鉄華を救う正義の女神(一時休止中)   作:コレクトマン

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ドルトコロニー

 

 

女神アストレアからリボンズがこの世界に存在していることを聞かされて俺は驚くと同時にサーシェスがリボンズと同様にこの世界に存在していることに一部納得するところはあったが、それだけでは何かが足りなかった。

 

 

「なるほど……リボンズがこの世界に存在しているのは分かった。だが、サーシェスの場合はどうなんだ?何故奴がこの世界に存在しているんだ?」

 

 

 

それは分かりません。私たち神々といえど全知全能では有りません

 

 

 

「……それもそうだな。言い方はアレかもしれないが神様とて万能じゃない。あくまで世界を見守る存在だ。…だが、一つ解せないことがある。何故俺をこの世界に転生……いや、何故()()()()()()()()?」

 

 

そう、これは俺がこの世界に転生してから二年間時折考えていたことだ。俺という異物がこの世界に来たことにより本来の鉄血のオルフェンズの物語の本筋が変わってしまった。本来なら存在しない筈の太陽路搭載型の第2世代ガンダムにそれに乗る人物。“ガンダムサダルスード”、“ガンダムプルトーネ”。そして“レオン・ハートレイ”、“玲奈・A・スプリガン”。この鉄血の世界に置いて存在する筈の無い人物と機体。何故この世界に存在しているのか謎であった。

 

 

 

その問いに答えるにはGシステムを一度知り直す必要があります

 

 

 

「Gシステム?……もしかしてアレはG(グローリー)システムじゃないというのか?」

 

 

 

はい。貴方が言うように貴方が保有するGシステム。正式名称はG(ジェネレーション)システムです。そして貴方が保有しているGシステムはその一号機なのです。

 

 

 

「一号機?まさか……他にもGシステムが!?」

 

 

 

はい……この世界には二つのGシステムが存在しますG01は貴方が保有する通常のGシステム。そしてG02はリボンズが保有するG01より大型のGシステム。その二つがこの世界に存在するGシステムです

 

 

 

女神アストレアが言うにリボンズ側にもGシステムを利用しているのが分かった。サーシェスが使ってたアグリッサやリアルド、イナクトにティエレン。それらがGシステムから作られたのなら辻褄が合う。

 

 

「G02……他にもGシステムが存在するとはな」

 

 

 

そして、これは貴方にとって重要なことです。貴方がこの世界に転生するさいに人間ではなくリボンズと同じ()()()()()として転生したのです

 

 

 

俺が人間ではなくイノベイドであることを告げられた俺は驚く以外にも一部ショックを受けた。女神アストレアから告げられる言葉は驚きの連発であった。

 

 

「俺が……人間じゃない?しかも俺は……イノベイドとして転生した?はっ?嘘だろ……」

 

 

 

残念ながら紛うことなき事実です。貴方はG01によって……!

 

 

 

女神アストレアが俺に何かを告げようとした途端、周りの空間の一部が歪みが生じた。まるでこの空間が限界を迎えたかの様に。

 

 

「これは……!?空間が歪み始めて此処が崩壊し始めたのか……?」

 

 

 

……時間がありません。今から貴方の意識を元の世界に戻します。ですが、これだけは覚えておいて下さい。Gシステムが貴方に取って重要な場所であるということを…!

 

 

 

「!……待ってくれ!それはどういう……っ!?」

 

 

俺は女神アストレアが言うGシステムは俺にとって重要な場所であることの意味を追求しようとしたが、途中で俺の意識が唐突に途切れた。一種のブラックアウトに堕ちるのであった。

 

 

仁Side out

 

 

 

ジンが謎の敵の攻撃によって意識不明の状態になったそうだ。何でも敵は高圧電流を流す兵器を使用したことでジンはそれを受けてしまい、危険な状態に陥ったそうだがジンは高圧電流を受けながらも阿頼耶識を繋げたことにより窮地を脱したそうだ。俺以上に危険な賭けをしたことを知った時は本当に心臓に悪かった。あの時は心配はしたが暫くの間安静にしていれば問題は無いと名瀬の兄貴から告げられた。アイツには俺たち鉄華団にとってまだ借りを返していないからな。

