男のロマン、それはロボット —<Infinite Dendrogram>—   作:クーボー

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第17話 再挑戦

 □【鉄人(テツジン)】ヤヨイ・ベルダーウッド

 

 ——パイロットスーツに着替え、拵えたエンチャントの施されたネックレスを装備する。まあ造ったの俺なんだけどね。

 

「なんか心なしかチャラチャラしてきてるような……」

 

 リアルだと装飾品とかほとんど着けてなかったからなあ。パーティーの時は片耳イヤリングとか着けてたけど、普段は取引先にマイナス印象を与えてはいけないって事で外してたし。

 ……まあ、取引先のご令嬢が好む場合は誑かす意味で着けろって命令されてたけども。

 

「マスター、似合ってる」

 

「アルマも似合ってるよ。可愛い」

 

「ん!」

 

 人間態のアルマの片耳に着けられたイヤリングに手を添える。これもラトラナジュが付与したものを俺が加工したものだ。

 俺たちのアクセサリーには、それぞれ多種多様な付与効果が施されている。普通の生産職が乱数の女神に微笑まれた時のみ効果を発揮するものが、ラトラナジュの手によって大量に付与され、それを俺が欠かすことなく完璧にアクセサリーにする。

 

 これ、俺たちのパーティーだけが持てるアクセサリーにしたら燃えるかも。ラトラナジュの宝石の在庫は心配だけど、曰く「あー……まあ、頻繁に使われると困るけど、このペースだったら大丈夫よ?」とのことなので、少し遠慮しつつ専用アクセサリー計画を進めていこうと思う! 

 

「わー」

 

「これだけやれば、まあ、行けるだろう」

 

 今日で、前回の【鉄人王】の試練からちょうど一ヶ月。つまり再挑戦ができる。

 アクセサリーを使ってできる限り攻撃力とMP、SPを高め、スキルを連打して一撃で破壊する。必殺スキルを使えば問題なく達成できるはずだ。

 

「……いつか上級職のどっちか消した方がいいかもしれないな」

 

【盾巨人】を取って、《フェイタル・ディフェンダー》と《ストロングホールド・プレッシャー》の正規版を習得したい。そろそろ【盾戦士】じゃ物足りなくなってきたところだ。

【高位金物職人】は【金工王】のスキルと独立している(《ハイ・メタル・プロセッシング》と《ハイエンド・メタル・プロセッシング》とか)から消しても支障はないし、せいぜいステータスが少し下がるだけでそれもレベル上げすれば取り戻せる。

 

 でも奥義の習得条件に「【高位金物職人】のカンスト」とかあったら困るから、奥義の習得まではお預けだけど。ないとは思うけれどね。

 

「その方がいい、かも」

 

 アルマの賛成も得たことだし、それじゃあ行こうか。

 

 今日で超級職の二つ目、取ってやるぜーっ! 

 

 

 /

 

 

【試練の石碑を同時に10種類のスキルを使って一撃で破壊せよ】

【成功すれば、次代の【鉄人王】の座を与える】

【失敗すれば、次に試練を受けられるのは一か月後である】

 

「うっしやるかぁ!」

 

「ん!」

 

 息を合わせてー、せーのっ! 

 

 

「「《我は原初の道具に通ず(アルマトゥーラ)》!」」

 

 

 諸々の武器スキル発動! 

 これによってアクティブスキル・パッシブスキル合計10以上の補正を得てぇー! 

 

「アルマ! ハンマー!」

 

『ん!』

 

 一撃の衝撃に秀でたハンマーを上から振り下ろして、デカさと重さで粉砕するッ! 

 

「どぉぉぉらぁぁぁぶっ壊れろぉぉぉ!!」

 

 空中から全力で振り下ろしたハンマーが、正確に石碑に打ち据えられる。

 

 刹那——

 

 石碑は、跡形もなく吹っ飛んだ。

 

 

 よし、【鉄人王】ゲットだぜ! 

 

 

 /

 

 

 ウィンドウに表示される【鉄人王】の文字をニヤニヤと見つめる。

 

「どうしたの、気持ち悪いよヤヨイ君」

 

「酷くないですかねぇ……まあでも、これで俺もようやくEND特化に就けたからな。嬉しくなるのもしょうがないって」

 

「まあ気持ちはわかるけどねぇ」

 

 ラトラナジュが淹れたコーヒーを二人で飲む。あぁ……染み渡る。

 

「お疲れ。これで戦闘員として立派な働きができるようになったかしら? はい、これお菓子」

 

「ん、ありがとう。ってかこれチョコブラウニーじゃん、やった」

 

「甘いもの大好きー」

 

「私も食べる」

 

 みんな甘党だからラトラナジュのお菓子が美味しくて美味しくて……。

 

「ってか、メルクってなんでブラック飲めるんだよ甘党なのに」

 

「美味しいブラックは飲めるの。苦味にも色々と種類があるからねー。それにこのコーヒーはお菓子と合うから大好き」

 

「そう言ってくれると趣味でもお勉強した甲斐があるわね、ふふ」

 

 見せつけてくれちゃって……ま、いいや。

 

「それじゃあ【鉄人王】のスキルを見ていきたいと思いまーす」

 

「逆にまだ見てなかったのか……」

 

「せっかくだしみんなと一緒に盛り上がりたいじゃん?」

 

「ん」

 

 性能共有っていう面もあるけど。

 

 さてそれじゃ開封だー! 

 

 ウィンドウアクショーン! 

 

 

《フルマギア・パフォーマンス》:

 消費するMPを50%軽減する。

 パッシブスキル

 

《フルスキル・パフォーマンス》:

 消費するSPを50%、チャージタイム・クールタイムともに50%軽減する。

 パッシブスキル

 

《フルアーツ・パフォーマンス》:

【鉄人王】の奥義。

 所有するスキルのレベル上限を10に引き上げる。

 パッシブスキル

 

 

 ………。

 

 

「…………あっ、これダメなやつだ」

 

 主に三つ目が。いや一つ目と二つ目もヤバイけど……。

 

 

 これってつまり……下級職相応のレベルで止まってるスキルが、上級職レベルまで育つってことでは……?




ついに来ました【鉄人王】。
鉄人の頃はクソザコだったスキル構成がリソースが足りたことによって改善され、チートスキルに変化しました。
これもヤヨイならば十全に活かせるので、これから頑張ってレベル上げしていくことでしょう。

最終奥義? さてどうなりますかねぇ……。
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