神の駒   作:海苔 green helmet

4 / 18
病2

 皿に血の付着した歯が盛られる。一つ、また一つと歯がネジに押し出され抜けていく。

 秋塚は次々と抜け落ちる歯を箸で掴み、口から取り出していた。

 加織は麻酔を打たれ、口に強制具を付けられた。強制具により開けっ放しにされた口には、出血と唾液で窒息しないようにスポイトが入れられる。加織は寝台に横になった状態で静かに眠っていた。

 

 病室の中央に置かれたやかんから、水蒸気がモクモクと吹き出している。

 

 秋塚(そろそろ水が無くなる頃合いか。)

 

 秋塚はカセットコンロのスイッチを切り、傍の水道までやかんを持っていき水を汲む。

 

 秋塚(喉枯らしたら大変だからな~)

 

 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 神奈美は病院の裏手にある空き地で煙草をふかしていた。外は未だに霧がかかっている。

 

 神奈美(聞き込みの結果としては大した情報は手に入らなかった...)

 

 錆びたフェンスに寄りかかり、コートからメモ帳を取り出す。

 

 神奈美(最初に聞き込みを行った四人には子供扱いされて、究極と言っていいほどに無駄な時間を過ごした。)

 

 メモ帳のページをめくる。

 

 神奈美(その後趣向を変えて村の立地から洗い直すことにした。

 過去の公害のデータから川魚等からの感染を考慮し、周辺に川が無いか探した。しかし、少なくとも歩いて行ける距離に川は無く....)

 

 再度ページをめくり、調査結果に目を通す。

 

 神奈美(更に本末転倒なことに、この村には毎日麓の町からトラックで魚を売りに来るとのこと。

 次に今回仮に病とされている現象の被害者のデータを洗い直す。

 全六人、最初の一人は麓の学校に通う男子学生。成績は並み程度、サッカー部に所属。症状としては肺が硬化し、その後金属製のポンプと肺が置き換わったような状態で死亡しているのが発見される。)

 

 煙草の灰を携帯灰皿に落とし、メモ帳に目を戻す。

 

 神奈美「(二人、そして三人目は猟師の夫婦。夫は体じゅうから金属製の管が無数に突き出し、その管から出血し続ける。失血性ショックで死亡。

 妻の方は...)熱っ!」

 

 手に持っていた煙草が短くなっていたようだ。神奈美は熱さのあまり煙草を落としてしまう。

 

 神奈美「だぁ~っ、勿体無い...」

 

 神奈美は落とした煙草を拾い、携帯灰皿に入れる。

 

 神奈美「もう一本くらいいっか...」

 

 シガレットケースから新しい煙草を取り出す。

 神奈美はコートのポケットを漁り、ライターを探しながら辺りを見渡した。

 

 神奈美(霧が濃くなってきた、そろそろ戻ろうかな...)

 

 コートの内ポケットからライターを取り出し、煙草に火を付けようと着火ボタンを押す。

 

 その時だった。神奈美の目の前が急に明るくなった。

 明らかにライターの火力がおかしい、ちょっとしたバーナー程の火が神奈美の鼻先で燃え盛っている。

 

 神奈美「これは!」

 

 神奈美はすぐさまライターから手を放す。火はライターが地面に落ちる間も盛大に燃え盛っていた。ライターから分離した火が空中で青くなる。そして火はボンっと小爆発を起こして僅かな煤を残し燃え尽きた。

 

 神奈美はその光景をまじまじと見つめていた。

 

 神奈美「何?今の....」

 

 神奈美はライターを拾い上げ、再度着火した。

 小さな火がライターの上で揺れ動く。神奈美はそのままライターを右や左、あちらへこちらへと振り回す。

 ライターの火は場所を変える度にその表情を変えた。霧の濃い右斜め上に上げれば、ゴウッと燃え盛り、霧の薄い体の正面へ持ってくれば、今にも消えそうな程弱々しく燃える。

 

 神奈美はライターのメッキパーツへ目をやる。そっと手をかざした。

 メッキパーツの中に神奈美の姿が映った。手に楕円形の鏡を持っている。鏡がメッキパーツから浮き上がってくる。

 

 神奈美(この現象に対する答え合わせをやらせてもらう。この真実鏡で。)

 

 鏡から目も眩むような光が発せられた。それと同時に神奈美の脳に情報が書き込まれる。

 

 [可燃性有り] [過剰吸引注意]

 

 神奈美「青い炎...完全燃焼....空中で燃える....可燃性のある霧....

