男のロマン、それはロボット —<Infinite Dendrogram>—   作:クーボー

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感想ヲ……
感想ヲクダチイ……。

評価デモイイヨ(謎の上から)


第12話 雷雲堕とし

 □【鉄人王(キング・オブ・アイアン)】ヤヨイ・ベルダーウッド

 

 あぁうん、これ俺無理だわ。

 スキルを使って見通した黒雲の中、翼を生やした二人の男が超音速どころか超々音速で飛行しつつ戦闘を繰り広げる様子(もちろんというかほとんど見えない)を見ながら、俺はため息を吐いた。

 

『マスターにしては、諦めるの早い』

 

「まあ……相性って感じだな。ダメージは小さいとしても、サンドバックにされる気配しかしない」

 

 俺のENDとアルマの装甲なら、ダメージは最小限に抑えられる。

 が、そこから先の展望が見えない。俺のSTRとAGIはカスだ。突っ込んできた相手をアルマで包むにしたって反応速度が違いすぎるからどうにもならん。

 

「やりようはあるけど、俺が出張っても意味がないからな。それなら大人しくしてるさ」

 

「それが賢明だと思うよ、ヤヨイ君」

 

 船の上で、疲れた様子でラトラナジュの作ったお菓子を食べるメルクは、先の俺のようにため息を吐いた。

 

「あれが“雷雲堕とし”ね……まさか自分が狙われることになるなんて思わなかったわ。あと、さっきは防いでくれてありがとね、ヤヨイ君。あれがなかったらメルクはともかく、私とカグラ君は即死してたか、船が壊されてたわ」

 

「良いってことよ。カグラはともかくラトラナジュが死んでたら三日間くらいここで立ち往生だし」

 

「僕だけ扱いひどくなーい?」

 

 いやだってお前、今回役に立たねえじゃん……。

 そんな気持ちを込めた俺の沈黙をどう解釈したのか、カグラは焦った様子で言い募る。

 

「いやいや、僕だって戦闘では役に立つよ? メルクっていう最強の広域制圧型がいるんだから、僕のステータスもどんどん上がってくんだからさ!」

 

「お前あの雲の中で即死しない自信ある?」

 

 こいつがいくら速くなっても、蛇行する雷…… 秒速約29万9792キロメートル(なお真空におけるものとする)、AGI換算で余裕で100万超える速さで迫る攻撃を回避できるとは思えない。

 それに紙装甲も紙装甲だから、一撃でも食らえばブローチが破損して二撃目で死ぬだろう。

 

 というか、俺はレベルキャップが10まで上昇したスキルで雲の中でも問題なく見通せるけど、カグラお前そういう類のスキル持ってねえだろ。

 

「うぅ、こういう時に陸戦特化の純戦闘員は肩身が狭い……」

 

「慣れない戦闘で戦果を期待するほど俺らはアホじゃねえよ。用は適材適所だ適材適所。陸戦タイマンだと俺らの中で最強だろうが。こういう範囲攻撃系は他人に任せろっての」

 

 まあ俺もEND特化だからAGI特化にはサンドバックにされるんですけどね。

 いや傷付いてないよ? 事実だからしょうがない、僕を信じて、そうTrust me! 

 

 ……それはともかく、カグラはスタンドプレーになりがちだからな。ダンスチームとか組んだら一人だけ突出して疎まれる未来しか見えないし、こういうところで他の人に仕事を任せることを学ぶのも良いだろう。

 

「はぁ……まったく、なんでこんなところで準<超級>最強クラスと戦わなきゃいけないのか」

 

 メルクが呆れたような声に、内心同意する。今も奴はメルクの「長男」……グレイ・オッドソンジュと戦っているが、どっちも戦闘能力で言えば<超級>と遜色ないだろう。むしろ速度と雷という争い難い要素を二つ極めているから、大概の<超級>でも対応できないんじゃないか、これ? 

