鉄華を救う正義の女神(一時休止中)   作:コレクトマン

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ソレスタルビーイング

 

 

ギャラルホルンからの追撃は無く、俺とイザベルは鉄華団の船の格納庫に入る前に俺はイザベルにプライベートチャンネルで通信を入れていた。

 

 

「さて……問題はこの次だな」

 

『あぁ。あのさ兄貴、これからどうすんだ?』

 

「とりあえず鉄華団の団長と話をつけて俺たちを雇ってくれるかどうか交渉してみる。うまくいけば何とかなるが、ならなかったら……その時はテイワズに向かうつもりだ」

 

『そっか。……けどさ、彼奴らなら兄貴を雇ってくれるさ!』

 

「あまり確証は皆無なんだが……とりあえず保険も兼ねて俺たちの船にメッセージでも返信して迎えに来てもらうか」

 

 

そうして俺は、俺たちの船ガーベラにメッセージを送った後にそのまま鉄華団の船の格納庫に入るのであった。

 

 

仁Side out

 

 

 

資源採掘用の小惑星を利用しておやっさんが言うにスイングバイって奴をやってギャラルホルンの追撃を振り切った。一応哨戒機を出して他に追撃してくる連中がいないか確認してした。

 

 

「どうだ?追ってくる船はあるか?」

 

「エイハブ・ウェーブの反応は無い。哨戒に出ている連中からの報告も、今のところゼロだ」

 

「助かったぜ…」

 

「油断出来ないけどね…」

 

 

ギャラルホルンやオルクスの奴らの船は追撃してくる気配はなかったそうだ。ここまでは良いのだが、問題はそれだけではない。

 

 

「あぁ……問題は彼奴らだな。俺たちを助けた赤いMS以前にミカ達を援護していた光の粒を出すMS……チャドに確認してもらったが、あの機体だけエイハブ・リアクターの反応が無かった」

 

「ハァッ!?じゃああのMSはエイハブ・リアクターじゃない物で動いているっていうのかよ!?」

 

「…でも、あの光の粒の事を考えればありえなくないかもしれない。確かアレはおやっさんが言うには“未知の粒子”らしいって」

 

 

粒子……か。……そういや、エイハブ・リアクターも粒子があるんだったな。となるとアレは本当にリアクター以外の未知の機関で動いているのか?

 

 

「……どっちにしろ、彼奴らから話を聞き出さないと分かんねえ事だらけだ。彼奴らは今どこにいるんだ?」

 

「今、そのMSが格納庫に入ったっておやっさん達から連絡が来たよ」

 

「そっか。……じゃあ、礼を兼ねて彼奴らに挨拶しねえとな」

 

 

そう言いながらも俺はユージン達にブリッジを任せて格納庫に向かった。俺たちを助けたMSのパイロット達の目的を知るために。

 

 

オルガSide out

 

 

 

三日月達が戻って来たと同時に俺たちを守ってくれたMSもこの格納庫に入って来た。助けてもらったのは良いが、彼奴らの目的が分からん以上おちおちとMSの整備すらできねぇ。…それ以前にだ。こちとらMW(モビルワーカー)専門なんだぞ。MSをいじるなんざガキの頃以来だぞ……。

 

 

「……たくっ、なかなか楽させちゃくれねえな」

 

「おやっさん。装甲の補強ってMWと一緒でいいの?」

 

「バカかおめえは?装甲にナノラミネートアーマーを使っているMSと一緒なわけねえだろ!」

 

「じゃあどうすんですか?「それだったら、俺に任せてくれないか?」…え?」

 

 

タカキと話しているその中から見慣れない白いパイロットスーツを着た一人の男がやって来た。……まさか、あの未知の粒子を出していたMSのパイロットか?

