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になりました!
これもひとえに皆さまの応援のお陰です
ありがとうございます。
時逸家での話です。
鬱描写がありますのでご注意下さい。
そこは山奥の家。
その家の名は時逸家と言った。
ある年の春頃に、産屋敷 あまねが訪ねて来ていた。
時逸家の方達皆は、最初その方を白樺の木の精だと思ったが、話を聞くと、
日本各地で鬼が暴れていて、多くの人々を喰らい、人々の生活を脅かしているということ。
それを阻止する為に、我ら鬼を滅する鬼殺隊がいること。
自分達は、剣士の子孫であり、更に一番最初の「始まりの呼吸」を生み出し使う凄い剣士だと言うことを伝えられた。
それを見込んで、我ら鬼殺隊に助力して欲しいと言われたが、
「ふざけるな!」
と言う有一郎の一言の後に、罵声を浴びせかけ、父の静一郎と母のお菊に止められたが、その後に静一郎の
「申し訳ありませんが、丁重にお断りします。」の言葉により、その後にあまねは、帰った。
ーーーーー
「父さん!僕達が剣士の子孫で、しかも一番最初の呼吸ていうのを使う凄い人の子孫なのは本当なの?!」
無一郎が興奮して静一郎に言うと
「あの人の言葉には嘘偽りは無かった。まず間違いないだろう。」
と静一郎は認めたが、有一郎は、興味無さげに料理の支度をするお菊の手伝いで野菜を切りながら
「そんなことはいいから米を研げよ。」
その後にも無一郎は、
「ねぇ父さん。なんであの話を断ったの?剣士になろうよ父さん!
鬼に苦しめられている人達を助けてあげようよ。僕達家族ならきっと………」
途端に 、ドン!! ドン!!ドン!!
まな板の上の野菜ごと包丁を思いっきりぶっ叩いた。
そこへお菊が、有一郎を諌めるように
「有一郎!」
それでも御構い無しに有一郎は無一郎に
「お前に何が出来るって言うんだよ!」
更に怒鳴った。
「米も一人で炊けないような奴が、剣士になる?
人を助ける?
馬鹿も休み休み言えよ!本当にお前は無能の無だな無一郎!!」
「有一郎!やめなさい!」
静一郎が止めるが、それでも有一郎は、
「楽観的すぎるんだよ!どういう頭してるんだ!
父さんも母さんもだよ!!
なんで……父さんは、前に助けてくれた和星さんから体調が良くないって言われた時も、なんで体を壊してまでそんなに働くんだよ!
母さんもあんなに止めたのに…!!
休んでって何度も言ったじゃないか!!
風邪をひいてもそれでも働くなんて………!!
しかも前から、挙句に肺炎にまでなりかかって……………!!」
そう言う有一郎の瞳からは、涙が出ていた………それを聞いた静一郎とお菊と無一郎からも………
「俺がどんなに怖かったのか?分かる?!!
家族がいなくなってしまう………そんなのは、嫌だ!!!
いいか無一郎!!!
人を助けるなんてことはな、選ばれた人間にしか出来ないんだ!
先祖が剣士だったからってそんな今まで杣人の生活をやってきた俺達に何が出来る!
結局はあの女に利用されるだけだ!!
何か企んでるに決まって「有一郎!」はっ!」
途端に静一郎からの怒鳴り声が有一郎の声を遮った。
そして、静一郎は涙を流しながら、
「すまない…有一郎。お前達だけでも、楽な生活を送って欲しかったんだ………でも…それが返って…お前達を悲しませてしまった。
すまない!」
と言うと静一郎は頭を下げた。
それを見た有一郎と無一郎は慌てて
「父さん!もういいんだよ!一緒に生きて側に居てくれるだけでも……」
「僕も一緒だから…」
そして、お菊も静かに家族みんなで泣きながら抱きしめた。
その光景を外から見ていたあまねは、頭を下げて静かに立ち去った……………
ーーーーー
そして、この事を産屋敷に報告すると、悲しそうに微笑み
「……………焦り過ぎたね。私も………あまね。」
「はい」
「次に会う時は、「勧誘」ではなく、「謝罪」として品物とまとまった額の金を渡してそのままこの話はなかったことににさせて頂きます。申し訳ありません。と言って来てくれるかい?
