Sleeping Legend ~もしSAOにユウキがいたら~   作:ジンクルタニ

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この小説が始まってから約一か月が過ぎる。
その間に13,748文字が使用された。
まだ、2日目にすら到達出来ていない…。そして今回の更新でも一日目の途中で終わります。

展開が遅くてすいません!

オリジナル展開なので少しキャラがぶれたりしています。(主にキリトが)
 生暖かい目で見守ってください。
 


危機

そこで俺の索敵に反応があった。レベルアップしたためにネペントのカラーカーソルはピンク色に近くなっていたのだがこいつは赤黒く表記されている。

 「ユウキ、ちょっとまずいかもしれない」

 「え、どうしたの?」

 ユウキが少し首を傾けて聞き返す。その時ドドドドとしか形容出来ないようなそんな足音が聞こえてきて地面を揺らし始めた。

 

 「えっ、何これ?」

 「逃げるぞ!」

 ただならぬ様子を察したらしい。ユウキがあわてて走り出す。

 「おかしい!βにはこんなの居なかったぞ!」

 後ろを振り返ると大きなネペントが根っこの部分を忙しなく動かして、こちらに向かって追っかけて来るのが見えた。

 「追い付かれそうだよ!」

 「しょうがない、左右に別れて回り込むぞ!」

 「了解」

 俺が右側に、ユウキが左側に向かって走り出す。ネペントが勢い余って通り過ぎた瞬間、背中を一度切りつけてタゲを取る。

 相手の情報を見ると名前がThe origin of nepents となっており、HPバーが二本あるのが見える。どうやらフィールドボスが実装されたらしい。

 今ので一本目の体力が5%ほど削れたか

 「ユウキ!俺の後ろに居ろ!」

 「わかった」

 

 唸りをあげて飛んでくる鞭をソードスキルを使ってはたき落とす。攻撃パターンは今までのネペントと変わらないみたいだ。

 がら空きになった胴体に切りつける。

 「ソードスキル一本!」

 ユウキの剣が光り始める。ホリゾンタルが胴体の付け根に吸い込まれる。これでネペントのヘイトがユウキに向くがもう一度切りつけて取り返す。腐食攻撃のモーションが来た。ギリギリまで引き付け横に跳ぶ。ネペント系のモンスターは腐食液の攻撃後にしばらく動けなくなる事がわかっている。

 「もう一回ソードスキル!」

 ユウキのソードスキルが弱点に当たり、ユウキが飛び退くと共に同じ場所にホリゾンタルを当てる。

その後 十分程戦い続け、ようやくボスの体力ゲージが赤くなった。

 

 「よし、このまま削りきるぞ!」

 その時、一瞬ネペントが動きを止めたかと思うと体を捻り始めた。奴は何をしてくる?体を捻った動きで10層の刀使いを思い出す。体を捻った後に無茶苦茶広い範囲攻撃を仕掛けてきたのだ。

 同じ武器じゃないけど…きっと横凪ぎで鞭がとんでくる!ここまでの思考をコンマ5秒で終えるとすぐにしゃがんだ。すると頭の数センチ上を鞭が音をたてて通りすぎる。範囲は3メートル程なので後ろに飛んでいたらまず間違いなく当たっていただろう。しかし、安心するにはまだ早かったようだ。背後からガキンッと音がした。

 「うわぁ!」

 辛うじて剣で止めたようだがソードスキルを発動させてない限り弾かれているだろう。ユウキは今日初めてログインしたのだということ、そして初見の攻撃には対応が出来ない事が頭から抜けていた。

 

 遅れてもう一本鞭がとんで来る。今度こそ当てさせない!

 「はぁっ!」

 気合いを入れてスラントを放つ。ガキンッと音をたてて剣と鞭がぶつかり合う。剣に当たった鞭は動きを止めずに剣を軸にして曲がる…このままじゃ

 しまったと思った時にはすでに遅くドゴッと音が鳴ってユウキは弾き飛ばされていた。

 …そしてユウキが飛ばされた方向からパァンと硝子が割れたかのような音が聞こえた。

 

 

 その音に気を取られたもののネペントの消化液をどうにか避ける。

 ユウキが飛ばされた方を見るが、茂みの向こう側にまで飛ばされたのかそうでないのか…。暗いのもありここからじゃ何が起きたかわからない。

 「ユウキ!」

 返事がない!もしかしてさっきの音は…最悪の事態が頭をよぎる。

 もう一度ソードスキルを叩き込もうとしたその時、ネペントの鞭が体に

 なんでだ!さっき消化液を吐き出したばっかだろ!

