鉄華を救う正義の女神(一時休止中)   作:コレクトマン

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戦いの火種

 

 

ジンが駆るアストレアとサーシェスが駆るカスタムグレイズ。一触即発な状態の中、その二機は互いに睨み合いながら一歩も動かなかった。

 

 

『まさかな……こんな所で太陽炉搭載型のガンダムに会うとは思っちゃいなかったぜ?』

 

「何故だ……!」

 

『…声?』

 

 

俺はふと声が表に出てしまっていたことに気付いたがそんなのはどうでもよかった。この男だけは危険でもあり、早めに倒さなければ第二次厄祭戦が引き起こされるということに頭がいっぱいであった。

 

 

「何故貴様が生きているんだ!?貴様はあの世界で死んでいるはずだ!?」

 

『……声からしてまだガキじゃねえか。……くっはははは、まさかクルジスのにいちゃんと同じ奴と会うとはな!』

 

 

先にサーシェスのカスタムグレイズが動き出し、俺はGNロングブレイドとGNショートソードで応戦しようとするがサーシェスは卓越した操縦センスで機敏に動き、軽々とよけられる。

 

 

「貴様は何故ここにいる!?死者である貴様が何故この世界にいる!?答えろ!!」

 

『そんな義理はねえな!それにこちとら無傷で手に入れようだなんて思っちゃいねえ。ライフルが効かねえなら、斬り刻むまでよ!』

 

「ぐっ!」

 

 

カスタムグレイズのライフルブレードとGNロングブレイドとGNショートブレイドによる鍔競合いに持ち込み、機体のパワー差でカスタムグレイズに鍔競合いで勝つが……

 

 

『チョイサーッ!』

 

 

サーシェスが駆るカスタムグレイズのライフルブレードでアストレアが持つGNロングブレイドを弾き上げる。

 

 

「っ!……やはり強い!」

 

 

俺は反撃しようと残ったGNショートブレイドを横に振るうと見せかけて縦に振るうが、それも読まれていてGNショートブレイドも弾き落とされる。

 

 

「くそっ、ジリ貧だ!…だが!」

 

 

俺は腰部に懸架しているGNソードⅡを抜刀し、そのままカスタムグレイズに斬りかかる。

 

 

『何本持ってやがんだ?…けどな!』

 

 

カスタムグレイズも応戦する様にライフルブレードで斬りかかる。互いに躱し合いながら再び鍔迫り合い入る。

 

 

『動きが、見えんだよ!』

 

「ぐっ……!まだだっ!」

 

 

俺はGN粒子をGNソードⅡに回してより切れ味をあげてライフルブレードの刃と銃身を諸共に切り裂く。

 

 

『何っ!?』

 

 

カスタムグレイズはライフルブレードの刀身が切られていることに気づき、咄嗟にライフルブレードを捨てて下がった。するとライフルブレードは溶けたバターの様に刀身と銃身諸共切れた。

 

 

『相変わらずなんて切れ味だ…!クルジスのにいちゃんが前に乗ってたガンダムと似ていると思ったが、かなり違う様だな。それに、この世界のMSじゃこれが限界か…』

 

「何とかなったが、次はどうするか……『ジン!』っ!…レオンか?」

 

 

サーシェスを相手にどうするか考えているとレオン達が他のロディ達を倒し終わったのかこっちに援軍として来た。

 

 

『チッ……他のガンダム共が来たってことはあの連中もやられちまったか。流石に殺り合うには分が悪い』

 

 

するとサーシェスはこの状況で部が悪いと判断したのかこの場から離脱して行った。

 

 

『ジン、大丈夫かい?』

 

「あ、あぁ…問題ない」

 

『とりあえず無事のようだね。アタシらが倒したMSの中にまだ生きている奴がいるからそいつらを回収するよ』

 

「…分かった。こちらも手伝う」

 

 

