因みにこの話には、行冥が引き取り育てていた寺の子供の一人が獪岳であるという捏造設定とありましたが、単行本の17巻から、それこそが事実であり真実の情報だと明記しておりました。
それを元に改稿・再構成しております。
手前勝手なのは重々承知ですが、鬼滅の刃が大好きですので、改稿することをお許し下さい。
私の名は
悲鳴嶼行冥、彼こそが私にとって、いや私たちにとって父のような存在だ。この時代において珍しい高身長、そして肉付きはよいとは言えないがしっかりした体。特質する点は彼は目が見えていないという点だ。
彼は身寄りのない子供を自分の寺で引き取って育てていた。
行冥は目が見えなかった。
それでも、心から子供たちを理解しようとして、どんな相談にも乗って、みんなに分け隔て無く接していた。
そうする姿を見た子供達は行冥を信頼していた。だからこそ、みんな血は繋がっていなかったが互いを助け合い、行冥が父、そしてほかの引き取られた子供たちが兄弟姉妹として。本物の家族のように暮らしていた。
この寺のでの必ずやらなくてはいけない唯一のことはこの寺の周りに藤の花の香が焚くことだった。ある日疑問に思った子供の一人は行冥に聞いてみたのだ。
「なんでいつもお香なんて焚くの?」
行冥はいつになく神妙な表情とともに返事をした。
「ちゃんと理由があるのだ、皆も聞きなさい。」
そうして行冥が話してくれた内容は、ある昔ばなしだった。
ーーーーー
昔々、人を食ってしまう鬼がいました。
それは村の人が多くの人がいなくなってしまうほど、鬼に食べられてしまいました。
それを見た村の人達は、その村から逃げましたが、鬼はどこまでも追いかけて来ました。
そして、鬼に追い詰められて、もう駄目かと思った村の人達の前には颯爽と鬼の前に立ちはだかる高名な剣士様が村の人々のために助けてくださいました。
剣士様は、不思議と光る刀と、藤の花で鬼を退治しました。
そんな不思議な話だった。
村の人が食べられてしまう話の下りで、泣きそうになってしまった私と姉の笹根は、山仕事で凸凹になってしまった行冥の手が私をなでてくれた。
「その村がこの辺りにあったらしい。そして、いつしか鬼が来ないようにこの藤の花のお香を焚くのが、風習となったのだ言われている。」
藤の花のお香を焚くのにはちゃんと理由があったのか。そう思い、先ほど聞かされた昔話を思い出し、ぶるりと体を震わせる。
また頭をなでられる。
「さあ、鬼が来ないうちに部屋に戻ろう。もう晩御飯もできている」
そうして私達は、部屋に戻って眠りについた。
……………
見たことのない建物、自分が見たことのない丈の短い服を着て
その妙な夢をを何回も見た為にその後に行冥に相談すると、
「紗代、君は疲れているのだよ………」
と言う言葉を言われた紗代は自分でもそうじゃないかと思い、そのまま平穏な日々を過ごした。
ーーーーー
その日は月のない夜だった。そんな中でも兄妹達が談笑して行冥はいつも通りお香を焚いていた。
それを見た紗代は、いつにない胸騒ぎを覚えた。
(どうして?何この光景?どこかで覚えが?)
