数分思考をめぐらせ、手鏡で身だしなみを確認してから筐体からでてきたクーミ。
出てくるのを待っていたタタミと、彼の友人達。
男友達の方は、昨日オペレートしていたイケメンと、ある意味目立つ大仏ヘッド。
あそこにショタが加わると、すごい絵面の男三人衆。
が、それより気になったのは、タタミの傍に寄り添う、年上っぽい女の子。
自分とは違う方向性の、見まごう事なき美少女の姿にショックを受けた。
当然だ、これほどの男子、周りの女が放って置くはずが無い。
・・・などと最初こそショックを受けていたのだが。
どうやらあの黒髪女、
タタミの彼女というわけではないようだと、女のカンが知らせ。
一喜一憂を見せたクーミは、タタミの通う中学校の名前を聞き、去っていった。
その数日後の、学校でのHR。
「あ~、突然だが、今日からこのクラスに転校生だ」
担任の言葉に、ざわつくクラス。
それもそうだろう、学期の開始でもないのに中途半端すぎる時期だ。
男か? 女か? などと憶測の飛び交う教室。
担任に促されて入室してきたのは女子
クラスがシーンと静まりかえる、一部の者はテレビで見覚えのある美少女。
「タカイ・クミです。
仕事の関係で、急遽この学校に来ました。
テレビの収録で時々休むと思うけど、みんな、よろしくね♪」
うおぉぉぉぉぉぉぉ!! 巻き起こる野郎共の轟音。
最近のお茶の間にちらほら顔を出す人気アイドルの登場だ。
そんな教室の、約3名の反応はというと。
「・・・ソコまでしてみせるか」
理由は”ソレ”だけではないだろうが、
そこまでしてみせるアイドルの行動力に、
なにか敗北感を感じるガク。
「こーりゃ、騒がしくなりそうだな」
いままで周りに居なかったタイプの友人の登場に、
どこか楽しそうなコウタ。
そして、まず間違いなく転校目的であろうタタミは。
「すっごい偶然だなぁ」
などとノンキなモノである。
HRが終わり、担任が居なくなるや否や、
クミへと集まっていくクラスメイト達。
が、当のクミは後で、と彼らをあしらい、
まっすぐタタミの下へ。
「ハァイ♪ 今日からよろしくね、タタミ」
「うん、よろしくね、クーミさん」
「クミでいいよ、今のあたしは、アイドルじゃないんだから」
アイドルの目的が明確になり、またも大騒ぎのクラスメイト。
「えっ!? あの娘もキドウ君狙い!?」
「キドウ君って、ホント見境ないよね」
「オ、オレのタタミたんに、また女が、キィッ!」
突然のアイドル来訪+タタミ狙いとなれば、
周囲が興味を持つゴシップとなる。
次のネタはもうそろそろやってくるはず。
「なんだかすごい騒ぎですね。
タ~タ~ミ~さん!
新刊買ってきまし・・・た・・・」
昨日発売の雑誌を抱えてやってきたユリカは、
なれなれしく彼に寄り添う、制服姿のアイドルを視認。
2人の間に、バチリとビームが爆ぜる。
「・・・”どうして””アナタが””ここに”いらっしゃるのですか?」
「ふふん、お察しの通りよ、ああ、”イッコウエ”だったんだ~」
ああ、やっぱり。周りのそんな反応をよそにタタミは。
「お仕事の関係で、この学校に転校してきたんだって。
僕達、クミさんと同じクラスなんだよ」
少しぐらい動じろよといいたくなるガクとコウタはさておき。
タタミを挟んで、タイプの違う美少女二人の固い笑顔。
「・・・これから、よろしくお願いしますね」
「・・・そうね、嫌でも付き合いできそうだし」
「うふふふふ」
「あはははは」
ガンプラ仲間とライバルを同時に得た二人。
なんだろうと、首を傾げる火中の天然ボーイ。
これは大変な事になりそうだ。
ガクとコウタは顔を見合わせ、
友人が無意識に招いたトラブルに、ため息交じりに肩を竦めた。