 

ジンが目覚めるのを待っている間に俺たちは名瀬の兄貴の仕事を手伝うべくテイワズの仕事の一環で公営会社が管理するドルトコロニーへ向かうことにした。ドルトコロニー群に到着した際に名瀬の兄貴からテイワズの荷物を受け取り、各自別行動を取る事になった。俺たち鉄華団とジンのソレスタルビーイングはドルトコロニーの一つである“ドルト2”に寄港し、タービンズは、テイワズの支部に顔を出すべく“ドルト6”へそれぞれ向かう事になった。ドルト2に寄稿した俺はユージン達をつれてテイワズから預かった荷物を届ける為にドルト2へ。クーデリアやフミタン、アトラにイザベルなどは食糧調達を兼ねて観光の為にドルト3へ向かった。俺たちはテイワズから預かった荷物の届け先であるドルト2の労働者組合の組合長の“ナボナ・ミンゴ”さんに引き渡して仕事が一つ終わると思った。

 

 

 

その荷物の中身が()()()()M()W()()()()()()()が保管されていなければ……

 

 

 

ナボナさんによるとどうやらクーデリアの代理と名乗る者が火星独立運動だけではなく火星に続いて他の場所でも地球への反抗の狼煙を上げようとクーデリアが呼びかけており、その為の武器弾薬を鉄華団の手を通してクーデリアが俺達に無償提供していると言ってきた。そのクーデリアの代理って奴が気になるが今はそれどころではない。俺たちはクーデリアがその様なことをする人物ではないと反論した時にギャラルホルンの警務局に所属する部隊がやって来たのである。その部隊によって労働者達は瞬く間に制圧されると思われたが、一人の労働者が俺たちが中身が知らないうちに持って来てしまった重火器を取り出し、引き金を引いたことにより銃撃戦が始まってしまった。

 

結果的にギャルホルンは撤退し、労働者達は仮初めの勝利に浸ってしまう。俺はイサリビにいるメルビットさんに連絡し、イサリビをコロニーから出す様に指示をする。浮き足立つ労働者達…クーデターの首謀者達を遠目と見守りつつ、オルガは次の動きを考え始めるのだった。

 

 

「…どうすんだよ、オルガ?」

 

「…あぁ。どうするかだな」

 

 

その後は色々とあった。ビスケットとアトラが捕まったことやクーデリアとフミタンが行方不明になったり、クーデターと化した労働者達がドルト3へ向かった結果ギャラルホルンによって鎮圧と言う名の虐殺を行ったりと最悪なことが起きた。そんで最も最悪なことはフミタンがクーデリアの命を狙おうとした暗殺者の狙撃から守ろうとクーデリアを庇い、死亡した。その際に俺たちはクーデリアと合流してイサリビに戻ろうとしたがコロニーの宇宙港は閉鎖されていた。スクリーンではクーデター達が武装した小型コンテナ船やMSを使って宇宙にいる月外縁軌道統制統合艦隊“アリアンロッド”に向けて進軍していた。ギャラルホルンがクーデターの鎮圧が終わるまで港は閉鎖は解けないそうだった。そんな悠長に待っている暇はねえ。俺たちは別ルートを探そうとした時に偶然ドルト3の武装デモを中継していた報道機関「ドルトコロニーネットワーク」のディレクターとアナウンサーとカメラマンと遭遇した。そして俺たちは彼らの協力を仰ぎ、何とか報道機関用のランチに乗り込むのであった。

 

 

オルガSide out

 

 

 