紗代は、そのまま頭を抱えて、行冥に心配されたが、
「何でもないよ、行冥父さん。」
と言い、そのまま、行冥はいまだに金品を盗んで他の兄妹達から責められその結果、この寺から出た少年、獪岳を心配するように、寺の周りに広がる森の方を向く。
「私、獪岳は嫌い!!」
「そんなことは言ってはいけない」
獪岳はとても自己中心的な少年だった。でも、それは行冥父さんに可愛がられているのを見たみんなが羨んでいじめていたせい。
私も小さいながらもそれとなく庇っていた。
ほかの子供たちよりも体が成長しており、力があり、年上という立場からさんざん偉そうに威張り散らしていたせいだ。そのたびに行冥はたしなめていた。
それ故に兄弟達の中でも一番年下の小さい私が狙われるようなことはなかった。
だが、それも寺の金品を盗んだことで私を含めた他の兄妹達から責め立てられ、寺から追い出されたことで終わりを告げた。
最初は、みんなは行冥父さんには、知らせずに獪岳はそのまま寝ていると嘘をつこうとしたが、
「行冥父さんに嘘をつくのは嫌!!」
と私が大声で言ったことで行冥父さんにも知ることになり、事の事実を知りそれに悲しんだ行冥父さんのことを見て獪岳も自分のやったことがどんな悪いことか分かった様で土下座して泣いて詫びた。
それを見たことで行冥の知り合いのお寺の方に修行の為に昼間の内に行冥の紹介状(父は盲目な為に姉の一人が代筆した)と一緒に旅に出された。
あんな男でさえ追い出しながらも、少しの金品と食料を渡して心配している行冥はやはりすごいな、そんなことを考えながら寺の中に入っていった。
その後に、私の胸騒ぎは収まらず、行冥の所に行って
「行冥父さん?」
私の言葉に行冥は心配そうに返事をした。
「何だい?」
もじもじしながら言った。
「何だか怖いの。側に居てもいいかな?」
一瞬キョトンとした行冥は、微笑んで、
「ああ、こちらへ来なさい。」
そのまま晩御飯の支度が済んでみんなで晩御飯を食べていた時、
ドゴォ!
いきなりの大きな音とともに寺の扉が吹き飛んだ。
あまりの出来事に、行冥を含めた子供達みんなは声を上げることすらできなかった。
そして、破壊された扉のあった出入り口のふちに、鋭い爪の生えた手がかけられ、そして、行冥よりもはるかに大きい肉体。赤く見開かれた鋭い目、轟々と燃える炎のように不自然に揺れる髪。そして極めつけは、頭部から生える一対の角頭の異形の化け物が入って来た。
「ひう………」
無意識に声が漏れていた。何かがのどを塞いでしまったようで、いつも通りの呼吸ができない。頭がくらくらすると同時に自分はこの化け物を、鬼だと確信した。
すぐに扉の近くに居た兄弟達四人が真っ先に喉を噛み千切られて死んだ。
あまりのことで私を含めた兄弟達みんなが現実感を持てなかった。
今さっきまで、ここに居て、一緒に晩御飯を食べようとしていた兄弟達が一瞬の内に物言わぬ無惨な姿になったことで私達みんなの頭は混乱していた。
異常を察知した行冥が、私たちの前に立ち、庇うように手を広げた。
漂う血の匂いと喉を噛み千切られて死んだ姿を見て既に手遅れだったことを悟り、血がにじむ程手のひらをを握り締めた。
恐怖心に震えながらも、私はこの光景をどこかで見たことがあった。
初めて対面する『死』という状況
愛する家族の突然の死
全身の血が凍り付いたと錯覚するほどの寒気に襲われた。
「はっ!ガキ共が予想以上にこんなにいるとはな!あの小僧の言う通りだったなぁ!」
「小僧?」
いきなり目の前で家族を殺されたことで呆然としてたが、目の前の鬼が何と言っているのかわからなかった。
「目つきの悪い小僧だよ、お前の所の子供だろう?」
瞬時に理解した。獪岳のことだ。
「こんな夜更けに若い小僧を見つけて、殺して喰ってやろうかと思ったんだがな、顔面涙と鼻水でぐしゃぐしゃにして俺に
『待て、俺は寺から来たんだ!寺にいる大人の男一人と八人の子供の人間がいるんだ!助けてくれ!!』って言ってきたわけだ。」
私達が信じられないと言った表情をすると鬼は畳み掛ける様に
「その証拠に、藤の花のお香が無いだろう?
あの小僧が片付けてくれたからなぁ!俺はこのにおいが大っ嫌いでな、此処には近づくことはしなかったんだ。
………最もこんな寂れた寺に人間がいるとは思えねぇから無理にとは、行かなかったからなぁ。」
「確かにいつもは炊いている藤のお香の香りが無い…………………まさか!?」
そこで私もあることに気が付いてしまった。
見ると行冥が悲しみが溢れ出していたが、私の心から湧き上がるのは''怒り''、''憎悪''
『こんなに楽に入れるとはなぁ。あの小僧のおかげだぜ!ハッハッハッハ、これを笑わずにいられるか人間。金品を盗んだことで追い出され、そんな奴のせいで、今から殺されるってのはどんな気持ちだ?』
よほど面白かったのか、腹を抱える鬼。
その話を聞き目の前の状況が現実であると正しく認識した私達。ついに我慢ができなくなり、恐慌状態に陥った私以外の三人の子供が寺から逃げ出そうと立ち上がり、走り出した。
「笹根、悠二、亮介、沙代、私の後ろに・・・!」
「で、でも、父ちゃん目ぇ見えないじゃん!」
「いやだー!死にたくないよ!」
「窓からにげろー!」
「待ってみんな!!父さんの言うことを聞いて!!」
と叫び、行冥の言いつけと私の必死の制止の声を無視して窓から逃げ出す三人の兄弟達の背後にあの鬼が!