 

 

「お前さん、俺たちを助けてくれたMSのパイロットか?」

 

「…申し遅れた。俺はジン、ジン・工藤だ。それはそうと、その端末を貸してくれないか?」

 

「ん?あぁ……お前さん、こいつが何なのか分かるのか?」

 

「あぁ……ASW-G-08“ガンダム・バルバトス”。この機体はかつて、300年に起きた厄祭戦と呼ばれる最悪の戦争において作られた人類の希望だったそうだ」

 

「厄祭戦…?それに、このMSが人類の希望?」

 

 

タカキが厄祭戦についてやこのMSが何故人類の希望だったのか何やら気になったようだ。その男はそのまま話を続ける。

 

 

「あぁ。あくまで聞いた話だが…300年前の人類は最も技術力が栄えていた頃、ギャラルホルンがなかった頃に戦争がよく起きていたんだ。戦争を繰り返していく最中、昔の人間達はある事を思いついた。戦争によって兵士達がこれ以上血を流さない為に考え付いたのは無人兵器による代理戦争だ」

 

「無人兵器?そんなものが厄祭戦前に存在したんですか?」

 

「あくまで聞いた話だ。…話を続けるが、その当時の人間達はエイハブ・リアクターを使用した巨大無人兵器MA(モビルアーマー)。“敵を倒す”事を基本コンセプトとして開発された機動兵器だ。各国はそのMAの性能やコンセプトに高く評価されていたそうだ。ただし、ある一人の科学者を除いてだが……」

 

 

その男が言う一人の科学者ってやつのことも気になるが、兵士が戦場で血を流さなくて済むのは良い事なんだが、なんか嫌な予感がして来たな。

 

 

「……また話がずれたな。そのMAの導入によって各国の兵士達は血を流さずに済み、兵士が要らない時代に突入すると思われた」

 

「え?したんじゃなく思われた?」

 

「……思われたっつうことは、そのMAに何か異常があったのか?」

 

「あぁ……MAによる代理戦争が始まってから二年後にその異常が起きた。その当時の人間はこの時に気づかなければならなかったかもしれない。兵士が戦争に参加しない分資源はあまり消費しないが、MAは整備必要な分資源を消費する。俗に言うゼロサムゲームと化した代理戦争によってある一体のMAのAIは機械の中で思考していく最中ある矛盾を抱いた。“敵は何故人間が作りし同じ無人兵器でありながら人間は戦場に出向かず、ただ遠くで見ているだけで戦争を望むのか?”と……。ここからは俺の推測なんだが、そのAIは機械的思考を繰り返し行くうちにある事に気付いた。“人間が戦争を生み出す権化”である事を理解し、“人類を根絶やしにすれば戦争はなくなる”という結論に至った。その結果、今迄決して向けることも無かった牙を人類に向けたんだ」

 

 

その男はMAが暴走した原因まで推測して見せたが、まさか地球がぶっ壊れる程の戦争の原因がそれだったのを知った俺は一瞬冷や汗をかいた。この男はどこまで知ってんだ?聞いた話つっても、MAっつうバケモンも初めて聞いたぞ。

 

 

ナディSide out

 

 

 

 

 

ジンが厄祭戦について説明しているその同時刻、マクギリス達の方でも厄祭戦(主にガンダム・フレームについて)の話をしていた。

 

 

 

 

 

「ガンダム・フレームだと…?」

 

「あぁ。厄祭戦末期に活躍したガンダムの名を冠された72体の一つだ。個体名は“バルバトス”」

 

「ガンダム……聞き覚えはあるが、間違いないのか?」

 

「リアクターのパターンを確認している。あれは、専用設計のエイハブ・リアクター二基を搭載しているのがその特徴なのだからな」

 

 

私はコンソールを操作してガエリオに個体コードであるバルバトスを見せる。ガエリオは大昔に作られたMSに苦戦させられたことに少し腹を立たせていた。

 

 

「そんな大昔のMSに苦戦させられたとはな……」

 

「機体性能というよりは乗り手の問題かもしれん「…んんっ?」気にするな。阿頼耶識システムはそもそも、厄祭戦時にMSの能力を最大限に引き出すために開発された技術らしいからな」