俺はボードウィン特務三佐と共に鉄華団がいると思われるドルトコロニーに足を運ばせたのは良いものの、そこでは労働者達によるクーデターが発生していた。そのコロニーにいるギャラルホルンはそのデモ隊を鎮圧する為に部隊を派遣した。そしてそのデモ隊はギャラルホルン鎮圧部隊と接触したがどちらとも手を出さずにいた。その時、突如とドルト本社に爆発が起きた。それを合図にギャルホルン鎮圧部隊はデモ隊による攻撃行動と受け取り、虐殺という名の鎮圧を開始する。まるでこちらに事が進んでいるかの様にであった。

 

 

「これは……!」

 

「随分杜撰なシナリオだな…」

 

「大義名分としては十分でしょう。情報操作は、後でいくらでも出来る。我々はギャラルホルンなのですから」

 

 

艦長の言葉に特務三佐は苦虫を噛み潰した様な表情をしていた。その時に俺は休暇の時に出会った少年の言葉を思い出した。

 

 

“どちらにも“正しい”と思っているからだ。俺個人的には双方とも対話をしなければ分かり合えないと思う。人は生きようと頑張っている。だが、人によってはすれ違うことがある。それぞれになまじ知性があるから些細なことを誤解する。それが嘘となり、人を区別し…分かりあえなくなる”

 

 

確かにあの少年が言っていた様に自分たちが正しいと思っているから今のデモ隊の様に反発し合い、人を区別し、分かり合えなくなっている。だが……自分たちのやっている事はどうだ?大義名分があれば人を、こうも簡単に虐殺を許せるものなのか?いやっそれは俺が、特務三佐が望んでいない事だ。そうも考えているうちにコロニー周辺から武装した小型コンテナ船やMS達が出撃して来た。それに対応する為に暴動鎮圧に来たアリアンロッド艦隊がMSを展開させ、敵武装勢力を制圧を始めた。しかし、コロニー側のMSや小型コンテナ船は何かしらの不具合が発生したのか反撃が出来ずにいた。その証拠に武装勢力からオープンチャンネルで悲鳴や断末魔などの声が飛び交っていた。

 

 

「どうやら武装勢力の迎撃が始まった様ですな」

 

「迎撃?()()の間違いだろうが」

 

「虐殺……」

 

「あぁ。挑発して牙を剥かせ、ギャラルホルンの使命である平和維持の名の下に粛清する。わざわざ、使い物にならない武器まで与えてな。全く、統制局らしいやり方だ」

 

 

特務三佐は俺に説明しながらも無抵抗のMSや武装した小型コンテナ船が堕ちていく所を嫌そうな表情をして見ていた。

 

 

「特務三佐、この状況ならばMSを出しても問題にならないかと」

 

「バカを言え!これこそがマクギリスの言う、今の腐ったギャラルホルンの実態だ。こんな卑劣な作戦に参加出来るか!」

 

 

確かに、ボードウィン特務三佐の言う通りいくら武装勢力とはいえ無抵抗の人間を殺すのは俺自身は嫌だ。それは特務三佐も同じ考えだ。しかし、何も出来ないというのは何とも腹立たしい。俺はただ無抵抗の人間が虐殺される光景を見るしか出来なかった。

 

 

アインSide out

 

 

 

女神アストレアに問いをかけようとした時に俺の意識は途中で途切れてしまい、次に目を覚ました時には医務室の再生医療ポッドに入っている状態であった。

 

 

「ここは……戻って来たのか?」

 

「どうやら無事に起きた様だね、ジン」

 

 

その時に医務室にいたレオンがいた。どうやら俺が意識を失っている間レオンが看病していた様だ。一体何日が経過したのか気になるが、それよりも船内の様子が慌ただしかった。

 

 

「レオン、今の状況はどうなっているんだ?」

 

「自分の事より相手の方が心配かい?まぁ、それはいいとして状況は厄介な事態になっている。僕たちはドルトコロニーに着いたのはいいけどそのドルトコロニーは今クーデターが決起してギャルホルンがそのデモ隊でもある労働者達の鎮圧を行っている」