 なら、被害者の共通点は....出ていたこと....吸っていた!...それなら、今の私も危険じゃない!」

 

 神奈美はコートを脱ぎ、それを顔に巻き付けた。

 

 

 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 病室の戸が激しく開く。あまりにも乱暴な開け方だったので、衝撃で壁にかけてあった時計が落ちてしまった。

 神奈美は「しまった!」という顔で時計を拾い、壊れていないか確認する。

 

 秋塚「なんじゃいそれ?コートなんか顔に巻いちゃって、新しいファッション?」

 

 やかんの蒸気で肌が無駄に潤った秋塚が神奈美に近づく。

 

 秋塚「最新のファッションに影響されちゃう幼稚なお年頃?」

 神奈美「これを最新のファッションだと思うなら、お前はかなりセンスが悪い。」

 

 幸い時計に故障は見られない。

 

 秋塚「しょうがないじゃん、大抵世間で流行ってるものって、俺から見たらセンス無いんだから。

 で、どしたん?時計ぶっ壊す日は来週の火曜日だろ?」

 神奈美「何その日?じゃなかった、何故金属が生えてきたのか分かったかもしれないの。」

 秋塚「ほう、聞かせてくれよ」

 

 神奈美は時計を壁にかけ直した。

 

 神奈美「今回の件の被害者だけど、全員にある共通点を見いだしたの。

 全員長時間外に居た事。それも霧が濃い時間にね。ここの霧は天候関係なく夜から早朝まで出ている。

 腹から金属の足が出た女性は、長時間畑で作業をしていた。サッカー部の少年は早朝練習に行くために、かなり早い時間から登校していた。

 こういった共通点が被害者全員に当てはまる。」

 秋塚「ってことは霧に何らかの関係が?」

 

 神奈美は顔に巻いたモッズコートを取り払い、近くにあった丸椅子に腰かける。

 

 神奈美「私が思うに、あれは自然発生した霧じゃない。加織さんが言っていたでしょ?三ヶ月前から霧が濃くなったって。

 不自然じゃない?何の予兆も無しに年々薄くなっていった霧が突然濃くなるなんて?」

 

 フラフラとした足取りで空いている寝台に向かう秋塚、靴を脱ぎ捨て寝台へ仰向けに寝そべる。ハンチング帽を顔にのせると再度口を開いた。

 

 秋塚「その物言いは確証があるな?」

 神奈美「ん~。確証じゃないけど、予想なら出来てる。

 昨日の火葬覚えてる?遺体の腰の辺りから、腹部にかけて一瞬だけ青い炎が上がったのよ。そしてさっき私が外でライターを付けた時も青い炎が出て、ちょっとした爆発を起こしていたわ。」

 秋塚「霧状の何かが体に蓄積して、体内でどーたらこらこーたらなって、体から金属が生えると.....

 体からガラスだか、ダイヤモンドだかが出てきたって事例は有ったが、金属か....普通じゃあり得ないな。でも..」

 

 秋塚は寝台から起き上がり、ハンチング帽を被り直す。

 

 神奈美「私たちが追ってる物って..」

 

 神奈美はセーターに付いた煤を払い、コートを着る。

 

 秋塚「普通が通用しないからなァ!まあっ、あり得るかもな!」

 

 二人は病室を出て廊下へ出た。二人の会話と足音が廊下に木霊する。

 

 神奈美「さてここで問題になってくるのが、何処が発生源になっているのか。もといどうやって探すかって事よね。」

 秋塚「簡単だい、火元もって車で村を回って火が強いい方向、または燃え移った火が向かう方向に行けばいい。」

 神奈美「地道、精度が荒い、でも手っ取り早い!気に入った!」

 

 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 2ストロークのエンジンが爆音と共に動き出す。明らかに純製品ではないキャブレターが燃料を送り、出所の怪しいチャンバーが白煙を撒き散らす。

 

 神奈美「ゲホッ!煙った!」

 

 神奈美は顔にまとわりつく煙を払い退け座席に座った。

 

 秋塚「お前煙草は平気なのに、何で2ストの煙はダメなんだ?」

 神奈美「煙草と違ってニオイがキツいからよ。」

 秋塚「ヘーソウナンダスゴイネー」

 神奈美「おいコラ」

 秋塚「では作戦を説明しよう!」

 神奈美「チッ」

 秋塚「投げキッス?」

 神奈美「舌打ち。」

 

 秋塚は車の荷台から妙な機械を引っ張り出した。

 

 秋塚「まずこの改造スタンガン付き自撮り棒をドアから突き出す。」

 

 神奈美の視線が左を向く。ドアが無い。神奈美は手を伸ばし、ドアがあった場所をまさぐる。ドアは無い。

 

 神奈美「ドアからというより、ドア無いんだけど?」

 秋塚「おう、さっき診たらヒンジが歪んでたから外して荷台に載せといた。」

 神奈美「へぇ....ところで私のシートベルト切れてんだけど?」

 秋塚「・・・この改造スタンガンは」

 神奈美「おい待てや」

 秋塚「この自分で作ったのに構造がよくわからない電圧増幅装置に繋がっていて、」

 神奈美「ねぇ、私のシートベルトは?」

 秋塚「ガスを燃焼させるのに十分なスパークを飛ばす。なんなら先端に付いてるの、車のスパークプラグだし。」

 神奈美「これが私の棺桶か~」

 秋塚「んでこいつを車外に突き出してこの村を駆け回る。

 さてとそろそろ出発だ!まずシートベルトを修復する!」

 