 

「フン……宇宙ネズミが。……しかし、マクギリス。俺たちが交戦したエンジェルもガンダム・フレームという可能性があるという事か?」

 

「いやっ……そう判断するには材料が足りなすぎる。あのエンジェルから放出する粒子はエイハブ・リアクターから発するエイハブ粒子とは異なる粒子だ。そうなると厄祭戦末期にエイハブ・リアクターとは違う別の半永久機関を搭載するMSを少数生産されたが厄祭戦の表舞台にあまり出ず、その存在すら人々から薄れていき、最終的に世間から忘れ去られたと考えられる(……最も、それだけではない筈だ。エンジェル以外にも同じ未知の粒子を出すMSが他にも作られた可能性も考えられるがな……)」

 

 

その様な可能性を考慮しながらも火星支部の後始末の方をガエリオと共に処理するのであった。

 

 

マクギリスSide out

 

 

 

厄祭戦についての話と自分の推測をある程度聞かせた所で俺は一旦厄祭戦の話を中断して鉄華団のおやっさんから貸してもらった端末に二年前にかき集めたMS(ガンダム・フレームも含む)の情報をダウンロードし、それをおやっさんに返した。

 

 

「……ぅしっ、この端末にMSの情報を入れておいたから整備も楽になる筈だ」

 

「お…おう。すまねえな…」

 

「気にするな。俺の性分だ。……ん?」

 

 

おやっさんと話を終えた時に俺はある男を肉眼で捕捉した。それは鉄華団団長の“オルガ・イツカ”の姿であった。

 

 

「アンタが俺らを助けてくれたMSのパイロットか?」

 

「あぁ、そういうお前は鉄華団の団長か?」

 

「あぁ、鉄華団団長のオルガ・イツカだ。……アンタは?」

 

「俺はジン、ジン・工藤だ。俺たちがお前達に接触を図ろうとしたのはちょっとした理由だ」

 

「理由?…それはどういう理由だ?」

 

 

俺はその理由を簡略的に分かりやすくオルガに説明した。

 

 

 

俺とイザベル、そして今は船にいる仲間達はある程度の力を付けたと同時に表舞台に出ようと先ずは鉄華団に接触を試みようとしたが、ギャラルホルンと一戦交えているのを確認した為に俺たちは鉄華団を援護することにし、その結果、無事にギャラルホルンやオルクス商会の追撃から振り切る事に成功して今に至るのである。

 

 

 

「……なるほどな。となるとアンタ等は出来たばかりの傭兵組織ってことか」

 

「あぁ…そういう事になる。さっきも話したが同じ新参者である鉄華団と協力を得ようと行動してきた矢先、鉄華団がギャラルホルンと一戦交えているのを見た。ギャラルホルンを相手にするのを避けたかったが、止む無くお前達を助けた次第だ」

 

「その点について詳しく聞きたいが、今は礼が先だな。アンタ等の援護のおかげでこちらに被害が少なくて済んだ。助かったよ、鉄華団全員を代表して礼を言う」

 

「気にするな。元より鉄華団と接触するつもりだった。今回は運が良かった。……それですまないが、この船はどこに向かっているんだ?」

 

「いやっ……その点についてはまだ決まっていないところだ。何かあるのか?」

 

「あぁ、その俺の仲間についてのことだが、俺のことを待っている仲間達が乗る船がある宙域に待機しているんだ。その宙域に向かい、合流してくれると助かる」

 

 

仲間が俺とイザベルの帰りをまっていることと、仲間と合流する宙域に向かってくれないかとオルガに頼むと一度考え始めて、数十秒後に考えが纏まり、オルガは俺の頼みを了承した。

 

 

「……分かった。とりあえずアンタ等の仲間の船のところに向かう。一応言っておくが、俺達はアンタ等を完全に信用した訳じゃないことを理解して欲しい」

 

「あぁ……分かっている。詳しい詳細については「兄貴ーー!!ちょ…助けてくれっ!」…イザベル?」

 

