私のところに連絡が来た。どうやら本来の乗員が先のガミラスからの空爆により全員戦死したようだ。
これで原作通りの道になったと思ったんだが、そうは問屋がおろさない。
ムラサメ型が1隻残存したおかげで船員が少々余ることとなった訳だが、そこに新型の巡洋艦をあてるようだ。
こちらに流れて来た情報によれば、擬似的な波動エンジンを使用して、ムラサメ型の純粋な速力と攻撃力を上げた船のようだ。
例えば、
20サンチ連装高圧増幅光線砲×3基が
20サンチ陽電子衝撃砲×3基
に変化したやつなのだそうな。
それゆえに主砲の砲身が長くなっている。
こりゃ実弾も撃つね間違いない。まあ、ワープ出来ないみたいだし、途中までしか付き添いは無さそうだけど。
そんな報告を受けていると、とある人物から連絡が舞い込んだ。何々?重要人物の護送及びそれら秘密の共有?
ああ、あのイスカンダルの少女か。
確かにイズモ計画の連中もリストに何人かいるようだが、途中での反乱を危惧してか。
私に言ってもねぇ、正直腕っぷしは悪くないんだが保安隊に勝てるかは微妙なんだよなぁ。
「岩本一佐何を一人でおっしゃっているのですか?」
「口に出てたか?何処くらいから。」
「イズモ計画辺りからです。」
「疲れてるのかな。聞かなかったことにしてくれ。
それと、古代進はヤマトの乗員となっているのか?」
「はい、彼でしたら戦術長に繰り上げで昇格となりました。」
これで原作通りか。
結局最後の休日はなかった。今日も山本の墓へは行けそうにないな。なんせ、沖田提督のもとへ召集がかかったからだ。盛大な祝い事の前に幹部で話し合いでもするのかな?
「行くとするか。」
駐機場待機室→移動中→沖田提督執務室
「岩本一等宙佐入ります。」
「ああ、入ってくれ。」
なかに入ると既に真田 志郎三等宙佐(以後真田三佐と表記)が既におり、他にも土方提督、佐渡先生までいらっしゃる。
「どうも、ここに居るなかで真田三佐だけだったかな面と向かって初めて話すのは。岩本 鉄郎一等宙佐だ。以後よろしく頼む。」
一応の握手ということで。
「はい、改めまして真田志郎三等宙佐です。貴方のことは常々聞いております。貴方の戦闘データのおかげで死傷者はだいぶ減りました。その節はありがとうございました。」
あのときのか、最低限人が死ぬのは嫌だったからね。
「そんなに言わなくても良いですよ。それで死者が減るのなら嬉しいことです。さて、話は変わりますが、ここにいるのは、ヤマト計画の実働部隊員の長を勤めるものたちで良いのですか?」
「その通りだ。君たちには重要部所の管理者としての立ち位置がある。そこで、イズモ計画のスパイが潜り込む可能性が出てきたのだ。」
次に土方提督が前に出てきたな。詳しくはかな?
「続きは私が話しましょう。私は、太陽系から出ることはかないませんが、ヤマトの期間までこの地球を守り抜かねばなりません。
そこで、イズモ計画の人員を旧式艦に封じ込めることに成功したのだが、一部ヤマトに潜り込んだ可能性があるだ。
君たちは信頼にあたる人物だと知っているからこそ君たちにこれを話したのだ。」
「わしには、スパイを見抜く力なんぞ無いぞ?まあ、酒とみーくんだけいればワシは良いんだがな。」
佐渡先生らしいな、真田の方を向くとなにやら考えているご様子。そっとしておこう。
「それでは、我々が見逃した場合ヤマト内部での暴動が始まるリスクがありますね。
相手の裏を掻くように、保安隊内部に我々の息がかかった人物を配置しましょう。秘密裏に。」
仲間を疑うしか無いか。正直言ってそんなことはしたくはないが。
「私は、仲間を疑いたくない。だが、イズモ計画だけは駄目だと思っているからここにこうしているんだ。
あれを選択したとして、またガミラスが来ればきっと逃げることになるだろう。それよりも人類が他の惑星で生き延びられる保証がない。
だから、ヤマト計画に全てを掛けます。」
そうでもしない限り、人間の人類の生き残る道はないだろ。なんせ、ガミラスは銀河系外から来てるからなぁ。
正直イスカンダルの真横とか知ったら、ヤマト計画凍結されかねないな。