男のロマン、それはロボット —<Infinite Dendrogram>—   作:クーボー

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第4話 こいつ……まさか……!?

 □【鉄人王(キング・オブ・アイアン)】ヤヨイ・ベルダーウッド

 

【金工王】の方はある程度レベル上げしたので、今度は【鉄人王】のレベル上げ兼戦闘訓練だ。

 ENDもまだ1万より少し下だからな……まだまだ、全ての病気から身を守るには足りていない。

 

「……つってもソロで突っ込んだら死にそうなんだよなぁ」

 

 まだアルマも第四形態で、俺自身カンストを超えているとはいえ不安要素はまだ残る。

 いや、必殺スキル使えば大概の相手は殺せるんだけど、あれ使ったらアルマがばたんきゅーしちゃうし。

 

「マスター、心配性」

 

「心配はして損をすることはないからね。臆病はまた違うけど」

 

「ん、それでこそ私のマスター。さ、行こう?」

 

 よし、それじゃあ適当に一人<マスター>募るかぁ! 

 最低限無能でなければ誰でも良いさ! 

 

 

 /

 

 

 んー……あー……これ、かなぁ? 

 

 これなら面倒臭くなく、それでいて簡単すぎないと思う。まあティアンの人の難易度設定だからあんまりあてにはならんけど。

 

 難易度三、【討伐依頼―【デザート・ウルフ】】。報酬は普通だけど、まあそれは素材を売ればいいし、装備品修復とかで日々金銭が増えているのでぶっちゃけどうでも良い。

 

 ってなわけで人を募ってみる。

 

 

 まあ素知らぬ人とクエストやりたいって人がいるのか疑問だけど——

 

 

「はーい、参加しまーす」

 

 ——随分早いな、おい。これもMMOの醍醐味だけども。

 

 ……黒髪黒眼。容姿はあんまり天然さのない、少女染みた美少年。なんだ、袴? いや、巫女服の要素も複合されてるからオーダーメイドかな。腰に刀括りつけてるし。

 ……んん? なーんか見覚えがあるような気がするぞぅ? 

 

「やー、一人だと事故る可能性があるから仲間欲しかったんだよねー」

 

「あー、まあよろしく頼む。報酬は半々でいいか?」

 

「それでオッケー。僕が欲しいの素材だからね」

 

 それならある程度の大群を相手にするこの依頼はうってつけってわけね。

 

「ならいい。自己紹介しとく?」

 

「そうだね、そうしとこう。それじゃあ僕からね。

 僕はカグラ。<エンブリオ>はテリトリー系列で第四形態」

 

 ふんふん。

 

 

「——それで、ジョブは【舞神(ザ・ダンス)】。超級職だ。支援職だけどバリバリの前衛だから、よろしくね?」

 

 

 ………。

 

 ……………超級職多すぎぃ! 

 

 っていうかカグラって……神条院……あっ。

 

 いや、もしかしたらネームが似てるだけの別人かもしれないし……でも舞ってことは……うわぁ。

 

「……? どうしたの?」

 

 あー、この女みたいな嫋やかな仕草明らかに見覚えあるわー! 

 

「なんでもない。俺はヤヨイ・ベルダーウッド。<エンブリオ>はこの子、アルマで第四形態。ジョブは【鉄人王(キング・オブ・アイアン)】。こちらこそよろしく」

 

「あ、君も超級職なんだね。時期は同じくらいかな? まあ何はともあれ、がんばろ?」

 

 

 /

 

 

 その後、軽い挨拶を済ませると、俺たちはフィールドに出た。

 

『広いなー、光が反射して眩しいぜ』

 

「僕は君の機体の金属光沢で目が焼かれてるよー」

 

『はっはっは、我慢しやがれ』

 

 っと、そういえば。

 

『お互いの<エンブリオ>の名前くらい把握しといた方が良いんじゃない? 俺はこのスライムみたいな液体金属の、【装甲乙女 アルマトゥーラ】だけど。ちなみにTYPEはメイデンwithアドバンス・ウェポン・カリキュレーターな』

 

「ん、それもそうかな。と言っても、見えるもんじゃないんだけど」

 

 カグラはポンポンと刀を叩く。

 

「僕の<エンブリオ>は、TYPE:ディペンデントルール、【奉納神楽殿 アメノウズメ】。効果は、まあ、見ればわかるよ」

 

 ディペンデント……依存? テリトリー系列のルールが内向的法則に特化したものだから、直訳で依存する自己法則(ディペンデントルール)、みたいな感じか。字面だけで面倒くさそうだな。

 

『マスター、5時方向に20体。全て【デザート・ウルフ】』

 

『よし、いっちょやるか』

 

「うん、頑張って斬り殺しちゃうよ!」

 

 そう言うと、カグラはおそらく《瞬間装備》で——

 

 ——上半身の服を、脱いだ。ちなみに胸元だけがサラシに包まれていて、その男には似つかわしくない艶やかな白い肌が砂漠の熱された大気の中にさらされる。

 

 そして刀を慣れた様子で抜くと、脱力を伴う特異な動作で迫り来る狼の群れを見据える。

 

「——《活淨の舞》」

 

 ……お、身体が軽くなった。ステータスも上がってる。

 なるほど、これが【舞神】のバフ効果か。超級職にしては、効果が低いような気もするけど——

 

『違う、マスター。モンスターを見て』

 

 ん……ああ、確かに違うな。

 動きが明らかに遅くなっている。となると、さっきのスキルは味方に一定のステータス支援などを施し、敵には強力なデバフを付与するものだろうか。

 

「早いとこ全滅させちゃおう。ほら——」

 

 って、早いな。支援職なのに戦闘系にも劣らない。

 ……いや、これは、もしかして……ま、今はいいか。

 

『おう!』

 

 今は、アイツらを殲滅するのが先だな! 

 行くぞアルマ、気張れよ! 

 

『ん!』




—情報開示—

舞神(ザ・ダンス)
味方の支援・敵の妨害に特化した神系超級職。
就職条件が非常に難しく、ティアンでも戦闘系でなければ就けない上、舞そのものの技量も要求されるため当代【舞姫】も就けなかった。
AGI・DEX・SPが上がりやすい。

・スキル
《踊り子の誘惑》LvEX:
目線誘導スキル。EXであれば、人の視線を無意識に集めることができる。
パッシブスキル

《活淨の舞》:
AGI・DEXバフデバフ複合スキル。範囲内の味方(自分含める)と敵対対象に【舞神】本人のAGI・DEX+20%分の補正をかける。秒間1SP使用。
アクティブスキル

《魔奏の舞》:
MP・SPバフデバフ複合スキル。範囲内の味方(自分含める)と敵対対象に【舞神】本人のMP・SP+50%分の補正をかける。秒間1SP使用。
アクティブスキル

《不動の舞》:
STR・ENDバフデバフ複合スキル。範囲内の味方(自分含める)と敵対対象に【舞神】本人のSTR・END+30%分の補正をかける。秒間1SP使用。
アクティブスキル

そのほか奥義と、その代の【舞神】が開発したスキルが存在する。
またこれらのスキルは、同じステータス補正・削減系のスキルと競合することはなく、多重発動が可能である。
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