 

オルガと話をしている途中でイザベルが俺に助けを求めた。どうやらイザベルは鉄華団の子供達に色々と質問や話をしていたが、中々話が終わらずやがて収拾がつかなくなって俺に助けを求めた様だ。そんな様子を見たオルガはクーデリア達以外の女性を見た覚えもなかった故か俺にイザベルとは知り合いなのかと聞いて来た。

 

 

「……あー、知り合いか?」

 

「あぁ。知り合い以前に、オルガ達を助けたあの赤いMSのパイロットだよ」

 

「……マジか?」

 

本当(マジ)だ」

 

「ちょ……兄貴!?こっちはこいつ等の質問攻めに困っているんだ、 だから何とかしてくれよー?!」

 

「イザベル……すまないが、自分で何とかしてくれ」

 

「そ……そんなっ!?そりゃないぜっ兄貴ー!」

 

 

鉄華団団員である子供達に質問攻めにあっているイザベルは俺に助けを求めたが今は無理である事を告げられ、船内でイザベルの叫びが木霊した。その後に俺はオルガと共に船(オルガこの船をイサリビと命名した)のブリッジに向かった。そしてオルガの仲間であるユージンやシノ、ビスケットにチャド、そして鉄華団の依頼主であるクーデリアに挨拶を交わしたが、ユージンは俺の事を警戒していた。それはそれで正しい判断かもしれない。ギャラルホルンと通じている可能性があったり、鉄華団を騙してクーデリアを誘拐する可能性があるとも言える。俺はユージンにそんなことはしないと言い、もしそう判断したなら俺を撃てと伝えた。その結果、鉄華団は何とか俺たちを認めてくれた。ユージンはまだ警戒してはいるが……。

 

 

 

その後に俺はオルガに頼んでもらったある宙域に向かっていた。そしてそこでオルガ達は俺の巡洋艦のリアクターを検知し、モニターでその船体を見て、初めて見るような顔をしていた。

 

 

「何だ…ありゃ?」

 

「あれが俺とイザベル、そして俺の仲間達が乗っているヴォルガ級航宙巡洋艦“ガーベラ”だ」

 

「ガーベラ……それがあの船の名前か?」

 

「あぁ……この船の名前の由来なんだが、地球のある花の名前を使ったんだ。それがガーベラ。そのガーベラには四種類の色が存在するんだ。特に白のガーベラのある花言葉が気に入ってこの名前にしたんだがな」

 

「花言葉…?なんだそりゃ?」

 

 

オルガは花言葉という単語を初めて聞いたかの様に疑問に満ちた。そこでクーデリアがオルガの疑問に答えた。

 

 

「花言葉というのは象徴的な意味を持たせるため植物に与えられる言葉です。そして、彼がいう白のガーベラの花言葉は……」

 

「“希望”と“律儀”だ。…まぁ希望はともかく、律儀は俺の性分に関係しているかもしれんが、この花言葉がかなり気に入ったものでもある」

 

「……要は俺たち鉄華団と同じ様に意味がある言葉って事だな?」

 

 

そういう認識で構わないと答え、俺は一旦ガーベラに戻ると同時にMSの資材と整備員をそっちに送ると伝え、その場を後にした。その時に偶然バルバトスのパイロットである三日月とばったりとあった。

 

 

「あれ…?アンタは光の粒のMSのパイロット?」

 

「ジンだ。それと…光の粒のMSって、アストレアのことを言っているのか?」

 

「うん。なんかMSの背部から出る光の粒、綺麗だったから」

 

「綺麗、か……(オリジナルの太陽炉から生成されるGN粒子は制御次第によっては毒になるのに綺麗か。……なんか別の意味で皮肉だな)」

 

 

そう思いながらもある程度三日月と会話した後に俺は自分の船に戻るためにイザベルを探すのであった。

 

 

 

仁Side out

 

 

 

