鉄華を救う正義の女神(一時休止中)   作:コレクトマン

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ギャラルホルン

 

 

イザベルとファーランを仲間にしてから3ヶ月……

 

 

この3ヶ月で色々とあったが、多くの仲間を迎え入れた。仲間は3ヶ月前にイザベルたちを連れ戻そうとした海賊エスメラルダに所属するヒューマンデブリが乗っていたスピナ・ロディのパイロットの二人“ヴィダ”と“ギルバ”。最初はイザベルたちが彼らを説得したのだが、仲間になることを否定していた。仲間を殺した仇である男の下に付くのは俺でもごめんでもある。仲間になることを拒んだ二人を此処(基地)に居させても意味はないと判断した俺は船を用意しようとした時に先程基地に攻撃を仕掛けてきた強襲装甲艦この基地に戻ってきたのだ。その強襲装甲艦なのだが、どうやらヒューマンデブリの持ち主であろうローガンという男は死んで強襲装甲艦に残っている大人たちがローガンが死んだことで指揮系統が乱れて俺たちの基地から逃げた後に今後の方針を決めようとした時にヒューマンデブリたちが反乱を起こし、その結果ヒューマンデブリたちは強襲装甲艦を手に入れて俺たちの基地に再びやってきたという訳だ。

 

そんな彼らが来たというのはイザベル達と同様に雇って欲しいそうだ。その人数はざっと十人前後の構成員たち。他の者達は火星に向かい、そこで強襲装甲艦を売り出して火星自治区で真っ当な商売をするつもりらしい。何人かは個人商店で丁稚奉公になるそうだ。そしてヴィダとギルバも彼らと共に火星に行くと決めたそうなので引き止めはしなかった。その時に俺はそれだけでは足りないと思い、俺が倒したスピナ・ロディ八機全て彼らに渡した。彼曰く、MSでもジャンクになったとしてもかなりの額で売れる筈だそうだ。そうして彼らは俺が倒したMSを受け取った後に強襲装甲艦で火星に向かっていった。その時に俺たちは基地の中から彼らが無事に火星につけることを祈って見送った。

 

 

 

彼らを見送った後に基地のGシステムを使って()()()のパーツを作って、それを組み立てていた。それはMSの運用を前提にした航宙巡洋艦の生産である。その名は“ヴォルガ級航宙巡洋艦”。その巡洋艦はガンダムOOの世界のバイカル級航宙巡洋艦を改修した巡洋艦で主な改修点は船体の後部にMS格納庫やGNコンデンサー、ブースターなどを搭載した増設ユニットの増築である。

これを生産するのに莫大なキャピタルを消費したのはかなりの痛手であった。なお、前の戦闘でキャピタルがMS一機分買えるくらい稼げたそうだ。なので初期のキャピタルを足してヴォルガ級航宙巡洋艦を生産することが出来たのである。

 

一応この巡洋艦はあくまで推進剤で動いているので擬似太陽炉ことGNドライヴT(タウ)は取り付けてはいない。だが、GNミサイルに必要な擬似太陽炉から生成されるGN粒子が必要な為に基地のある区画にはミサイル用のGNコンデンサーに溜め込む用の隔離区画を設営し、俺以外が間違って入らないよう厳重にセキュリティを強化した。その隔離区画で擬似太陽炉から生成されたオレンジ色寄りの赤いGN粒子をGNコンデンサーに満タンになるようにハロに任せている。因みにこの基地にいるハロは色とりどりあってざっと30体くらいもいた。ファーランがオリジナルの太陽炉のGNドライヴの秘密を知りたがっていたり、イザベルは色んなハロと遊んでいた。他にも新たなに入った仲間たちは基地の仕組みを知る為に俺が渡した書類を読み通していた。そんな日常みたいな感じな日々を過ごしていたのであった。

 

 

 

そして今現在に至り、俺は自分の部屋でパソコンと睨めっこしながら巡洋艦の完成度やMSの改造プランを確認していた。

 

 

「……思った以上に難航しているな。やっぱりGシステムで巡洋艦のパーツや専用の区画ブロックの生産となるとこうも時間がかかるか」

 

《ジン、修復終ワッタ!修復終ワッタ!》

 