俺はレオン達と共に撃破したMSの中にいる生存者ことヒューマンデブリ達を救助するのであった。だが、俺は一つの疑問に答えを見出せずにいた。アリー・アル・サーシェス……何故奴がこの世界に居るんだ。

 

 

仁Side out

 

 

 

俺ことサーシェス……まぁこの名前は偽名なんだが、俺自身案外気に入っている為この名で通っている。俺を雇った大将がソレスタルなんたらと決着をつける為に俺は緑のガンダムと戦ったが、途中で機体が動かなくなり、脱出して何とか逃走しようとしたが緑のガンダムのパイロットに追いつかれた。だが俺は緑のガンダムのパイロットより先に銃で撃とうとしたが逆に額を撃ち抜かれて死んじまった。

 

次に目を覚ました時には俺は大将が拠点とするコロニー型外宇宙航行艦にいた。んで、何故かその大将もここにいた。大将曰く、この世界は俺たちがいた世界ではなく地球がぶっ壊れるほどの戦争こと厄祭戦から300年後の世界だそうだ。それも西暦ではなくポスト・ディザスター(P.D.)っつう洒落た紀年であった。俺と大将は何でこの世界に来たのかは知らねえが関係ねえ。この世界でも戦争ができりゃ俺は十分だ。そんで俺は大将の依頼の下、クーデリアなんたらの始末は二の次にしてガンダムを相手にしたのはいいがこの世界に存在しない筈の太陽炉搭載機のガンダム達が存在していた。その結果俺が集めたヒューマンデブリ達が全滅し、最終的にガンダムを仕留め損ねた。

 

 

「くそっ……まさかな、クルジスのにいちゃんが前に乗っていたやつに似た機体と出くわすとはな。おかげでボーナスを取り損なったぜ」

 

 

クーデリアなんたらという女の始末とガンダムの鹵獲、あるいは破壊が俺の仕事だが、思った以上にガンダムの性能差に驚かされた。あのガンダム……よくよく考えりゃクルジスのガキ……いやっ正確にはクルジスのにいちゃんが前に乗っていたガンダムとよく酷似してたな……あれは偶然か?そう考えていると依頼主であるウチのスポンサーこと大将から通信が入って来た。

 

 

『やぁ。首尾はどうだい?』

 

「大将か。すまねえな、ガンダムを仕留め損ねっちまった」

 

『フフッ……其れ位は許量の範囲内だよ。今回の戦闘で得られたガンダムのデータを送ってくれるだけで君がMSを失ったとしてもお釣りはくるよ』

 

「そいつは助かるな。……んで、俺の機体はどうなんだ?」

 

 

依頼を受ける際に大将が前に俺が乗っていたMSを作ってくれるそうだ。何でも俺が乗っていたあの機体をこの世界で作るんだそうだ。

 

 

『その件についてはもう少しと言ったところだね。……それと、君が乗っているMSの専用ユニットはもう直ぐ完成するよ』

 

「おっ……()()()()()が出来上がるのか」

 

 

アグリッサは過去に俺が乗っていたMAだ。……まぁ正確にいやぁっ俺が乗っていたAEUイナクトカスタムにバディクラフトと言うMSサポート用キャリアビークルの一種を取り付けたもんだけどな。それを俺が乗っているこの世界のMSでも合体できる様に改造してくれた様だ。

 

 

『あぁ…そこで君にある仕事を頼みたいんだ。そこでアグリッサを受け取ってもらいたい』

 

「分かったぜ大将。アンタの依頼ならまたガンダムと殺り合う機会があるってもんだ。……んで、依頼っていうのは?」

 

『君には武闘派の宇宙海賊“ブルワーズ”の雇われの傭兵として行動してもらいたいんだ。それと、ブルワーズが壊滅しそうな時は他の連中は捨ててこの男が乗るMSを回収してきてほしい』

 

 

大将は何やら武闘派の宇宙海賊からMSを掻っ払ってこいとのことだ。要は手駒を増やすための下準備だな。

 

 

「なるほどな……手駒を増やすってことか?」

 