 

「何っ!?……確かか?」

 

「あぁ。それと、残念な知らせがある。クーデリアの側近であるフミタンが死亡した。クーデリアを暗殺しようとした者の狙撃をフミタンがクーデリアを守ったんだ」

 

「そう……か」

 

 

どうやら俺は長い間意識を失っていた様だ。この世界の物語は少しずつなのか修正されつつあった。その証拠に俺が長い間この世界に干渉しなかった結果、フミタンは物語の展開(シナリオ)によって殺されたのだった。俺は直ぐに再生医療ポッドから出る様に身体を起こしてパイロットスーツに着替える。

 

 

「……まさか、もう出る気なのかい?」

 

「あぁ、このままだと鉄華団や俺の仲間達が危険だ」

 

「無茶だ!君の身体はまだ回復したばかりだ!今はまだ安静にして……」

 

「そうしている間にもっと多くの命が消えていく!例えこの程度の怪我でも、俺は行くぞ!」

 

 

レオンの静止を振り切り、俺はMS格納庫に向かう。後々分かってきたのだが、どうやら俺はハンマーヘッドにMSごと収容されたようだ。そう考えながらもMS格納庫に到着し、そのままアストレアに乗り込んで出撃体勢に入る。その時にタービンズのブリッジクルーである“エーコ・タービン”が通信してきた。

 

 

『ちょっとジン君!?貴方まだ傷が治ってないのよ!そんな状態で出撃したら……』

 

「…すまないが、時間が惜しい。問いを返す暇はないんだ。一応先に謝っておく、すまない」

 

『ちょっと!?待っt……』

 

 

こちらから通信を切り、俺は今のアストレアの装備を確認したがGNソードⅡが二本だけであった。

 

 

「武装はこれだけか。まぁここはガーベラの船内(なか)じゃないからな。ライフルは現地調達するか」

 

 

そう言いながらも俺はMS格納庫からカタパルトまで運ぶ様に遠隔から入力し、俺はカタパルトから出撃するのであった。

 

 

「名瀬さんにはすまないが、今回は緊急時だ。……固定用ロック強制解除!」

 

 

アストレアの足を固定していたロックシステムを強制解除し、背部のスリースラスター型のGNドライヴからGN粒子を放出し、そのままドルトコロニーの方へ向かうのであった。

 

 

仁Side out

 

 

 

僕の静止を振り切り、ジンはアストレアの方へ向かってしまった。まだ完治してもいない状態なのに……。そう思いながらも僕はサダルスードに乗り込み、玲奈と共にアストレアの後を追うことにした。因みに玲奈はブルワーズの戦いの後、何とか気持ちを立て直していつもの玲奈に戻った。

 

 

「全く……滅茶苦茶な人だね、君は。名瀬さん、ジンがまだ傷が癒えてないのにも関わらず出撃した。今から僕たちはソレスタルビーイングと合流する」

 

『やれやれ……お前さんの嫌な予感は的中した訳か。まぁ、お前さん達との契約は此処までだからな』

 

 

ドルトコロニーでクーデターが起きる前に僕は嫌な予感を感じ取った。その事を名瀬さんに連絡したが既に遅かった。ドルトコロニー内では労働者達が武装決起してギャラルホルンによって虐殺に近い鎮圧によって制圧されるのであった。そして前々からタービンズに協力関係はここまでにして僕たちはジンを筆頭に組織されたソレスタルビーイングに参加する事にした。なお、当の本人であるジンの許可はもらっていないが、ソレスタルビーイングのリーダー代理であるオリバーから許可を得た為、この騒動が収まってから話そうと思う。

 

 

「色々と世話になったね。とは言っても永遠の別れじゃないけどね」

 

『お兄ちゃん、こっちは準備オッケーだよ!』

 

「分かった。それじゃあ名瀬さん、またの機会に」

 

