Sleeping Legend ~もしSAOにユウキがいたら~ 作:ジンクルタニ
初めての一話丸々の完全ユウキ視点となっております。誤字とかがかなりあると思うので見つけたら教えていただけると嬉しいです。
葛藤
(キリト、遅いけどどうしたんだろ?)
下層に用事があったらしく珍しく別々に行動していたのだが、一向にキリトが帰って来ない。そんなとき、一通のメッセージが届いた。
『話したいことがあるから降りてきてくれないか?』
(今日何かあったのかな?もしかしてまた新しいクエスト見つけたとか?)
キリトのクエストやイベントをかぎつける能力はとても強く、今までいろんなクエストに挑戦してはアルゴに報告するという流れになっていた。
そんなことを考えながら部屋を出て階段を降り、一階の食堂につく。少し見渡すとキリトが二人掛けのテーブルに座ってこっちに手を挙げていた。テーブルまで歩いていき、向かい合う形で座る。
「ユウキはいつもの飲み物でいいか?」
「うん、それにするけど…それよりキリト、話したいことって何?」
少し気まずそうにキリとが話し始める。
「ああ、それなんだけどな…」
そこからの話は下層の迷宮区で危ないパーティーを助けたら感謝され、夕飯を一緒に取ることになった。その時にレベルを聞かれたので怖がられないように嘘をついたらそのパーティのギルドに入らないか誘われたというものだった。
「良いことをしたのに何でそんなに気まずそうにしてるの?」
キリトの話と態度が一致してない。だいたい何が言いたいのかはわかるけど続きを促す。
「えーっと、しばらくの間だけで良いんだけど、その月夜の黒猫団っていうギルドに入っても良いかな?」
「良いけど、どうしたのキリト。ギルド嫌ってなかったっけ?」
「良いのか?まぁ俺はギルドに入ってコルやアイテムでトラブルになるのが嫌なだけでギルドが嫌いなわけじゃないんだ。その辺はしっかりしてそうだったし…それに、1人気になるプレイヤーが居てな。ユウキが良ければ一緒に…」
反対されると思っていたらしくかなり驚いていたけど、キリトに仲間ができる1つの機会をボクが潰せるはずがない。それに、これはボクにとってもいい機会になるかもしれない。
なので誘いを断る。
「うーんさすがに無理かな。レベルのこともうまく隠せないと思うし」
「無理なこといって悪かったな」
「悪いなんてことないよ、ボクのことを誘ってくれたわけだし。それにギルドに入ってサポートしてあげればキリトのビーターっていう悪評もきっとなくなるんじゃないかな」
「そうだといいけどな。あと、攻略ペースは落としたくないから夜にレベリングするつもりなんだけど…」
おずおずと言い出すその姿に、はっきり言ってくれれば良いのにと思って苦笑する。
「しょうがないなぁ。良いよ、付き合ってあげる。その代わりに前衛よろしくね」
「うっ、わかりました…」
そうは言いつつ、口元は少し緩んでいた。きっと今日の提案がすべて通ったことに安堵しているのだろう。
「冗談だよ。代わりにご飯、奢ってね」
「お手柔らかにお願いします…」
キリトと部屋の入口で別れた後、自分の部屋のベットに飛び込む。寝っ転がったまま装備を解除して寝間着に着替えた。
「誰か臨時でパーティーメンバーを募集してたら良いんだけど…」
(よし、キリトがギルドの中に居場所を見つけるまで。それまでに心の準備をしよう)
キリトと別れる為の…。
それから、夜にレベリングで会うたびにキリトは楽しそうにギルドの話をしていた。キリトが他の場所に居場所を見つけるのは良いことなのに、それを聞くたびに心がズキズキと痛む。
(これは…そう、キリトと別れなきゃいけないのがつらいからだと思うけど。でも、それだけじゃないような気がする。何なんだろう、この気持ちは…)
ある日、いつものようにキリトを待っているとメッセージが届いた。
『わるい、今日はいけない。』
ただ用件のみを伝える、キリトには珍しい文章。きっとギルド関係で何かがあったのだろう。あとで教えてくれるかと思ってその時は宿に帰ることにした。
翌日、キリトに呼び出されて昼にフィールドへと出た。
「昨日はどうしたの?ギルドで何かあったみたいだけど」
「そのことに関係してくるんだけど、狩りの時間を遅らせることはできないか?」
今のままでも十分に睡眠がとれていないはずなのにさらに睡眠時間を削るその発言に疑問を抱いた。
「どうして?」
「ギルドメンバーの個人的な話に関わることだから…ごめん」
「話せるようになったら教えてよね。時間、遅くなっても大丈夫だよ」
「助かる」
そのあと少し狩りをしつつ、時間を決めて解散した。
ある日、夜にいつもの狩場についたら先にキリトが来ていた。
「悪いな、毎日つき合わせちゃって」
「全然大丈夫だよ。それよりキリト大丈夫?ちゃんと寝れてる?」
キリトはあんまり練れていないのだろう。少し疲れたような表情をしている。
「昔からゲームでの徹夜には慣れてるからな。それに少しは寝てるから大丈夫さ」
疲れが外見からじゃわからないこの世界では、念を押しておいた方が良いだろう。
「ほんとにわかってるのかなぁ~。集中力が切れたらすぐに死んじゃうんだからちゃんと休んでよね」
「わかったわかった。そういえばもうすぐギルドハウスを買えそうなんだよ」
「はぐらかされた気がするけど…まあいいや。じゃあギルドハウスが出来たらそこを拠点にするの?」
「そのことについて話しに来たんだ。その、ユウキが良いなら、だけど…」
「良いんじゃないかな。キリトと仲良くしてくれる人がいてボクは嬉しいよ」
「いや、普通に仲良い奴いるからな…。それと、ありがとう」
(そっか、キリトには居場所が出来たんだ。じゃあボクはもう、役目を果たせたのかな?ギルドホームが出来たら、その時はキリトとお別れしよう。キリトが後悔しないように…)
今朝、キリトからメッセージで今日ギルドホームを買うことを知らされた。
(フレンドを解除すればキリトがボクを見つけるのは難しくなるだろうけど…。急にフレンドを解除したら、キリト心配するかな?)
メッセージの内容ををどうしようかと悩み続けていたら、夕方になってしまった。
ようやく決まった文章をキリトに送ろうとフレンド欄を開くと、そこにあるはずの人の名前が無かった。
(キリトの名前が…無い!!)
ユウキ視点で書くのはちょっと難しすぎましたが、キリトとユウキが一緒に居たら黒猫団助かるだろうし、キリトの目線で書いたらほとんど原作だし…と思って挑戦してみました。
こういうのが好きじゃない方も居るとは思うんですが、原作のシナリオを離れないようにと考えた結果がこれなので多めにみてください。
…けっして黒猫団のくだりを省略できると思ったからではないですよ。
次からキリト視点に戻りたいと思ったので短いですが話を切らせていただきました。