『あの海賊にはこの世界のガンダムが存在する。それの鹵獲を頼むよ。もしそれができないのであればパイロットだけでも構わないよ』

 

「パイロットだけでも?そのパイロットに他の機体にでも乗せるつもりか?……まぁ、それを聞き出すのも野暮ってやつか」

 

『それについては君の想像に任せるよ。それじゃあ、頼んだよ』

 

 

大将との通信が切れ、俺は傭兵らしく大将の依頼通りブルワーズの所に向かった。……もしもだ。もしも俺たち以外にも奴が……あの兄弟のどちらかがこの世界に来たとなりゃ、ぜってえ殺してやる!あの緑のガンダムのパイロットの兄貴だったら俺の体を吹っ飛ばしてくれた礼に確実に殺してやる!奴のお蔭で暫く不自由になっちまったからな……

 

 

 

それを倍にして返してやる!!

 

 

 

サーシェスSide out

 

 

 

俺は交戦したヒューマンデブリ達を回収し終えてガーベラに帰還し、機体の整備と同時にアストレアと交戦したカスタムグレイズの記録を確認していた。あのカスタムグレイズの動きといい、MSの操縦センスといい、やはり俺が知っているあの男に違いない。

 

 

「奴は……何故この世界にいるんだ?奴は一体どうして……」

 

《ジン、元気ナイ!元気ナイ!》

 

 

その時にハロは俺が元気がない様に見えたのか励まそうとした。なんかハロを見ていると少し癒される感じがあるな。

 

 

「……フッ。心配するなよハロ、俺は大丈夫だ」

 

 

そうハロに言い聞かせ、俺は再び整備を続行した。

 

 

 

ソレスタルビーイングと鉄華団、タービンズは無事にテイワズの本拠地でもある“歳星”に到着した。その本拠地である歳星は、後部に小惑星を利用した工場区画を、中央に都市区画をもつ巨大な船だ。そこにたどり着いたオルガたちとクーデリアはテイワズの長、“マクマード・バリストン”と面会を果たす。因みに俺は戦力の補充を兼ねてアストレアで一旦ガーベラから離れ、俺たちの本拠地でもある小惑星基地に向かっていた。無論、名瀬さんやマクマードさんから許可をいただいたと同時に多目的輸送機の“クタン参型”を借りている。今はオリバーがリーダー(ジン)の代理として待機している。

 

 

「何かオリバーに任せっぱなしの様な気がするんだよな……。後で休暇のことも考えておかなければな……」

 

 

そう思いつつも自分の小惑星基地に帰還し、そこでGシステムを使って本来なら製造するつもりもなかったオリジナルの太陽炉の生産しようとしたが、そこで問題が発生した。オリジナルの太陽炉の生産数に限りがあったのだ。システムの表示にはこう書かれていた。

 

 

 

【GNドライヴ 4/5】

 

 

 

GNドライヴがこの世界に5個だけという謎の縛りと後一個しか生産できないということであった。

 

 

「GNドライヴがもう4個この世界に存在する?レオン達のサダルスードやプルトーネならまだ分かる。…だけど、後のもう一個は一体何処に?……まぁ考えても仕方ない。残り一個も生産しよう」

 

 

そうして俺は火星支部のギャラルホルンやタービンズ、そしてイレギュラーのサーシェス率いるヒューマンデブリ達の戦闘で得たデータをキャピタルに変換し、その稼いだキャピタルで残り一個のGNドライヴを生産し、さらには二機のガンダムを生産する。一つは“ガンダムデュナメス”。そしてもう一つは俺の予備機としての機体、“ガンダムラジエル”である。

 

生産を終えた後に俺はその二機のガンダムには粒子貯蔵タンクを取り付けることにした。これにより、貯めたGN粒子を放出することで活動時間は限られるが動かせる様になった。早速俺はアストレアの太陽炉から生成されるGN粒子を二機のガンダムの粒子貯蔵タンクに粒子を補充する。その時にオリバーから通信が入り、マクマードが鉄華団やソレスタルビーイングをそれなりに気に入ったようで、名瀬とオルガが義兄弟の杯を交わすのを認め、さらにはバルバトスを無償で整備するよう手配してくれた様だ。その結果、鉄華団はしばらくの間は歳星で一時の休息を取ることにした様だ。

