男のロマン、それはロボット —<Infinite Dendrogram>—   作:クーボー

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第20話 特典武具とドラグノマド

 □【鉄人王(キング・オブ・アイアン)】ヤヨイ・ベルダーウッド

 

「……それで、アルマめておでUBM圧殺した結果が手に入った、と」

 

「そゆこと」

 

「君これで何個目?」

 

「三個目」

 

「いいなーいいなー、私一個も持ってないわよー」

 

 ハッ、羨ましかろぅ? 

 

「まあ僕十個以上獲ってるけどねー」

 

 こ、こやつぅ……! 

 

 まあそんなわけで、UBM圧殺しちゃいましたいえーい。

 

 今までと違い、今回は完全に不意打ちで相性勝ちしてたのもあるだろう。なんたってアイツが気持ちよさそうに、自分の力に酔ってる感出した瞬間に潰してやったからな。油断大敵ってねぇ! 

 

「……にしても、これがそのローパー倒した特典武具なの? 随分と綺麗というか……かっこいいわね」

 

「だろ? なんかスパイって感じでかっこいいよな」

 

「確かに、パイロットスーツに似合ってるね。気の利いたアジャストだ」

 

 きゅっ、と俺の手に白いシルクのような手触りの手袋を嵌め、動かす。

 支障はないか。うん、いいね。リアルだとこういうの持ってないから新鮮で良い。

 

 さて、それではスペックの確認だー! 

 

 

【魔道霊手 スリッドテンタクル】

伝説級武具(レジェンダリーアームズ)

 魔法を操る精霊触手の概念を具現化した逸品。

 魔力と引き換えに多彩な効果をもたらし、装着者に対魔道の心得を刻む。

※譲渡・売却不可アイテム

※装備レベル制限なし

 

 ・装備補正

 MP+50%

 攻撃魔法耐性+100%

 

 ・装備スキル

《天属性付与》

 

 

《天属性付与》:

 魔力を注ぎ込み、天属性の範疇に在る現象を発生させる。

 物質に触れている状態でこれを使った場合、対象にその現象を付与する。

 

 

 

 ……ほほぅ? 

 

 アルマ、ちょっと液体化して。

 

「ん」

 

 どろりと液体化したアルマに触れる。

 

《天属性付与》。

 生み出す現象は——これだ。

 

 ——刹那、バチバチとアルマに雷がほとばしる。しかしアルマは痛がる様子はなく、不思議そうに自分の身体から漏れる雷を見ている。

 

 ……ふ、ふふふははは。

 

「セルフレールガン、ゲットだぜ」

 

 ありがとよ、UBM。

 俺にとって、最高のアジャストだ。

 

 

 /

 

 

「色々悪用できそうな特典武具だねぇ……」

 

 そんなメルクの言葉を聞きながら、装備を外す。そういえばメルクもラトラナジュも見るの初めてだっけ? 

 

 外した手袋を、外に置いてあった【ブラック・デンドロン】に押し付ける。

 

「フフフ……目覚めよ、《アームズアブソーブ》起動」! 

 

 いつぞやのように光の粒子となって消え、吸収された。よし来た! 

 

「あっ、これが《アームズアブソーブ》? 実際に使われるの見たの初めてだなー」

 

「特典武具が消えた……? もしかして、リソースに還しているの?」

 

 惜しい、ラトラナジュ。

 こいつはな——

 

 

【特典武具の吸収を確認】

【リソースに応じて外部機構(スキル)を増設します】

 

【増設——《マギハンド・アタッチメント》】

 

 

 ——俺のためだけの、スーパーロボットだ! 

 

 

 手の部分に魔法陣のような意匠が追加され、わずかに威圧感が増したような気がする。うんうん、良い感じのスーパーロボットになってきたな。まだまだ足りないけれど。

 

 機能としては《天属性付与》と変わらず。装備補正も丸々残り、見た目がかっこよくなって装備欄も圧縮できた。素晴らしいな。

 

 そしてこれが追加されたということは、アルマのレールガンを十全に活かせるようになったということ。

 レベル上限解放の影響で補正の増した【銃士】のスキルも使えば、もっと威力は上がるだろう。それに空気抵抗を軽減すれば速度も上がるしね。

 

 夢が広がるなぁ……。

 

「……私も特典武具欲しいわー」

 

「特典素材になりそうだけどねー、君の場合。僕も武具じゃなくて素材がほっとんどだけど」

 

「うー、ずるいー」

 

「わっ、ちょまってくすぐらないでふふふあははははっ!」

 

 わぁ……イチャイチャしてるぅ……。

 

 

 /

 

 

「はいこうたーい、やっぱ勝手が違うなあ」

 

「まあロボットと馬車だと違うわよね」

 

「……やっぱり僕なんかやった方が良くない?」

 

「別に大丈夫だよ。ってかメルクのホムンクルスが周囲警戒してくれてるからこんな快適に旅できてるんだから」

 

 本体はちょっと、うん。何もできないけど、配下が優秀ならそれでいいのだ。

 

「うーん……まあ大人しく本でも読んどくよ。……ジョブ組み直そうかな」

 

「……そういえばメルクのジョブってどんな感じなんだ?」

 

 いや、【禁術師(タブー・マンサー)】系統で下級と上級一つ埋まってるのはわかるけども。

 

「んー、錬金術師系統以外は全部趣味かなー。僕ってホムンクルス生産に特化してるから、それ以外のこと煮詰めてもあんまりねー。それでもここまで行けるんだから、超級職って破格だよー」

 

「なら、指揮系統は? 一応貴方の配下なんだし、取っておいて損じゃないと思うけれど」

 

 そうラトラナジュが言うと、メルクは首を振る。

 

「それは長女の仕事。バフ系統が重複するから意味がないんだ」

 

「……長女?」

 

「あ、言ってなかったっけ。

 僕の【機械天使】はジョブに就けるんだけど、今二人超級職がいるんだよね」

 

 一拍。

 

「長男、【呪拳王(キング・オブ・カースフィスト)】グレイ・オッドソンジュと。

 長女——【造将軍(ホムンクルス ・ジェネラル)】フレイ・オッドソンジュの、二人がさ」

 

 ……。

 

 …………なんかメルクだけ戦力の幅がおかしくない? 

 

 

 /

 

 

 そんな感じで馬車に揺られて早五日。

 

「見えたわよ。あれがドラグノマド……砂漠を征く竜王、カルディナの首都にして世界最強のクラン<セフィロト>の本拠地」

 

「久しぶりだなあ。ファトゥムは……まあ、アイツが負けるわけないか」

 

 遠くに見える、巨大な竜の姿。

 あれこそが砂漠の竜王。カルディナの首都を運ぶ竜。

 

「ドラグノマド、か」

 

 さて——どんな出会いが待ってるのかな? 

 楽しみだ——!




これにて三章完結。
少し幕間を挟んで第四章です。

……まさかここまで続くとは思わんかった。
ありがとうございます!
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