「おっ…そうか。ご苦労さん、ハロ」

 

 

ハロがいう修理というのは大破したシュヴァルべ・グレイズの修復である。あの機体は機体状態が軽いものの、MSの心臓ともいえるコックピットを俺が完全に破壊した為にコックピットブロックを取り替える作業と同時にイザベルかファーランのどちらかに乗せる為に阿頼耶識システムを組み込んだコックピットブロックをシュヴァルべに取り付けや右腕のフレームの修復が完了したのであった。

 

 

「イザベルかファーランのどちらかにこのMSを乗せておくか。だが、このシュヴァルべには改修の余地があるな」

 

 

そこで俺は思いついた。シュヴァルべを俺独自の改造プランで改修することにした。しかし、その肝心な改造に必要な資源が足りて居ないことに変わりはなかった。なので俺は再び資金調達を行う為にアストレアに乗ろうと格納庫に向かっていった。格納庫に向かっている時にファーランとすれ違った。

 

 

「おっ…ジン!丁度良いところに……」

 

「ファーランか?どうした?」

 

「イザベルの姿が見当たらないんだが、ジンは何か心当たりはあるか?」

 

 

どうやらファーランがイザベルのことを探しているようだ。彼女がこの基地に住み着いてから3ヶ月も経ったというのにまだ基地内の区画を把握していないのか?いやっ……彼女なら恐らく何時ものようにハロ達がいるハロ用のメンテナンスルームにいるかもしれない。

 

 

「イザベルが…?いやっ俺は見ては居ないが……恐らくハロ達のところにいるんじゃないか?」

 

「そうか?まぁ……後でそこに訪れてみるよ。それで、ジンは今から何処へ?」

 

「いつも通りに資金調達のためにジャンクMSか廃艦でも探すさ」

 

 

そういって再び格納庫へ向かう俺。そして格納庫に到着した時にその場に居たハロに武装を頼んだ。

 

 

「ハロ、今回も資金調達に向かう。武装をできるだけ実体兵器だけにしてくれ。この世界じゃビーム兵器はロストテクノロジーだからな」

 

《了解!了解!》

 

 

そういって俺はハロと一緒にアストレアのコックピットの中に入ろうとコックピットを開けるとそこにはイザベルが座って居た。

 

 

「あっ……兄貴……」

 

「イザベル……?何でここに?」

 

《イザベル、探してた!探してた!》

 

「あぁ…ハロ、ファーランには内緒な?それと兄貴、頼みがあるんだ!」

 

「頼み…?」

 

「アタシもこいつに乗りたい!」

 

 

どうやらイザベルは俺と一緒にアストレアに乗りたかった様だ。しかし、アストレアは一人用のMSである為に一緒に乗ること出来るが戦闘に支障が出るので無理だ。

 

 

「イザベル、俺は今から資金調達に向かうから今は無理だ。だからそれは明日にしてくれ」

 

「うっ……そりゃないよ兄貴」

 

「大丈夫だ。明日になったらアストレアに乗せてやるから」

 

「えっ?本当か兄貴!?」

 

《約束!約束!》

 

「ハロ……分かったよ、兄貴。だけど、約束だぜ!絶対に乗せてくれよ!」

 

「あぁ、約束だ。だから一旦降りてくれ」

 

 

イザベルがアストレアに降りた後に俺は乗り込み、そのまま武装を装着する。今回は遠くまで行くつもりなのでアストレアの存在を隠す為に頭部には仮面型センサーマスクを装着させ、武装は海賊が使用していたMSの中に90mmサブマシンガンがあったのでそれを使用し、接近戦にはダブルオーガンダムの武装であるGNソードⅡを装備する。

 

 

「ハロ、GNソードⅡはソードモードのままで固定してくれ。ライフルモードじゃビーム兵器だと直ぐにバレてしまう」

 

《了解!了解!》

 

「そんじゃあ…ジン・工藤、ガンダムアストレア。捜索行動に入る!」

 

 

カタパルトから射出され、俺が乗るアストレアは資金調達の為に残骸と化したMSや戦艦を探しに出かけるのであった。

 

 

 

小惑星基地から出てから1時間……

 