人手は他で探そう。」
そう言うとあまねは、少しホッとしたように
「はい」
と言った。
そして産屋敷は、
「それに前に和星が提案してくれた、「自分の屋敷を隊士達用の学校にしてそこで教育、鍛錬して隊士達の質の向上を目指すという案件もあるからね。それなら、人手の問題も解決出来るかもしれない。」
その後にあまねが再度向かい、時逸家にこの話はなかったことにさせて頂きます。という言葉と共に、一緒に連れて来た、柱の者から少しばかりの金と食料を渡された。
そのまま、あまね達は帰って行った。
ーーーーー
その後には時逸家では平穏な日々が続いた………
そうして夏になった。
その年の夏は暑く、夜になっても蝉が鳴いていた。
それで少しでも換気をする為に戸を開けて家族みんなで寝ていたある日。
鬼が入って来た!
その音に気づいた静一郎とお菊は、子供を守ろうとして、静一郎は斧を振りかざし、お菊は有一郎と無一郎を庇ったが、鬼の力は強く、立ちはだかった静一郎を爪で切り裂いて倒れて鬼の魔の手がお菊達三人に迫り、庇ったお菊の背中を切り裂いた。
それを見た有一郎と無一郎はお菊を抱き抱えながら
「「父さん!母さん!」」
と泣き叫ぶと鬼は嘲笑い
「うるせぇうるせぇ、騒ぐなガキ共。
どうせお前らみたいな貧乏な木こり共はなんの役にも立たねぇだろ?
いてもいなくても変わらないようなつまらなぇ命なんだからよ。それを俺が食ってやるんだ、感謝しろ。」
それを聞いた有一郎と無一郎の目の前が真っ赤になっていき………
???「
という叫び声と轟音を聞いた鬼は焦り咄嗟に飛び退いた。
そして、そこには、お菊と有一郎と無一郎の前に彼らを守る様に立っていたのは、
その姿を見た有一郎は見覚えのある姿を認識して
「林……さん………なんで…ここに………」
「近くに寄ったものでね。」
和星は短く返したが、実際は
(危なかった。前世で得た知識を思い出して、時逸家の皆が鬼に襲われることはわかっていたが、いつなのかが分からなかった。
だからこそ遅れてしまった!
そのせいで静一郎さんとお菊さんが………でもまだ生きている!怪我は後で治すとして………まずは、目の前の鬼の頸を斬る!」
和星が睨んでいると鬼は、不愉快そうに
「畜生!なんでこんなところに鬼狩りが!」
と言いながら再度和星に襲い掛かったが、すぐに和星の
雷の呼吸 肆ノ型 遠雷
遠間から強烈な踏み込みによる素早い速さで頸を横一文字に斬り捨てられた。
「ぎゃああー!そんなバカな俺がこんなことでーー!」
という断末魔と共に灰となって消えていった。
そして、鬼を倒した和星は日輪刀を鞘に収め、すぐに静一郎とお菊の手当てを行なった。
突然のことで驚いた有一郎と無一郎も父と母が血まみれになっていて、ひとまず疑問は言わずに、そのまま和星を手伝った。
ーーーーー
そして、静一郎とお菊の手当てが済んで容体も安定した頃に改めて和星は自分が鬼を滅する組織、鬼殺隊の一員でありその最高位の柱の一人の鳴柱だと名乗った。
それを聞いた静一郎は複雑な顔をしていた。
「一つ聞きたい、君は私達が先祖が始まりの呼吸の剣士」の子孫だから助けたのかい?」
と聞くと、和星は真剣な面持ちで
「確かにそれは知っていましたが、そんなことより私は、命を救って下さった貴方達に恩返ししようと思い、薬草を集め、薬を渡しただけです。
それに目の前で困っている人達は助けたいと思ったからです。」
と和星が答えると静一郎はホッとしたような面持ちから
「そうか…安心したよ。疑ってすまない。そして………」
深々と頭を下げて
「この度は家族共々命を救って下さりありがとうございます。」
それを見てお菊と有一郎と無一郎も一緒に頭を下げた。
それを見て和星は慌てて
「よ、止して下さい!私は当たり前のことをしただけですので………」
「いいや、私にとっては家族は一番大切な宝物だ。それを守ってくれた恩人にはこれくらいしても足りないくらいだ!ただ………」
そして、頭を上げた静一郎は言いにくそうに
「
突然の言葉に和星は唖然とした。
「私達家族はこれまで通り杣人として暮らしていこうと思う。無論、有一郎と無一郎を鬼殺隊に入れるつもりはないし、鬼という化け物にも関わりたくないのだから………」
それを聞いた無一郎は何かを言おうと前に出たが、有一郎に止められた。