『あぁ、それじゃあな』

 

 

そう名瀬に一時的な別れを告げた後に僕はジンから提供されたNGNカービンMk-Ⅱを装備してそのまま玲奈が駆るプルトーネと共にジンのアストレアの後を追うのであった。

 

 

「それじゃあ……行こうか、玲奈」

 

『うん!お兄ちゃん、行こう!』

 

 

その言葉を皮切りに背部のGNドライヴからGN粒子を放出し、ジンが向かったであろうドルトコロニー宙域に向かうのであった。

 

 

レオンSide out

 

 

 

ドルトコロニー宙域に到着した時には既に此処は一種の地獄と化していた。武装勢力のMS達が無抵抗のままギャラルホルンのMS達によってじわじわと嬲り殺されていた。この世界の物語のシナリオ通り多数の人がギャラルホルンの平和維持という大義名分の名の下に虐殺される。このギャラルホルンの行動に怒りを覚えたが、だからと言って下手にギャラルホルンという組織を壊滅させたら世界のバランスが崩壊し、永久に平和が訪れなくなってしまう。例えギャラルホルンの裏工作によって何も抵抗できない武装勢力を助けたとしてもそれは俺自身の自己満足のための偽善と世間から言われるだろう。……だが、そんな事はどうでもいい。あの時に俺は腹を括ってこの世界の歴史(物語)と向き合うと決めたのだ。

 

 

「……あの時に鉄華団を助けた時点で賽は投げられたんだ。だからこそ、俺はこの世界の歴史と向き合う。鉄華団を、彼らのような孤児たち(オルフェンズ)を救う為に……俺は戦う!」

 

 

女神アストレアが言っていたその舞台裏の黒幕であろうリボンズ達が何を企もうと俺は……俺たちは戦う。戦いきってみせる!

 

 

仁Side out

 

 

 

我々ギャラルホルンはドルトコロニーで武装決起した敵勢力の掃討に移っていた。そして敵はどういう事なのか武装勢力のMS達がその場で静止して動かなくなったのだ。どうやら武装決起したのは良いがMSの整備が出来てない状態で出てきたようだ。何かと状況と都合が出来すぎている気が知れなくもないが、こちらとしては都合がいい。我々は動けなくなった武装勢力を制圧していく。

 

 

「よし。第1、第2部隊は引き続き残存する武装勢力を制圧しろ。残りの部隊は…『隊長、レーダーを!味方部隊が…!』何っ?……これは!?」

 

 

味方からの通信通りレーダーを見てみると、味方機のシグナルが次々と“LOST”という表示が浮かび上がっていた。その味方機が消失した方角は第1部隊と第2部隊の方だった。第1部隊の味方のシグナルは5〜10秒辺りで一機ずつ味方機のシグナルが消失していった。そして第2部隊の方は異常だった。その第2部隊の味方機は2〜6秒辺りで一機ずつシグナルが第1部隊より早く消失していた。するとセンサーが何かを探知したのか接近警報が鳴った。

 

 

「接近警報?何処から……がっ!?」

 

 

瞬間、私が乗っていたグレイズに衝撃が走る。私はすぐ何があったのか確認するために機体状況を確認してみると右腕部の右手首に異常が生じていた。それを確認してみると、私が乗るグレイズの右手から右手首まで綺麗な断面を晒して切られていたのだ。

 

 

「こ、これは…!も…MSの装甲をフレームごと……!?」

 

 

レーダーには敵機の反応がなかったものの、接近警報だけなった事に不自然さを覚えながらも全周囲を確認する。するとメインカメラを通してMSを目視で確認した。そのMSはグレイズよりもシャープで一番人型に近い機体でもあり、そのMSのスラスターから光の粒の様な粒子を放出する未知のMSデあった。

 

 

GH兵Side out

 

 

 

