男のロマン、それはロボット —<Infinite Dendrogram>—   作:クーボー

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第14話 MVP特典

【<UBM>【骸収機兵 クロマドーラ】が討伐されました】

【MVPを選出します】

【【ヤヨイ・ベルダーウッド】がMVPに選出されました】

【【ヤヨイ・ベルダーウッド】にMVP特典【骸収機人 クロマドーラ】を贈与します】

 

 

「……勝ったか。……ふあーぁ」

 

 つかれた。

 そもそもなんで始めて一日そこらで<UBM>と遭遇するんだ、あり得ないでしょ。

 

「つってもまあ、頑張ったのはアルマだけどな。おつかれー」

 

「ん」

 

 目の前で人型に戻って……ん? 

 

「どうしたアルマ。気分悪い?」

 

「……わかる?」

 

 そりゃまあ、相棒だし。リアルでの経験と併せて、それくらいのことはわかるさ。

 

「……そう」

 

「話したくないなら話さないでいいよ。それはアルマの自由だ」

 

 アルマは少し悩んだ様子だったが、ほのかに笑うと、こう答えた。

 

「ん。なんでもない。マスターの<エンブリオ>が私で、良かった」

 

「それは光栄だね、ありがとう」

 

 

 ……さて、それではお楽しみの時間だ。

<UBM>を討伐した者の中で、一番貢献度が高いものに与えられるアイテム——MVP特典、通称特典武具。

 

 古代伝説級<UBM>【骸収機兵 クロマドーラ】を討伐したのは、俺とアルマ。アルマは俺の<エンブリオ>で、かつ二人で倒したものなので必然的に俺に特典武具が与えられる。

 

 さっきチラッと聞こえたが、古代伝説級ならばかなり良いものが手に入るだろう。

 

 

 それではいざ、アイテムボックスから解放! 

 ……あれ? でもなんかこれ一個でアイテムボックスが全部埋まってるようなってうおおおおおあああああああ!! 

 

 

「あっぶな!」

 

 後ろに飛び退いたことが功を奏したようで、俺が先ほどまで立っていた場所にドスンと音を立ててそれが飛び出した。

 

 武器は全部売ってたから、アイテムボックスはそれなりの量が開いて、た、はず……。

 

 

「……ゑ?」

 

 

 そこには、直立不動で——【クロマドーラ】の生き写しのような、鋼の人形が佇んでいた。

 

 

【骸収機人 クロマドーラ】<改名可能>

古代伝説級武具(エンシェントレジェンダリーアームズ)

 物質を取り込み己が物とする鋼の悪夢の概念を具現化した至宝。

 悪夢の姿を形造り、かつての万物を吸収する機能は劣化したが、完成を知らぬ人形に果てはない。

※譲渡・売却不可アイテム

※装備レベル制限なし

 

 ・装備補正

 END+50%(特殊装備なので所有していれば効果は発揮される)

 

 ・装備スキル

《アームズアブソーブ》

《バイオマス・ファーネス》

 

 

 おっとこれは……マジですか? 

 

「<マジンギア>……もしや」

 

「……いらない子?」

 

 

 /

 

 

 簡単に言おう。

 

 ロボットだった。

 

 内部のコアなど、そういうのが全部省かれ、俺が直接搭乗するためのコックピットが追加。大きさは生前というか、討伐前の【クロマドーラ】より多少(討伐前が5メートルくらいなので、4.5メートルくらいかな? アレだ、テロリスト御用達の騎士フレーム程度だ)小さいが、俺が乗り込む分には支障はない。

 

 そしてアルマが、外部でロボットを覆って鎧兼武器となる。図らずも全身鎧のような形になっていて、アルマを最大限活用できるので非常に便利である。

 ちなみに、【クロマドーラ】の時は全身が神話級金属で造られていたが、特典武具になってからはリソースの問題か今の俺の攻撃力でも傷つけられる程度の硬度しかなかった。

 まあそれに関してはアルマで覆う予定なので問題はない。

 

 そしてEND+50%という破格の補正。これのおかげで素のENDが非常に高くなった。まあ特殊装備欄が常時潰れるのでアルマと合わせると防具とアクセサリーしか装備できなくなったけれど。

 

 しかし、これらの補正などを抑えて、一番ヤバいのがスキルである。

 

 

《アームズアブソーブ》

 武器を吸収して己が装備とする、鋼の悪夢の力が限界までダウングレードされたもの。

 また吸収範囲には“特典武具”も入り、それらを吸収した場合リソースを取り込んで所有者の意思に応じた新たな外部機構(スキル)を発現する。

 分離可能。

 

 

《バイオマス・ファーネス》

 食物などを吸収し、それによって動力炉を回すスキル。稼働時間は吸収したものの保有MP量で決まるが、【レムの実】一個程度でも1時間は稼働が可能。

 

 

 ……なあ、アルマ。

 

「これってさ、もしかしなくとも『<UBM>を倒して君だけのロボットを造ろう!』的な、アレだよな?」

 

「多分、そう」

 

 しかも燃費もそれなりに良いし……しかも、しかもだ。

 

 ロボットだ。

 

 ロボットなのだ。

 

 俺が求めてやまなかった——俺だけの、ロボットなのだ……! 

 

 しかも名前を変えられるだと! なんて……なんて最高の……! 

 

 

「いよっしゃあああああああああっっっ!!!」

 

 

「絶叫……うるさい。でもはしゃぐマスターもかっこいい」

 

 

 アルマがほっこりした様子で見てくるが、今はどんな目で見られようと構わない! 

 

 念願のロボット……ゲットだぜ!!!




多分改名機能は、男のロマンをわかってらっしゃるジャバウォックさんが付けた。

さて、これでようやくタイトル回収。主人公のロボット日和が始まるぜ。

あとお気づきの方もいると思いますが、デンドロの二次創作では、基本的に<SUBM>を出すことができません。なにせ七まで名前が出てますからね。
なのでどうにかして超級武具所有者の足にでも引っかかるようにと調整した結果が、《アームズアブソーブ》です。
そこらへんは寛大な心で許してくれると助かります。
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