たとい、エースと呼ばれても   作:丸亀導師

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機動艦隊同士の戦闘が陽動であり、その隙に地球へは遊星爆弾が降り注ぎ、華奈は研究員たちとともになくなった。


機動艦隊壊滅

あれから3年の月日が流れた。

時は西暦2196年

 

ガミラスからの遊星爆弾は衰えを知らず、次々と地球へと降り注ぐ。

初めのうちは艦隊による必死の迎撃により、遊星爆弾を破壊することに成功していたが、徐々に世界的に艦艇の稼働率が低下していき、遂には遊星爆弾が突破していくようになった。

 

稼働率の低下は散発的に現れるガミラスの艦艇による、奇襲が駆逐艦や、巡洋艦に傷を負わせて修復に時間を費やせられているのが原因であった。

 

このとき、既に航空機による敵艦艇への攻撃手段が確立されていたが、ワープによって突如として出現する敵艦を捕捉するにはまだ機体の性能が不足していた。

 

俺は、研究の続行をすると共に新人育成プログラムの一環として航空候補生の教育を任されていた。

パイロットは、先の火星沖での損害(およそ2000が未帰還1000がパイロットとしての戦闘不可)を未だに引きずっていいた。

 

この年の前年の卒業生は非常に優秀な人物が揃っていた。

特に山本明生、加藤三郎、両名は非常に優秀であり、加藤は指揮官として、山本はパイロットの技術として他を置いていくほどの実力者出であった。

 

そして、この年、山本 玲君が航空科の門をくぐり私の生徒となった。記念すべき年である。彼女もまた優秀であった事をここに記しておく。

ほんの数ヶ月しか教えていないが。

 

「さて、今日の授業はここまでとする。後は今日から模擬訓練が始まる。今まで行った耐G訓練や、練習飛行を思い出して行うように。以上。」

 

「起立!礼」

 

私が教室から出ると、やはり彼女が続いて出てくる。

 

「岩本教官!」

 

「何かな?」

 

「はい、教官がこれから艦隊の方へ転属となると聞いたもので、それで…。兄の事をお願いしたく。」

 

「ああ、そんなことか。わかってるよ、優秀な部下ほど失いたくないからね。特に彼は私の情熱に再び火を灯した。君もね。だから必ず守りきって見せる。」

 

この時期の俺は色々と冷めていた、戦場に出ると途端に熱が戻り鬱憤を晴らすがごとく戦う。学校では普通の教師のような皮をかぶり自分を偽っていきる日々。

 

しかし、彼女等兄妹によって、灰から再び熱をおび出していた。戦場での熱ではない。守りたいと言う熱が。

 

その日彼女達訓練生と初の模擬戦を行った。

勿論私はアグレッサーとして上がって、彼女達訓練生を相手に連携とはいかに大切かということをみっちり教える事になった。

次の日には艦隊へと赴いていた。

 

 

一年ぶりに翔鶴へと乗り込み航空隊の面々と顔を合わせる。俺の二番機は代替わりして、山本が俺の後ろに付くことになった。彼は非常に見所のある男だ、なぜなら変態的な俺の機動に着いてこれるのだ、もう信頼とかどうでも良い。そこに痺れた、こりゃすごい奴になると。

 

他の面々も腕が立つ連中ばかり、空母は二個一修理で4隻になってしまったがそれでも現時点での最高戦力をかき集めていた。

 

だが、この作戦は納得いかない。これではまるで餌だな。

翔鶴は今回の作戦での旗艦となったため、司令室にはこの作戦を立案した国連軍の参謀が乗り込んでいる。

そこへ早足で向かった。

 

「岩本二佐入ります。」

 

『ああ、入ってくれ。』

 

日本語での返答か。まさか、艦長が変更されたか?

 

「今君を呼ぼうと思っていたところだよ。岩本二佐、いや英雄殿。」

 

「ほお、私をなぜ呼ぼうと?高倉参謀。

司令、前司令であるアンダーセン提督は何処に?」

 

「彼との連絡は途絶している。もはや別の大陸との行き来は一切不可能だ。よって、機動艦隊は極東方面軍の傘下に入った。君には航空隊の指揮をお願いしたい。」

 

「私に?こんな犬死にするような作戦を立案しておいて、私に航空隊の指揮を取れと?冗談ではない。」

 

そこで、高倉は全てを俺に打ち明けた。

 

「この作戦の意味を君には伝えなければならない。

我々人類の存亡がこの作戦には、かかっているのだ。」

 

「人類の存亡?なぜ。」

 

「外宇宙から我々へ向け、信号が送られてきた。一方的なものであったが、藁にもすがる思いで我々はそれを信じようとし、そして遂に二週間後大使が送られてくることとなった。」

 

「その陽動のために2万人の命を代償にしろと?」

 

「だから君を、岩本、お前を呼んだんだ。お前が指揮をして、戦えばそれだけで戦力が削れるのをある程度軽減できるからな。」

 

高倉が俺を見下すように言い放つ。

教官時代からいけ好かないやつだったが、こんな作戦立案して来るとは思わなかった。

いやまてよ、この作戦の立案の仕方どこかで見た記憶がある。そう確か、この世界の理である宇宙戦艦ヤマトでのメ号作戦か?

まさか、あれもこいつが関係しているのか?

 

「だとしても、俺はそんなもの背負いたくはない。」

 

そしたらニヤリとした顔で、

 

「お前は英雄になっちまったんだ。受け入れろ俺の作戦をな。さて、お集まり頂いた各艦の首脳の方々、今回の作戦は人類にとって非常に重要なものと…」

 

各艦に、死ぬことを前提とした作戦が告げられる。先ほどの俺との話を聞いていたものだから、おおよそを知っていたが、全員が賛成をしたわけではなかった。

しかし、人類のためならと全員が作戦を了承した。

 

その結果、多くの犠牲を伴うとしても…

 

 

結果だけ言おう。我々は戦略的に勝利を手にする事に成功した。

外宇宙からの来訪者は火星へ無事到着し、我々へ現状の打破となる技術を提供する事になった。

 

そして、我々はと言うと木星と火星の中間地点に置いて、ガミラスと長期間となる戦闘を行い、艦艇の損耗率はおよそ8割にも登った。

戦術上これほどの大敗となったが、我々の本来の目的は果たされたのだ。

 

この戦いでは、新型空対艦ミサイルが配備されガミラス艦にも少なくない損害を与えることに成功した。

私も少なからずというか、ガミラスの巡洋艦を大破航行不能に陥らせることに成功した。

 

しかし、未帰還機が7割を越えた。山本君はしっかりと帰って来た。この後山本君は本土の防空戦で命を落とすこととなる。

空母は残り一隻翔鶴のみが生き残り、その他の艦艇は自沈処理された。

 

この戦いで地球は展開可能な外洋艦艇の悉くを損失し、実質沖田艦隊のみが、地球圏での戦闘続行艦隊となった。

 

翔鶴と生き残った艦艇10隻は沖田艦隊へと編入され、最後の役目『メ号作戦』でほぼ全損する。

我々は生き残り、最後まで抗うことを決意した。

 

この戦闘での功績により俺は一佐となり、実質艦隊航空隊、防空航空隊、双方の凖司令官待遇となった。




感想、評価、誤字等よろしくお願いします。

今回戦闘描写省きました。
これで、主人公視点の外伝を終わりとします。

仕事の関係上執筆が遅れております。
何卒、ご容赦のほどお願い申し上げます。

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