敵の陽動部隊を無力化した時に見計らって現れたサーシェスが駆るアグリッサ。その時にジンはレオン達に指示を出しながらも行動していた。
「二人共、あのアグリッサには気をつけろ!本来ならアレは大気圏内用のバディクラフト……つまりはMS用のサポートユニットだ!あの機体の機首にプラズマキャノンが搭載されているほか、脚部からはプラズマフィールドが搭載されている!特に脚部のプラズマフィールドは対パイロット用に高圧電流が流れる仕組みだ、奴には捕まるな!」
『分かった!玲奈、ジンの言う通り僕たちも……?玲奈…?』
レオンは玲奈に俺が言ったことを伝えようとするが当の本人はアグリッサ(というよりアグリッサの上にある上半身状態のカスタムグレイズ)を見てから放心していた。さらには何やらブツブツと呟いていた。
『あの機体といい、あの色合い………私はあの色を覚えている?一体、何処で……………っ!』
その時、玲奈の脳裏に何かしらの電流が走り、頭が割れるような痛みが玲奈の脳裏に刻まれた。
『ぅくっ!……あ、頭が……痛いっ!』
『玲奈?大丈夫か、何かあったのか!』
玲奈が駆るプルトーネの動きが鈍くなり、レオンは通信で玲奈に語りかけて安否を確認する。その光景を見ていた俺は玲奈の異常に気づいた。
「(玲奈の動きが妙だ。何か異常が起こったのか?)レオン、玲奈は大丈夫なのか?」
『…それが、分からないんだ。こんなに苦しむ玲奈は僕も初めてだ』
『私は……あの機体の事を………いや、あの機体のパイロットのことを……知って…いる……?』
玲奈は再びアグリッサの方を見るとその機体からある通信を傍受する。
『動きが鈍いのかどうか知らねえが、隙だらけだぜ、ガンダムさんよぉ!!』
アグリッサのパイロットの声を聞いた瞬間、脳裏からかつて義理の兄であったアトラスが目の前で殺された記憶がフラッシュバックする様に甦り、さらには幸か不幸か、そのアトラスを殺した傭兵の顔を思い出し、理解してしまう。
あの機体のパイロットが
『……っ!いやぁぁぁああっ!!?』
玲奈は再び恐怖に包まれ、発狂しながらもライフルカノンでアグリッサに向けて乱射する。アグリッサは急にプルトーネが錯乱しながらも乱射してきたライフルカノンの銃弾を回避する。
『…玲奈!?ジン、玲奈の様子が変だ!』
「(あのアグリッサを見てから様子が変になった。それに……あのアグリッサにはあの男が乗っている。…だが何故玲奈は苦しんでいるんだ?まるであの男を拒んでいるか様だ。……っ!まさか…!)くっ……レオンは玲奈を連れて先にハンマーヘッドに向かえ!」
『…だがジン、あのアグリッサという機体は?』
「俺が奴を引きつける。その間に玲奈を連れて離脱しろ!」
『……っ、分かった。レオン、無事でいてくれ!』
そう言ってレオンは玲奈のプルトーネを掴んでそのままハンマーヘッドの方へ離脱して行った。その時に玲奈はレオンに連れて行かれていく時に気を失っていた。
『二機のガンダムが下がった?それにしては一機だけ機体の動きが変だったが……』
「俺一人であの男の相手となるときついな……だが、そうも言ってられない!」
『他のガンダムを逃すとは……まぁ、こっちとしちゃ却って好都合だ!』
そう言い聞かせながらも俺はGNソードでサーシェスが駆るアグリッサに対峙しながらもレオン達がハンマーヘッドに合流するまで時間を稼ぐのであった。
仁Side out
