男のロマン、それはロボット —<Infinite Dendrogram>— 作:クーボー
——まず、カザミさんたちから説明を受けた、それぞれの必殺スキルの説明をしようと思う。
カザミさんの必殺スキル、《
ただしその強化幅は非常に大きく、背中に生まれる太鼓と天女の羽衣のごときそれから自動的に雷と風が発生し、射程も威力発揮到達点が60メートルにまで伸びる。当然両方の威力も非常に高くなる。
そして背の太鼓や羽衣は事前に取り外し可能で、俺はひとつ太鼓を譲り受けてアルマを帯電させている。
次にこもっとの必殺スキル、《
次に放つ攻撃の火力、射程その他諸々を10倍化する。大艦巨砲主義ここに極まれり、みたいな感じだな。巻き込まれたら余裕で死ぬ。
射程もものすごい伸びて、奥義クラスなら【ラッダリト】のところまでは届くが、いかんせん拡散するのでさっきの大技で散らされる。
そして最後に、今まで不明だったカザンヌさんの<エンブリオ>——【事象結合 メーティス】TYPE:カリキュレーターの能力は、魔法などを連結して新たな合成魔法やスキルを生み出すこと。
《
まぁ、つまりはだ。
雷と風と爆炎を合成したら、どうなるのかっていう話で。
「……なんか恐ろしいものが生まれそうなんだけど、俺余波で死なないかな」
『そうならないために私がいる』
頼むよ、アルマ。
……頼むよ、アルマ。そろそろフル充電も可能だから、今死ぬわけにはいかないし。
/
【ラッダリト】は、怒っていた。
まだ抵抗するのかと、まだ穢れは消えないのかと、苛立ちとともに風を集め、デメリットから復帰した。
けれど地上で発される熱がここまで届くのを感じて……これは、潰さなければ駄目だと理解した。
潰さなければ——終わらせられる。
デメリットなど、アレさえ潰せばこの高さなら関係ないと——今一度、今度は最大出力での風の収斂を開始した。
/
……来たか。
単純なんだよおまえの思考回路は。
何故そこで迎撃を選ぶ? 逃げてしまえばいいのに、そのくだらない怒りとプライドが、他ならぬおまえの命を縮めたぞ。
こっちも充電は完了してる。
カザミさんたちの切り札も、すでに発射寸前だ。アイツの出力はまだ上がるらしいが、撃つという結果に持ち込めるなら威力なんてどうでもいい。
/
雷が大気を撃ち、風は破滅と神威を唄う。
大いなる天上の大火と、双天の力の証明は、此処に叡智の女神の力を以って一つとなる。
「合成スキル——」
「「「——《
雷と風で形成された嵐。
その中に超増幅された業火が混じり、風を薪としてさらに強く燃え上がる。今にも爆発しそうなほどに膨れ上がった大魔法は、直撃すれば風の防壁をまとう【ラッダリト】であろうとも即死させるだろう。
それを理解しているがゆえに、【ラッダリト】も最大出力のスキルを発動した。
『《
「来たぞ! ぶっ放せー!」
業火の嵐と唄う破滅が、天と地より放たれて——
——世界がひっくり返ったかのような音とともに、ぶつかり合い、相殺した。
余波で周囲の大地がえぐれ、炎が撒き散らされ、風が純粋な衝撃となって轟音を呼ぶ。
本来なら【ラッダリト】を絶命せしめたその大魔法は、それに匹敵する破滅によって撒き散らされ、ただの暴風となって互いの決定打を消滅させた。
けれど異なるのは、もはや大魔法を今日中に再現するのは不可能であることと——
「QU、A」
——風さえあれば幾度でも放てる、【ラッダリト】である。
ああ、これで敵は消えたと、そう安堵する【ラッダリト】であったが……。
「QUAAAA♪ QUA——」
ドパン。
そんな乾いた音が一発、聞こえたような気がして。
「A」
己に何かが撃ち込まれて。
——伝説級<UBM>【天界空破 ラッダリト】は、その撒き散らした災禍の咎を与えられたかのように……呆気なく、砕け散った。
【<UBM>【天界空破 ラッダリト】が討伐されました】
【MVPを選出します】
【【ヤヨイ・ベルダーウッド】がMVPに選出されました】
【【ヤヨイ・ベルダーウッド】にMVP特典【天界飛翔 ラッダリト】を贈与します】
駆け足な気もするけれど、これにて決着。
理不尽な怒りで他者を踏み潰すようなヤツに大層な死は必要ないと思ったのでスパッと殺しました。