それを聞いた和星も静一郎の思いを汲んで
「分かりました。」
悲しげに微笑みその提案を受け入れた。
「ですが、何かあればすぐに呼んでください。私と貴方達とはもう友達ですので………」
和星がそう言うと静一郎は面食らいながらも頷いた。
「本当にありがとうございます。
そして、命の恩人に対して申し訳ありません。」
という言葉共に静一郎と和星との話は終わった。
その後に何日か家に泊まり、そのまま和星は時逸家から出た。
ーーーーー
時逸家の事件から三カ月程が経ち、和星の発案による隊士の質の向上を目指した教育及び訓練も軌道に乗った。
そして今和星は数人の隊士達と共に村近辺に潜伏していた鬼を退治していた。
「ふうーー、川内くん、矢田くん、千田くんもいい動きになったね!」
と隊士達みんなを労う和星の言葉を聞いて
「ありがとうございます。」「やったな!」「嬉しいです!」
三人共に喜んだ。
「よし!お祝いとしてそこの茶屋で好きなものを奢ってあげよう!」
そしてその日は、茶屋で昼食をとりそのまま藤の花の家に泊まった。
そして、寝床についた和星は、このまま帰路につくと、丁度時逸家の家のある山とその山の麓にある村に行くことを確認すると、
「あの約束からまだ、三カ月か………静一郎さん達は元気にしてるだろうか?………今側にいるこの子達も俺の教えを受けて、鍛錬にも励んで今では多少強い異能の鬼に苦も無く倒せるようになって来たな………」
感慨深く思いながらも眠りについた。
ーーーーー
そして、そのまま帰路について、夜になって、近くの村に泊めてもらおうとすると、
それを聞いて和星達は急いでそれが聞こえた場所に向かうと
山の麓の村が鬼達に襲われていた!!!
すぐさまに和星達が、その村を襲った鬼達を全員倒したが、その戦闘で隊士の一人が怪我を負ってしまった。
更に助けた村人達によると鬼が一人だけ山の方に入っていったらしい。
胸騒ぎがした和星はまた村が襲われるかもしれないので、和星は隊士達に村を任せて更に鎹鴉の一匹に隠の応援と救助を要請して山の中に入った。
ーーーーー
「くそっ!」
和星は、自分の浅はかさを後悔していた。
時逸家を襲った鬼は倒したが、それは、数多くいる鬼の一人だけだということに………
そして、願った。
(間に合ってくれ!!)
何度もそう念じながらも、時逸家の家に着いた。
半壊して辺りが荒らされていた状態で………
和星は焦りながらも気配を察知して、その奥に行くと不気味で不快な咀嚼音と
「返せ………父さんと……母さん………を返せ……」
「………やめろ………やめ……て…くれ」
という泣き崩れる二人の聞き慣れた声が聞こえる。
そこへ向かうと
そこには……………
''静一郎が作務衣を着用した鬼に喰われている姿''
''すぐ近くに動けない様に体中から血を流して両手両足を泥の様なもので縛りつけられていたお菊''
''有一郎と無一郎が頸から下全部を巨大な土器の形をした泥で覆われていた姿だった''
その時和星の頭の中でブチッと音がした後に
「うおおおーー!」
叫びながらも静一郎を食っている鬼に向かって行くと、すぐに静一郎を離し飛び退いた。
その後に、羽織のポケットにある薬と包帯で可能な限り静一郎の血を止めようとすると、その鬼が襲いかかって来たので応戦した。
その瞬間に衝撃が走った!
そして、お互いに間合いを取ると、急に相手の鬼が興奮したように言い放つ。
「これは僥倖だ!まさか柱と戦えるとはな。
何よりたった今、今までに食って来た希血の中でもより良い希血を食って力が漲るという好機で会うとは、ついてるな!
柱、私と戦え!これで私も認められる!」
見るとそこには、作務衣を着用し、顔の上半分に血管のような模様が浮かんだ顎髭の鬼で左目に文字が入っていた。
「
瞬間に和星は理解したが、頭の中では怒りでいっぱいだったが、冷静になろうと呼吸を深く吸って宣言した。
「許さない!!この俺、鳴柱の林 和星がお前の頸を斬る!!」
というと下弦の弐も構えて
「やってみろ!!鳴柱の和星とやら!この下弦の弐の
今ここに柱対十二鬼月の下弦の鬼との戦いが始まった。
ここまで最後までお読みくださりありがとうございます。
時逸家を襲った鬼を倒して平穏な日々に。だが、その為にこんなことに………
そして、遂に下弦の弐の轆轤が登場です。
次回、死闘開幕。