ジンが自分の船に一旦戻っていった後に俺たちはどうやって依頼主であるクーデリアを地球に送り届けるか考えていた。だが、オルクスの件もあって只の案内役では駄目だと判断する。

 

 

「オルクスが駄目だったからには、別の案内役を探さなきゃならねぇし、何よりも……ここまでギャラルホルンと拗れた以上、只の案内役じゃ駄目だ。火星に残っている連中のことも引っ括めて頼めるくらいの強力な後ろ盾が必要だ」

 

 

その後ろ盾にはある程度検討はついている。そう、あの組織なら……

 

 

「後ろ盾か〜…」

 

「ていっても…「…テイワズだな。それしかねぇ」…え?」

 

「嘘だろ…」

 

「テイワズ…木星圏を拠点とする複合企業ですね。実態はマフィアだという噂も聞きますが」

 

「お目当てはその実態の方さ」

 

 

何とかテイワズと話をつければ火星に残っている連中の安全は確保できる上、クーデリアを無事に地球に送り届けられる。だが、ユージン達は可能性的に無理だと思っている。だがどっち道、このままじゃ地球にも行けねえし火星にも戻れねえ。その結果、俺たちは木星へ向かうことにした。いざとなった時はぶつかるまでだが、出来れば話をつければいいんだが……。そう考えてる時にクーデリアのメイドである“フミタン・アドモス”がギャラルホルンが管理する“アリアドネ”を使ったおかげで火星に残っていた連中に無事連絡を取ることに成功した。その後にクーデリアから許可をもらい、通信オペレーターについてもらった。

 

 

オルガSide out

 

 

 

イザベルを見つけて再び自分のMSに乗り込み、俺が指定した宙域で待機していた俺とイザベルの仲間たちが乗るヴォルガ級航宙巡洋艦ガーベラを目視で確認し、無事に合流するのであった。その時にガーベラから通信が入った。その通信主はファーランからだ。

 

 

『お疲れさん。…そっちはどうだった?…って聞くのは野暮か?』

 

「あぁ…なんとか鉄華団と接触できたのは良いものの、やはりギャラルホルンと拗れた」

 

『やっぱりな……二年前にギャラルホルンと一度交戦したのが仇となったか?』

 

 

ファーランはどうやら二年前にマクギリス達と交戦したのが原因だと指摘してきた。……個人的にもそれが原因であると思った。しかもガエリオはアストレアのことを“エンジェル”と呼称してきたのだ。

 

 

「かもしれない。敵パイロットからはアストレアのことをエンジェルと呼んでいた。天界にいる者としては間違ってはいないが、本来なら女神であっているのだが……」

 

『ははは……アストレアの名の由来にちなんでかい?』

 

「まぁ…な。……それとファーラン、ハロや整備員達をあの強襲装甲艦に派遣してくれないか?」

 

『ハロや整備員達を?その強襲装甲艦に何かあったのか?』

 

「いやっ、正確に言えばMSだな。そのMSが結構がたがきているそうだ。そのMSの整備を手伝うと彼らと約束してしまってな」

 

『おいおい……性分とはいえ、いくら何でも無茶苦茶だな?…まぁ、ジンがやるって言ったからには最後までやるつもりなんだろう?』

 

 

ファーランに“すまんな”と謝罪をしながらも何とかガーベラの人員+αとMS用の資材をイサリビに送るのであった。その後にオルガから通信が入り、今後の方針で彼らはテイワズに向かうとのことだった。そこで俺はそのテイワズまで護衛する形で俺たちを雇ってくれないかと頼んだ。ユージンは俺たちのことを警戒していた為か反対したが、オルガはどっち道護衛の一つや二つは欲しいとのことで俺たちは彼らに雇われるのであった。

 

 

仁Side out

 

 

 

火星のとあるビルの室内である老人がタブレットを見て現在のレポートを確認していた。

 

 

「そうか…コーラルは死んだか。への役にも立たん男だったね。…それにしても大した子供達だ」

 