 

 

俺は現在ある火星付近の小惑星帯にてMSか戦艦の残骸が無いか阿頼耶識を通して網膜投影で映し出される宇宙空間を見渡していた。しかし、周りをいくら見渡してもそれといった残骸らしきものは確認できなかった。

 

 

「ここにMSや戦艦らしき残骸はなし……か。となると不味いな……船を生産してからキャピタル不足に悩まされているというのに……このままじゃ資金もキャピタルも回収できないぞ」

 

 

かなりの資金・キャピタル不足に危機感を抱いていた俺にハロが何かを検知した。

 

 

《ジン、センサーニ反応!センサーニ反応!》

 

「何っ?…10時と45度の方角か」

 

 

俺は網膜投影越しにその方角を向けて頭部カメラのズーム機能と連動してよく見てみると、そこには無数の閃光が光ったり消えたりして、その閃光の端にはギャラルホルンのハーフビーク級戦艦が三隻とビスコー級クルーザーが一隻を目視で確認した。

 

 

「アレは……ギャラルホルンか?なんでギャラルホルンが此処に?」

 

《戦闘中!戦闘中!》

 

「戦闘?……アレか」

 

 

俺はハロが言う戦闘の光の方を見てみると、そこにはギャラルホルンの主力MS“グレイズ”が敵であるヘキサ・フレームの“ジルダ”とスピナ・ロディの部隊と交戦していた。ジルダとスピナ・ロディは滑らかな動きと少し素人感がある連携を取りつつもグレイズに挑むものの、グレイズの部隊の方が練度の差がありすぎる為かグレイズを倒すのにジルダとスピナ・ロディが一体ずつ倒されるのであった。

 

 

「動きからしてヒューマンデブリを使用している海賊がギャラルホルンに喧嘩でも売ったのか?にしても、これじゃあ……あまりにも一方的だな。かといって迂闊にあの戦闘に参加するわけにもいかない。どうしたもの……っ!」

 

 

俺の第六感が何かを感じ取ったのか、俺は咄嗟にアストレアをMSが隠れられる位の大きい岩に身を隠した。俺は岩越しに俺がいた場所を見渡していると、そこにいたのは偵察仕様に改造されたグレイズ二機の姿があった。

 

 

「アレは、偵察用に改造されたグレイズか?……となると不味いな。こちらの姿を見られた可能性がある」

 

《ドウスル?ドウスル?》

 

「どうするも何も、彼奴がここから去るまでじっと待つしかない。ハロ、GNステルス起動だ」

 

《了解!了解!》

 

 

ハロにGNステルス*1を起動させる様、指示を出して偵察仕様のグレイズ達が何処かに行くまで姿を消すのであった。

 

 

ジンSide out

 

 

 

俺こと“ガエリオ・ボードウィン”は友である“マクギリス・ファリド”と共に監査局からの指令の下、ある宇宙海賊の討伐に来た。しかし、その宇宙海賊の討伐中に偵察に出ていたグレイズが見慣れぬMSを検知したとの情報が入ってきた。偵察隊から送られるその時の映像を見てみると、そこには俺たちが知らないMSが存在していた。その姿はグレイズよりもシャープで一番人型に近い機体でもあり、そのMSのスラスターから光の粒の様な粒子を放出していた。

 

 

「俺たちですら知らないMSか……一体何処のMSだ?」

 

「分からない。だが、あのMSは海賊のものではない様だ。それと、スラスターから放出される粒子の存在も気になる」

 

「そうだな……一度偵察隊にそのMSを捜索を頼むか?」

 

「いや……ここは我々で調べよう。その存在が海賊のものかどうか調べる必要がある」

 

「そうか……じゃあ、俺たちも出るとしよう」

 

 

そう言って俺たちはブリッジを後にし、パイロットスーツを着替えた後にそれぞれ自分のMSに乗り込んだ。そしてハッチが開いてMSが発進できる様になった。

 

 

「謎の粒子…か。それがどんなものか見極める必要があるな。ガエリオ・ボードウィン、シュヴァルべ・グレイズ。出るぞ!」

 

 