 秋塚はどこからともなくダクトテープを取り出し、神奈美に千切れたシートベルトに巻いていく。まばたきする間にシートベルトは修復された。

 

 秋塚「俺は運転!お前は改造スタンガン持って..そして、火を付けろ!」

 神奈美「雑パロやめい」

 

 エンジンは二回吹け上がり、タイヤが地面を蹴る。シートにめり込む体、ガタガタとフロアの揺れが修まらない。道路の舗装が不十分であることが伺える。

 神奈美は改造スタンガンのスイッチを入れた。バチバチとスパークが飛ぶ。

 棒のグリップを持って霧の濃い車外に突き出すと空中で火柱が立った。

 運転席で秋塚が叫ぶ。

 

 秋塚「どっちだ!?」

 

 機械的な騒音で車外は溢れかえっている。叫ばなければ聞こえない。

 神奈美は車から身を乗り出し火の行方を追う。

 

 神奈美「南西ぃッ!」

 秋塚「了解!」

 

 車体が傾き、車は旋回する。そしてシートベルトが体に食い込む。

 炎は鳥が飛ぶように空を伝い移動していく。その速度が速いもので、それに追い付く為に車は少々荒々しい走行を強いられる。

 

 改造スタンガンは次々と火を付けていく。

 

 神奈美「ちょっと風で煽られてるかも!進路を西寄りに修正して!」

 秋塚「おうさ!」

 神奈美「そこの脇道に入って!」

 

 車は舗装のされていない道へ入って行く。砂利が敷き詰められ、木々に囲まれた道だ

 ワゴンボディのスバル360カスタムはギシギシと不安になる音を響かせながら進んでいく。とてもバイクより小さいエンジンとは思えないトルクで、砂利を蹴散らし奥へ奥へと進む。

 

 神奈美「ここからは草木が多くなってくるわ、着火は避けた方がいい!」

 秋塚「じゃどうやって探すんだよ!」

 神奈美「ここまで来たらしらみ潰s...危ない!」

 

 突然、左側の茂みから大型トラック用のタイヤが投げ込まれた。秋塚は咄嗟にハンドルを切り、タイヤを避けて右側の茂みへ車を突っ込ませた。

 

 

 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 車は草木に阻まれ身動きが取れなくなっていた。

 

 秋塚「クソ○らしがっ!」

 神奈美「[クソッたれ]な、その言葉をそれ以上汚くしないで...

 それにしても、イテテっ、シートベルトが腹に食い込んでる」

 秋塚「ラーメンとハンバーガーばっか食ってるからだぞ..」

 神奈美「車が傾いてんのよぉ!!」

 秋塚「お前のメタボっ腹の話は置いといて」

 神奈美「割れてるが?」

 秋塚「さっさと車から離れないと....次は何が飛んでくるやら...」

 

 車は所謂[陸に乗り上げた亀]状態になっていた。

 車から降りると秋塚は声を細くして神奈美に語りかける。

 

 秋塚「ドアは閉めるな、降りたタイミングを悟られる。」

 神奈美(そもそもドア無いんだけど?まあいっか)

 

 神奈美は静かに頷き、腹這いになって移動する。視界が悪く冷たい地面を這って進んだ。

 そうやって3メートル程進んだ時だった。砂利を踏む音がした。神奈美は近くの木の影に隠れる。

 音は徐々に近くなり、影が現れ、近づいてくる。影の主は濃い霧の中でもその姿をかなり鮮明に捉えることの出来る距離まで近づいてきた。

 その姿はつい最近の任務で、あの絵の屋敷で目撃した少女だった。クルクルと跳ねた髪にキャスケットを被り、グレーのYシャツ。サスペンダー付きのホットパンツと作業靴。赤い目と血の気の無い白い肌、そしてひときわ目立つ口元のガスマスク。全てあの時と同じだった。

 

 神奈美はコートの内ポケットから十四年式拳銃を取り出す。マガジンを静かにセットし、コッキングしようと手をかけるが...

 

 神奈美(待った待った、音でバレる!)

 

 ガスマスクの少女が放置された360に近づいたその時だった。気配を感じとったのか、少女は神奈美の方へその視線を向けた。二人の視線が交差する。

 神奈美は接近される前に立ち上がり、銃を構える。

 

 神奈美「動かないで。この銃には弾が込められてる。空砲とかじゃなくて本物よ。」

 

 少女の赤い瞳がギョロっと蠢く。

 

 神奈美「貴女と私の距離は3メートル!この距離は保ったままよ!絶対に動かないで!私に撃たせないで!」

 

 少女は脅すように、大袈裟な足音を発てて近づいてくる。一歩、また一歩と...

