男のロマン、それはロボット —<Infinite Dendrogram>— 作:クーボー
□<海焦活火山> 【
はぁいというわけでー、今回特典武具取れなかったヤヨイでぇーす……。
現在グランバロアの自然ダンジョンである<海焦活火山>内部で鉱石採取に従事しておりまーす。懐かしいぜ炭鉱夫、そして憎むべき乱数テーブル……。
「にしてもあっついなー……」
「こんなところまで再現しなくてもいいのにね……あ、そこにありそうよ」
「うーい」
こんなところで【ブラック・デンドロン】に乗ったら死ぬので、生身でピッケルに変形したアルマで岩石を砕く。
ポロリと出たクズ鉱石を余りのアルマで回収して傍にいるラトラナジュに運んでもらい、必殺スキルで宝石へと変換するという作業を繰り返し繰り返し……。
「で、そっちはどうだよ。神話級特典武具の使い心地は」
「そっちも持ってるでしょうに……ええ、良い感じよ。とても」
サラマンダー……所謂火トカゲが出現するこのエリアでは、ステータスの低いラトラナジュが動くことは自殺行為だ。
しかし彼女の側に控えた、計十体のモンスターによって全ての攻撃が阻まれている。それを為したのが、彼女の持つ特典武具……【カルマトラクト】の力だった。
「ダメージを受けて瀕死になったら宝石に変換して、その間に回復したストックでまた新たにモンスターを従える……中々に女王様になってきたじゃねえの」
「お褒めいただきどうもありがと。まさかこんな時に【
一定量の宝石を売買することで獲得できるらしい、《
それに加えてアイテムボックスのリンク効果もある(もちろん相応にMPとSPを消費する)ので、奥義としてはそれなり以上に性能が高いだろう。
もちろん俺の【鉄人王】の奥義ほどじゃないけども。っていうかよく考えたら、あれはアルマとのコンボで最大限効果を発揮できる類で、普通のティアンだったら……いや考えるのはよそう、これ以上【鉄人王】君を貶めてはいけない。
そんなことを考えつつ、俺はピッケルを振り下ろした。
どうして俺がこんなことをしているのか。その経緯は、つい数時間前まで遡る——
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「メルク、つまらん。ので何かやることを所望する」
「えぇ……うーん……あっ、そういえば、この近くに良い感じの自然ダンジョンがあったような」
「おっ、良いじゃん。それどこよ?」
「海底火山」
「…………は?」
「あとついでにラトラナジュも行ってみたらー? やることないし、宝石取れるかもよー?」
「カグラ君は?」
「僕熱いの苦手なのでパース」
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今グランヴィルとの交渉で俺ができることないからな……俺? 俺が交渉したらグランヴィル泣かすぞ。せめてもの情けというものだ。
「海底火山のくせに色々整備されてんのな」
「ここを見つけたティアンとマスターが、海属性と土属性を使って火山迷宮を造ったらしいわよ。素体から拡張しただけらしいけどね」
「ダイダロスみてーだな」
ちなみに海底火山なので、俺とラトラナジュは酸素ボンベを着けている。海中戦闘も見越してカルディナで色々買っといてよかったぜ。
ラトラナジュが買っておいた耐熱効果を持たせたアクセサリーを装備しているので、不意の溶岩も大ダメージは喰らうけど即死はしないのでこうして安全に炭鉱夫ができるのだ。
あっ、モンスター。ノータイムでツルハシで殴り殺す。
「えーっと、レベル349……END6万くらいか……やっぱ上がりづらくなってんなあ」
「メタル系でも出てきてくれれば一気に上がると思うわよ?」
「俺の場合、アルマでクラッキングすればすぐだしな」
昔、カルディナでメタル系を倒したことがある。その時はメタル系を不意打ちでアルマで囲い、さらにクラッキングすることで硬度やらを大きく下げた結果瞬殺できた。俺のクラッキングは地属性による金属操作とは原理が異なるから、高い耐性でもどうにもできなかったらしい。
結局それからは一度も戦ったことはないけれど、メタル系の中でそんなに格差があるとは思えないし、必殺スキルも覚えて質量も増したアルマならどうとでもなる。
「レジェンダリアに着いたら、アルマで地下を探ってメタル系探してみようか。そろそろ俺も第六だろうし、それまでにはレベル400は行きたい」
ドラグベルグの第二スキルもまだ全然解放される気配もないし、色々試してみるのがいいだろう。ここまで引っ張るんだからそれなり以上の性能じゃなきゃ許さんけど。
「私のメインジョブのレベルは100を超えたばっかりだからね……今まではレベルなんてどうでもいいと思ってたけど、カルマトラクトがある以上レベルは高ければ高いほどいいから、しばらくは真面目に商いしないとね」
「だから今こうやって鉱石とってるんだけどな、っと!」
お、良い感じの鉱石だ。ラトラナジュの懐もどんどん補充されていく。それでも以前よりもよっぽど少ないらしいので、どれだけ貯蓄していたのかわからんな。
そんなこんなで鉱石を掘っていくうちに、中心部分に程近い、広場のような場所に出る。
そしてそこに入った瞬間——寒気がした。
「……なんか、いる」
「えっ?」
とりあえず色々とスキルを発動。透視して広場全体を見渡して……それと思しき影を見つけて、思わず頬が引き攣った。
【溶蛇竜 ルマ・ゴーレ】
逸話級<UBM>……その魚影。
「おいおいおいおい」
そして広場の床を突き破り、それは大きく飛び上がって——!
「良いじゃねえの……! 今だけは感謝するぜ!!」
呪い、サイコー、ってな!!
結構昔にジャバさんが作って、でも誰も挑戦しに来なかったから出番すらなかったデザイン型UBM、それがルマ・ゴーレさん
そりゃそもそも行きにくい海底火山のそれなりの奥地に配置してたら誰も挑めないよ……というわけでリサイクル的エクストラ・ラウンド、開幕。
ネグラフ戦でロクにかけなかったマジな戦闘を書きたいと思います。