謎の粒子を持つ未知のMSを見極める為にレバーを動かし、バックパックのスラスターと背後腰のバーニアを吹かしてそのMSがいたポイントに向かうのであった。

 

 

ガエリオSide out

 

 

 

ガエリオが先に出撃する中、私は謎の粒子を出すMSのことを考えていた。

 

 

「偵察隊から送られた映像……厄祭戦において活躍された機体“ガンダム・フレーム”と非常に酷似している。頭部のブレードアンテナ、素性を隠していると思われる仮面型のセンサーマスク……恐らくその仮面の裏にはガンダム・フレームと同様のデュアルアイカメラ。これは偶然と言葉で片付けるにはいささか情報が足りない。ここは打って出るか。マクギリス・ファリド、シュヴァルべ・グレイズ。出るぞ」

 

 

マクギリスはガエリオの後を追う様にスラスターとバーニアを吹かして謎のMSがいたポイントに向かう。先行していたガエリオと合流を果たし、偵察隊が目撃したポイントに到着する。

 

この時に私はカメラを通して映るモニターを確認するもそれといった痕跡らしきものがなかった。

 

 

「妙だな……偵察隊が目撃してからそんなに時間は経ってもいない筈だ。なのに痕跡らしきものがない?」

 

『マクギ………そっ……うだ?……か見つ……か?』

 

「これは……エイハブ・ウェーブか?待て、ガエリオ。今LCSを最大にする」

 

 

私はコックピットにあるパネルを操作してLCSを最大出力にして、どうにかガエリオが乗るシュヴァルべとの通信状態を改善した。

 

 

「これで多少は聞こえるはずだ。そっちはどうだ?」

 

『待て、こっちも………良し。微調整で何とか聞こえるぞ』

 

「そうか。……しかし、先ほどの通信不良、エイハブ・ウェーブとは違う何かの様だったが……」

 

『エイハブ・ウェーブ以外の通信不良?ナノミラーチャフを使っている訳じゃあるまいしそれはありえないだろう?』

 

 

私はエイハブ・ウェーブ以外の技術。つまり、厄祭戦によって失われたロストテクノロジーという可能性を考慮して見たが、ガエリオはそれはありえないと言ってその可能性を否定した。

 

 

「だと良いが………ん、センサーに反応?これは……」

 

 

別の可能性を考えようとした矢先にセンサーが何かを感知したのかその方角に向けると、そこにはMSが隠れられる位の巨大なデブリであった。ガエリオは私が急に向きを変えたことに気づいて通信越しで気にかけてきた。

 

 

『どうした……?マクギリス』

 

「いやっ……センサーが何かを感知した様だったが気のせいだった様だ」

 

『そうか……一体何だった……っ!?おいっマクギリス!』

 

「ガエリオ?どうした……っ!」

 

 

ガエリオは私よりも先にデブリの異変に気づいた。私が見た巨大なデブリから僅かだが、偵察隊が送られた映像にあった謎の粒子が微量に出ていたのだ。

 

 

『マクギリス……恐らく偵察隊が見た謎のMSかもしれない』

 

「あぁ……センサーに何かしらの反応があったのはこれだったのか。しかし、何かが変だ」

 

『変…?どういうことだ?』

 

「MSや船といった動力源はエイハブ・リアクターという半永久機関を使用していることは解るな?そのセンサーからはエイハブ・ウェーブが感知されなかったのだ」

 

『何っ!?それではリアクターではない何かの未知の動力で動いているとでも言うのか?』

 

「あぁ……しかし、厄祭戦によって失われた技術がここに存在しているという仮説が立つ。となると、今我々が見ているものはあるいは……っ!」

 

 

ある程度の仮説や可能性のことをガエリオに伝えていると巨大なデブリの裏から一機のMSが出てきた。武装は所持していたが、特に気になったのは腰部に剣と銃を一体化させた武装が印象的だった。そして何よりもそのMSの背部スラスターらしき所から緑色の粒子を放出していた。

 

 

『マクギリス……どうやら奴が…』

 

「あぁ……我々が探してたものが直々に姿を現してくれた様だ。しかし、あの姿……まるで天使だな」

 

『天使……?お前からそんな言葉が出るなんてな……っ!』

 

 