 

 神奈美「動かないで!!1メートルでも近づいたら撃つわ!3メートル!」

 

 少女は構わずに近づいてくる。神奈美は距離をカウントを声に出して[伝える]。

 

 神奈美「2メートル!......1メートル!..」

 

 少女は神奈美の構えた銃に余裕で触れる事の出来る距離まで近づいていた。そして、神奈美の手から拳銃を叩き落とそうと手を前方へ突き出す。

 

 神奈美「ところで、集中力が高すぎるのも考えものだと思わない?」

 

 ガスマスクの少女は突然真横に吹っ飛ばされた。その背後には秋塚の姿があった。

 

 秋塚「回し蹴り命中!カナーミン陽動センキュ」

 神奈美「あとは解るわよね?」

 秋塚「ああッ!時間ならたっぷり稼いでやる!」

 

 神奈美は砂利道の方へ走って行った。

 ガスマスクの少女は左側頭部を手で抑え、立ち上がる。

 

 ガスマスクの少女「陽動?」

 秋塚「おう。銃持ってんのは見りゃ解るのに、わざわざそれを声張り上げて伝えてお前の意識を銃へ集める。

 その隙に俺が背後へ回り、不意打ちを食らわせる。

 にしても、よくあの銃が撃てない状態だって解ったな~。さては銃の扱いに慣れているな?」

 ガスマスクの少女「え?あの銃撃てなかったの?」

 秋塚「ん?」

 

 秋塚は嫌な予感がしたが、秋塚は余計な事を考えず拳を握り、いつも通りセコいやり方で[倒す]ことを決めた。

 

 ガスマスクの少女「それにしても臆病者ね、貴方の相方。敵前逃亡なんて...」

 

 ガスマスクの少女も軽く拳を握り、ファイティングポーズをとる。

 

 秋塚「??...お前.....ひょっとしてバカか?」

 ガスマスクの少女「何?いきなり」

 秋塚「今のは逃げたのではなく向かったんだ。

 [お前がここで妨害をいれた]。つまり[これ以上は行ってはならない]ってこと。

 裏を返せば、[この先には妨害してでも近づかせたくない何かがある]ってことだろ?」

 ガスマスクの少女「あ"っ...」

 

 

 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 神奈美はとにかく走った。疲れは感じない。何故ならば行き着く先に必ずこの一件の原因があるからだ。証拠はない、だが確信があった。車で炎を追っていた時よりも強固な確信があったのだ。

 

 しばらく走っていると建造物らしき物が見えてきた。薄い鉄板で囲われた屑鉄置き場だ。

 神奈美は鉄板に寄りかかり、ライターを着火させる。火はゴウッと鳴り、空中に火柱を立て、煤を残して消えた。明らかに火力が強すぎる。

 

 神奈美(さて、この辺りは霧で鼻先すら見えるかすら怪しい。おまけにライターの火もよく燃える。村より霧が濃いのは明らかね。)

 

 神奈美は鉄板の壁に沿ってこの屑鉄置き場の入口を探した。

 鉄壁に沿いつつ草を掻き分け進んで行くと、途中から鉄壁がフェンス変わっている箇所を見つけた。

 

 神奈美(登れ..なさそうね。)

 

 フェンスの上部には有刺鉄線が巻かれていた。例えフェンスをよじ登ったとしても、それを越えるのは骨が折れる、もとい皮膚が裂けるだろう。

 諦めて別の侵入方法を探そうとしたその時だった。神奈美が一歩足を踏み出した途端に、地面がモロモロと崩れた。

 

 神奈美「ん!?」

 

 足をとられ神奈美はその場にずっ転けた。足元を見るとそこには大穴が空いていた。それこそ人一人が楽に入れる程の大きさのもの。

 

 神奈美(発泡スチロールの板の上に土を被せたのか。

 ・・・きな臭くなってきた、悪い予感がするわ。)

 

 発泡スチロールの板を退かし、穴の中に入っていく。意外と深く、150cm弱の神奈美の体がすっぽりと入ってしまう。

 

 神奈美(構造的には縦穴が掘ってあって....)

 

 神奈美は手探りで薄暗い縦穴の構造を探った。

 

 神奈美(そして、フェンスの方へ向かって横穴が掘ってあると。)

 

 横穴は屈んでやっと通れる大きさで、暗く、若干湿っていた。

 神奈美はモッズコートのチャックを首元まで引き上げ、腹這いになり、横穴の中に入っていく。

 

 神奈美(虫とか出て来ないでよね...)

