男のロマン、それはロボット —<Infinite Dendrogram>— 作:クーボー
□【
翌朝。
「えーっと……ごめんなさい」
「いや……まあ、あんまり覚えてないし、ちょっと頭にガンガン響くけどこれくらいなら回復薬飲めばいいし……」
「とりあえずお前反省しろ? な?」
【二日酔い】で地獄を見たお前を介抱した俺を労わる意味も込めてね?
「はい、ごめんなさい……」
反省してくれるから、まだ、マシなのかなあ……。
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「というわけで、ヤヨイのリアルフレンドのカグラって言います。特技と趣味は踊ること。得意なのは神楽だけど大体やれるよー。暇つぶしにでも言ってくれれば踊っちゃうから!」
「ねぇなんでこんな女の子っぽいの?」
ああ……こいつと接した外国の人って大抵こう言うんだよね。
「家柄っていうか……こいつ、祖先が女神って家系で、舞もわりと女性的というか。それを表現するために女性的な仕草を生まれた時から仕込まれてるから、仕草が女性的なんだよ」
「……日本にも色々な家系があるのねえ」
真木が度を越した金持ちでエリートの家系ってのもインパクトあるけど、こいつはそれ以上だからな。結構びっくり人間よこいつ。
「まー、わりと強い方だと思うから戦力不足にはならないと思うよー。敵と味方の数が多いなら大歓迎ー」
「……別に仲間が増えることは嫌なことじゃないしね。よし、改めてよろしくカグラ君。僕はメルク。ヴィクター・F・メルクリウス。<超級>で、ヤヨイ君のデンドロでの友人だ」
「私はラトラナジュ。【魅売】で、同じくヤヨイ君の友達よ。これからよろしくね」
うん、馴染めそうでよかった!
ちなみにアルマは疲れたので寝ると言って紋章の中で爆睡中である。すごいマイペース!
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まあ新しいメンバーが加入したからと言って、別に何か変わるものではなく。
俺は昼にカグラと一緒に狩りをして、夜は延々と装飾品を造る。時折カグラからねだられたものも休憩時間に作ってやりながら、レベルを上げていた。
こういう時広域殲滅型か制圧型ならレベル上げ楽なんだろうけどな……俺もアルマの質量が増えたらそうなれるかな?
『わからない。ただ、<マスター>がそう望むなら、私はそうなるだけ』
「ん、そうだね」
まあ個人戦闘型であろうと、アルマが最高なことに変わりはないけど。
ちなみに、ログイン時間は俺が少し減ってるとはいえぶっちぎりだ。次点でわりと余裕のある生活をしているラトラナジュ、大学院生で課題に追われているメルク、そして最下位がリアルでの舞の鍛錬があるカグラだ。
それでも必ず2時間程度は都合をつけてログインする(つまり6時間はデンドロ内にいる)し、メルクは持ち前の要領の良さで課題をぱっぱと片付けてデンドロ内でゆったり本を読んだり実験をしているし、ラトラナジュはリアルでもデンドロでも宝石商をやっている。
曰く宝石の全てが私の仕事であり趣味であり生き甲斐、らしい。暇な時はメルクの側でお菓子を焼いたり本を読んでいるけれど、それはご褒美なんだと。燃費が良いのは良きことだ。
メルクの方は本を読むときに付ける
カグラはもう舞そのものを楽しんでるし……俺の近くって趣味と仕事を両立させている人多くない?
『マスターは違うの?』
「俺は別に、仕事が好きでやってるわけじゃないよ。一族の長子としてやるべきだからやってるだけだ」
リアルでは虚弱なのでそんなに仕事は多くなかったけど、一年半前までは時間感覚が消失するくらいあちこち飛び回ってた。その過程で風邪も引いたことあるし、誰が好き好んでそんな仕事やるんだっての。まあ、あちこちの人と縁を作るのは楽しいから、嫌ってわけじゃないけどね。
「いつかは四人で楽しく隠居したいもんだねえ」
『気が早い』
人間、どこまで老後を楽しく過ごせるかは大事だよ。特に今は超高齢化社会なんだから。
後はトーマに好きな女の子でもできれば安泰なんだけどな。俺はもう一生独身貴族がいいや。
『むふー』
まぁたアルマが奇声発してる……それはそれで可愛いから良いか!
あ、そういえば、まだ決まってなかったんだよなあ、例の専用アクセサリーの件。
リアルのデザイナー方を呼んで意見を伺ったんだけど、しっくりくるものがなかったのだ。
……ここは気分を変えて、カルディナの本屋でそれっぽいのでも探そうかな。カルディナな交易の国、世界各地の名産品の姿を記録している。それらが集められた本を借りて参考にすれば、良いのが見つかるかもしれない。
よし、休憩の意味を込めて外に出ようか、アルマ。
図書館で輸入、あるいは輸出されたアクセサリーのカタログでも見ようか!
「ん!」
ちなみに、今回のレベリングで【鉄人王】は11、【金工王】は9上がった。
このペースでいけば奥義も近いな、頑張ろう?
ゆるドラ……サーガフォレスト……