ガエリオと通信している時にセンサーが我々の背後からMS三機を捉えた。我々がその方に向けるとそこには敵海賊団のMSであるジルダ一機とスピナ・ロディ二機の姿があった。恐らくあのジルダは指揮官機と見て間違い無いだろう。

 

 

『敵だと…!?一部がこちらに気づいたのか!』

 

「どうやら違う様だ。あちらはあのMSがギャラルホルンの新型と思い込んでいる様だ。だが、交戦は避けられないだろう。ガエリオ、援護を……っ!?」

 

 

行動に出ようとしたその時、その謎のMSが私たちを無視して手に持つサブマシンガンで海賊のMSと真っ向から迎え撃った。

 

 

マクギリスSide out

 

 

 

マクギリス達が来る2分前……

 

 

 

俺がギャラルホルンのMSに捕捉されて2分が経過した。俺を捕捉した偵察隊が撤退していった。その時に俺は頃合いと思いこの場から離脱しようとした矢先にセンサーが新たなMSの反応を捕捉した。俺はデブリ越しに隠れながらもそのMSの正体を確認する。そのMSの正体は厄介なことに俺が知っている機体であった。

 

 

「青と紫のシュヴァルべ…!マクギリスとガエリオの機体か……!」

 

《ドウスル?ドウスル?》

 

「どうするもこうするも……いずれ二人にここに俺やハロがいることがバレるのも時間の問題だ。ハロ、GNステルスを解除後に90mmサブマシンガンの火器制御システムをオンライン。相手が仕掛けくる気なら応戦する!」

 

《了解!了解!》

 

 

GNステルスを解除した後に俺は二機のMSの前に姿を曝す。アストレアの姿を見た二機は戸惑っていた。この世界の人間としてその反応は正しい。何せこの機体は別世界の技術、それもオーバーテクノロジーといっても過言ではないのだから。彼らの認識からすればこの世界の過去最悪の戦争である厄祭戦によって失われたテクノロジーの一つかもしれないのだから。

 

そう考えている時に二機の後方に新たなMSの反応を検知する。そこにはギャラルホルンと戦闘をしていた海賊団のMSが三機もやってきた。

 

 

「おいおい……よりによってこのタイミングで海賊かよ!」

 

《危険!危険!》

 

「出来るだけ戦闘は避けたかったがそうも言ってられない。こうなったら先ず、海賊のMSを迎撃する!アストレア、目標を駆逐する!」

 

 

俺はレバーを引いてアストレア背部のスリースラスターからGN粒子を放出させて機体を加速させ二機のシュヴァルべを通り抜け、手に持つ90mmサブマシンガンで海賊のMSに向けて二、三発弾丸を撃つ。放たれた弾丸はMSの装甲に直撃するもナノラミネートアーマーがその防御力を発揮して弾丸を弾く。俺はそのまま海賊のMSを通り抜けて背後を取った後に90mmサブマシンガンの引き金を引いた。しかし、ここで想定外なことが起こった。

 

 

「なっ……!?弾が出ない!」

 

《弾詰マッタ!弾詰マッタ!》

 

「くそ…!ならソードⅡで!」

 

 

たった二、三発撃っただけなのにも関わらず弾が詰まって使用不能になった。俺はサブマシンガンを捨てて腰部に装着しているGNソードⅡ二本を抜刀し、応戦する。すると二機のスピナ・ロディが110mmライフルで撃ちながらも接近してくる。俺はGNシールドを構えてシールドの両サイドを開き、そこから高濃度圧縮したGN粒子を高速で対流させGNシールドが収まるサイズのGNフィールドを生成してスピナ・ロディの攻撃を防ぐ。

 

このGNシールドから発生するGNフィールドは3ヶ月前に俺が前の海賊との戦闘データを元により生存率を上げるためにGNシールドに改良を加え、GNシールドが展開するとそこからGN粒子が放出させて先ほどの小さなGNフィールドが生成されるのだ。このアイデアはGN-XのGNシールドから生成されるGNフィールドの仕組みを応用して搭載したのである。

 

 

「退けっ!お前達に構っている暇は!!」

 

 