一方的な虐殺を続けるギャラルホルンのグレイズをGNソードⅡで斬り裂き、行動不能や撃破などして次々と敵を蹴散らした。そして敵の指揮官機でもあるグレイズの右腕を斬り飛ばした。その後にレーダーや周囲を確認して残存する敵MSとギャラルホルンの裏工作によって行動不能状態になっている労働者達のMSを確認する。

 

 

「アストレア、紛争を確認。根絶する…!」

 

 

そして俺はもう一つのGNソードⅡを抜刀し、敵MSの方へと突貫する。敵MSのフレームの胴体を斬り裂き、上半身と下半身を真っ二つにしたり、または敵MSのコックピット部分を突き刺したりして確実に敵を撃破していった。残った敵は俺の戦い方を見て恐怖を抱いたのかその場から逃げるかの様に撤退していった。

 

 

「敵は引いたか。……そう言えば、鉄華団やオリバー達はどうなった?」

 

 

俺はレーダーを確認して見ると、そこには三日月が駆るバルバトスのシグナルがあった。俺は直ぐに三日月と合流するべくこの場から離れた。その時に何者かがこちらを見ていた事を今のジンは知る由もなかった。

 

 

仁Side out

 

 

 

武装勢力を制圧しているアリアンロッドのMS隊に異常が生じた。それはアリアンロッドのMSが次々と撃破、行動不能になっているのだ。モニターで確認して見ると、そこには忌々しい宇宙ネズミのガンダム・フレームと、エンジェルの姿があった。

 

 

「アレが例の特務三佐が探しておられた機体なのでは?」

 

「くっ…!本意ではないがこの機会は逃せん、行くぞアイン!」

 

「はっ!」

 

 

そうして俺たちは艦橋を後にし、パイロットスーツに着替えた後にボードウィン家に伝わる秘蔵のMSであるガンダム・フレーム“キマリス”に乗り込み、そしてアインは俺が使っていたシュヴァルベに乗り込むのであった。

 

 

「エンジェルに宇宙ネズミ。この前の借りを変えさせてもらうぞ!ガエリオ・ボードウィン。キマリス、出るぞ!」

 

 

そして俺は宇宙ネズミとエンジェルに引導を渡す為に出撃するのであった。

 

 

ガエリオSide out

 

 

 

オルガの指示でバルバトスを積んだクタンがやって来たのを確認して俺はバルバトスに乗り込んだ。その時に俺は何かとイライラする様な気持ちになっていた。どうして俺はイライラしているのか分からなかった。その考えは後回しにして今はオルガ達がイサリビに合流する為に出来るだけ敵をこっちに引きつける為に次々と敵を倒していった。ある時はメイスで叩き潰し、またある時は滑腔砲で行動不能にさせる。その時にオルガ達が乗るランチがタイミングを見計らってコロニーから出て合流ポイントに向かっていた。

 

 

「オルガは出たか……んじゃもう一仕事!」

 

 

俺は新たに来た敵がオルガの方に向かわせない様により敵を落としていった。すると一体のMSがバトルアックスを手に背後から攻めて来た。

 

 

『もらった!この間合いなら…』

 

「っ!……?」

 

 

そのMSはバトルアックスを振るおうとする前にそのMSの腕をマニピュレーターで受け止めようとした時にそのMSの上半身と下半身が真っ二つになった。そのMSが真っ二つになった原因はすぐ近くにいた。それは光の粒の人が乗るMSだった。

 

 

『三日月、無事か?』

 

「うん、助かったよ。ありがとう……!」

 

 

するとセンサーに何かが急速に接近して来た。俺たちは一旦離れて距離を取ると、俺たちがいた場所を一機のMSが通過した。その時に俺はそのMSの姿がバルバトスとそっくりな機体を目視した。

 

 

「あの機体…」

 

『アレは……ギャラルホルンのガンダム・フレーム、“キマリス”か!』

 

『この出力、この性能予想以上だ!ま、それでなくては骨董品を我が家の倉から引っ張り出したかいがない!』

 

