男のロマン、それはロボット —<Infinite Dendrogram>—   作:クーボー

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第4話 スカウト

 □【鉄人王(キング・オブ・アイアン)】ヤヨイ・ベルダーウッド

 

「まったく……あんた強すぎんだろ」

 

「まさか俺ら相手に完勝するとは思わなかったぜ……」

 

「強すぎないかなぁ……ひっく」

 

 水ぶっかけて叩き起こした後の言葉に、思わず苦笑い。アルマはアルマで俺のこと呆れた目で見てるし……いや、ウィスキー入りチョコ何十個も食べてる人に言われたくねえなあ! 

 

「まあそれはともかく……受けてくれるか?」

 

「ま、全員でかかって負けたんだからよ。それに勝負代も全額負担してもらっちまったし……これで受けねえっつうのは、不義理だよなあ」

 

 うっし、恩売り作戦成功。

 それで、これである程度の人数は確保できたから……。

 

「ちなみに船員として、自分たちをどう評価する?」

 

「ま、こっちもそれなりだな。だが——」

 

 男はそう言って、軽く笑う。

 

「それもまあ、船長次第じゃあいいとこ行くと思うぜ?」

 

「OK」

 

 それだけで十分だ。

 あとはまあ、船だけど——そっちもまあ、金さえあればなんとかなるだろう。

 

 とりあえず酒場で個室を借りて……そこで自己紹介などをすることにした。どうやらクランマスターはこういうのも想定していたようで、<エンブリオ>の相性が良い相手同士が個室で作戦を練る、などの用途に使うらしい。ありがたいことだ。

 

「俺はヤヨイ。ヤヨイ・ベルダーウッド。ジョブは【鉄人王(キング・オブ・アイアン)】……と、あと金属加工系のジョブだ。<エンブリオ>はこの子で、名前は【装甲乙女 アルマトゥーラ】。大まかに言えば金属の流動体になれるメイデンだよ」

 

「【鉄人王】……聴いたことねえな。ロストジョブか?」

 

「まあな。で?」

 

 そっちも早く言えと促すと、男たちは嘆息して、自分の<エンブリオ>が入った宝石を掲げた。

 

「俺はドルドット。ジョブは【高位砲術士(ハイ・アーティラティー)】、その名の通り大砲の操作を得意とするジョブだ。んで、<エンブリオ>は【従操鉄器 ヒッタイト】……テリトリーで、鉄製の武器とか兵器を操れる」

 

「なるほど……へぇ」

 

 いいね、悪巧みできそうだ。《クラッキング・オブ・メタル》だと複雑な操作は面倒だから、役割分担は必要だろう。

 

「で、次はボクね。ボクはルー。ジョブは【船長】……おっと勘違いしないでおくれ、ボクがやるのはただの操縦さ。<エンブリオ>は【静動船守 カリュプソー】、船首に取り付けるタイプの<エンブリオ>で、敵の攻撃から守ったり沈むのを防げる能力だよ」

 

「俺は船を操縦したことねえからな……やればできると思うけど、まあ、ここは専門家に任せよう。船を頼むぞ」

 

「おっけー」

 

 ノリが軽いのが気になるけど……別にいいか。最低限船を沈めなければ。

 

 あとの数人は、特筆することはなく、純粋な雑用に便利な<エンブリオ>を持っていた。うん、まあいい感じの臨時パーティーじゃないかな。

 あとは……。

 

「じゃあ、最後に俺から、詳しくアルマについて話そうと思う。そっちのスペックは大体理解できたけど、俺みたいな質量変化系は直に確認しないとよくわからんだろうし」

 

 アルマが液状に変化し、俺の周囲を囲む。

 それからアルマの能力や、決闘に出る目的、そして借りる船の大きさやスキルの相性などを鑑みて、どういう戦い方をすればいいのかとか、そういうのを話し合った。

 

 そしてフレンド登録を行って、その場ではお開きになったのだった。

 

 

 /

 

 

「というわけで、決闘に出ることになった」

 

「へぇ……すぐに出るわけじゃないんだね」

 

「そりゃそうさ。すぐに出て負けたらこっぱずかしいだろ」

 

「なるほどなるほど。……決闘、ってことはさ、人いっぱいいるんだよね?」

 

「そりゃいるだ……、なるほど?」

 

「察しが良くて助かるね……さて、ヤヨイ」

 

 

「——ここに、お暇な戦闘員兼パフォーマーがいるんだけど……どうする?」

 

 

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