 

そう言って葉巻を一服し、この状況を楽しんでいるように見えた。そして報告してきた傭兵の男はクーデリアを守りきった少年たちを評価していた。

 

 

「あぁ、あんたの言う通りあいつらはかなり運が良いようだ。…まっパイロットはまだイマイチだが、俺としては戦い甲斐があるってもんよ」

 

「それは純粋に君は戦争を愛しているから言えることじゃないかね?」

 

「そう言うアンタだって戦争が起こりゃあそっちも儲かるってもんだろ?お互い利益があって良いじゃねえか」

 

「かもしれないね……フッ、お嬢様を守る少年騎士団……案外面白いかもねぇ」

 

 

互いに笑い合う老人と傭兵。一人は戦争屋。一人は武器商人。互いに目的や思想は違えど、共通することといえば、互いに利益が得るということだろう。

 

 

「……んじゃ、俺は他のスポンサーからの依頼も受けてるんでもう行くぜ」

 

「あぁ、また君を頼む時はそれなりの報酬を用意しておくよ」

 

「…へっ、そこそこは期待しておくぜ?」

 

 

 

 

 

()()()()()()()()()さんよ?

 

 

 

 

 

「あぁ…それなりに期待しても構わんよ?」

 

 

 

 

 

戦争屋の()()()()()()()()()

 

 

 

 

 

恐らくは偽名と思われる傭兵を見送った後にノブリスは再び葉巻を一服吸うのであった。クーデリアが死んでいようが生きていようが、互いに利益になる事には違いはないのだから……

 

 

ノブリスSide out

 

 

 

オルガ達の船に人員とハロ、そしてMSの資材を送りつけた後に俺たちはテイワズの拠点である木星へ向かっていた。俺とイザベルは一旦ガーベラに戻っていた。そして艦橋でオルガとモニターで通信していた。内容的には三日月の凄さと、その三日月の期待に応えるオルガの話だった。

 

 

「…成る程、お前もある意味、三日月に相当信頼されているんだな」

 

『あぁ…だからかもしんねえな。……そういや、一つ聞き忘れていたんだが』

 

「…?何をだ」

 

『アンタ等の組織名だ。俺たちには鉄華団という名前がある様にアンタの方も何か名前は無いのか?』

 

 

まさかオルガからこっちの組織の名を聞かれるとは思ってもいなかった。実際のところまだ決まっていないのが現状だ。

 

 

「組織名…か。その件についてまだ考えてなかったな」

 

『組織名が無いんじゃ接触予定のテイワズに舐められるからな』

 

「そう…だな。その件については仲間と相談してから伝える。決まったらまた連絡する」

 

『あぁ、分かった』

 

 

そうして通信を切り、今いるメンバーであるイザベルにファーラン、オリバーで俺たちの組織名のことを考える。

 

 

「組織名かぁ〜……あんまり考えてないんだよな」

 

「けど、今後のことを考えれば確かに必要かもしれないな」

 

「そうだな……兄貴の方はなんかあるか?」

 

「俺か?そうだな……」

 

 

組織名に関しては三人はあまり良い名を思いつかずにいた。この時に俺は組織名である名前を思いつく……いやっ、思い出したというのが正しいだろう。

 

 

「……“ソレスタルビーイング”」

 

「え?ソレスタ……何だって?」

 

「ソレスタルビーイングだよ。ジン、その名前の意味は何なんだ?」

 

「この名前の意味は“天上人”、もしくは“天上の存在”を意味するんだ。……もっとも、俺のアストレアの名前が正義の女神だけにこの名を付けただけだが……」

 

本当は違うのだが、彼らにはアストレアの名前の意味が正義の女神であることを因んでという理由として認識させてた。本当なら戦争根絶を目的とした組織名だが……

 

 

「ソレスタルビーイングか……結構良い響きだな!」

 

「確かに……アストレアの名前の由来は正義の女神だったな。女神様は天国にいるイメージが強いから強ち間違っては無いか」

 

