Sleeping Legend ~もしSAOにユウキがいたら~   作:ジンクルタニ

33 / 37
更新が遅くなってしまいすみませんでした。
またまた都合の良い展開が発生しますが主人公補正と言うことで何とぞお見逃しください。



心の温度
エクストラスキル


「ねぇねぇキリト!今日はどこにいこうか?」

  ユウキの二刀流スキルの発表から1ヶ月。あの夜に蛇から貰った剣はユウキの腰に。当初は情報屋が押し掛けたりして大変な目にもあったが、今ではそれも落ち着いている。嫉妬も多々あったようだが、攻略組全体はヒースクリフに並ぶ2人目のユニークスキル使いに沸き立っていた。

 「最近迷宮区に篭りっきりだったし、今日は息抜きがてら色んなフィールドをまわってみるか」

 「さんせーい!じゃあまずは…まだ行ってないし南の方に行ってみようか」

 しゅっぱーつと元気よく宿を飛び出していく相棒の背中を追いかけ、今日もアインクラッドの1日が始まった。

 

 仮初めの太陽が西に傾き始め、そろそろ切り上げようかと話をしているときだった。最後の1匹を切り捨てると、レベルアップを知らせるファンファーレが鳴り響いく。

 「おっ、レベルが上がった」

 「おめでとう。そういえば新しくスキルスロットが開くんだよね?何とるの?」

 「正直戦闘で役立ちそうなのは取りきったからなぁ」

 どれを取ろうか悩んでいると、見慣れないスキルがそこにあった。

 「なんだこのスキル…換装?」

 スキルをタップして説明画面を表示してみる。

 

 《換装》

 「発声(設定可:初期設定はチェンジ)することでプリセットされた装備に。もう一度発声することで元の装備に戻る。

 (ct 30min)

 習得条件:

<クイックチェンジ>

  使用回数:3000回

  <体術>

  熟練度:500

  〈装備選択〉」

 

 1度読んでみた感想はなんだこれ?だった。クイックチェンジと何が違うのだろうか。ウィンドウを可視化してユウキに見せる。

 「なあユウキ、換装ってスキルに聞き覚えあるか?」

 「換装?う~ん、ボクも見たこと無いかな。情報屋の出してるスキル一覧には…あっ!あったけど名前と取得条件だけで検証まではしてないみたい」

 「体術スキルを取ってる奴が少ないからか?スキルレベル上げるのも大変だしな」

 取り敢えずスキル習得。

 「スキルをアクティベートして…チェンジって言えば良いんだよな。っと警告…?装備が設定されていないためスキルの使用ができません…か」

 装備選択の部分をタップすると普段の装備画面が2つ横並びに映し出される。左に現在の装備、右側に変身後の装備を選択するらしい。

 今の装備はつけられないのか。なら昔使っていた装備をセットして…

 「チェンジ」

 「わわっ」

 目の前が一瞬光ったかと思うと着替えが終わった。指輪が外れ、背中にあった重みも消える。指輪などの装備だけでなく武器まで消えてることから、セットした装備以外は全て変わってしまうのだろう。クールタイムが発生していないようなので変身→解除までがスキル1回の範囲らしい。

 「見た感じはどうだった?」

 「なんか下から上にパッてひかって装備が変わってたよ。なんだかアニメみたいだった」

 「それは自分でも見てみたいな。解除」

 再び目の前が一瞬光り、服が元に戻った。

 「で、これ習得するの?」

 問いかけられ、少し利用方法を考える。装備画面をもう一度見てみると、防具だけでなくアクセサリーや武器の装備欄が存在していることに気がついた。

 「ちょっと試したい事ができたけど…もうこんな時間か。しょうがない、今日はもう町に戻るか」

 「帰り道で試してみたら?寄り道しても暗くなる前には帰れるだろうし。それにミスしてもボクがカバーするよ」

 任せて!と言わんばかりに胸を叩いてやる気をアピールしているユウキに頼もしさを感じる。

 「それじゃあ、いざというときは頼んだぞ」

 「うん!」

 弾むような足取りで歩きだしたユウキを追いかけ、帰りの道を歩き始めた。

 

 帰り道の途中クイックチェンジ+のクールタイムがあがったため、街道をそれてフィールドへと足を踏み入れていた。

 「よし、じゃあフォローは任せた」

 「りょーかい!」

 頼もしい返事を背中に受け相対している敵、赤黒い毛を全身に生やした狼男へと剣を振るう。分厚い腕の毛皮に阻まれ大したダメージになっていないが、タゲはこっちに向いただろう。

