男のロマン、それはロボット —<Infinite Dendrogram>— 作:クーボー
パーティー専用アクセサリー
□【
——全神経を集中させて、アルマを使って金属を削る。
失敗は許されない。現状、ラトラナジュが用意できる
……にしても、これは、きつい。
アルマの金属干渉が浸透しにくい。《クラッキング・オブ・メタル》は効果範囲が非常に広い代わりに、干渉能力はそこまで高くないのだ。当時は所詮第二形態の出力だったし、範囲にリソースが取られたんだろうな。
それに【クロマドーラ】の時は表層の神話級金属は無視して内部から干渉したから、そこまででもなかったけど……さすがにこれは、時間がかかる。
朝からみんなには、部屋に入らないようにと言ってある。
体調も良く、アナウンスも発生しないよう完璧に準備を整えてから開始した。
それでもなお……本場である天地ですらも加工できる存在が少ないとされるヒヒイロカネを相手にするには、ひどく厳しい。
しかしこれは、俺の理想に必要なこと。諦めるなんて、できるはずがない。
「……スゥ」
軽く息を吸い込む。このクソ生意気な金属、絶対完璧に加工してやっからなぁ!
脇に置いてあるピアスを確認しつつ、俺はアルマで、一際大きく金属を彫るのだった。
/
……できた。
うん、うん、うん。デザインは完璧にトレースしていて、目の部分にはエンチャント済みの宝石を埋め込んで……全員の目の色を……うん、うん、うん!
「せいこーう……つかれたー」
『……zzz』
アルマはもうスライムみたいになりつつ爆睡している。なんか葛餅みたいで面白いな、これ。
ふにょふにょと弾むソレを摘み、備え付けの仮眠用ベッドに倒れ込む。あー、アルマがひんやりして気持ちいい……。
——都合10時間。
俺は、兼ねてから構想があったパーティー専用アクセサリーの製作に、成功した。
俺がドラグベルグ……【山竜王 ドラグベルグ】という神話級<UBM>、いにしえの世で猿王と永きに渡って争った覇者のことを知ったのは、元々パーティーの皆で使う専用のアクセサリーのデザインを練るために、国立図書館を訪れたからだ。
それであの資料を見つけて、ピンと来て……そして構想を練って、その途中で何故か目覚めたドラグベルグと戦って。
その特典武具である【山竜宝飾 ドラグベルグ】は、あの資料に描かれていたデザインに、少しのオリジナル要素を加えたものだった。ソレを丸ごと……そのままのデザインに沿うのはプライド的な意味で癪だったけど、まあ、接合性とか景観美を重視したいので丸々使わせてもらって。
あとはラトラナジュに相応の金を用意してもらい、それを加工して埋め込んだのだ。
ちなみに消耗品の補充と合わせて、【山竜王】討伐報酬金を差し引いても総資産の五割は消えた。元々エンチャントに使える最高級品は数が少なく、教えてもらった必殺スキルもリソースがなくなれば使えないので、妥当な額である。
なお、ラトラナジュは現在購入した元は猿の住処となっていた例のオアシスに関する利権を巡り、<超級>のメルクを抑止力的な意味で護衛に付けて議会に赴いている。
と言っても物騒なものじゃなく、あのオアシスの貸し出しとか、そういう干渉だ。買い叩いた契約書もあるのでラトラナジュのものというのは間違いないし、<マスター>から
その点デンドロだとわかりやすいよね。リアルだと詐欺とかハメ殺しとか特権階級の中でも横行してたし、《真偽判定》も含めてわかりやすくていいや。
特にラトラナジュはリアルでそういう職業だから、さすがに大商会の御隠居には敵わずともそれなりの策謀ならできる。本人の頭が良いのもあって、格上とのやりとりでそういう技巧も磨けているようだし、何よりこの世界ではやり直しが効く。
なんだかんだこの世界は、人を育てるのに向いているのかもしれない。
「……」
俺の鼻息だけが部屋に響く。人がいるならば立てるはずの生活音もなく、どうやらカグラは、メルクやラトラナジュがおらず俺にも構ってもらえない状況に飽きて、どうやら首都の何処かに遊びに行っているようだ。
カグラもそれなり以上に有名になってきたんだけど、本人はそれを一切気負うことなく、自分の容姿を最大限に活用して街行くご老人に声をかけて、持ち物を持ったりした後に一緒にお茶したりする。
カグラって子供っぽいしなァ……それに気ままな猫みたいな奴だから、気に入られやすいんだよ。俺もその一人だけどさ。
「あー……」
ぶっちゃけもうやることがない。アルマも爆睡中だし、悪ノリしてくれるカグラもいない。カーバンクルは現金なヤツだからクッキーあげないと遊んでくれないし、これもう寝るしかないのでは?
……いややっぱそれだとつまんねえな!
「うにゃー」
アルマを紋章の中に戻し、外行き用の服に着替える。パイロットスーツは今はいい、オシャレしたい気分なのだ。
……ピアスのせいでなんかチャラチャラしてるけど、まあかっこいいからいいよね。うん。
目的はない、理由もない。
でも、それが一番良い。
そう思いつつ、俺は宿の外に出て、街の散策を始めるのだった。
……の、だけれど。
/
なんか街角で大道芸やってる
……何してるんですかねぇ!
実は五章の内容がまだ決まっていない。
いや違うんです、ちゃんと終わり方は考えてるんです。
でもあの、今からそこに直行するのは色々とダメなので色々考えてるんですけどね、良いのがあまり浮かばない。
それに原作組と絡ませようにもまだカルディナですからね。
それに原作の時期がわからん……ただでさえVRは時間設定が複雑なのに3倍時間は恩恵と面倒くささが激増する……!
というわけなので、接続章書き終えたらネタ練りのために少し空けるかもしれません。
もしかしたら空けずに投稿するかもしれない。つまり不明。
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頑張って書いていきますので……よろしくお願いします!