無限に広がる大宇宙。星々は瞬き、生命はその息吹を感じる。
限り有る有限の命を、その力を存分に使い全てのものを手に入れようするのは、生命の性なのだろうか。
そんな宇宙で、星とはまた違う輝きが灯り、点いては消え点いては消えを繰り返し、聞こえるはずの無い絶叫が響き渡る。
片や魚のような形状をした艦が蠢き、片やトップヘビーで複雑な形をした艦が互を消し去りあっている。
そのすべてが、まるで生き物であるかのように一糸乱れぬ動きをするのは魚のようなものたち。
彼等は個艦の性能よりも、群れでの動きを取り入れ次々と複雑な艦を葬り去っていく。
そんな中で複雑な艦の指揮艦が、味方諸とも飲み込むような砲撃を繰り出す。『火炎直撃砲』彼等ガトランティスはそう命名しているこの兵器で、ガミラス艦が呑み込まれると思いきや、なんと巨大な盾を備えた艦がそれを防ぐ。
そして、直後に複雑な艦は大爆発を起こした。
艦の周囲には小さな機体が一つだけポツリと存在した。それが先程の原因であろう。しかし、たかが一機でそれらを落とすのは至難の技であろう。
では、これは誰なのか。
彼はテロン人、遠き故郷より我らの地に来て、双方の誤解を解き、戦争を終わらせた英雄である。
彼の名は『テツロウ・イワモト』かつて軍が『凶鳥』と呼んだテロン人のトップエースである!!
by帝国軍広報部銀河方面情報科新聞部ガロンヌ・パーク
side岩本
さて、そんな新聞?が配られてきたものの、何で俺の事を記事の一面に入れるのだろうか。解らなくは無いが、新しい総統が決まったにも関わらず、その事が話題に当たらない程までに、戦時に染まっているのだろう。
それにしてもこの言葉の後の文章はそれはそれは、皮肉の効いた良い味だったよ。
『テロンのトップエース』だ。正直なところ、微妙な存在と扱われてるだろうな。
一星系国家の力などたかが知れているからな。
ガミラスの艦内は、以外と快適な居住環境だ。むしろ、地球以上に艦内は快適に整えられている。長期間の航海が多いからか娯楽の類いは、潤沢なのだろう。
ただ、食事には甘味が少ない。砂糖と言うものを知らないのだろう。もし、化学式を教えたら金持ちになれるのでは?
そうそう、最近になってドメル艦隊の生き残りが、本国に帰艦したようだ。どうやら2199通り、方舟は存在したのだろう。その証拠に、バーガーの艦はかなりボロボロだったそうな。おまけにバーガーを説得に行った部隊も一割程犠牲となったと。
こうして聞くとかなりガトランティスは、強力な文明だとわかるが、それに輪をかけて当時のアケーリアスと、イスカンダルは化け物染みていたのだろうな。
それを叩き潰した、青色の奴はきっとアメコミ出身者なんだろうな。
コンコン
ノックか、まあ誰かはだいたい見当がつく。
「ああ、入って良いよ。」
『失礼する。』
俺の監視を理由に配属されたのは、メルダだった。実際のところ、俺を心配した上層部による手筈なのだろう。少しでも話し相手になるのが良いと上がったのは、メルダだった。それに、彼女であればむやみにこちらを攻撃出来ない。バックには強力な権力がいるからな。
「何の用なんだ?」
「貴方の報告書が提出されていないと言うから、こうやって取りに来たんだ。有り難く思えよ?」
「ああ、失礼。えっとこれが今日の分だ。それにしても、自動翻訳機は本当に便利だ。文字まで簡単に訳してくれるとは。これなら無理に覚える必要はないか?そうも言ってられぬか。ウ~ム」
「ゆっくり覚えてくれれば良い。それよりも見つかったのか?例の痕跡とやらは。」
「うん?いや、一切見付かってない。ここまで綺麗に無いってことは、この宇宙から拒絶されたと考えるしか無いかもな。ようは、連中はやり過ぎて宇宙自体が強制力を働かせた、と言ったところか?」
「じゃあ、鉄朗。お前のやってることは無意味になるんじゃないか。」
「そうも言ってられない。あのイスカンダルを追い詰める連中だ、もし、残ってたら宇宙がヤバイことになる。だから、責任を持って探さなきゃならんのだ。」
そう、最後に出てきた奴はきっとアメコミのヤベー奴に決まってる。最初の奴はきっとアルカディア号だろう。アルカディア号を見つけるのが早いかもしれないな。
所詮は単なるパイロット
たとえエースと呼ばれても、辺境の一惑星での話さ。
sideメルダ
彼がこちらに残って早1月の歳月が流れた。
ガミラス内部の政変も落ち着きを取り戻し、ヴィルヘルムはせっせと書類にサインをしている頃だろう。
そんな中、我々はガトランティスとの領土争いに、いそしんでいる。
今まで戦線を拡大していたツケが今になって現れだした。綻び始めた戦線を後退し、内部へと敵を引きずり込んで、全方位から殲滅する。
ドメル元帥亡き今、ドクトリンの見直しが行われていた。
ただ、今の私達にはあまり関係がない。
既存の戦術を駆使して、ドメル元帥の穴を上手く埋めていくのが、私達の任務だ。
確かにガトランティスは手強い相手だが、ドメル元帥が築き上げた戦術を私達なりに解釈をすることで、一時の時間を稼ぐことができている。
それほどまでに彼等は、蛮族のような突撃一辺倒の戦いかたをする。
しかし、徐々に学習してきていることは確かであろう。
だから我々も悠長にしている暇はない。
鉄朗は多少の不利を覆す力を持っているが、全体で見た場合その力は微々たるものだ。
だから、本国にも父上にも急いで貰わねば。
こいつはきっとこれからも無茶をするだろう。私にはそれを見届ける義務が有るのかもしれない。彼が死なぬように、私なりに努力していこうと思う。
「メルダ、これからもよろしくな。」
「何を今更、それくらいわかっているさ。」
今はこの時を、命があるこの時を楽しむとしよう。
さて、とりあえず2199編は終了とします。
後々外伝もの、地球での出来事をポツポツと書いていきたいです。目標としては一ヶ月に1更新くらいで、
作者が2202を見るまで本編は取り敢えず休載とします。正直なところエタりそうだったので、ひとまず休載します。来年の3月位には書き出せたらなと。
続きを書くとすれば、アルカディア号を出していきたいです。
取り敢えず他の小説を書きつつ、考えていきたいですね。ちなみに次の小説は、ゲート自衛隊とダークソウルのクロスとします。