そう言って俺はGNソードⅡで手近にいるスピナ・ロディの両腕を切断した後に蹴り飛ばし、二機目のスピナ・ロディのコックピットをGNソードⅡで突き刺した後、引き抜いて装甲の隙間の腰部フレームを斬り裂く。

 

斬り裂いた後に上半身となったスピナ・ロディをジルダに向けて蹴飛ばした。ジルダは蹴飛ばされた上半身だけのスピナ・ロディを避けてこの場から逃げようとした。どうやら一瞬で僚機であるスピナ・ロディ二機がやられたことに臆病風に吹かれ、逃げ腰になったようだ。だが、俺はそれを見逃すことはなく、GNソードⅡでジルダのバックパックに向けて投擲する。ジルダのバックパックにGNソードⅡが突き刺さり、ジルダのバックパックに搭載されている推進剤が誘爆を起こして行動不能に陥る。誘爆によって抜き取れたGNソードⅡを回収し、そのままジルダのコックピット部分にGNソードⅡで突き刺す。

 

 

「よし……海賊の方はなんとかなったものの、あの二人はどう出る?」

 

 

こちらの戦闘の終わりまで見ていたシュヴァルべはじっとこちらの様子を見ていた。そして紫のシュヴァルべが先に動き出す。それに続くように青いシュヴァルべもこちらに向かってくる。

 

 

「くっ…!やはり二人の戦闘は避けられないか!くそっ!」

 

 

悪態を吐きながらも俺はジルダが持っていたライフルを拝借し、それを使って応戦する。

 

 

仁Side out

 

 

 

海賊のMS一戦交えようとした時に謎のMSが先に動き出し、海賊のMSと交戦し始めた。あの滑らかな動き……資料にあった阿頼耶識システムか?空間認識能力の拡大を謳ったものだったか……阿頼耶識システムとは。今の時代、ギャラルホルンに取って忌むべき禁忌の力でありギャラルホルンの情報統制によって使用を禁止され技術が衰退していき、オリジナルの技術が失われたと思われた。しかし、圏外圏で技術の一部は漏出されたという噂を聞いたことがある。

 

だが、私が見ているものはなんだ?たった一機で海賊のMSを腰に懸架している二本の剣だけで圧倒したのだ。その剣は独特な姿をしており刀身には銃口らしきものがあった。アレはライフルとソードの複合兵装の類であろうか?だが、そんな事はどうでもいい。あの動き……姿勢制御プログラム特有の回避パターンではない。生身のような重心制御が、回避動作を最小限に留めている。まるでアグニカ・カイエルの伝承と同じではないか…!この時の私はあのMSの戦闘データを収集する必要があると判断した。そして運が良いのかガエリオはあのMSを危険視し、ここで倒さなければならないと判断したらしい。

 

 

『マクギリス、どうする。あのMSは普通じゃないぞ』

 

「そうだな……あのMSの未知の粒子のことも気になるが、あのMSの性能を調べる必要がある。放っておけば後の憂いになる可能性がある」

 

『なるほどな、なら俺が仕掛ける。援護を頼むぞ』

 

「あぁ、任せろ」

 

 

ガエリオが先行し、私もガエリオの後の続く様にスラスターを吹かし、120mmライフルで援護射撃をする。そのMSは私たちを警戒していたのかシールドで防御しつつ海賊のMSが使用していたライフルを使い、応戦してきた。

 

 

『敵の武器を!?無茶苦茶だなあのMSは!』

 

「それだけパイロットも余裕がないのだろう。なら…!」

 

 

そういってワイヤークローを射出してあのMSの動きを制限させようとするが、そのMSは剣でワイヤークローを弾いて防いだ。

 

 

「今のを躱すか……いい反射神経だ」

 

 

私の攻撃を躱した隙を見計らってガエリオのシュヴァルべはワイヤークローを射出させ、そのMSの足に絡みつかせた。そしてガエリオはそのMSのパイロットに投降勧告を促す。

 

 

『そこのMS!大人しく投降すれば、然るべき手段でお前を処罰してやるぞ?』

 

『……悪いが断らせてもらう。()()()()()()()()()()よ』

 

「…!今の声からして…若いな。(しかし、何故彼は私たちの苗字を…?)」

 

