぞましくも悲鳴をあげている。

 

その直後、俺は格納庫へ猛ダッシュを始めた。

直ぐ様発進準備に取り掛かれるように。

と、体にじんわりと加速によるGがかかり始めた。

どうやら亜光速航行に移行したようだ。

 

格納庫へ到着すると既に数名が待機していた。

かつては20数名いた筈の隊員が、今では戦闘可能人数が僅かに6名か…。大部分が戦傷により、航空機に搭乗不可能になってしまっている中、この人数が集まるだけで奇跡ではあるか。

 

「皆速いな。」

 

「岩本さんこそ、遅いですよ。」

 

もはや階級など無いような者なのかもしれない。

これだけしか人数がいないのだ、こうなれば互いの連携によって勝敗が決まると言えるのではないか?

 

「さて、知っての通りガミラスの本星が目と鼻の先にある。そこから先制砲撃を加えられたわけだ。反れてくれたのが幸いだが、直ぐ様それを破壊しなくては我々は確実に殺されるであろう。

そこで、航空隊はヤマトの護衛をしつつ敵航空機の引き付けを行う。ヤマトは、亜光速航行にて攻撃を行うだろう。その場合我々は射出されれば、置いてきぼりを食らう。その覚悟は有るか?」

 

全員が俺の目を見ている。覚悟はあるようだ。

 

「良し、作戦の指揮は変わらず加藤、君に頼む。

私は、敵の新兵器とやらを相手取ることにしよう。

メルダ君から得た情報によると、無人機しかも高性能生産性度外視の存在が確認されている。

それを俺が一手に引き受ける。有人機は、頼むぞ。」

 

そう、メルダからもたらされた情報はガミラスの事だけではない。現在開発されている兵器の事を話してくれたのだ。

航空兵器は、無人で小型のUAVを搭載しており、並みの軌道ではない動きをするそうな。これに、加藤君たちを当てる訳には行かないのだ。

 

そうこうしているうちに出撃の号令が鳴り響く。

向こうも首都を、守ろうと必死だ。だが、誇りだか知らないが、こっちは文明、果ては星の命運がかかっているのだそうそつやられはしない。

 

ヒトデから敵の爆撃機が出てくるが、モッサリとした動きしか出来ない奴等はもはや的でしかない。

加藤たちは見事な連携によってやつらを翻弄していく。

 

それに対して俺は限界ぎりぎりまで、ヤマトの格納庫から発進しない。

離れるわけには逝かないのだ。

そして、奴等が動き出す。

 

今までのガミラスの機体からは想像できないような形状の戦闘機。形状は三百六十度曲面で構成された円盤状の機体。まるで、フリスビーだ。

下部から何かが、射出されたのが見えた。それは一直線にこちらへ来たかと思えば、途中で進路を直角に曲がりこちらの予想外の動きをしてくる。

 

うん、こいつはまるでガンダムに出てきそうな奴だ。便箋上ファンネルと呼ぶが、何よりその大きさだが、ミサイルよりも小さいそれが、自由自在にこちらを包囲するかのように動き出した。

数は6か。

 

本体の方も常軌を逸した動きで、こちらを捕らえようと来るかと思えば、常識の範疇の飛行すら行ってくる。

なんと殺りづらい相手であることか、普通なら中身の人間はミンチだろう。だが、AIだけってんならこんな動きも出来るわけか。

 

何よりどう考えても別勢力の機体。

ガミラスよりも技術が上のところから流れてきたのか、あるいは発掘したのか。

今はそんなのどうだって言い。

 

「コンピュータ、機体のリミッターを解除してくれ」

 

『リミッターを解除した場合、機体が耐えられない可能性があります。』

 

「壊れたって良い。一度きりなんだからな。それに、そのデータがお前の妹を形作るだろうさ。」

 

こいつに感情はないはずだが、少し悲しそうだった。

 

『わかりました。リミッター解除します。どうかご無事で。』

 

瞬間、操縦桿が軽くなる。機体の動きが更に敏感になり、各所から振動が伝わってくる。

敵を叩くには、同じ土俵に立たなければならない。

機動力で負けているのなら、機動力をあげるしかない。

 

周囲からのレーザー攻撃が殺到するが、それを敵の機体角度を見ながらぎりぎりのところで交わしていく。

敵をロックオンしようにも、あまりにも動きが直線過ぎるために、コンピュータの処理能力を上回る。

予想進路が想定した機動とはあまりにも違いすぎる。

 

システムが学習している間は、基本的に補助無しで戦わなければならない。

加藤たちに気を配っている時間がないほどに苛烈だ。

向こうも学習能力があるのか、徐徐にこちらの動きに合わせてくる。

 

逆に言えばこちらも慣れてきた。

だから、ミサイルは使えない。レーザーだけで落とさなければならないのか?いや、ミサイルを無誘導兵器として使う。そうでもしなければ当たることは無いだろう。

 

時間が経つにつれ奴は、攻撃を絞ってきていた。

エネルギーの残量が少ないのか、推進材が無いような機体のせいでわからない。

実質7対1の戦いであるが、下部充電式なのかUAVは時折本体に戻る事がある。そう、その時だが一瞬だけ機体が固まる。そこに勝機を見いだした。

 

奴もそれを解っているのか他のUAVをけしかけてくるが、一直線に奴に向かう。俺の周囲を飛んでいた奴等は

俺を後方からは撃てない。本体に当たるリスクが高すぎるから、そして、俺はやつを素通りした。

 

 

sideメルダ

 

玲たちと共に戦闘に参加した。途中でヴィルヘルム派がこちらの加勢をし始め、なんとも奇妙な戦いとなり始めていた。

私の機体にIFF登録を各機に伝達し、同士討ちを回避して残敵掃討を行いつつ、古代が進のを援護していた。

 

その時、波動砲の束がバレラスを破壊したのをこの目で見ていたとき、目の端に往く本かの光が交差しているのを確認した。

 

ヤマトの戦闘とは対称的に、派手さも何もないただ戦闘機同士の一騎討ち。

二つの戦いは終わっていない。

私は援護をしようと向かう。

その時、二つの機体は交差し、円盤型が爆発四散した。

 

だが、岩本、彼の機体の推進光が見えない。

まさか、と思ったがそこで通信がはいった。

 

『やあ、ディッツ少尉推進材が尽きてしまったよ。このままだとガミラス星に突入することになる。緊急着陸出来るところは何処だろうか。』

 

「私が先導する付いてきていただけるだろうか。」

 

『ありがたい、単機で行ったら確実に拘束されるからな。』

 

「いや、それでも拘束されるだろう。一応、敵国だぞ」

 

『ですよね。』

 

全く敵国内だと言うのにこうも緊張感がないとは、恐れ入るよ。

 

「まあ、私がいるのだ大船に載ったつもりでいてくれ。」

 

そうさ、私がこの男を守ってやらねばこいつは、ユリーシャ様がいう『流れ人』ならば誰かが導いてやらないと。




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