男のロマン、それはロボット —<Infinite Dendrogram>— 作:クーボー
第1話 首都ドラグノマド
□【
さぁさ着きましたドラグノマド!
巨大生物の上にある街とかゲームでしか見たことなかったから新鮮だぜ! ゲームだけども!
「ねぇヤヨイ君、君もしかして雑誌載った?」
「あ、見てくれましたー? わりとかっこつけたんですけど。いぇーい」
「かっこつけたっていうか、ただ単に微笑んでただけでしょう。元が良いから映えるけれど」
ログインしてきたらしいメルクとラトラナジュから溜め息を貰う。
俺はリアルだと深窓の令息だからな……女装してもメイクなしで美人に見えるらしいし、まあ容姿が良いのは悪いことじゃないし?
「というか、メルクもラトラナジュも同じくらい綺麗だろーに」
「まあね。これでもスカウトは100件超えてるし」
「私は……母のおかげというか、
……ふーん?
ほーん……あーなるほど、なんか似てると思ったらラトラナジュって昔有名になった女優の血縁者? その影響でバカみたいな事務所とかからスカウトだのが来るってわけだ。
一時期父もファンだったらしいけど、スキャンダルで速攻消えたらしいな。もしも当たってたら失礼だから言わないけど。
「っていうか、日本人だろ君。ドイツ混じってるけど、あんな濃く髪に出るわけ?」
「さあ。お祖母様の気の強さが遺伝したのかな。エンゼルバーグ氏と喧嘩ばっかしてたらしいけど」
「え、ヤヨイ君ってもしかして知り合いなのエンゼルバーグさんと」
「大叔父。ヴァイオリン教えてもらったこともある」
そこまで親しい間柄でもないから、あくまでも他人行儀だけどね。彼の知り合いの音楽家に一時期付きっ切りで指導してもらったこともある。その甲斐あってか、特技にヴァイオリンって書けるくらいには習熟していたりする。
「あー……そういえばヴァイオリン弾いてたな……そうか、教えてもらってたのか」
「どのくらいの腕前なの? それと今弾ける?」
「グイグイ来るなあ……まあ、大学の国際コンクールで優勝したことはある。リアルでもリハビリしてるから、当時くらいには戻ったかな」
<叡智の三角>で弾いてた頃はブランクがあったから大分腕前が鈍ってたけど、今はもう大丈夫だろう。
「あれでブランクあるって万全の君はどんだけ凄いのさ」
「大学卒業してからは弾く機会もあんまりなかったからアレだけどね。何だかんだ
「楽しみねー。私本場のクラシックも良く聴くから耳は肥えてるわよ?」
あっ。
「……今度ベルリンフィル(ドイツの世界的オーケストラ楽団)のチケットあげようか? メルクと一緒に行ったらどう?」
ラトラナジュが「マジで?」と言いたそうな目で俺を見る。メルクの方は純粋に喜んでいるけど、少し引け目を感じているようだ。うん、好印象だけどこういう時は素直に受け取ってくれた方が嬉しいかな?
ちょいちょい。
「君ィ、ラトラナジュと親密になりたくはないかい? (小声)」
「そりゃ、なりたい、けど(小声)」
「自分の容姿を認識しているのなら、そして相手が同じ趣味を持っているのなら活かす。それが当たり前だろう? 特にラトラナジュは君に好感を抱いている……
多分メルクが責めたらあっちがメルクを喰うだろうけど。
「……OK。何から何まで申し訳ないけど、ありがたく受け取らせてもらう」
「俺ら友達だからな……あと、そこに行くなら良い服を着ろ。ないなら見繕う。どうせ普段ジャージだろお前」
「なぜそれを……わかった、服は両親が買い溜めしてるのあるからそれを」
「ばっかもーん(小声)」
アホかこいつは。デートだぞデート、それで何でそんな服を買う!?
「金がないなら払ってやる。出世払いでいいから、今はとにかくラトラナジュに自分をかっこよく見せるようにしろ。ラトラナジュレベルの美人で性格が良い女なんて滅多にいないんだから気張れよ」
「……うー、わかった、わかったよ。僕も色々と勉強するからー」
「OK」
メルクは焚きつけた、あとはラトラナジュ、お前のアタック次第だ。
……でもホントに、メルクってオシャレする気なさすぎない? せっかくの美人なのにもったいない。
……これはやはり一度、合法的に誘拐して三人でお食事会開いた方がいいのでは??
/
まあそんなわけで、俺たちはドラグノマドに到着した。
ドラグノマドは竜王の上にある街、とてもワクワクするし、見たことのないものが沢山あるのだろう。
早く体験したくて、したくて……うーん、楽しみだ!
第四章開幕。