 

 息苦しく、一寸先も見えない。

 進んで行くと、この穴は最近誰かが使った痕跡がある事が分かった。

 

 神奈美(クモの巣も無いし、動物の糞尿の臭いもしないとなると、確実に人の手で掘られた物になるわね。)

 

 頭上から僅かな光が射した。見上げると出口用の縦穴が掘ってあるのが見えた。

 

 出口を塞いでいた木製の板をずらし、穴から這い上がる。

 錆びたドラム缶や破棄された看板、重機の残骸等々、周りは鉄屑の山で囲まれていた。

 そう、囲まれているのである。中心に空きスペースがあった。あちこちに何らかの部品がバラ撒かれている中、地面が露出している場所。その只中にひっそりとその物体は佇んでいた。

 濃い霧の中、辛うじて見えた。紫色で金属質の塊。パイプが何本も飛び出し、脈動する手のひらサイズの....

 その物体は機関車の如く大量の蒸気(?)を発生させていた。脈動する度無数のパイプから蒸気が吐き出され、それが空に昇り、溶けるように拡がっていく。

 

 神奈美(さて、どうするか。

 今私がいる地点からはざっと15m程離れている。狙撃するにも私の腕じゃ三発中一発当たれば良い方。)

 

 神奈美は拳銃を取り出す。

 

 神奈美(ここには絶対に誰かいる!もし外したら確実にその誰かに気付かれる!相手の手の内もわからない状態で強行手段を取るのはあまりにも愚作。)

 

 背中から汗が出る。自らの心臓の音がハッキリと聞こえた。臆病な脈打ち、拳銃のグリップを握る手は既に汗でまみれている。

 

 神奈美(なんならもし当てたとして、破壊出来たとしてもあれの機能が停止するかどうかも分からない。

 もし爆発したら?あの蒸気みたいなのがただ圧縮され詰め込まれているだけなら、爆発した瞬間私もアレを大量に吸って一瞬で機械に変えられてしまうかもしれない!)

 

 神奈美は突然コートを脱ぎだした。チャックを下ろし、袖から腕を抜く。

 

 神奈美(なら、なら、この方法なら、イケる!)

 

 拳銃を右手に持ち、上からコートを被せる。

 左手でライターを焚き、霧を燃焼させる。

 

 神奈美(燃やせば霧の効果が消える!そう思っておけ!)

 

 ライターを掲げその塊へ近づいていく。コートを、拳銃を腹の脇に抱えて、一歩づつ確実に歩んでいく。

 霧をライターで燃やし、その物体へ近づく。残り5m....4m.....3m.....

 

 ???「それに近づくな!!」

 

 後方から声がした。

 

 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 秋塚「さてと、もうひとつ語っておこう」

 ガスマスクの少女「いや、もう結構。」

 

 秋塚の顔面めがけて拳が飛んでくる。秋塚は手を開いたまま前方に突き出し、向かってくる拳にそっと添わせた。拳の軌道が狂い、狙いが外れる。

 

 ガスマスクの少女「っ!?」

 

 秋塚は退却していく少女の左腕を、軌道を反らしのた使った手で掴んだ。

 今度は少女の顔面に秋塚の拳が向かってくる。腕を掴まれていて逃げることが出来ない。

 少女の鼻に拳がめり込んでいく。ガスマスクのプラパーツが砕け、鼻の骨が音を発ててへし折れる。

 

 秋塚「お前は今の話を聞いたことで、俺と戦う理由が完全に消失した。」

 

 ガスマスクの少女は秋塚の胸部に蹴りを入れる。その反動を利用して空中へ飛び上がり、なんとか拘束から逃れた。

 

 秋塚「寧ろ、アイツを追って止めなきゃならんという別の目標が出来てしまった。」

 

 しかし、秋塚は飛び上がって空中に浮いた少女の足首を掴み、地面へ叩きつける。

 

 秋塚「これは俺にとっても好ましいものじゃない。お前は俺を無視してアイツを追っかければいい話だしな。

 じゃあ何故、なにゆえ俺はそんな無断な話をした?」

 

 ガスマスクの少女(わけわかんない!変よ!

 アリカはコイツの胸骨を今の蹴りで粉砕した筈!

 それなのになんで動けてる!?なんで痛みで苦しみ、のたうちまわらないっ!?)

 

 秋塚「それは俺が、お前のことを何時間も足止め出来る力を持っているからさ!」

 

 亜凛華(ガスマスクの少女)は地面の砂を握りしめ、秋塚の顔にそれを投げつけた。秋塚が腕で砂の目眩ましを防御している間に、亜凛華は起き上がり、後退する。

 

 亜凛華(だけど、一つ確かなことがある!)

 秋塚(言ったものの胸骨も拳も折れてるな)

 

 確かに目を凝らしてよく見ると、秋塚の左手が妙な形に曲がっている。まるでアニメの作画崩壊のようだ。

 

 ガスマスクの少女(脆い!ワタシの拳や蹴りは確実にコイツにダメージを与えている!)