 

その間を利用して俺は二年前に皆には内緒で極秘に作ったソレスタルビーイングのサポート組織“フェレシュテ”が所有するファクトリー艦“エウクレイデス”へデュナメスとラジエルを積み込んだ後にクタン参型も積み込み、エウクレイデスの食料を確保するため一度ドルトコロニーの商業エリアがあるドルト3で食料を買う為にエウクレイデスでドルト3に進路を取り、向かうことにした。

 

 

ジンSide out

 

 

 

自分ことアイン・ダルトンは火星での戦闘で自分が不甲斐ないばかりに上官を続けざまに失った。このまま火星での勤務には戻れない。自分も追撃部隊の一員に加えていただきたいとマクギリス特務三佐に申請をした。その結果、自分はボードウィン特務三佐直属の追撃部隊に転属した。自分……いや、俺はあの少年達を撃てればそれでいい。マクギリス特務三佐はその機会をくださったのだ。

 

クランク二尉……ここまで自分達のこと考えてくれた人を情け容赦もなく殺すなんて。……罪のない子供を殺せなくても……

 

 

 

()()()()()()なら手に掛けてもいいですよね?……クランク二尉。

 

 

 

だが……突如と現れ、未知の粒子を放出する未確認MSは一体何だったんだ?あの未確認MSは特務三佐曰く、二年前に出現した機体とのそうだ。その未確認MSのコードネームは“エンジェル”。天使の様なMSに因んでのことだ。確かにあのMSはより人型の形を追求しているかまるで人間の様な姿と言ってもいいぐらいにシャープなフォルムをしていた。そしてもう一つ分かった事はあのエンジェルは火星で交戦したツノ付き……基、ガンダム・フレームと似たタイプのMSであることが判明した。何故エンジェルがあの少年達に味方するのは不明だが……クランク二尉の仇であるあの少年達を守るというのなら、俺はエンジェルが相手だろうと落とす!

 

その後、ボードウィン特務三佐等は地球で火星での出来事の報告をしに地球に向かっていた。その時の俺は地球を見るのは初めてであった。地球は……火星とは違って青く、綺麗な星であった。そんな俺にボードウィン特務三佐からある命令を受けた。それは俺に気遣ってくれているのか心のケアを兼ね備えてドルトコロニーのドルト3で三日間の休暇を取る様にと告げられた。俺はその心配はないと告げたのだが、特務三佐に身体が無事でも上官を失った心の傷が癒えてないだろうと言われた。心が完全に癒えきってなくては作戦に支障がでると思い、仕方なく俺はドルト3で一時的な休暇を取ることにした。……そこで出会う少年が、後の俺の運命を変える切っ掛けになることを今の俺には知る由もなかった。

 

 

アインSide out

 

 

 

ドルト3に到着し、商業エリアで食料と一部の生活必需品を買い終えた俺は余った時間を使い、色々と見て回ってみた。

 

 

「ここは平和でいいな。…だが、ドルト2の工業エリアの住人の不満が充満している。これじゃあテロリストにとって恰好のいいカモだ。彼等を利用してのテロの可能性も考えられるな」

 

 

そう考えながらも俺はこの場を離れようとした時に人とぶつかった。俺はそのぶつかった人物に謝罪をしようとした。

 

 

「とっ…すいません………っ!」

 

「あっいえ、こちらこそ…」

 

 

そのぶつかった人物はどういうことかそこに私服姿のアイン・ダルトンがいたのだ。もはや原作崩壊である……いや、それ以前に俺という異物が存在する時点で既に崩壊しているんだがな……。そんなことを思いながら俺は取り敢えずこちらから話しかけてみた。