『それがお前の答えか……なら、このまま処分させてもらうぞ!』

 

 

ガエリオはワイヤークローのワイヤーを巻き取りながらそのMSとの距離を詰めてランスユニットでそのMSに突き刺そうとする。

 

 

『くっ!俺に……触れるな!』

 

 

しかし、そのMSは向かってくるガエリオのシュヴァルべの右腕を装甲をフレームごと斬り裂いたのだ。いくらナノラミネートアーマーが許容量を超える衝撃が弱点であるとはいえMSの装甲をフレームごと斬り裂くのはそれ相応の技術がいる。例外があるなら、特殊超硬合金製の刀身を持つ剣ならMSの手足を切断することは可能である。

 

しかし、あのMSは海賊のMSの腰部フレームを難なく切断して見せたのだ。この状況の中、流石にガエリオでも面をくらった。

 

 

『何っ!?…ぐぁっ!?』

 

 

そのMSはガエリオの機体を蹴り飛ばして距離をとった。私は蹴り飛ばされたガエリオの機体を受け止めて安否を確認する。

 

 

「ガエリオ、大丈夫か?」

 

『くっ…右腕をやられただけだ。奴は?』

 

 

ガエリオの機体の右腕を切断したMSは、切断した右腕をこちらに返すように流した。そしてそのMSから音声通信が入る。

 

 

『俺はこれ以上の戦闘は望まない。そっちが仕掛けてきたから止む無く応戦した。これ以上俺に構うな』

 

 

そう言い残してそのMSは背部スラスターから未知の粒子を放出させてこの場から去った。追撃したいのは山々ではあるが、潮時でもあった。

 

 

『マクギリス、なぜ追わない?』

 

「これ以上の捜索は作戦への介入行為になる。潮時だ」

 

『くっ!結局、奴の正体が判らぬままか……』

 

「だが……あのMSはいずれまた姿を表すかもしれない」

 

『それは、お前の勘か?』

 

「さぁ?どうだろうな……」

 

 

あのMSの謎はより深まるばかりではあるが、一つの確信がある。()の求める力があのMSに集約されているのならば、俺の目的が最短で果たされる可能性があるということ。しかし、ことを急ぎすぎては仕損じる場合もある。

 

それでは意味がない。それまで俺は()()()()()()をかぶり続けよう。目的が成就されるその日まで。

 

 

マクギリスSide out

 

 

 

……正直言って焦った。まさかあの二人を相手にするなんて予想外にも程がある。その二人の相手をなんとか振り切ってこの場から離脱できたものの、今回は全くもっての草臥儲けであった。

 

 

「マクギリスにガエリオ……あの二人と一戦交えるなんてな?データ的には嬉しいが、こっちはMSが欲しいところだっていうのになぁ………」

 

《ドンマイ!ドンマイ!》

 

「そう言うなってハロ…少し傷つくぞ?……ん?アレは……」

 

 

俺はカメラにある機体が映ってそれをよく見てみるとそこには大破したグレイズが一機、この宇宙に漂流していた。

 

 

「これは……ついてるな。機体状態を見るに結構ひどい損傷だが、修理すればまた使えるはず!」

 

《ヤッタゼ!ヤッタゼ!》

 

「あぁ…漸くMSを一機手に入れたな。ミッションコンプリートだ」

 

 

そう言って俺は大破したグレイズを回収して小惑星基地に帰還するのであった。帰った後にはファーランの説教があった。なんでも一人で無理し過ぎていることについての事であった。回収したグレイズはGシステムで解体しようと思ったが、どうやらあの戦闘で思いの外にキャピタルが稼げていた様だ。その結果、Gシステムで生産リストにあるグレイズ一機を生産して、イザベル達が阿頼耶識を使わないMS操縦訓練用に使うのであった。

 

 

 

それ以降は小惑星基地にやってくる海賊の相手をしたり、資金調達というジャンクの捜索を行ってから二年もの長い年月が過ぎて行った。

 

 

 

P.D.(ポスト・ディザスター)323年

 

 

 