 大きく振り下ろされる爪を弾き飛ばし、あえて狼男の方に踏み込む。狼男の生臭い息がかかる距離まで近づくと、鋭い牙が生え揃った口を大きくあけて噛みつこうとしてきた。

 狙い通りの攻撃に頬を歪ませつつ、首を狙う噛みつきを自ら後ろに倒れるようにして回避。背中から地面に激突する前に体術スキル、弦月を発動。振り上げられた右足で狼男の顎を強制的に閉じさせつつ、後方宙返りの要領で地面に着地。

 大きくのけぞった狼男が体勢を立て直す間に構えをとる。赤い光が剣を包み、ジェット機のような重低音と共に肩に重い単発突きが突き刺さる。片手剣単発スキル、ヴォーパルストライク。

 わざと急所を外された一撃は狼男の体力を2割削るに留まる。このままでは長い技後硬直を狼男の目の前で行うことになるが、ここからが俺の試したいこと。

 ライトエフェクトが切れる少し手前で左半身に意識を集中させ、少し体を開くようにして左手を後ろに伸ばす。ライトエフェクトが消えた瞬間、先程習得したスキルの発動コマンドを読み上げる。

 「チェンジ!」

 一瞬目の前が光ったかと思うと狼に刺さっていた剣が消え、左手に先程まで使っていた剣とはまた別の剣が出現した。剣を握りしめると待機モーションが読み取られ、ソードスキルが発動する。

 水平4連撃スキル、ホリゾンタルスクエア。

 左から右への切りつけが当たり、敵の腕から赤いポリゴンが飛び散る。剣を振り抜いた勢いで回転し2擊目を叩き込もうとした時、バランスを崩しソードスキルが終了しそうになる。

 (くそっ、重いのに軽すぎる!!)

 「はぁぁぁっ」

転倒しないように地面を力強く踏みしめ体勢を立て直す。大きく振りきられた剣は体の右後方で止まり、ソードスキルの挙動に従っては右から左へと下顎を切りつける。慣性を無視し再び跳ね返った剣は左から右へと鼻を切りつけ、ソードスキルは終了。剣の軌道が描いた正方形がクルクルと回りながら広がっていく。

 「解除!」

 装備が元に戻り、右手にいつもの重み。次のソードスキルに繋げるため構えを取るが、バランスを崩した状態では上手くいかず、技後硬直に囚われる。

 狼男のHPゲージが減少していき、赤色になったところで減少が停止。

 無防備に固まっているところを狼男が襲う直前、突然視界が紫色に染まった。

 「やぁぁぁっ」

 後ろから飛び込んで来たユウキが左の剣で顎をかちあげ、右の剣による振り下ろしで狼男のHPを削りきり戦闘が終了した。

 

 「サンキュー、ユウキ。助かったよ」

 「どういたしまして!キリトが転びかけるなんて珍しいね。どうしたの?」

 剣をしまったユウキが振り向きつつ尋ねてきたので抜きっぱなしになっていたエリュシデータを見せながら答える。

 「こいつに振り回されるって前に言った事あったよな?」

 「重い武器だと慣性が大きくなるって話だったっけ。久し振りに使ったら思ったよりも慣性が小さかったってこと?」

 「半分正解。ヒントは体感重量」

 「体感重量?えーっと、筋力値が大きい程重たい武器が軽く感じるって事だよね?」

 少しの間考え込んでいたが、何を言いたいのか理解したらしい。

 「そういえばキリトってアクセサリーで筋力上げてたよね?」

 「ああ、そうだな」

 「それが換装で消えちゃったから軽い剣が重く感じた…ってこと?」

 「おっ、正解。ついでに言うと大体今の装備でこいつを持った時と殆ど変わらなかったのが良くなかったんだよなぁ」

 「それがわかっただけでも収穫だよ。じゃあもう用も済んだし、そろそろ帰ろっか」

 「そうだな」

 最低限周りを警戒しつつ、どうやったら換装が使えるのかを話しながら街道へと歩き始めた。




黒曜石の剣に関しては次に説明をいれようと思います。
換装を最初に見つけたのは色んな武器を切り替えて闘えれば強いんじゃね?と槍、斧、大槌をクイックチェンジで切り替えて戦っている準攻略組です。間合いの内側に飛び込んできた敵に対して体術を使っていたらなんかエクストラスキルが発生していたけどスキルスロットがカツカツなので取りませんでした。(今後でてきません)
95お気に入り登録ありがとうございます。後5人で100人に…
更新の遅くなった本作品ですが未だに読み続けてくれる皆さんに感謝を。
評価や感想、お気に入り登録等お待ちしております。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。