 

 

「アンタは…何かしらの休暇でこのドルトに?」

 

「あ…はい、私は上官の命令で休暇を取る様にと言われまして…」

 

「上官?その身体つきといい、上官というと……ギャラルホルンの?」

 

「えぇ、そういうことになります。……こちらからも聞きますが、貴方は傭兵か何かですか?」

 

「まぁ……似たようなものだけど大体合っているよ。……自分で言うのも何だが、元はヒューマンデブリ……ぽい何かだけどな」

 

 

それを聞いたアインは予想外だったのか驚いた表情をしていた。まぁヒューマンデブリ=阿頼耶識か宇宙ネズミと異名があるからな。アインはおそらくその二つの内である後者の方に反応して驚いたのであろう。

 

 

「ヒューマンデブリっぽい……?それはつまり、阿頼耶識を?」

 

「あぁ。……まぁ俺の場合は自分の意思とは関係なく知らぬ間に手術されたと言う方が正しいか」

 

「自分の意思とは関係なく……」

 

 

するとアインが何やら一瞬悩み込んだ様だ。無理もないな、何せ誰かは知らないが俺がこの世界に来た時には既に背中には阿頼耶識が埋め込まれていたのだ。アインの性格上義理堅く一途だが、若さから来る真面目さと正義感の強さを持ち合わせており、非戦闘員への攻撃などに対して抵抗を持つ一方(ただし、自身が悪と判断すればその限りではない)で、その一途さや若さ故に広い視野で物事を見る事を苦手とするからな……。

 

 

「……すいません、あまりにも無神経なことを……」

 

「何、気にするな。そういうことには慣れている。……その代わり一ついいか?」

 

「あっハイ、何でしょう?」

 

「何……簡単な質問だ。もしもここドルトコロニーの住民を例えた話だ。ここの住人は何の違和感もなく平和に暮らしている。…だが、ドルト2の工業エリアの住人はあまりにも過酷な重労働に強いられている。ここで俺が言う質問だ。工業エリアの住人はこの過酷な重労働に対して訴え、少しでも労働改善を願いながらもデモを起こす労働者達。それに対してギャラルホルンはその労働者達の訴えを聞かず、その者等をデモとしてギャラルホルンの名に於いて鎮圧する。もしもアンタは何方に支持をする?」

 

 

この質問はグラハムが刹那と初めてあった時に刹那に問いかけた言葉である。それを俺なりにアレンジしてみたものだが、この問いにアインはどう答えるか……。

 

 

「……私は、ギャラルホルンの方を支持します」

 

「ほう……それは何故だ?」

 

「…確かにやり方としては私でも嫌なものですが、それが軍人として仕方ないことだと私は思います。第一にその労働者達だって幾ら重労働に対して訴えると言ってもデモを起こしては……」

 

 

どうやらアインはギャラルホルンの軍人としての目線で見てその様な答えを出したようだ。…まぁ正しい答えなんてありはしないのだがな。

 

 

「そうか……それがお前の答えか」

 

「あの……質問を返すようでありますが、あなたの場合は一体どちらを支持をするのですか?」

 

「俺か?……俺の場合はどちらも支持はしないな」

 

「……それは何故ですか?」

 

「どちらにも“正しい”と思っているからだ。俺個人的には双方とも対話をしなければ分かり合えないと思う」

 

「対話……ですか」

 

 

アインは対話という言葉に重みを感じているようだ。彼の上官であるクランク・ゼントが罪なき子供を殺めることは出来ないのに対してアインは罪のある子供……基、彼ら鉄華団を討てればいいという復讐心があった。だが、それではクランクの遺志を踏み躙ることになる。

 

 

「あぁ……人は生きようと頑張っている。だが、人によってはすれ違うことがある。それぞれになまじ知性があるから些細なことを誤解する。それが嘘となり、人を区別し…分かりあえなくなる。……何か説教臭くなったな。まぁ、答えは人それぞれだってことだ」

 