「逃がさねぇよ」
鬼はその一言とともに窓から逃げ出そうとした三人は喉を搔き切られて絶命した。
悲しいことに当然だ。目も見えない、身長の、体の置き差に見合わない細い体。そんな行冥が自分たちを守ることはできないのだと兄弟達は判断したのだ。
その結果、私と行冥以外の家族はみんなこの鬼に殺されてしまった。
「いやああああーーーー!」
私は、まだまだ頭が混乱していて更に家族を失ったことで泣き叫んだ。
そんな私を行冥は、落ち着いた声で
「私の後ろにいなさい、沙代。大丈夫、沙代だけは必ず守ってみせる!!」
彼の背中の後ろに居続けた。
「さて、あとはお前たちだけだな。安心しろよ、すぐにあいつらに合わせてやるからな」
「まて、獪岳は、お前のいう小僧はどうした?」
「あ?俺に飯を提供してくれたからな、すぐには殺さなかったさ。
藤のお香の火を消して始末した後に腹を爪で裂いてやったよ。夜明け前には食うけどな!!最も別に一人いないくらいどうってことないぜ、なんせここにはこんなにも飯があるんだからな」
その一言で、行冥の雰囲気が瞬きの合間に変わった。
それでも私は、悲しみと絶望感に打ちひしがれいた。結局のところ、私も盲目であり頑丈でない体の行冥が本当に私を守ってくれるとは信じ切れていなかったのだ。
ギシ
寺の床がきしむ音がする。
「さぁ、後はお前達だけだなぁ!どう殺してやろうかな」
また一歩、一歩。玄関先にいた鬼はよだれを垂らしながらどんどんと私たちに近づいてくる。
それでも私は、目を瞑らずに行冥父さんの背中に居た。
そして、次の瞬間、
「ヒャッハー!」
と言う叫びと共に鬼が行冥に襲いかかった
その時に行冥は自分の額を爪で横一文字に切られ、血がこぼれ続けているのも気にせず、逆に鬼を一方的に殴り続けていた。
あの細く見えた腕からは想像もできない力で鬼の顔面を殴り続ける。
殴る
殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る
途中まで顔面の傷の再生をしながら、怒り狂い襲いかかろうとした鬼も次第に生傷を増やしながら
「テメェ!殺してやる!!そこのガキと一緒にギイヤアアア」
と叫び始めた。
それでも、行冥は殴るのをやめない。
これをやめれば殺されると直感で感じていたからだ。
行冥の顔を見る。恐怖と憎悪と怒りと言葉にできないどす黒い感情と
「守らなければ!!
せめて紗世だけは!!」
そして次第に鬼の顔は原形をとどめないほど壊れた。しかしまだやめない。
それを見た私は、
「お父さん!!もういい!!もういいの!!」
と言い行冥の背中に抱きつくと行冥は、私の叫びが聞こえたのか、次第に落ち着いて、そのまま自分の目の前の鬼の姿と自分の拳を見て、呆然となってしまった。
「よ……よく…も!やって……くれたな!!」
そこには、先程まで、原形をとどめないほど壊れたはずの鬼が居た。
「このクソ共がーー!」
鬼が怒り狂い襲いかかろうしたが、其処に暗闇がわずかに白く、明るくなる。あれほど長く感じた夜がようやく終わるのだ。
太陽が顔を出し、その光が行冥と鬼を照らす。
「はっ!しまっグワァァァアアアアアアアアア、チクショ!!あ、熱い、篤い暑いアツいィィィィイイイ!!」
どこにそんなに叫ぶ力が残っていたのかと思うほどの雄たけびを上げ、鬼は灰になって消滅した。
私と行冥に残されたのは、どうしようもない虚しさ、絶望感と悲しみだけとなってしまった。
魂が抜けてしまった様な痛々しい行冥の背中に縋り付き、
私は大声で泣いた。
「ごめんなさいお父さん!!お父さんに怖い思いをさせてしまってごめんなさいごめんなさい!!」
そして、不思議そうに見る行冥に私は、
「それでも怖い思いをしたのに私を守ってくれてありがとう!!助けてくれてありがとう!!」
なおも私が泣きじゃくると行冥は、静かに抱きしめて一緒に泣いてくれた。
ーーーーー
その後に寺に駆けつけた人達にそれでも混乱した私は言った。
「あの人は化け物。みんな、みんなあの人が殺した!!
