Sleeping Legend ~もしSAOにユウキがいたら~   作:ジンクルタニ

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今週末は時間があったので書けるだけ書いておこうと思ったら1話分書けてしまったので投稿しておきます。
原作に沿っていても主観を変えると書くのって難しいんですね…。
シリカのキャラやユウキ視点の地の文に不安があるのですが、頑張って書いたのでどうか暖かくお見守りください。


悪意

待ち合わせ場所の連絡をとってから町に戻ると、シリカがフリーになったことを聞き付けた男性プレイヤー達がシリカを勧誘し始めた。

 どう反応すればいいかわからないのでシリカに任せる。

 「お話はありがたいんですけど…」

 そう言ってシリカがボクの腕をとる。

 「今はこの人とパーティーを組んでいるので…」

 「シリカちゃんは前から僕たちが…」

 ぐいっと向けられた男達の顔が嫉妬や不信感から驚愕に変わり、…デレデレし始めた。

 「狙ってたんだけど、どうせなら2人で僕たちのパーティーに入らない?」

 「ボク達が行くの47層だけど…レベルは足りてる?」

 「「「えっ…?」」」

 「じゃあそういう事なので…」

 男達がポカンとしている間にシリカがユウキを引っ張って離脱する。

 

 「シリカさんって人気があるんだね」

 人気がある事は知っていたが、ここまでとは思っていなかった。

 「シリカで良いですよ。そんな事無いです。マスコット代わりに誘われてるだけなんです、きっと。それよりもユウキさんって強くてかわいいですし、結構な人気があるんじゃないですか?」

 「ボクもユウキで良いよ。うーん、人気とかはあんまり気にした事無かったなー。普段はペアで活動しててあんまり人前に出ないからね。たぶん人気がある訳じゃないと思うよ」

 「ユウキさ…に手伝いを頼んでペアの人に迷惑とかかかってないですか?」

 心配になったのかおずおずと聞いてくる。

 「大丈夫大丈夫、実際今は休暇?みたいな物だからね」

 

 そんな事を話していると、突然横から声をかけられた。

 「あら、シリカじゃない」

 「…どうも」

 シリカの元気が見るからに無くなっているので、性格が悪いのは本当の事らしい。

 「あら、あのとかげはどうしたの?あらら、居ないってことは…?」

 使い魔は主人であるプレイヤーから離れることがない。言わなくてもわかるだろうに、ロゼリアがわざとらしく言葉を重ねた。

 「ピナは死にました…」

 シリカは自分の失敗を悔いているのだろうか。1瞬俯いてしまうが、すぐに顔をあげて言い返した。

 「でも、ピナは絶対に生き返らせます!」

 「そう、てことは、思い出の丘に行く気なんだ。でも、あんたのレベルで攻略できるの?」

 シリカが可哀想なので前に出て反論する。

 「あそこはそんなに難しい場所じゃないよ」

 すると、ロゼリアがこっちを値踏みするかの様にじろじろと見つめ、嘲る様な笑みを浮かべた。

 「そっちのあんたはみたとこ強そうじゃないけど、ヒーローごっこでもしてるつもり?」

 シリカが俯いて震え出していたので、取り敢えずこの場所から離脱することにする。

 「シリカ、行こうか」

 肩に手を置いて歩き始める。

 「まあ、精々頑張ることね」

 ロゼリアの笑いを含んだ声に、シリカの肩がピクッと震える。肩においた手に力が入ってないか心配だった。

 

 十分に遠ざかってから話を切り出す。

 「あそこのお店に入ろっか」

 「…はい」

 指を指した先にあるのはキリトとの待ち合わせ場所である風見鶏亭。いろんな店に入ったときに時間が無くて断念した場所だ。

 中に入ってキリトを探すと、4人席に座ってるのを見つけた。

 「おーい、キリト。紹介するね。この人がボクのパートナーのキリト。こっちがシリカね」

 「よろしくな、シリカさん」

 「あ、あの、ユウキさん、これはどういうことでしょう?」

 あれ、シリカが困惑している?えーっと、そうか!

 「ボク、キリトのこと説明してなかったや」

 キリトがあきれた顔になる。

 「ユウキよりも俺の方が花について詳しいから説明しようと思ってたんだけど…今時間は大丈夫かな?」

 シリカもようやく状況を把握したらしい。

 「も、問題ないです。それと、シリカでお願いします」

 「了解、でもまずは飯にしようか。さあ座って」

 「は、はい…そ、そうだ!ここってチーズケーキが美味しいんですよ」

 「へー、じゃあボクも頼んでみようかな?」

 NPCに注文をして食事が始まった。

 