 

 ——とかなんだかんだ言ってるが、ぶっちゃけ俺もカグラもよく知らないので、何がそんなに恐れられてるかわからない。カグラに関しては上で何が起こってるのかもわかってないし。

 

「メルクにラトラナジュ、俺らはあんまりあいつについて知らないから、まず説明してくれないかな?」

 

 二人とも<超級>と商人系超級職持ちという明らかな情報通なので、大概のことは知っている。それを俺らが知っている前提で言われると困るのだ……俺の無知が招いた結果であるから偉そうには言えないし、改善していかなきゃならないポイントだな。

 

「ああ、そうだね。じゃあ適当に解説しようか」

 

「まず、グランヴィル・ガスターニュっていう<マスター>についてね。要点だけまとめるからあんまり期待しないでね?」

 

 そこから始まった解説によると、奴の<エンブリオ>は背中に生えた白い翼…… 【雲上制覇 ユピテル】、TYPE:フュージョンアームズだと言う。第六形態のようだ。

 その性質は、電気の発電及び貯蔵と耐性&超速飛行。似たような<エンブリオ>がアルター王国にもいたが、あっちが闇と風の複合属性に使った分のリソースを雷属性に費やしてるようなもんだろう。どっちが優れてるかは個々人によるな。

 

「で、まあそれだけなら精々そのアルター王国のランカー……ジュリエットと同じくらいなんだけど、彼が準<超級>最強クラスなんて呼ばれる理由は、彼のジョブと特典武具に所以するんだ」

 

「確か……【空賊王】だったよね」

 

 カグラの言う通り、グランヴィルのメインジョブは海賊系統派生空賊系統超級職、【空賊王(キング・オブ・スカイパイレーツ)】。空に危険な存在が蔓延るデンドロで廃れ、そしてグランヴィルが発見したロストジョブだと聞いた。

 

「そう。で、何が問題なのかって言うと……空賊系統の《搭乗》LvEXがユピテルに適用されちゃったんだよねー」

 

 そのせいでユピテルの基礎スペック(飛行速度や精密操作性)が爆発的に上昇したという。これ普通に船が出てても化け物化しないですかね……? 

 

「でもそれだけじゃ終わらない。彼が“雷雲堕とし”なんて呼ばれることになった<UBM>……【黒雲竜 ゼノフォルテ】の特典武具である【黒雲刀 ゼノフォルテ】との相乗効果でぶっ壊れた」

 

 黒雲……ああ、あの黒い刀身を持つ刀か。鑑定したらステ補正なしの《黒雲生成(ゼノフォルテ)》というスキルが一つあるだけだったけど、それが? 

 

「ゼノフォルテは典型的な条件特化型でね。本体がゴミ……ギリギリ純竜程度のスペックしか持たない代わりに、強力な雷を放つ黒い雲を高高度に生み出してその中を泳ぐように飛ぶ、っていう大概の<マスター>からしたら倒せないような生態をしてたのよ」

 

 ……あー、話が読めてきた。

 

「つまり、雷の貯蔵と耐性を持ち、高速で空を飛び回れるグランヴィルが、黒い雲の中でゼノフォルテを倒したと?」

 

「そゆこと。で、出た特典武具が、ステ補正も何もない代わりに生前から多少劣化した程度の黒雲を生み出すスキルを持っていた……本体へのセーフティーが一切ないからその分雷が強くなったんだろうね。もちろんというか貯蔵能力と高い耐性を持つユピテルとの相性は最高で、その結果今頭上で僕の長男と互角にやり合えてる<超級>以上の戦闘力を誇る準<超級>が生まれたわけだ」

 

 いやほんと、【マテリアル・スライダー】とか【超々音速追尾弾(クロック・キラー)】とか【レゾナンス・カノン】とか積んでるのになんで互角なんだろうね……と遠い目をしながらぼやく。

 っていうかなにそのかっこいい兵器。え、END削減? 音速の10倍以上? 電子レンジ? 

 

 

 

 ……殺意しかないの? 

 

 




Q.レゾナンス・カノンってなに?
A.電子レンジを超高出力でぶちかます殺意全開の兵装。END無効効果を持つビーム砲、効果としてはレグのインシネレーターが近い。
発車すると動力炉の使いすぎで寝る。

名前及び原理はクロックワーク・プラネットに登場する超兵器「共振破砕砲(レゾナンス・カノン)」から引用させていただきました。
もっとアニメ良い感じにできただろうがよぉ……あと続き出して?

つまるところグランヴィルは、
高高度の視界不良な黒い雲の中からMPあるなら無制限に充電できて魔法系超級職に匹敵する雷の雨をバカスカ降らせて本体も超々音速機動ができる
という化け物です。

ただEND削ってくる改変兵装とか色々メルクの趣味と実益を兼ねて積みまくり、複数体のUBMのスキルとかを積んだ化け物であるグレイを圧倒することはさすがにできませんでした。
プロットの予定ではこれらに加えて【グラヴィティ・ドミネーター】(お察し)という改変兵装が積まれてる予定でしたが、書いてる途中で「あれこれグランヴィル瞬殺するな??」となったのであえなくデリートされました。
供養の意味を込めてここに置いときます。いつか使うかもしれんけど。
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