突入チームとして参加した俺とイザベルは鉄華団のノルバ・シノ、ダンテ・モグロと共にブルワーズの旗艦に乗り込み敵指揮官を抑えるためにブリッジに向かっていた。その際にイザベルは半数の仲間を連れて別ルートから攻めていった。そして俺達はイザベルが向かったルートとは違うルートでブリッジに向かっていた。通りかかったルートに倉庫部屋につながるドアを見つけた。この時に俺はシノ達を呼び止めた。
「シノ、ダンテ。ここを確認していいか?もしかしたらヒューマンデブリ達が此処に隠れているかもしれない」
「此処にか?……それってお前達の経験からか?」
「あぁ。大抵の非戦闘員、あるいは予備パイロットのヒューマンデブリ達が倉庫に収容されているんだ。もしかしたら……」
「……っし、んじゃっ開けるぞ。油断するなよ」
そう言ってシノは扉付近のスイッチを押して扉を開放し、警戒の為にクリアリングを行う。俺が思っていた通りヒューマンデブリ達が今か?今か?と脅えながら俺達を見ていた。
「……本当にファーランの言う通りだったな」
「ファーランのおかげで被害が小さく収まりそうだな。……大丈夫、俺達は敵じゃねえ!」
「良し、ここは一旦……っ!?」
その時に俺は脅えていたヒューマンデブリ達の内一人が拳銃を持ってシノ達に向けて引き金を引こうとしている所を見た俺は咄嗟の判断で扉のスイッチを押して扉を再び閉じた。閉じた後に倉庫内で発砲音が響いた。
「あっぶねー……!ファーランが言ってたのはこれのことか……」
「過去の記憶とダブってパニックを起こしたか。……咄嗟の判断で扉を閉めたのは良いがこれは急いだ方が良いな」
「あぁ、急いでブリッジを制圧してあのガキ達を落ち着かせねえとやべぇぞ?」
「あぁ、ブリッジの方へ急ごう……!」
俺達はそう決意をした瞬間、敵がまた現れてライフルやら拳銃やらで撃って来た。
「クソッ!また増援かよ!?」
「くっ…!畜生……畜生、畜生、畜生!!クソッタレ!とっとと終われや!この野郎っ!!」
「くっ!面倒なことに……!」
どうやらまだブリッジの制圧には時間が掛かりそうだ。俺達は向かってくる敵を応戦しつつもブリッジの方に向かうのであった。
ファーランSide out
オルガからの命令でイサリビの直掩に回るとさっきのデカブツが俺に攻撃を仕掛けて来た。俺は背中のウェポンラックに懸架している太刀を取り出してデカブツと殺り合っていた。その時に俺はデカブツの固い部分ではなく装甲が薄い装甲の隙間を狙って攻撃していた。
『……こいつ、装甲の隙間を狙ってんのか?何なんだよ、こいつはよぉ!?さっきからガキ共は何やってんだ!本当に胸糞わりぃ!命をかけても、只の囮ですらなれない!煮ても焼いても分けても食えない、ゴミ屑が!!』
「これ
けど、俺を助けた黒い奴……オルガ達の所に向かう時に相手をした赤い光の粒の奴を何で連れて行ったんだろう?そんな事を考えているとデカブツがこっちに組み付いて接触回線でこっちに通信してきた。
『巫山戯んなよ、おい!お前楽しんでんだろ?
「はぁ…?」
俺はデカブツのパイロットが何を言っているのか理解出来なかった。ただ分かるのはこのまま組み付かれては動きにくいだけだった。俺はデカブツを蹴り出して距離をとった。
『もぉ〜〜!!死んで!死んでほしいよ〜〜っ!?』
するとデカブツの胴体から大口径のキャノン砲が火を噴いた。俺は咄嗟に近くにあったデブリを盾にして直撃を免れた。そして盾にしたデブリの破片をもってそのままデブリの破片をデカブツの方に向けて投げた。それにしても……アイツが言ってた様に俺が楽しんでいる?
