男のロマン、それはロボット —<Infinite Dendrogram>— 作:クーボー
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今回、決闘に出るのは、船長である俺と、船員であるドルドット、ルー、そして数人の雑用——そしてカグラ。
そして今回の決闘に際し、俺は俺自身に制限をつける事とした。
その制限とは——一時的な【ブラック・デンドロン】の封印である。
もちろん理由はある。まずアルマを別に使うので、ロボに使えるほど余裕がないこと。それに切り離した部位は一定時間で消滅するので、ロボと併用するとロボが紙装甲に、なんてことになりかねない。だから一時的に【ブラック・デンドロン】を使わないことにした。
それにロボアニメだと生身でロボに匹敵する人間ってわりと多いしな!
俺のENDとアルマ、そして特典武具があれば充分戦えるし、一度ここらで生身の戦闘能力を試してみるのも乙だろう。
で、急遽参加することになったカグラだが、カグラも空中歩行が可能になる特典武具を所有しているので、船上でも問題なく戦闘できる。というか多分、決闘っていう形式上俺たちの中だとコイツが一番強い。
見られてる人数分の自己強化だから、コイツが大立ち回りするほどに強くなる。それに外から見られてるから、見られている数=相手の数が減るほど弱くなるカグラでもほとんどパフォーマンスを落とさずに戦闘できるのだ。
ただ注意したいのが、船内に入ったら大幅に弱体化すること。視線が届かないから当たり前なんだけども。
と、今回の決闘で抑えとくべき注意点はそのくらいだ。
あとは実戦あるのみ——さ、やろうか、アルマ。
「ん」
/
ところ変わって、グランバロアの水上闘技場。
『さぁ、今回の決闘は少々変わり種ですよー!!』
アナウンスの声が、決闘の開始を今か今かと待ち続ける観客たちの耳を揺らす。決闘についての情報は、<マスター>・ティアン問わず興味深いものだから、自然と耳が傾く。
『と、言いますと?』
『今回の選手の片方は、最近グランバロアに来たばかりで、しかも超級職らしいのです!!』
『ほほぅ、となるとこれは面白い戦いになりそうですね』
それを持つということは、それ相応の猛者だという証ということで……自然と観客の熱と期待が高まっていく。
——そして、双方の準備が整ったと同時、決闘場にブザーが鳴り響く。
『双方の準備が出来たようです!』
『今、《結界》が張られたね。硬度はそれなりにはあるけれど、選手と観客は破壊して被害を出さないよう気をつけるように』
注意勧告ののち、左側から、中型の船が出てきた。それを観客は完成とともに迎え、アナウンサーは声を張って出迎える。
『左側、“船長”はトロ・サ・モーン! ジョブは【船長】、船名は【超☆新鮮サーモン号】!! ネタ全振りですけど今までの勝率はそれなりに良い、期待のチームでーす!』
『相変わらずふざけた名前のチームだけど、その<エンブリオ>、そしてコンビネーションは目を見張るものがあるよ。油断すると倒されてしまうだろうね……さて、次は右側だけど……』
その言葉とともに、右手から、銀色に
『これはまた……随分特徴的だね』
『えー、“船長”はヤヨイ・ベルダーウッド! ジョブは【
『あの銀色の塗装がどんな効果を発揮するのか、期待したいところだね』
双方の紹介が終わったところで、二隻が定位置に着く。向かい合うような位置で、お互いの船員たちが相手の船を睨み合っている中で——
『それでは、決闘を開始します!!』
そんな開始の叫びとともに、左手の船から砲弾が発射され——それが右手の船に届きかけた瞬間、どろりと塗装が崩れた。
『……なるほど。最初は、そこを狙う』
そんな少女の声が聞こえた瞬間、砲弾が崩れた塗装に——スライム状の何かに包まれ、爆発したものの封殺された。それに呆気にとられる観客だったが、一拍双方から遅れて飛び出した二つの影が、空中でぶつかり合う音で、はっとそこに目を向ける。
そしてその視線を向けた瞬間、まるでステータスが爆発的に増加でもしたかのように、今まで拮抗していたはずの両者のうち右側が、左側の空を駆け抜けてきた剣士を海に叩き落とす!
「これで一人。さあどうした、向かって来い。ボクは……【
大見得を切った少女のような姿をした<マスター>は、刀を構えて、妖艶に笑う。
ここに現れた二人目の超級職の姿に、闘技場全体の視線が釘付けになる。それは同時に、ここが彼の『舞台』になったということで——
切って落とされた決闘の幕は、予想外の驚愕に包まれて、さらに燃え上がっていく——!