 秋塚「(にしても遅い!牛乳はたっぷり飲んだ筈だが...)!?キタッ」

 

 秋塚の拳がパキパキと音を鳴らしながら動き始めた。勿論秋塚が自分の意思で動かしている訳ではない。

 

 秋塚(あっちは馬鹿力だが、こっちは再生、)

 亜凛華(こっちはパワー、あっちはスタミナ、)

 

 秋塚・亜凛華(ある!こっちにはヤツを倒すのに十分なアドヴァンテージがある!)

 

 二人は拳を握り、ファイティングポーズを取る。

 秋塚の拳は既に完治していた。

 亜凛華の蹴り出す地面は足の形に窪んでいた。

 

 

 

 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 足音が近づいてくる。ついでに何かを引きずる音も聞こえる。

 

 神奈美「私、今回の騒動の原因はOツールが何かの拍子に偶然起動したものだとばかり思ってたんですよ。」

 

 足音が止まる。

 

 神奈美「まさかそんな、これが人為的に行われているとは...」

 

 依然として物体は霧を発生させている。

 

 神奈美「前提が違っていましたよ、こんなムゴいこと出来る人って居たんですね。竹田さん。」

 

 後方からは何も聞こえない。

 

 神奈美「ちょっと、長話になってしまっても良いですか?いいですよね?長くなればなるほど貴方に有利な材料が増えるだけです。実際ライターのオイル切れかかってますんで。

 では、早速..なぜ気付けたか、ですよね。

 非人為的という前提をとってしまえば簡単なことですよ。実際今当てはめてみたんですけど、結構しっくり収まりました。

 そもそも医者の筈なのに風邪の治療ぐらいしか出来ないのはおかしい。比喩だとしても無能すぎますね。

 次に貴方は常に有利なポジションにいましたね。普通ならどこの馬の骨だか分からない者を公共の施設に泊めようなんて真似はしない。

 では何故私達を病院に泊めたのか、それは監視をするため。自分の犯行の嗅ぎ付け度合い知るため。知った上での[次]の行動に繋げるため。おまけで少しばかりの信用も得られる。」

 

 神奈美は横目でライターを見る。オイルの残量が僅かになってきている。

 

 神奈美「ただ、一つ分からない事が。一番重要なもの、動機...って、ヤツです。」

 

 

 

 竹田は霧の中自分の数メートル前で揺れ動く火を見つめていた。視界が悪くオレンジ色の光くらいしか見えないが不思議とその揺れには温かさがあった。

 

 竹田「聞いてどうするつもりですか...」

 神奈美「どうもしないわ、」

 

 聞こえてくる声は少しばかり不気味。声のトーン自体は幼いのだが、口調はどっしりと構え、落ち着いている。落ち着き過ぎている。

 

 神奈美「探偵ごっこの一環として聞いておきたいだけですよ。

 どうせこのあと私はオイルが尽きて、霧を大量に吸い込んで死んでしまうのだから、とびきり恥ずかしい理由だとしても私に話して特に損することはない筈ですよ。」

 

 竹田の脳裏に一人の女の顔が浮かび上がる。一生かかって添い遂げようと誓った女の顔だ。

 

 竹田「流産だったんです。体のパーツが足りていない子供が生まれ、そして死にました。

 子供の母親も死にました。病弱だったんです。

 太陽を、月を、この世界を見ることなく死んでしまった子供を思うと、元気な我が子を抱けなかった妻を思うと、悔しくて、悔しくて....」

 

 竹田の目から一粒の涙がこぼれた。ガスマスクのゴーグルに水滴が落ちる。

 

 竹田「そんな時にこの装置を渡されたんです。

 [肉体は治しづらいが、機械なら交換するだけで甦る]そう言われたんです...」

 神奈美「(大人の体のパーツを使って赤ん坊を直す?)

 その時点で他人の命が犠牲になると分かっていたんですか?」

 

 ボタボタと流れ落ちる涙、竹田は涙を拭き取る為にマスクを外す。

 

 竹田「っ...はい..ですが、ですがぁ!この方法しか無かったんです!わたしが家族を救うにはこの方法しか!

 正直家族が助かるなら他人の命など!」

 神奈美「貴方は病気だよ!病的に執着している!」

 

 竹田は背中に銃を突き付けられた。いつの間にか神奈美に背中をとられていたのだ。神奈美の居た場所はまだオレンジ色のぼやけた日が光っている。

 風が吹き、徐々に霧が晴れていく。

 鏡が浮いていた。神奈美の居た場所で鏡が浮いていた。鏡にはライターがダクトテープで固定されている。

 霧の装置にはコートが被せられ、霧がうまく上がらないように細工されていた。

 

 神奈美「貴方も前提を間違えていたみたいね。

 [死んだ家族を救う]?自分を神だとでも思っているの?既に死んだ命を[救う]のは不可能。救えるのは死に至る前のものよ、それ以降は救えない...