「生きようと……人それぞれ……ですか?」

 

「あぁ。アンタならその答えの意味を知る日が近いうちに来るかもしれないな」

 

 

そうしてアインとある程度会話し、俺は本来の目的の為に此処でアインと別れてファクトリー艦のエウクレイデスで仲間たちと合流する準備の為に小惑星基地へと進路を取るのであった。

 

 

仁Side out

 

 

 

仁がドルトコロニーから小惑星基地に向かっているその頃……

 

 

 

僕ことリボンズは現在本拠地から一旦離れ、人間社会に紛れ込んで情報を収集をしていた。僕の今現在の立場はギャラルホルンの地球本部である“ヴィーンゴールヴ”でセブンスターズの一家門ファリド家の当主でもありギャラルホルンの地球本部ヴィーンゴールヴ司令官“イズナリオ・ファリド”の専属の執事(バトラー)として活動していた。彼の執事として行動しながらもギャラルホルンの情報やデータを全て僕の本拠地に保存している。そんなある日、イズナリオからあることを頼まれる。

 

 

「リボンズ……君に改めて頼みたいことがある」

 

「改めて…とは、何でございましょうか?」

 

「何……ボードウィン卿と縁談で近々マクギリスとボードウィン卿の娘の婚約パーティーがあるのだが、君にはそのパーティーで少し羽を伸ばすといい」

 

「マクギリス様にアルミリア様の婚約パーティーですか。……しかし、僕なんかが向かったとしても場違いのはずでは?」

 

「気にすることはない。そのことは私からボードウィン卿に伝える。それと……」

 

 

するとイズナリオが僕の前で手を差し伸べた。恐らくは握手を意味しているのだろう。

 

 

「君が執事として私を支えてくれるどころか君は出来る範囲で私が望むものを与えてくれる。まるで天使の様だ。とても感謝している」

 

「いえ……僕はイズナリオ様に拾ってもらった恩義を返したい所存で自分がやっていることです」

 

「それでもだ。君には期待しているぞ、リボンズ」

 

「はい、イズナリオ様」

 

 

そうして僕はあえてイズナリオという器量の小さい男と偽りの握手を交わした。嘗てのアレハンドロ・コーナーと同じ僕の手の中で踊っていることに気づかないまま……

 

 

リボンズSide out

 

 

 

ドルトコロニーから小惑星基地に帰ってからある程度の日数が過ぎた。その数日間の間に俺は新たに生産したGNアーマーの前身でもある“GNセファー”と前の戦闘でレオンに貸したNGNカービンを再設計し直して戦場での再装填(リロード)が可能となった“NGNカービンMk-Ⅱ”を大量に生産してエウクレイデスに積み込んだ。外見からしてガンダムUCに出てくる“ユニコーンガンダム”のビーム・マグナムのEカートリッジを参考にしており、薬莢を排出しない専用ケースレス弾を使用している。

 

ある程度の荷物の積み込みが完了した時にガーベラにいるオリバーから通信が入り、鉄華団と共に輸送業務にてタービンズが良く使用するルートそれに便乗させてもらう形で出航したとのことだった。俺はすぐに準備を整えて基地にいる一部のハロ二体を連れてエウクレイデスで出航して仲間たちの方へ合流しに向かった。

 

 

 

出航してから数時間が経ち、俺はエウクレイデス内にあるデュナメスに乗り込んでいた。何故アストレアではないのかは理由が二つある。一つはアストレアが万が一使えない時に代わりの機体で慣れておく必要がある為だ。そしてもう一つの理由は俺の直感なのだが、何か嫌な予感がした為に長距離狙撃型のデュナメスで出ることにしたのだ。

 

 

「まぁ……最も当たって欲しくもない予感だけどな」

 

《認めたくな〜い!認めたくな〜い!》

 

 

俺のぼやきに連呼するのはピンク色のハロこと“ピンクハロ”、又は“大阪弁ハロ”である。

 

 

