たとい、エースと呼ばれても   作:丸亀導師

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宇宙戦艦ヤマト2199の二次を書いてみました。
どうぞ、よろしくお願いします。


本編 2199
第1話 海戦


西暦2191年天王星監視ステーションからの警告により、未知の文明から初の接触が行われた。

 

それに呼応し、国連は、国連宇宙軍内惑星艦隊を出撃させ、威嚇・牽制と同時に、件の艦隊の撃滅を目的としていた。

 

 

西暦2191年、艦隊所属特殊攻撃隊

 

コーハー、コーハー

息づかいだけが聞こえる。

周囲の景色に広がるは、暗黒の世界。そこに散りばめられた星たちは変わらずに瞬いている。

 

今、我々は敵艦隊に向け攻撃をする。だが、勝てない戦。どれ程僚機を救えるかは己の腕次第。

 

『各機、無線封止解除、敵艦隊へと肉薄攻撃を開始する。味方艦隊からの砲撃も行われている。くれぐれも同士討ちにならぬよう、高度の柔軟性を維持しつつ臨機応変に対応せよ。新人は逃げ回るだけで良い。生き残れば次に活躍出来るからな。』

 

全く、確かにパイロットになりたかったけど、こんな人類の危機に戦わなくちゃならないとは、本当に戦争は嫌だな。何より、絶対に勝てないだろ。

 

『おい、聞いてるか?どん尻、お前は一番の若輩者だ。しっかりと俺の後ろに付いてこい、そうすれば必ず生きて帰れる。』

 

言われなくともやって見せるさ。

 

西暦2199年1月17日

 

『…て。お…て…い。起きて下さい!!』

 

また、あのときの夢か。

 

「うん?何だよ」

 

「出撃命令です。ガミラス艦が冥王星沖に進出してきたそうです。急ぎ出撃準備を!!」

 

「わかった。」

 

急ぎ、ヘルメットを着用し自らの搭乗機にのる。

旗艦キリシマから発進を行った。

 

「各種機器正常に作動、各補助翼、姿勢制御ブースター正常に作動。エンジン正常。いつでも出撃できるぞ!!」

 

「発信シーケンス5、4、3、2、1発進どうぞ。」

 

エンジンを、急激に加速させる。そして、キリシマのカタパルトから射出される。

さあ、空戦の開始だ。

 

2199年1月17日メ号作戦、艦隊防空任務に付き、出撃。敵はガミラスと名のる、異星文明。恒星間航行可能な文明と、恒星系内部から出たことがない文明が、戦争をすれば自ずと、どちらが有利かわかるだろう。

 

航空機に関して言えばそこまで驚異的ではない。もっともパイロットの腕しだいになるが。

 

はじめの頃はよかった。まだ熟練のパイロットが多く、制空権争いはこちらに有利になることもあった。しかし、今ではすり減らされ見るも無惨だ。

 

そして、今回のメ号作戦で更に多くのものたちが犠牲となる。人類の存亡と、この人員を天秤にかけた結果である。しかし、少しでも犠牲を減らさねば。

 

『各機聞こえるか?これより艦隊戦が行われる。我々の仕事は敵航空機による、艦隊戦中の艦艇への攻撃を防ぐことである。

いかな戦艦といえど航空機の攻撃には成す統べない。

攻撃機は、敵戦艦を多く葬ってほしい、諸君らの新型

そして、新人パイロット諸君は絶対に単独飛行を行ってはならない。

諸君らは生き残り次の戦に備えねばならない。

各々の仕事を全うすることを願う。』

 

さて、俺は俺の仕事をするだけだ。

 

『ハヤブサ01へ、君だけに聞こえる無線だ。たった今、国連軍からの直接命令が来ました。〈旗艦キリシマのみ護衛せよ。他艦の安全は、僚機に任せよ〉です。命令は…受けとるかは、あなたが決めてください。』

 

全くそういうのは地球から出撃する前に言うことじゃないのか?

 

「キリシマへ、その命令は受諾できない。私は、わたしの出来ることをしよう。」

 

『貴方らしいですね。わかりました航空隊のことよろしくお願いします。』

 

わかってるさ。

 

「全機聞こえるか?これより数時間の間艦隊上空で待機することとなる。非常時であるが自動操縦に切り替えておけ、敵が現れ次第に攻撃を行う。一隻でも多く敵を潰すことでこちらの損害を少なくする。

我々航空隊だけが、敵に対して唯一有効打を与えられる。心してかかれ。」

 

さあて、敵さんはいつお出ましになるかな?