 木に叩きつけられ、転倒状態に陥ってしまい立ち上がる事が出来ない。

 

 次の攻撃をなんとかガードしようと剣を持ち上げる。

 ネペントの鞭が振るわれ、ダメージを覚悟した時後ろから

 「おねーさんが助けに来てやったゾ」

 という声と同時にガンッと鞭が弾かれる。

 最初の街で買えるダガーを手に持ち、金髪にフード付きのマントを着た小柄な女性が俺の前に立っていた。

 

 「助かった、ところで君は…?」

 「人の名前を聞くときはまずは自分から名乗るものだヨ」

 剣を杖にして立ち上がる。

 「悪いな、俺の名前はキリトだ」

 「じゃあキー坊だな!オレっちの名前はアルゴ。情報屋をしようと思ってるんダ。今後ともごひいきにナ」

 ユウキが気になるしその呼び名は何だと突っ込みたいがとにかくこいつを倒すのが先だと決め、アルゴの隣に立つ。

 その後、ネペントが倒れるまでに5分と時間はかからなかった。

 

 「ユウキ!」

 俺がネペントの消滅を確認してからユウキの方に駆け出そうとすると、アルゴに肩を捕まれた。思わず睨むと

 「はぁー。焦って索敵を忘れたら危ないゾ、キー坊。それにパーティーメンバーの体力なら左上で見れるじゃないカ」

 そう言われて視界の左上を見る。そこにはyuukiの名前と黄色くなったHPバーがあった。いろんなことが一日の間に起こりすぎて冷静に考えられてなかったようだ。ボスは体力が少なくなると狂乱状態になり、攻撃から攻撃への時間が速くなる事を忘れていた。

 「そんなんじゃすぐに死ぬゾ」

 アルゴは真面目な調子でそう告げたあと、

 「…まぁステイクールってやつだナ」

 と言って空気を弛緩させる。

この時俺は、βテストとの違いが致命的な毒となってテスター達を蝕むだろうと感じた。

 

 「……悪い」

 「ユウキって言ってたがそれがあの娘の名前なんだよナ?」

 「あぁ…って見てたのか?」

 「いや、戦闘音がしてるからこっちに来たらちょうどゆーちゃんが弾き飛ばされてるのが見えてナ。序盤からそんな強いモンスターが出てくるのか気になって来たわけダ。でもゆーちゃんはどうして起きて来ないんだろうナ」

 周囲を警戒しながら茂みに駆け寄る。

 

 茂みを覗くとユウキは中で眠っていた。

 一先ず無事だった事に安心した。

 「アルゴ、揺すってみてくれないか?」

 「あいヨ」

 アルゴがユウキを揺すってみても一向に起きる気配が無い。それを見て寝袋を取り出す。

 「何やってるんダ?キー坊」

 「寝袋に入ってたら筋力パラメータが足りなくても人を運べるんだよ」

 「そーなのカ。じゃあオレっちが入れてやるヨ」

 「ハラスメントコードが出たら困るしな…頼んだ」

 「しっかしなぁーそんな裏ワザしってて最初の街で寝袋買うなんてキー坊はもしかして…」

 「い、いや、そのために買ったんじゃ無いって。知ってたのもたまたまだし」

 「にゃハハハ、冗談だヨ。まぁ何で買ってるか気にはなっているがナ」

 「街で野宿なら宿代がかからないだろ?最初に次の街に行ってれば人も居ないだろうし外でも問題ないと思ったんだ」

 「…筋金入りのゲーマーなんだナ」

 アルゴがユウキを寝袋に入れたので寝袋を引きずる。

 「変なところに連れ込むなヨ」

 「そ、そんな事しないって」

 「にひひ、まぁ信じてやるヨ。ところでオレっちは商売人なんだよヨ。そのオレっちが時間を割いて助けてやったんダ。言いたいことはわかるよナ?」

 「情報を寄越せって事か?」

 「その通りダ。話がわかるじゃないカ」

 「だけど俺もあのボスが出現した条件がわからないんだよ。こっちの剣の方なら話せるけど」

 「しょうがない、そっちで我慢しといてやるヨ」

 「そりゃどうも」

 そうしてアルゴにアニールブレードの入手方を教える。

 

他にもホルンカの村への移動ルート等を教えながら歩いていると、村の門が見えてきた辺りでアルゴが

 「じゃあ今日はこの辺で勘弁しといてやるから何かわかったら連絡をくれヨ」

 「わかったよ…護衛までしてくれてありがとな」

「何の事かナ~オレっちは情報を聞き出していただけだゾ。まぁそーだナ、感謝してるんなら今後もオレっちの情報屋をご贔屓に頼むヨ」

「そうさせてもらうよ」

 フレンド申請をお互いにしてアルゴと別れた。

 

 




アルゴは始まりの街よりも他の場所を先に調査したという設定です。きっと人がごった返していて調査どころでは無かっただろうと勝手に考えました。これならお互いにβテスターだと確信しますよね。
 アルゴがフレンドリーなのはユウキを必死に守ろうとしていたのを感じたから(いじりがいがありそうだと感じたというのもある)という設定です。
寝袋に入ったユウキを引きずりながら喋る二人…
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