「まぁ……良いか」
デカブツは俺が投げたデブリを躱した。その瞬間を見逃さずデカブツに乗りかかる様にそのまま太刀の刃先をコックピット部分に向けた。
「今分かっているのは、オルガの命令を果たすこと。そんで、こいつは……
そしてそのまま太刀をデカブツのコックピット部分に突き刺して止めをさした。その後に俺は光の粒の人はどうなったのか気になった。俺はオルガから光の粒の人の様子を見てくると言って光の粒の人の方に向かった。……それにしても、何だろう。何か嫌な気分だ。
三日月Side out
私はどれくらい気を失っていたんだろう……?起きなきゃ……お兄ちゃんやジンさん、みんなが危ない。
その時に私の脳裏に声が聞こえる………。
“いい加減その機体を俺に寄越しなよ!えぇ?ガンダムのガキが!!”
“ぐっ……お前にだけは、やるかよ!”
ジンさんがあの機体と戦っている?……そうだわ、あのアグリッサと呼ばれる機体のパイロットの声は………私は知っている。私はあの機体のパイロットを知っている…!私はそのパイロットの声の主の正体を知るために意識を覚醒させて目を覚ます。目を覚ました時にはお兄ちゃんが私を連れてハンマーヘッドに向かっていることを理解した。
「…はっ!お兄ちゃん、離して!ジンさんのところに向かわなきゃ…!」
『玲奈!?目を覚ましたのか?…駄目だ!君はまだ精神が安定して……』
「私はどうしても行かなきゃならないの!だから……行かせて、お兄ちゃん!」
『駄目だ!そんな状態でジンの援護に向かったとしても足手まといになるだけ……』
「邪魔をしないで、レオン!」
『っ!?……玲奈?』
その瞬間、玲奈が急に性格が変わったことにレオンは驚き、サダルスードの手元が緩んで玲奈が駆るプルトーネを離してしまう。その瞬間を見逃さず玲奈?はジンがいる方に向かって行った。
「……そうだわ、思い出したわ。アイツは……私の家族を、義兄さんを殺したパイロット!」
今の玲奈?の目は殺意と怒り、憎しみが渦巻いていた。その目は復讐者の目でもあった。そしてその殺意と怒り、憎しみを抱きながらも玲奈……否、本来の主人格でありながら義兄を殺された時に生まれたもう一つの人格に自身の名前である玲奈という名を与え、自身の名を変えて“復讐者の里奈”としてジンが戦っている相手を殺す為にプルトーネのGNバーニアからGN粒子を吹かして加速させた。
里奈Side out
サーシェスが駆るアグリッサと戦い始めてから5分という時間が経った。短い戦闘時間だというのに長く感じた。
「クソッ!決定打すら与えられないとは……!」
『へっ!この前より動きが鈍い様だな?えぇ?ガンダムッ!!』
状況は防戦一方だった。こちらは阿頼耶識システムをオフにしている為にサーシェスに動きを読まれていた。ここで阿頼耶識の恩恵と機体性能があってこそサーシェスと対等に戦えたことに俺は痛感した。
『隙だらけだぜ!』
「……っ!?しまっ…!」
そう考えている時に隙を突かれてアグリッサが体当たりしてきた。その衝撃で俺は近くの大型デブリに衝突し、身動きが取れなくなった。そしてサーシェスが駆るアグリッサが脚部を展開してデブリによって身動きができない俺を逃がさない様に脚部で囲む様に展開する。
『……逝っちまいな』
その瞬間アグリッサの脚部から高圧電流が流れてプラズマフィールドを形成する。高圧電流がアストレアを通して俺にも流れて肉体的にも精神的にも激しい苦痛が襲いかかった。
「ぐぅっ…あああああぁぁぁぁ!?」
『どうだ?アグリッサのプラズマフィールドの味は?機体だけ残して消えちまいな!ガンダムのガキが!!』
高圧電流によって激しい苦痛を受けながら考えることすら難しい状況でジンは悶え苦しんでいた。その時に彼の生存本能が激しい苦痛を受けている中である答えを導き出した。
それは