 ねえ、天国ってあると思う?(ある筈がない)

 もしあるとするのなら、貴方はそこからこの地上へ連れ戻されたい?・・・

 他人から奪った命で生き返りたい?」

 

 竹田は引きずってきた鉄パイプを放し、その場に泣き崩れた。

 

 竹田「この方法しか無かった..この方法しか無かった..許してくれ...許してくれぇっ....」

 神奈美「(諦める、その選択肢があった筈なのに.....

 無理もない、大切な人が消えたら誰だってこうなる可能性がある。)

 ・・・大切な人か。」

 

 [大切な人]その言葉、概念は過去の記憶が無い神奈美にとって縁遠いものだった。

 そんな縁遠い言葉を使った自分に違和感と妙な嫌悪感を覚えた。

 

 竹田「ひぃいっ!」

 

 突然、竹田が妙な叫び声を上げた。様子がおかしい。虚空を見つめ、恐怖している。

 

 竹田「やめろ..そんな顔で俺をみないでくれ...」

 

 恐怖で腰が抜けてまともに立てなくなっている。

 

 神奈美「な、何が見えているんですか..? 」

 竹田「あ"ぁっぐ..いだぃ....手が、千切れるっ!」

 

 竹田の顔は青ざめ、倒れ込み両手を抱えて転げ回る。指が地面に落ち、出血により水溜まりが出来る。

 

 神奈美「(一体何が起きて、)い"ッ!」

 

 神奈美の腹部に何かが刺さった。セーターを巻き上げる。腹には有刺鉄線が何重にも巻かれていた。

 

 神奈美「ぐっ、う"ぅ..いつの間に...」

 

 神奈美は有刺鉄線をどうにかして取ろうと切れ目を探すが、見つからない。

 有刺鉄線は足を伝い、地面へ伸びて行く。何本にも枝分かれし、根を張るように地面へ広がっていく。

 そんな時だった、何処からか声が聴こえてくる。

 

 ???「ダカダカダンダカダカダン、ダッタンダッタン、ダカダカダンダカダカダン、ダッタンダッタン!」

 

 警戒な足取りで現れたそいつはスーツケースを振り回す。

 継ぎ接ぎだらけのタキシード、巨大な体。ニヤついた口と、ギラギラとラメのように輝く目。

 

 ナガレ「下。中。上。はい!私は異じゃなく超っ!

 今、今、あるところに人間の体を機械にする装置があったそうな。以上、終わり!

 世の中には不思議な事がいっぱいあるねぇ。

 つまり僕!つまり私は哀洞 流!おいらもその一つなのだろう!」

 竹田「ア、アイドウさん!」

 

 竹田は助け船にでもすがるようにナガレと名乗った人物の足にしがみつく。

 

 竹田「アイドウさん!助けてください!

 山ほどの顔が私の手に食らいついて来るんです!」

 

 ナガレは肩を掴んで竹田を立たせた。服の埃や土を払うと、千切れた指の落ちた地面へ手を掲げた。

 指が空中へ浮かび上がる。地中へ染み込んで行った血液も球体となって地表へ這い上がってくる。

 アイドウは空中に浮かべた血や指を竹田の手へ戻してやった。

 

 ナガレ「やあ!いい知らせを持ってきたよ!あんたの子供生き返るよ!パーツが全部揃ったんだ!」

 

 竹田の青ざめた顔色に血の気が戻っていく。

 

 竹田「ほ、本当ですか!」

 ナガレ「あぁ、見たまえ、この通りだ。」

 

 ナガレはスーツケースから赤ん坊の形をした金属の塊を取り出した。

 

 ナガレ「じゃあ元に戻すよ。3の2の1!ポンッ!」

 

 金属の赤ん坊は、ナガレの手の中で紫色の煙に包まれた。やがて赤ん坊の泣き叫ぶ声が聞こえてくる。

 風が吹いた。煙が四散し、赤ん坊の姿が露になる。

 

 神奈美「うっ、やはりか...」

 

 赤ん坊の姿は[奇形]の一言で表せない程にメチャクチャで、デタラメだった。

 足のあったであろう場所には手が生え、あばら骨の外側に心臓があり、目は片方だけ大きく見開いていた。

 

 竹田「なっ、えっ?は?」

 

 凍りついた二人の空気を破ったのはナガレだった。

 

 ナガレ「うえッ!気持ち悪っ!」

 

 ナガレは赤ん坊を地面へ叩きつけた。更に虫を潰すかのように何度も足で踏みつける。踏みつける度に血が宙を舞った。

 圧縮され破裂する音、何かが折れる音、ぐちゃぐちゃになった肉が踏みつけられ、グロテスクな水音響く。

 ナガレは革靴に付いた血を、地面へ擦り付けて拭きとった。

 