と私が行冥を守る様に叫ぶと、
「しかし、この状況は……………」
「それに子供の言うことだし。」
私の言うことを無視して、行冥を奉行所に連れて行こうとして、私が何度も
「お父さんは私を守ってくれたの!!お願い連れて行かないで!!
みんなを殺してなんかいない、みんなを殺したのは他の人だ」って言ったのに、
駆けつけた人達は悲しそうな顔をして
「父が兄弟を殺して混乱してるんだな」「無理もない、4つくらいの子供だろう」「父を守ろうとしてるんだろうな」「可哀想になぁ」そう言い合って取り合ってくれなかった!!
それでも私が叫ぶと行冥はは落ち着いた姿で
「沙代………私は紗代をきちんと守れたか?怪我はしていないか」
「う?うん大丈夫だよ!」
「そうか、そうか・・・守れたならそれでいい。紗代、どうか私を労ってくれないか。過ぎた願いとは知っているが、もう一度でいい。ありがとうと言って欲しい」
そんな風に痛々しい悲壮感漂う姿を見て私は泣きながらも
「うわああぁぁー!ありがとう!!ありがとう!!行冥父さん守ってくれてありがとう!!だから行かないでお願いお願い!!」
と私が叫ぶと行冥は、どうしても堪えきれず、行冥に捕まりながら泣き出してしまった。女の人が慌てて私を抱き起こそうとするけどそれも振り払って行冥に抱きついた。
その後に行冥が私の手に片手を重ねて、もう一方の手で私の頭を撫でた。ふと行冥の顔を見ると・・・笑っていた。
「ありがとう、ありがとう紗代。私は救われた。君だけでもを守れて良かったと思っている。もういつものように撫でることが出来ないのが心残りだが・・・覚悟は決まった」
「覚悟?覚悟って?!」
「もうどうにもならない状況だ。紗代、私のことは忘れて幸せに暮らしなさい。」
「やだ、やだ、やだよお父さーーーん!」
「………皆さん。紗代は混乱しているようなのでどうかお願いします。」
そのまま呆然となってしまった私を抱え上げた他の人達により連れて行かれた。
最後に見た行冥父さんの姿は泣いていた。
その後に糸が切れた様に意識を無くした。
ーーーーー
そして、今までにない長い睡眠をとって、そうして今までに見た夢は、現実であり、そして自分の
そして、私が前世を思い出したまま朝目覚めた時には、私が何日も意識を無くしたこと知らされ、悲鳴嶼行冥の死刑執行がされたと翌日の朝に風の噂で聞いた。
それでも「前世」での知識を持って確信していた。
「
その後には、紗代は、決意した。
「
紗代は行冥に守られて生き延びた、だが、その為に自分の大切な人が無実の罪で捕まってしまった。
行冥はああ言ったが、それに紗代は、仕方ないと思いたくなかった。
そして、このまま会えないことにも、守られ続けるのも嫌だった。
「
そう言って紗代は立ち上がった。
「そして貴方に会いに行くからね、
そして、家の近くに鬼殺隊の服を着て、その上に羽織を着ている「柱」らしき人を見つけた時にその人に頼み込んで「育手」を紹介してもらい、まだ四歳だと言うので、その柱の人に連れられて、育手に出会い、そのまま弟子入りした。
そうして紗代は、その育手の元で修行した。
ここまで最後までお読みくださりありがとうございます。
単行本と本誌で行冥さんと紗代のことを知り、二人を救済したいと思い、この話を書かせていただきました。
そして、遂に次回からはようやく原作突入開始です!
お楽しみに!