 「なんで、あんな意地悪言うのかな…」

 夕飯を食べ終え一息ついた頃、シリカが俯いてポツリと言葉を溢した。

 「あんな意地悪…?」

 キリトにロゼリアと会ったときの話をする。

 キリトが真面目な顔になって手に持っていたカップを机に置く。

 「シリカは、MMOはSAOが…?」

 「初めてです」

 「そうか。どんなオンラインゲームでも、善人悪人と性格が変わる奴って多いんだ。今まではロールプレイっていう言葉ですませられたけど…俺はSAOの場合は違うんだと思う」

 一瞬キリトの目が鋭くなった。

 「全員で協力して攻略しようってするのが難しいのはわかってるんだ。こんな状況だしな。でも、他人の不幸を喜ぶ奴、アイテムを盗む奴、…ころ「キリト」」

 キリトの目が段々と怖くなっていき、シリカを怖がらせそうだったので止めた。

 キリトも自分の顔がこわばっている事に気づいた様で長く息を吐いて落ち着こうとしている。

 「すまない」

 「思い出の丘の攻略について話そうよ。そのために集まったんだし」

 「そうですね、そうしましょう」

 

 キリトが軽くうなずいてアイテムを取り出し、出てきたメニューを操作すると円形のホログラフィックがアイテムの上に出現した。

 「うわぁ…!」

 「これ、ミラージュスフィアっていうんだけど、スッゴい綺麗だよね!ボクもこれ見るの大好きなんだ」

 ミラージュスフィアはアインクラッドの1階層分を丸々表示でき、マップとは違って木や町が立体的に描写できる。

 2人でそれを眺めていると、NPCの人がデザートを持ってやって来た。それを皮切りにキリトが話を始める。

 「お楽しみのところ悪いんだけど、食いながらでいいから47層について説明させてくれ。まずはここが主街区でこっちが思い出の丘の入り口。…」

 キリトがすらすらと説明をしていると店の入り口が開き、男が中に入ってきた。そのプレイヤーはボクたちの声が聞こえるか聞こえないかくらいの位置に座る。

 「キリト、ちょっと耳かして」

 「で、この辺の…どうした?」

 男がNPCに注文をしている隙にテーブルから身を乗り出してキリトに耳打ちする。

 「さっき入ってきてあのテーブルに座ったのって…?」

 キリトがその男の方を見て頷いた。きっとあのプレイヤーが連絡役なのだろう。

 

 「あの~、どうかしましたか?」

 いきなり耳打ちをしたので話から置いてかれたシリカが不思議そうな顔をしてこちらを見つめている。

 「なんでもないよ。それよりも続き、聞こ?」

 露骨すぎる話の切り替えだったけど、シリカは何も聞かないでいてくれるみたいだ。

 「えーっとどこまで話したっけ…。あ、そうそう、ここのモンスターについてだよな。ここのモンス…」

 キリトが一通り話し終わったのを見計らって、明日の予定について相談することにした。

 「ボクは何時でも良いけど…シリカは朝からでも大丈夫?」

 「はい、何時でも大丈夫です」

 「キリトは…」

 キリトが申し訳なさそうに頭をかく。

 「俺は、ちょっと用事が出来たから明日は厳しいかな…ユウキがいれば大丈夫だと思うから2人で行ってきてくれ」

 用事と言ってるが多分ボクたちの安全のために動いてくれるのだろう。

 「絶対にピナを生き返らせようね!」

 「…はい!」

 具体的な時間を決めてそのまま上にある宿屋の部屋をとって解散となった。

 

 部屋着に着替えてベッドに座っていると部屋の扉がノックされる。

 「どうぞー」

 「夜中に悪いな」

 キリトが苦笑いをしながら入ってくる。隣を叩いてベッドに座ってもらった。

 「大丈夫、来ると思ってたから」

 「そっか。ならわかってると思うけど、明日は洞窟からタイタンズハンドの連中をつける事にするよ」

 「りょーかい!シリカのことは任せてよ」

 2人で頷きあい、拳を合わせる。

 「頼んだ。襲撃場所とかはメッセで送っとくから、付近に着いたら注意しといてくれ。シリカには絶対に転移結晶を持たせて…」

 突然、部屋の扉をノックする音が聞こえてきた。

 「すいませーん、あの、その…少しお話ししても良いですか?」

 「どうぞー」

 シリカが扉を開けて…

 「ぱ、パートナーですもんね。お邪魔しました…」

 扉を閉めた。

 「ご、誤解だー!」

 キリトに頼まれてシリカの誤解を解くはめになった。




ユウキが前よりもキリト以外の人と積極的に話すようになってることって伝わってますか…?今までユウキは誰かの命に関わる時にしか話しかけに行かない様にしてたんですけど、読み返してみたら結構話しかけているんですよね…。
本当は貯めておこうかとも思ったのですがSAOの後半のOPでユウキが出てきた瞬間投稿しようと決心しました。悔いはない。
そういうわけで今度こそ次の投稿がいつになるかわからないですが待っていて頂けると嬉しいです。
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