 

 

それから、20分後戦闘が開始された。

 

『バカめ。』

 

バカめか。こりゃ全滅に近い被害になるだろうな。

 

「全機、敵艦隊へ突撃を開始せよ。一隻でも多く葬り去るぞ!!」

 

ガミラスの艦隊へ向け全機が突き進む。その時、ガミラスの空母から小型の飛行物体が発進した。

 

ガミラスの航空機がお出ましか。

 

「攻撃機隊は、そのままガミラスへ突撃を続行!!戦闘機隊は、直掩機はそのままに残りは攻撃隊を援護しつつ敵機の破壊、及び対空砲を破壊せよ!!」

 

こっちは対艦装備がないからな。航空機の殲滅しかないな。

 

艦上航空隊は猛烈な戦いとなる。

航空機の能力はガミラス側にあるが、単調な動きをするUAV(無人戦闘機)であるため動きを着実に読み、新米ですら撃墜出来ている。

 

こちらはどうかと言えば一人で制空権を確保している。来る敵来る敵、UAVであるため単純な作業とかす。

後ろをとられても急G旋回をし、簡単にひねり込めてしまう。後は、後ろから対空ミサイルや、機銃を撃てば撃墜できる。

開戦初期は敵にも有人パイロットがいたが、そのことごとくを私が落としたために敵の腕ききがいない、敵も人手不足か。

 

しかし、艦隊は艦隊戦を強いられているため数をどんどん減らしている。こちらの主砲は何一つ効果がない。このままでは全滅するのも時間の問題だろう。

 

 

その時ガミラス側にも損傷艦がちらほら見えて来ていた。駆逐艦程度だが、攻撃隊による宇宙魚雷で撃沈も出ているが…

 

「やはり威力不足か。」

 

92式空間艦上戦闘攻撃機では、ミサイルの搭載量も機体の速度も足りないか。

 

『全機帰投せよ!繰り返す全機帰投せよ!』

 

何かが起きたか?原作通りなら、イスカンダルの船が到着したはずだ。

 

生き残ったのは、キリシマとムラサメ型?歴史が少し変わったのか。

 

今は逃走に集中しようか。殿のユキカゼが、戦っているなかやはりガミラス機が十数機来たので、簡単に落として行くとしようか。

 

「全機先に行っていろ。あいつらを片付けた後に行く。」

 

『気をつけて下さい。』

 

動きがUAVとは違う。有人機か。

 

いいねぇ。動きが良い、プログラムされた単調な動きじゃない。ちゃんと血が通った生き物の判断する動きだ。

 

敵機はこちらを目の敵にしてるな。

 

『鳥だ、凶鳥がいる。全員やつを落とすぞ、今こそ仇を討つときだ。』

 

『無理な深追いはするな!戻れ!繰り返す!戻れ!』

 

何やら無線に入っているが、ガミラス語はさっぱりわからんのだがな。きたきた、じゃあ殺っていきましょう。

 

十数機とヘッドオン(正面から真っ向勝負)をかける瞬間的に機銃を撃ち、当たらないように余計な動きをせずに微調整をする。まずはこれで2機。

 

すれ違うと同時にインメルマーン(『つ』の字状に急旋回)を行い敵機の背後につくと、機銃を点射また数機落とす。

 

どうやら諦めが悪いようなので、一機一機散らしつつ確固撃破していった。

艦隊との距離を一定に保ちつつ行っていたために、ガミラス艦隊は既に目視圏外となっていた。

戻るとしよう。

 

数十分飛行すると、艦隊にたどり着いた。

「こちらハヤブサ01よりキリシマへ、着艦許可願う。」

 

『着艦は許可出来ない。機体を艦の真横に付けた後、アンカーボルトで固定する。地球降下までに機体を投棄し、乗艦せよ。』

 

収容数オーバーか。

 

「了解した。ちなみに聞くが、帰艦機は全体の何割だった。」

 

『およそ半数です。』

 

「そうか。帰艦員へ伝えてくれ、良く生き残った。これからも頼むぞと。」

 

『伝えておきます。貴方の体調はいかがですか?』

 

「すこぶる元気だよ。まだまだ、戦い足りないかな。」

 

これくらい言っとかないと、他の連中が気分を落とすからな。

 

しかし、あれほど落としてもたった二隻しか生き残らないとは。歴史の修正力は伊達ではないか。

 

だが、ツルギが生き残っているからな。もしかしたら、ヤマトに僚艦が付くのか?

だとしたら、ヤマト乗員の生存率が上がるか?それとも余計な犠牲が増えるか、か。




後程、メカニックや主人公のことを書いておきます。

評価、感想、誤字等ありましたら、よろしくお願いします。

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