 

そのMSは急旋回して再び突っ込んで来た。その際にもう一機のMSがやって来た。それはチョコの隣の人が乗っていた機体だった。すると光の粒の人から通信が入った。

 

 

『三日月、あのシュヴァルベは任せろ。お前はガンダム・フレームを!』

 

「分かった。そっちは任せるよ」

 

『ほう、二手に分かれたか。ガンダム・フレーム…貴様には過ぎた名だ。身の程を知れ、小僧っ!』

 

 

そうして二手に分かれて俺はあのガンダム・フレームを相手にするのであった。

 

 

三日月Side out

 

 

 

ドルトコロニーから離れた宙域で、ある一つの船が静かにこの戦闘を見守っていた。その戦闘を見守っていたのは仮面の男であった。その男はガエリオが駆るキマリスを見ていた。

 

 

「ASW-G-66“ガンダム・キマリス”。…ガエリオめ、ボードウィン家秘蔵の品を持ち出して来たか。既に風化した伝説とは言え、嘗てはギャラルホルンの象徴として世界を守った機体同士が戦うとは……皮肉なものだな。それに対し、天使というコードネームを付けられたエンジェルは、かの悪魔の名を持つガンダム・フレームと共に戦うとは。存外…あのエンジェルは天使の名ではなく、別の存在の名かもしれんな」

 

「旦那、どうしいたしやす?」

 

「このまま見届ける。時か来たらこの場から離れる」

 

 

側に立つチョビ髭は“そうであって欲しいんですけどねぇ…”と呟きながらもこの戦いを見届けるのであった。

 

 

「……さて、君は動くのかな?エンジェル」

 

 

そう言いつつもジンが駆るアストレアをみて仮面の男こと、“モンターク”はこの戦いを見届けるのであった。

 

 

モンタークSide out

 

 

その頃、地球で暗躍しているリボンズはイズナリオから休暇を貰い、彼の本拠地である場所に戻っていた。そこでMS製造プラントとして使われているジンが所有するGシステムの二号機“G02”を使って新たなMSを製造していた。

 

 

「……まさか僕がこの機体を使う事になるとはね」

 

 

リボンズが製造していたのは嘗てリボンズと同じ同型のイノベイターであり、謀反を画策した“ビサイド・ペイン”が使用していたリボーンズガンダムの原型機となった機体“1ガンダム”であった。

 

 

「ジン・工藤。君がどの様に世界と向き合うかは勝手だが、人類を導くのは僕たちイノベイターだよ。……さて、君たちもそろそろ動いてもらおうか?」

 

 

そういって後ろを振り向くとリボンズと同じイノベイター達がいた。

 

 

「分かってますよ、リボンズ・アルマーク」

 

「ようやくアタシ等の出番って訳ね?」

 

「すべてはイオリアの計画の為に…」

 

 

薄い紫の髪の“リヴァイブ・リバイバル”

 

 

黄緑色の髪の“ヒリング・ケア”

 

 

赤い髪の“ブリング・スタビティ”

 

 

リボンズの部下であり、イノベイターである彼らは次なるアクションの為に行動に出る為にこの場から離れるのであった。そしてリボンズは、パイロットスーツを着て1ガンダムに乗り込むのであった。

 

 

「さて、この機体のデータを蓄積する為に少し身体を動かさないとね?1ガンダム。リボンズ・アルマーク、行く!」

 

 

そうしてリボンズは1ガンダムのデータを取る為にドルトコロニーに向かうのであった。そしてその1ガンダムの後を続く様にリヴァイブ達の機体もドルトコロニーへと向かうのであった。

 

 

 






ジンが目覚めた時には既にドルトコロニーは戦場と化していた。ジンは鉄華団と合流し、何とかドルトコロニーから脱出を試みる。しかし、ジン達の前にあの男が立ちはだかる。


次回、『革命の乙女』


彼女の声に、世間は動き始める。

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