どうやら俺が転生した年は原作の二年前頃の様だ。その頃にマクギリス達と接触してしまったが多分問題ないと願いたいと思ったのは内緒である。この二年間で色々と下準備をしてきた。一つはイザベル達のMSの操縦技術の腕を上げたことだ。イザベルとファーランは阿頼耶識なしでよりグレイズの操縦が上手くなり、上級向けであるシュヴァルべを自分の手足の様に使いこなすまで成長したのだ。他の仲間は苦戦しつつもなんとか阿頼耶識なしでも滑らかに動かせる様に成長した。そしてもう一つは俺たちが旅立つ為の船。OOの世界のヴォルガ級航宙巡洋艦である。船を生産した時、イザベル達の驚いた顔が今でも思い出す。

 

このヴォルガ級はこの世界の理に反しない様にレーザー砲や対空レーザーなどを廃止してSEED世界の対空兵装である75mm対空自動バルカン砲塔システム“イーゲルシュテルン”で代用し、主砲は対艦用に41cm連装砲を取り付けている。真正面での砲撃戦なら負けはしないが、真横での砲撃戦となるとかなり不利になるのがこの船の弱点でもある。一応この船にもナノラミネートアーマーを施すためにGシステムを使って大型エイハブ・リアクターを生産してそれを動力炉にする。

 

 

 

そしてMSなのだが、この二年を通して新たにMSを回収、生産を行ってきた。それとGシステムなのだが、演習用のグレイズがある程度の戦闘データを蓄積した時にたまたま俺はGシステムと直結して見たらGジェネ特有の開発システムが表示されたのだ。俺は一度開発リストを見通してみたらシュヴァルべやリッター、グリムゲルデにレギンレイズなどのMSが開発可能と表示されていた。

 

俺は試しにグリムゲルデの方を開発指示を出すとグレイズがGシステム中心部の方に運ばれ、そこでMSが生産されるユニットの方にグレイズを置くとGシステムがMSを生み出す時と同じ様にハッチが閉じ、数分間待つとハッチが開く。そこにはグレイズの姿がなく、代わりにヴァルキュリア・フレームの“グリムゲルデ”がそこにいた。この時に俺は思った。このGシステムが社会に晒せば、最悪の場合“第二次厄祭戦”が起きるのは時間の問題だと。俺はこのGシステムの情報を表や裏には絶対に出さないと心に誓うのであった。

 

 

 

色々な下準備を終え、巡洋艦にはエース機であるアストレアとシュヴァルべ、グリムゲルデを含め艦の護衛としてGシステムで生産したグレイズ五機をMS格納庫に格納し、今回初の出航を迎えるのであった。

 

 

「巡洋艦で今回初の出航か……長かったな」

 

「ついにこの時が来たんだな、兄貴!」

 

「あぁ、俺たちの方針だが、火星で新たに結成した組織があるとの情報がハロから入った」

 

 

俺の言葉にファーランはある疑問を抱いた。ハロが何故情報収集をしているのか?と……

 

 

「ハロから?まさかハロにネットワークを?」

 

「ハロなんだが、いろんなネットワークを通して情報収集させている。情報元はオルクス商会の船からだ」

 

「おいおいっ…!?そこまで遠いネットワークをハロがハッキングしたのか?」

 

「俺だってハロの万能ぶりを見てもう驚く事をやめたよ。ハロ、その組織名は?」

 

《鉄華団!鉄華団!》

 

 

ハロがその組織名を言うとイザベルがその組織名に疑問を抱いた。

 

 

「鉄華団……?なんだそりゃ?」

 

「名前の由来は“決して散ることのない鉄の華”だそうだ。さて、ことは急ぎだ。早めに出航しよう」

 

「あっ……そうだった!兄貴、早く行こうぜ!」

 

「そうだったな……じゃあジン、合図を頼むよ」

 

「あぁ……そうだな。ヴォルガ級航宙巡洋艦一番艦“ガーベラ”、出航!」

 

 

こうして俺たちは仲間と共に小惑星基地を後にし、火星へと進路をとるのであった。

 

 

 

*1
機体を秘匿する際に用いる光学迷彩






仲間と共に船で火星へと進路をとるジン達。そこで彼らは、同じ少年兵達と出会う。


次回、『鉄華との接触』


女神を見た時、鉄華は何を思う?
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