「あぁ……といっても、俺たちは降りかかる火の粉を払う火消しの存在かもしれないけどな」

 

「火消し?火事が起こった時に行くやつか?」

 

「そっちの火消しじゃない。争いの火種を消すという意味で言ったんだ。……それよりも、組織名は今言ったやつで良いか?」

 

「アタシは良いぜ!結構この名前気に入ったし!」

 

「俺もこの名前は賛成だな」

 

「俺もだ。案外、この名前も悪くないな」

 

 

皆は反対の様子はなく賛成一致でその名を採用し、俺たちはソレスタルビーイングとして名乗ることになった。何とか組織名が決まったことをオルガに伝えようとした時に突如と艦内に警報が鳴る。

 

 

「…っ!?どうした?」

 

「MS一機と強襲装甲艦一隻が俺たちの後方から接近!それと、強襲装甲艦から停船信号が送られている!」

 

「停船信号…?ギャラルホルンか?」

 

「判らない、何せ急にリアクターの反応が感知したと思ったら背後にいたんだ!」

 

 

通信オペレーター兼レーダー担当の仲間が突然と背後から出現した事に動揺を隠せないでいた。それ以前にその強襲装甲艦の横にいる一機のMSの存在が気になった。その時にファーランは仲間に後方カメラで捕捉できないかを聞いて見た。

 

 

「なぁ、後方カメラで何とか映し出せないか?」

 

「えっ?後方カメラ?」

 

「後方から来ているんだから敵の正体を知る必要がある」

 

「そうか……!分かった!」

 

 

仲間は後方カメラを使い、その強襲装甲艦とMSを捉える。その強襲装甲艦は艦首部分に取り付けられた巨大な前面装甲が特徴で、ファーランはその強襲装甲艦の所属が何者なのか気づいた。

 

 

「あれは……“タービンズ”の船!テイワズ直参の組織だ!」

 

「こっちがテイワズに向かう筈が向こうからテイワズ直参の組織がやってくるなんてな…!」

 

「なぁ…これってヤバいんじゃないないか、兄貴ッ!「何……だと…!?」……兄貴?」

 

 

俺は仲間の反応やタービンズの存在に目もくれないでいた。ただ一機のMSの存在に釘付けであった。俺が乗るアストレア以外の()()()()()()M()S()がタービンズと共にいるのだ。そのMSの装甲色は全身青一色と言っても良い位の青で、全身各所に高精度なセンサーが内臓しており、両肩部には大型のシールドにセンサーを内臓した物が存在していた。武装は6連の回転式弾倉を持つリボルバー式のバズーカと百錬の武装である100ミリ口径軽量ライフルこと“ライフルカノン”を装備していた。

 

 

 

俺はそのMSの名を知っていた。タロットカードの「星(水をくむ女神)」のイメージを持つ機体。センサー系に特化した機体であり、全身に各種センサーを内蔵する。戦闘向けではない機体を改良し、実戦での使用に耐え得るようにほとんどゼロであった防御力と攻撃力を強化したガンダム。

 

 

 

 

 

「ガンダムサダルスード……TYPE-F!」

 

 

 

 

 

本来ならこの世界に存在するはずの無い機体(ガンダム)。アストレア以外のMSの存在に俺は唯驚きを隠せないでいた。しかし俺はこの時に気づいてはいなかった。あのタービンズの船からもう一機の太陽炉搭載型のガンダムがあるということを。そして、この様子を誰も見つけることの出来ない所から俺の行動を見ている存在を……

 

 

 

 

 

始まるよ………ガンダムによる歴史の改変が。人類の未来の革新が……

 

 

 






ギャラルホルンから巻いた矢先にマルバによってタービンズと戦う羽目になる鉄華団とジン達。だがジンはタービンズにいるガンダムの存在に驚きを隠せなかった。


次回、『星と冥界の王』


そのガンダムは何故、この世界に存在するのか? 
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