この危機を脱するにはこれしかないと生存本能が告げる。だが、そんな事をすれば高圧電流が機械を通して阿頼耶識のコネクタから脳まで高圧電流が流れてしまう。最悪の場合は死ぬかもしれない。しかし考えている時間もなく、俺は一か八かで高圧電流が流れている最中で阿頼耶識コネクタと接続してアストレアとリンクした。その時にジンの瞳が黄金に光っていることに彼は気がつかなかった。
「ああああぁぁぁっぐ!…ぬううあああああぁぁぁぁっ!」
阿頼耶識システムと接続した際に高圧電流がジンの脳に流れた。それに耐えながらもジンはアストレアが装備しているGNソードⅡをアグリッサの下の部分に投擲して突き刺した。
『何っ!?……くっ!』
その突き刺さった部分から火花が走って誘爆する様にアグリッサは爆発した。その爆発する前にサーシェスはカスタムグレイズをアグリッサからパージして離れる様に誘爆から巻き込まれるのだけはさけた。
『クソが!アグリッサが破壊されちまうとは……!』
その時のジンはアグリッサを破壊したことでプラズマフィールドから解放され、あの激しい苦痛を終わらせることが出来たのだ。しかしジンの受けたダメージは大きく、最早意識を保つのがやっとの状態だった。無論この状態をサーシェスは見逃す筈はなかった。
『…だが、アグリッサのプラズマフィールドを受けた後じゃ体力も限界だろうな?もったいないからその機体、俺に寄越せよ。えぇ、ガンダム!!』
サーシェスはジンに止めをさそうとライフルブレードをジンが駆るアストレアに向けて突き刺そうとする。
しかし……ジンに止めをさすことは出来なかった。突如と別方向から銃撃が入り、ライフルブレードのマガジンに直撃して誘爆する。サーシェスはライフルブレードが誘爆に巻き込まれる前に手放してカスタムグレイズのマニピュレーターの破損を防いだ。
『っ!…何!?』
ジンは残った僅かな意識の中、最後の力を振り絞りサーシェスを攻撃した方角を向けると玲奈が駆るプルトーネが戻って来たのを確認した。
「プル……トーネ………」
それを確認したの最後にジンは意識を失い気絶してしまうのであった。
仁Side out
プルトーネを駆る玲奈の本来の主人格である里奈はカスタムグレイズを見て確信し、怒りと憎しみが増した。
『離脱していたガンダムが戻ってきやがったのか!』
「えぇ…やはりそうだわ。あの時の……義兄さんを殺したあの男の機体!」
そして里奈はライフルカノンをカスタムグレイズに向けて引き金を引く。カスタムグレイズは武器のない状況で里奈の攻撃を容易く躱していたがこのまま追い込まれるのも時間の問題だった。
『チィッ!武器もないんじゃこっちが不利か!』
『隊長!』
するとそこに新たに増援としてやって来たのか一機のティエレンがプルトーネに向けて突っ込んで来た。
「新手?それにこの動き……阿頼耶識使いね。邪魔するんじゃないわ、子供とはいえど容赦はしないわ!」
里奈はGNビームサーベルを引き抜きビーム刃を展開した後にティエレンの右腕に装備している200m×25口径長滑空砲を右腕ごと斬り裂く。無論ティエレンは
『隊長!速く離脱して下さい!』
『…悪いな、そうさせてもらうぜ』
そういってサーシェスのカスタムグレイズはこの場から離れて離脱した。
「…くっ!後一歩の所で逃がしてしまうなんて……!」
『…これで良い』
「……?」
突如とティエレンから接触回線を通して通信が入って来た。
『俺は戦いによって死んでも神の下へ導かれる。これは聖戦だ!俺達の死は決して無意味じゃ……』
あの男の入れ知恵なのか宗教的な言葉で死んでも構わないと言って来たのだ。だが、そんなことは里奈にとってどうでもいいことだった。
「あの男に何を吹き込まれたのか知らないけど、私は今殺すべき男を殺せなくて苛立っているの。それに、アナタの様な子供が死のうが死ななかろうがそんなことどうでもいいわ。どうしても死にたいんだったら……