 ナガレ「あーあ失敗だったね。まっ、またパーツ集めれば作れるからさ」

 

 ナガレは足元にこびりついた肉塊を持ち上げ、竹田の顔の前へ持っていく。

 

 ナガレ「ほら、まだこんなに使えるところが残ってる!」

 竹田「な、な、な、・・・・・・・

 あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"ぁ!」

 

 竹田の絶叫が辺りに響き渡る。とうとう狂ってしまった。

 

 ナガレ「うるさいなぁ、君もこの子の糧となりたまえ。」

 

 ナガレの手にはあの霧を発生させる装置が握られている。

 

 神奈美「はっ!やめろぉっ!」

 

 神奈美は拳銃をナガレに向かって発砲する。

 しかし、弾丸はナガレによってスーツケースでガードされてしまう。

 

 ナガレ「うおっ戦争賛成!私は虐殺を行う!」

 

ナガレは霧の装置を竹田の口の中に無理やりねじ込んだ。竹田の口や花から霧が吹き出してくる。

 

 神奈美「そんな...」

 

 神奈美の思考が一瞬停止する。このあと何が起こるかは容易に予想できた。

 

 神奈美(マズイ!どうするどうするどうするどうする どうするどうするどうする。

 バカっ!どうするという単語だけ思い浮かべるな!

 だけど何も思い付かない!助けに行く?動けない!銃で攻撃?意味がないしもうやった!

 ダメだダメだ。こう、頬をひっぱたかれるくらいの衝撃を受けないと何も思い付か...)

 

 神奈美は自分の持っている拳銃へ目を向ける。神奈美は拳銃を再度構えた。

 

 ナガレ「今度は作戦を成功させるために防衛戦やっちゃおうかな?」

 

 スーツケースを構えるナガレ。二人は睨み合う。

 突然ナガレの後方から眩い光が放たれた。真実鏡による陽動だ。ナガレはスーツケースを自らの後方へ向ける。

 神奈美は引き金を引いた。

 弾丸は乾いた破裂音と共に打ち出され、竹田の左頬を貫通する。口の中に入った弾丸は霧の装置を口の外へ弾き出し、右の頬を貫通し排出される。

 

 神奈美「命中精度。持ち安や。配置。全てが奇跡だったわ。」

 

 ナガレは竹田の口から吐き出された霧の装置を見つめている。銃で撃たれたことにより歪んで使い物にならなくなっている。

 

 ナガレ「ははは、ハッハッハッ!

 面白い!初めて読んだジャ○プのバトル漫画くらい面白い!なんてタイトルでどんな漫画だったか思い出せないけど面白い!

 いいよ、諦めてあげる!せいぜい主人公補正が効いたとでも思っておいて!」

 

 ナガレはそう吐き捨てると、体全体がテレビの砂嵐のようになって消えていった。

 

 いつの間にか神奈美の腹に巻き付いていた有刺鉄線もなくなっていた。

 

 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 次の日の朝、神奈美はメモ帳に今回の任務についての報告書の下書きをしていた。

 車の後部座席は一人で座っても狭っ苦しかった。

 

 後部のハッチを閉める音がした。

 秋塚が運転席へ乗り込んでくる。

 

 秋塚「Oツール積み込み完了っと。出るぞシートベルトしろ~」

 神奈美「無いってば」

 

 車が走り出す。窓の外に木造の病院が見える。手を振るジャージ姿の女性の姿が見える。笑顔で見送る女性の口には綺麗な白い歯が並んでいる。

 

 神奈美「あれうまいこと作ったな」

 秋塚「生の歯で型取って作ったからな。実は結構大変だった。」

 

 狭い山道を水色のスバル360はヨタヨタ下って行く。

 

 神奈美「そういえばあの女の子どうなったの?」

 秋塚「知らん、目を離したらいなくなってた。お前のとこに行ったのかと思って急いでそっち向かったら...

 後は死っての通り。」

 神奈美「ほ~ん。」

 

 神奈美は[死者数:6]と書いたところでメモ帳を閉じた。

 

 秋塚「そういやいきなり現れた変なヤツ?の情報手に入れたんだろ、何だった?」

 神奈美「哀洞 流、アイドウ ナガレ、アイドウリュウ、アイドル、IDLE。意味無いってさ。」

 秋塚「偽名か。」

 

 神奈美は窓の外の景色を眺めていた。葉の全てが落ちた木や常緑樹が不規則に並んでいる。

 

 秋塚「そういやOツールって無傷で回収じゃなかった?」

 神奈美「あっ」

 秋塚「ふん。」

 秋塚・神奈美「あーあ、クソ○らしが。」

 

 




 携帯の反応速度が遅すぎてタイプミスしまくる....
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。