「…ぼやいたところで変わらないか。……記憶が正しければもしかしたらブルワーズと接触する可能性もあるな。ま…やるだけやるまでだ。赤ハロ、エウクレイデスのこと任せるぞ」

 

《Fight!Fight!》

 

 

赤ハロは俺にファイトと言いながらも俺はデュナメスに乗り込み、NGNカービンとGNフルシールドを装備してそのまま出撃し、イサリビやガーベラに向かうのであった。

 

 

仁Side out

 

 

 

俺こと昭弘はグレイズ改でMWに乗ったタカキと共に哨戒に出たのは良いが問題が発生した。事前にタービンズから宇宙海賊の武闘派の存在を聞かされていたが、まさか本当に遭遇するとは思わなかった。現に俺たちはその宇宙海賊が保有するMSマン・ロディと交戦していた。

 

 

「く…くそっ!」

 

 

しかし、阿頼耶識が搭載されていないグレイズ改と搭載されているマン・ロディでは、反応速度が段違いだ。それにタカキを守りながら戦っている分、完全にこっちが不利だ。マン・ロディ達の集中放火でナノラミネートアーマーが持たなくなって来た。すると一体のマン・ロディがハンマーチョッパーを取り出して俺に向けて振るおうとしていた。

 

 

「やられるっ!?……っ!」

 

 

絶体絶命と思ったその時、そのマン・ロディのハンマーチョッパーを持っていた左腕が急に吹っ飛んだ。恐らくは狙撃されたものだと思った。

 

 

「何だ?どこから……!」

 

 

狙撃した所をセンサーで確認してみると、そこには全身を覆う盾の様な物を纏い、そして専用の狙撃銃を持った見たことのないMSが存在していた。そしてなにより、そのMSから今はいないソレスタルビーイングのリーダー“ジン・工藤”が乗っていたMSアストレアと同じ粒子を放出していた。

 

 

「あの機体は……『生きてるか?昭弘』!…その声、まさかジンか?」

 

『説明は後だ。今は先に離脱しろ!俺が援護する!』

 

「…すまねえ!行くぞタカキ!」

 

『は…はいっ!』

 

 

俺は今の内にタカキを連れて船の方に戻った。あいつなら大丈夫だ。なぜそう思えたかは分からねえが、今の俺にはそれしか言えねえ。

 

 

昭弘Side out

 

 

 

俺が思ってた通りに昭弘達は案の定武闘派の宇宙海賊ブルワーズに襲われていた。それをセンサーで捕捉した俺はピンクハロに操縦を任せて専用のライフル型コントローラーで昭弘のグレイズ改に向けてハンマーチョッパーを振るわんとするマン・ロディの左腕をNGNカービンMk-Ⅱで狙撃する。そして昭弘に逃げるように伝えた後に他のマン・ロディ達が昭弘達を追わないようNGNカービンMk-Ⅱで妨害した。昭弘達が離脱した後に他のマン・ロディ達が俺に敵意を向けた。

 

 

「おーおー、怒っているな完全に……」

 

《でやんでい!でやんでい!修正してやる〜!》

 

「落ち着けよハロ、まだ始まったばかりだ。こっから先は通行止め兼ガンダムデュナメスの初陣だ!……何だアレ?」

 

 

そう意気込んだ矢先に左腕を失ったマン・ロディの頭上から一体のMSが降りてきて、そのままマン・ロディのコックピット部分に何かを突き刺してそのパイロットの命を絶たせた。そのマン・ロディに突き刺したMSの正体は鉄華団のガンダム・フレームであるガンダム・バルバトスが太刀でマン・ロディを突き刺していたのだ。……このタイミングで出てくるとは流石の俺でも予想はできなかった。

 

 

 






サーシェス率いる傭兵部隊を退けたジン達。ジンは戦力補充の為にガンダム二機を生産し、仲間達の下へ向かう最中、鉄華団にある海賊が襲いかかる。


次回、『ブルワーズ』


海賊が求むのは金か?命か?
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