里奈はプルトーネを動かして足でティエレンを蹴り飛ばして組み付きを解き、そのままティエレンの残った手足をGNビームサーベルで切残する。そしてビーム刃を一度消してそのままティエレンのコックピットにギリギリ付きそうな距離でGNビームサーベルを向けた。そしてGNビームサーベルからビーム刃を少しずつ展開してコックピット部分の装甲を溶解させ、じわじわとコックピットまでビーム刃を押していった。
『う…うぅ、うぁ……うぁぁあああ!!?』
「どう?一方的な暴力に成す術も無く命をすり減らされていく気分は?これが貴方が自分の命を軽んじて死に急ごうとした結果よ」
『い……嫌だ!死にたくない!!止めて、止めてくれぇっ!!』
「今更命乞い?巫山戯ないで、殺しに来たんなら殺される覚悟を持ってから来るべきだったのよ!貴方の所為であの男を殺し損ねたのよ!それに、弱い奴は死に方も選べないのよ。それすら分からないまま来たんじゃ呆れる程滑稽よ!」
(駄目……お姉ちゃん……)
その時に里奈の脳裏にもう一つの人格である玲奈は説得で里奈を止めようとする。
「玲奈?邪魔をしないで頂戴、玲奈。私は今あの男を殺そうにもこいつの所為で殺し損ねたのよ」
(お願い……お姉ちゃん。もう止めてあげて、お姉ちゃん……!)
「甘いのよ玲奈。その優しさが貴女にとって良い所でも悪い所でもあるのよ」
(…お姉ちゃん!!)
「……はぁ、とは言ってもそれがあるから貴女に玲奈の名を安心して預けることが出来るのよ。……けどね!」
『ヒ……ヒァッ!?』
そんな玲奈の説得を振り切り、里奈はGNビームサーベルのビーム刃を本来のサイズまで伸ばしてコックピットごとティエレンを貫いた。そのヒューマンデブリは僅かな悲鳴しか上げられずそのままビーム刃によって焼かれ、絶命する。
「私はあの男を殺す為なら何にだって利用してやるわ!たとえ無数の屍を築いたとしてもね!」
そう言ってティエレンからGNビームサーベルを引き抜き、ティエレンから離れる。そしてティエレンは貫かれた部分から火花が走り、推進剤に引火誘爆して機体は爆散する。そして私はあの男が現れるまで身体の主導権を玲奈に明け渡してそのまま眠りについた。
里奈Side out
玲奈の急激な変貌に驚きながらも僕は玲奈を追いかける様にジンがいる所に着くとそこには動かなくなったジンのアストレアと玲奈のプルトーネの姿があった。
「これは……一体………?ジン、聞こえるか?応答してくれ!」
僕は近くにいるアストレアに通信を入れてジンに連絡を取ろうとしたが帰って来たのは無音という静寂だけであった。
「ジン?何か不味い気がする。玲奈、ジンを運び出すのを手伝ってくれ!」
『う……うぅっく………』
「…玲奈?」
ジンのアストレアを運び出すの手伝ってもらうと玲奈に通信を入れてみるとその玲奈は泣いていた。
『どうして…なの?お姉ちゃん……それじゃあ、お姉ちゃんが壊れちゃうよ。そんなの、私は……嫌だよぉ……!』
「玲奈……」
玲奈は何かしらのショックを受けていた。僕はあえて玲奈に聞き出さずアストレアとプルトーネを連れて仲間達の所に戻るのであった。その時には既に戦いは終わっていて、三日月が駆るバルバトスがやって来た。やって来た三日月にジンのアストレアを任せてハンマーヘッドのMS格納庫へ戻った。そしてMS格納庫に収容した後にアストレアのコックピットを開放するとそこには目や鼻から血が流れて気を失っているジンの姿があった。
レオンSide out
ブルワーズの旗艦のブリッジを制圧したことにより戦いは終わった。あの後の処理としてブルワーズから船一隻とMS全十機を押収し、鉄華団の資金として全てのMSを売却するのであった。ただし、ガンダム・フレームであるグシオンはオリバーの意見により売却されず、鉄華団のMSとして改修することを推奨した。その結果グシオンはハンマーヘッドに預け、ガンダム・フレームに詳しいメカニックの人に改修されるのであった。これで全て終わったかの様に見えた。しかし、そこである問題が発生した。
