例えエースと呼ばれても   作:丸亀導師
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第6話 火星沖の残響

抜錨と共に旋回し全ての砲門が、惑星間弾道弾に向けられる。どうやら、キリシマと新鋭巡洋艦の攻撃はコースをずらせなかったようだ。威力不足なら仕方ないがね。

 

キリシマは分かる。新鋭巡洋艦がそんなんじゃガミラスに殺られるんじゃないか?

まあそんなに?地球圏にはガミラスはいないから、今回の航海中のガミラスとの戦闘で確実に仕留めるつもりだけど。

 

間を少し開けて、主砲による攻撃が行われた。見事弾道弾の破壊に成功し、はるか彼方のイスカンダルへの旅路が始まった。

 

まず最初の目的地として火星がある。あそこは形式上ガミラスと地球の空白地帯となっている。

そりゃ、そうだ。デブリが多く、ガミラスでも取り除くには数年かかるだろう。そう考えればいらないから、あそこにはガミラスが基地を作らなかった。

 

ああ、懐かしい闘いだ。あの慢心による大損害を被った戦い。逆転を掛けた起死回生の一手の戦い。そして、無駄に終わった制空の戦い。

あの星自体が墓標だ。

 

 

ブリーフィングルームに到着すると、火星からのワープ航法のテストを行うと。ただ徳川さんはあまり理解できてないようだ。

 

「あー要するに、紙とペンある?あ、ありがとう。

例えばこの紙の上に点と点があるわけ、で点と点の距離は1光年位有るとする。光の速度だと一年かかっちゃうけど、こうやって紙に穴を開ければ、瞬間的に到着できる。ということだよね?真田副長」

 

「かねがね、その言い方であっています。

皆さんに理解するように言えばそのようになります。

しかし、その説明どこで習いました?」

 

「ちょっとSF映画で。」

 

その後、波動砲の説明を受けてブリーフィングが終了した。

ちょうど時間帯的に火星と地球の火星寄り8割辺りか?

そろそろ展望デッキで見えるところだろうか。

に、展望デッキへ出た。そうすると、古代が一人火星を眺めていた。

まだ、小粒の火星だが速度が速いのだろう、ぐんぐん間を積めていく。既存の船ならここまで1日以上かかると言うのに。

 

「どうした?戦術長殿何か悩み事が有るのかね?」

 

「岩本一佐すいません。気がつきませんでした。」

 

改まって敬礼をする彼をみた。

 

「いや、こちらが気配を殺していただけだよ。ところで何を考えていたんだ?

もしかして、火星に来たというイスカンダルの使者のことかな?」

 

「はい、そうです。彼女は命をとして我々に波動エンジンとメッセージを送ってきました。

そして、彼女は今この火星に眠っています。

一佐はなぜここへ?」

 

 

手すりに手を付けて言った。

「この星は、多くの同胞やガミラスの血が流れた場所だ。一見するときれいだが、火星の衛星軌道には未だにデブリベルトが形成されている。

まさしく、この戦争で死んでいったものたちの墓標だと思ってね。こうして彼らの死を考えているんだ。」

 

驚いたような顔をしている。ガミラスがどういう存在かわからないのに私がこんなことを言っているせいだろう。

 

「ガミラス人を見たことは?」

 

「ありません」

 

「俺は見たよ。コックピット越しに、彼等は俺たちと同じような体格だった。いつかはわかり会えると信じてる。」

 

「そんな事が可能でしょうか?」

 

「きっと出来るさ。なんせ、我々は未だに交渉のテーブルに座ってすらいないのだから。」

 

そんな話をして、時間が過ぎて行きワープの試験を行う時間へとなっていった。

 

艦内の船員は全員宇宙服の着用を義務付けられた。私は艦橋員の格好ではなく、どちらかと言えばパイロットスーツを着ている。すごく浮いてるね。

 

ワープ酔いにはならないはず。この体は頑丈すぎるから。

 

 

 



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