「何っ!?ジンが負傷した?!」
『正確にはジンはアグリッサの戦闘で何かしらの攻撃をうけて脳を損傷して意識不明の重体に陥った。今は再生医療ポッドに入れて治療を行っているが、何時目覚めるか分からない』
「……すまない、世話をかけてしまうな」
『とりあえずジンとアストレアはハンマーヘッドで預かる。彼が目を覚ました時にはそちらに送り返す』
オリバーはハンマーヘッドにいるレオンからの通信を切り、ジンがまだ生きていることに安堵した。しかし、未だに目を覚まさないジンはどうしてあの様な姿になったのか分からなかった。そして後にレオンから敵の対パイロット用の攻撃を受けながらもジンは阿頼耶識を繋げたことにより脳が損傷したと聞かされるのは別の話だった。
オリバーSide out
一方のサーシェスはカタロン商会の船に戻っていて、スポンサーであるリボンズに連絡をしていた。
『やぁ。その様子だと失敗した様だね?』
「すまねえな大将。アンタが言っていたパイロットを確保には失敗しちまった」
『心配することはないよ、その件に着いては既に手は打ってあるさ。それはそうと、キミには休暇を与えようと思う』
「あぁ?そりゃどういう心境だ?」
大将が言う手は打っているとはどういう意味なのか気になるが、俺に休暇を与えるなんざ何を考えているのか分からなかった。まぁ、金がもらえりゃこっちはいいんだが。
『僕の計画が次の段階に進む為にキミにはあの機体の最終調整に付き合ってもらうよ』
「何?もしかして……
『あぁ。キミ専用に調整した機体がようやく完成したよ。次の仕事が入るまでしばらくの間僕たちの船で待っててくれないか?』
まさかアレが完成したとはな。大将が言うに後は最終調整だけだそうだ。俺もそろそろ
「分かったぜ、大将。しばらくの間俺は休暇を楽しませてもらうぜ」
『分かった。それじゃあ、機体が届くまで休暇を楽しんでね』
それを最後に大将の通信が切れた。俺は機体が届くまでの間身体を休めることにした。……ようやく完成したか。アレならバカでかい戦争が起こせるってもんよ。
サーシェスSide
あのアグリッサのプラズマフィールドを受けてプルトーネを見たのを最後に気を失った俺は真っ暗で星の様な光の粒が漂う異空間を彷徨っていた。
「ここは……何処だ?」
此処は……集合無意識に似たところです
何も無い真っ暗な空間の中、突如と女性の声が聞こえた。その方角に向けると一つの大きな光る球体が存在していた。…だがそれ以前に俺はこの声に聞き覚えがあった。二年前にこの世界に転生する時に聞いたあの声と似ている気がした。そして俺はその光る球体に問い掛けた。
「アンタは……一体誰なんだ?」
私は女神“アストレア”……貴方をこの世界に転生させたものです
その答えに俺は驚きを隠せないでいた。本物の女神、自分が乗るガンダムアストレアと同じ名前。本物の女神アストレアに会うとは予想だにしなかった。
「女神アストレア……!?本物の?」
はい。貴方に伝えることがあります
「俺に……伝えることが?」
女神アストレアが俺に何を伝えようとしているのかは分からなかったが、その内容が驚くものでもあった。
この世界を……イノベイドのリボンズからこの世界を守って下さい
リボンズという名前が出た時点で俺は再び驚かされた。リボンズ・アルマーク。イノベイドの上位種であり、裏から人類を管理しようとした00世界のラスボスの存在であった。
ブルワーズを退けたジン達。だが、戦いの最中ジンは脳を損傷させ意識不明に陥る。意識を失っている中、ジンは女神アストレアと名乗る者から世界を救って欲しいと頼まれる。
次回、『ドルトコロニー』
女神は彼に何を託そうとしているのか?